TS転生クウラちゃんは平穏に生きたい   作:WhatSoon

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#26 決着、ピッコロVS悟空

試合は進む。

巨大化したピッコロ大魔王の中から悟空が脱出して、神様を封じ込めていた瓶を取り出した。

そうしてそれを天津飯に受け渡し、天津飯が蓋を抜く事によって……神様が姿を現したのだが。

 

 

「…………」

 

 

ビール片手に肉まんを食う私を見て、怪訝な顔をしていた。

なんだ?

地球の神様とはいえ、文句があるならブン殴るぞ。

 

そう睨むと、神様は何も見なかった事にして舞台へと向き直った。

 

何なんだコイツ。

文句あるならハッキリ言えよ。

 

お前のせいでビールを一回溢してんだからな、こっちはよ。

 

舞台では元通りになったピッコロと孫悟空が戦っている。

足から、かめはめ波を撃つ姿を見て、ちょっと笑いかけたのは内緒だ。

 

神様は孫悟空に加勢しようとしているが、悟空はそれを受け入れない。

彼に取って観客がいなくとも、ピッコロとの戦いは天下一武道会の決勝戦なのだ。

 

 

「降参しろ!もうおめぇに勝ち目はねぇ!」

 

「ほ、ほざけ……っ!許さん……っ!許せんぞ!貴様!」

 

 

そうして試合は進む。

攻撃の応酬……悟空の方が有利に見える。

 

だが──

 

 

「ピッコロ大魔王様の最後の賭け、その身に受けるがいい……!」

 

 

ピッコロが全身に力を込め始めた。

あれは体に残っている気を全て放出して、自分の周囲を爆破する必殺技……所謂、爆発波という奴を狙っているのだ。

 

 

「なっ!?に、逃げろ!逃げろーっ!!みんな今すぐここから離れるんだ!」

 

 

悟空の判断は正しい。

ピッコロの全力の爆発波ならば、この周囲一帯は吹き飛ぶだろう。

天津飯やクリリンはまだしも、ランチやブルマは即死だ。

 

 

「い、いかん!こりゃとんでもない!」

 

 

亀仙人も震えている。

Z戦士でも無事ではすまない。

一般人なら即死確定、とんでもない事態だ。

 

まぁ私は焦ってない。

だってこれ、原作で何とかなった場面でしょ?

大丈夫大丈夫。

 

 

「何やってんだ!はやく逃げてくれ!うんと遠くへ逃げてくれったら!」

 

「ご、悟空さはどうする気だ!?」

 

 

私の横にいたチチがそう問いかければ、悟空は笑みを浮かべた。

 

 

「オラは堪えて見せる!ここで耐えて、試合に勝つ!」

 

 

そんな悟空を相手に神様が舞台へと乗り出した。

 

 

「バカを言うな!いつまで強情をはっているつもりだ!こんなのもの試合などでは──

 

「かあああああああッ!!!」

 

 

瞬間、ばちばちと稲妻が鳴り響いた。

ピッコロの内にある気が飽和して、現実に干渉しているのだ。

 

その様子を見て、悟空が顔を青ざめた。

 

 

「だ、だめだ!もう逃げらんねぇ!みんなが脱出する時間が……!天津飯!」

 

 

悟空の言葉に合わせて天津飯を見た。

あー、そういえばここ、気功砲で地面に穴を空けて避難するシーンだったな。

天津飯の見せ場だよなー、と思っていると──

 

 

「す、すまない……お前との戦いで、俺は既に気を使い果たしている……!」

 

 

え?

 

 

「なっ!?ど、どうすりゃ……!」

 

 

悟空の顔が青ざめている。

 

 

「こ、これで終わり?死んじゃうの……?あ、あはは」

 

 

ブルマもこの世の終わりって顔をしている。

 

え?

これ何とかなる展開じゃないの?

 

ピッコロが爆発して、悟空以外のみんなが死んで終了?

そんな訳なくない?

誰かが解決策を見つけて……解決、するんじゃ?

 

……ないの?

 

ちらと周りを見渡すが、呑気にビールなんて飲んでいるのは私だけだった。

誰も彼もが絶望と諦めに満ちていた。

 

 

「ふ、ふははは……!貴様も死ぬが、周りも死ぬ!安心しろ!寂しくないよう、皆殺しにしてくれる!」

 

 

ピッコロの言葉を耳にして、私は呆然とする。

 

 

「……あー」

 

 

えーっと……誰も解決策ない感じ?

じゃあ……うん、私が何とかするしかないか。

 

 

「んー……みんな、私の後ろに」

 

 

めんどくさいけど。

ビールを飲み干して、紙コップを投げ捨てる。

 

 

「え、クウラちゃ──

 

「いいから、はやく」

 

 

いつピッコロが爆発するか分からない。

私の言葉にランチやブルマ、ウーロン、チチは困ったような顔をしながらも私の背後へ向かった。

天津飯やクリリン、亀仙人と神様は文句一つも言わず、私の背後に移動した。

 

……こっちの奴らは何となく、私が強者だと見破っていたのだろう。

 

うーん、リミッター付けてる筈なんだけどな。

やっぱり地球人の、気の探知ってよく分かんないな。

 

 

「サンキュー!クウラの姉ちゃん!」

 

 

悟空は感謝を口にして、ピッコロへと向き直った。

私のことを信用してくれているのだろう。

 

 

「お、おい!これどーすんだよ!」

 

 

ウーロンが後ろから何か言ってるが、無視して中華まんを一気に口の中に頬張る。

今ここで食べないと両手が空かないからだ。

 

すると、クリリンが声を上げた。

 

 

「ク、クウラさん!何するつもりですか!?手伝えるなら、俺も手伝いますっ!」

 

手伝う必要はないよ(へふはふひふほうははいほ)バリアを張るだけだから(はふはほはふはへんほほ)

 

「わぁーっ!?何言ってるか、さっぱり分からない!?」

 

 

そう言うなら、中華まんを食べ終わるまで話しかけないでくれよ。

ごっくん。

 

 

「……よし」

 

 

エネルギーを体に集める。

力を込めすぎるとリミッターを壊しかねないし、外すか一瞬迷ったが……この程度の状況なら、リミッター越しのエネルギー出力でも問題ないか。

 

 

「な、なんだぁ……?」

 

「す、凄まじい気じゃ……!」

 

 

後ろで亀仙人が何か言っているが、無視する。

今それどころじゃないし。

 

 

「……チッ!」

 

 

ピッコロも何か舌打ちしているが、私は気に留めず、エネルギーを身体にまとう。

その直後──

 

 

「もういい!貴様だけでも消し飛ぶといい!孫悟空ーっ!」

 

 

ピッコロが両手を広げて、貯めていた全力の気を一気に放出した。

四方八方を焼き尽くす熱と、吹っ飛ばす力が、嵐のように放出される。

 

爆ぜる音が鳴り響く。

 

瞬間、私は一歩前に出て両手を広げた。

……万が一にも範囲漏れがあったら嫌だからね?

 

 

「ふんっ」

 

 

私も全身からエネルギーを纏うように放出させて、ピッコロの放った爆発波と相殺する。

 

エネルギーが衝突して、ばちばち!とスパーク音が鳴り響く。

 

 

「わ、わーっ!?」

 

「な、なんとっ!?」

 

 

あ、いや、思ったより楽勝だな、これ。

相殺とか言わずに全然打ち消せるわ。

 

 

「きゃあーっ!?」

 

「うわあ〜っ!?」

 

 

凄まじい光と音に、背後から悲鳴が聞こえる。

でも、大丈夫そうだ。

私のエネルギーフィールドに阻まれて、熱や衝撃は到達しないだろう。

 

そして、一瞬の光の後──

 

私の後ろを除く、辺り一帯が吹き飛んでいた。

天下一武道会の会場も含めて、全てが吹き飛んでいた。

 

 

「……ふう」

 

「す、すげぇ……!?」

 

 

後ろからクリリンの賞賛が聞こえる。

おうおう褒めて良いんだぞ。

ちらと背後を見ると、ブルマやランチ、ウーロンやプーアルは驚愕の顔をしていた。

いや、クリリンや天津飯、亀仙人も、か。

 

そして──

 

 

「ご、悟空……いや、やっぱり!悟空──っ!!」

 

 

クリリンの歓声に、ピッコロは驚愕した。

 

 

「な、なにぃっ!?」

 

 

ピッコロが視線を下げたその先に、孫悟空は立っていた。

道着をボロボロにしながらも、無事だったのだ。

 

 

「へっ……どうだ!オラの、勝ちだ!」

 

「ば、バカな!この俺の、全力の、一撃を……!?」

 

 

ブルマやランチ、亀仙人が歓声を上げる中、最後の戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

まぁ、すぐに終わったんだけど。

 

 

「だりゃあっ!」

 

「ぐ、お、おぉお……っ!?」

 

 

気を使い果たしたピッコロに対して、まだまだ元気たくさんの悟空。

勝負になる訳もなくピッコロはボコボコにされて……最後の反撃となる騙し討ちすらも防がれてしまったのだ。

 

 

『孫選手の勝ちです!天下一武道会の優勝は、孫悟空選手ーっ!!』

 

 

そうしてアナウンサーがしっかりと締め括り、戦いは終わった。

孫悟空がピッコロに勝利し、世界の平和は守られたのだった。

 

その後は神様がピッコロを殺そうとして悟空に止められたり、何やらあった。

 

 

「なぜ、俺を……!」

 

「おめぇが死んだら神様も死んじまうもんな。それにまた……オラはおめぇと戦いてぇからな」

 

「く、ははは!その甘さが命取りだ!次に会った時、それが貴様の命日だ!はーははははっ!」

 

 

仙豆を悟空から食わされて復活したピッコロが逃走し……神様に悟空が次の神様になってくれと頼まれたり、断られたり。

 

結局、悟空は筋斗雲にチチを連れて、その場を離れようとした。

賞金とか貰わなくて良いんだろうか、なんて思いつつ筋斗雲に乗る悟空の背を見ていると──

 

 

「っと、さっきはサンキューな!クウラの姉ちゃん!」

 

「ん?あ、うん。まぁ、これぐらいは手伝った方がいいと思ったから」

 

「よくわかんねーけど、あんま戦いたくなかったんだろ?なのに、助けて貰ったからさ……」

 

「まぁ、あんまり力は使いたくないね。ここには休暇で来てるし」

 

 

私の言葉に、横にいた神様が額に手を当ててため息を吐いていた。

何なんだ、その「傍迷惑な……」って顔は。

迷惑かけた覚えはないぞ、私は。

 

というか、守ってやったのに何だその態度は?

ビールの恨みはまだ続いてるんだぞ。

お?やんのかオラ。

 

 

「ま、とにかくサンキュー!今はまだ勝てそうにねぇけど、次会ったらまた手合わせしてくんねぇかな?」

 

「まー、うん。いいよ。手合わせしたければ、別にしてもいいし」

 

「あんがとな!じゃ、みんな、またな!」

 

 

言いたい事だけ色々と言って、悟空がチチを連れてその場を後にした。

これで次に会うのはいつか。

あんまり集まらないんだっけ?

 

なんて考えていると、そそそと後ろからブルマが近付いてきた。

 

 

「ね、クウラちゃん」

 

「うん?どうかした?」

 

「クウラちゃんって、やっぱり強かったのね……?」

 

「まぁ、そこそこね」

 

 

私はそんな事を言っていると、横からクリリンが顔を出してきた。

 

 

「ブルマさん騙されてないでください。“そこそこ”なんてものじゃないですって」

 

「……やっぱりそうよね?天津飯はどう思う?」

 

「む、俺か……?俺は、だな──

 

 

天津飯が私を見て、顔を顰めた。

 

 

「少なくとも、俺に測れる相手ではあるまい」

 

「そんなに……?」

 

「だから言ったじゃないですか、ブルマさん!この人、かなり強いんですって!」

 

 

なんだか私を他所に、強さ会議をしている。

そんな事してもハッキリした強さなんて測れないと思うけど。

ドラゴンボールの強さ会議は大体不毛な結果に終わる。

前世でもよくあった話だ。

やれゴジータが、やれベジットが、なーんて不毛な話なのだ。

 

 

「……あ!そうだ、スカウター!持ってきてたんだった、忘れてたわ!」

 

「スカウター、ですか?」

 

「そう!人の強さが計れる宇宙由来の道具よ!」

 

「へーっ!そんなのあったんですね!じゃあそれで測れるじゃないですか!」

 

 

ブルマがスカウターを付けて、クリリンや天津飯を見る。

……あんまり見て欲しくないんだけど。

もう今更、原作に影響がどうとかは言えない気がするが、やっぱあんまり干渉するのは良くない事態を引き起こしそうだし……。

 

鍛錬はしてるけど、別に死闘がしたい訳じゃないんだよ私は。

セルやら魔人ブウやらは、バトルジャンキーであるサイヤ人に任せたい。

 

私は隠居して、優雅に暮らしたいんだ。

南国の島、ココナッツミルクを飲みながら海を見るようなバカンスで余生を──

 

 

「え、ええーっ!?」

 

 

なんて現実逃避をしていたら、スカウターを付けたブルマが声を上げた。

 

 

「うわっ、どうかしましたか?」

 

「あ、あ……」

 

「あ?」

 

「あんた達って思ってたより弱いのね……?」

 

 

ずこ、とクリリンがずっこけた。

 

 

「な、なんて事を言うんですか!ブルマさん!」

 

「だ、だって……クリリン、あんたの強さ……数値上だと、クウラちゃんの二十分の一以下よ?」

 

「そ、それはクウラさんがおかしいんです!」

 

 

ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人から目を逸らして、私はその場をこそこそと離れる。

あんまり騒がれても反応に困る。

 

そんな中、ウーロンと目があった。

 

 

「ひえっ」

 

 

ウーロンは私を見ると、まるで猛獣を見つけたかのように顔を青ざめさせて、ランチさんを盾にしていた。

さっきまで散々言ってたし、後ろめたいのだろう。

 

ランチさんの方は……気にしている様子はない。

まぁ、この人はいつでも本音で喋ってるだけっぽいもんな。

 

 

「別に怒ってないから気にしなくていいよ」

 

「いや、でもよぉ……」

 

「呑気だったのは事実だし」

 

 

私の言葉にランチが頷いた。

 

 

「そりゃあんだけ強けりゃ呑気にもなるか」

 

「そういうこと」

 

 

私の言葉に納得するランチと、文句言いたげな豚。

まぁ、そこは甘んじても受け止めよう。

 

 

「……というか、みんな何の話をしてるんだ?」

 

 

こっそり戦いが終わった後に、病院から帰ってきてたヤムチャが不思議そうにしている。

まぁ別に改めて何か言う必要はないだろう。

無視だ、無視。

 

振り返ると、ブルマとクリリンはまだぎゃいぎゃいと騒いでいた。

天津飯は少し呆れた様子だ。

 

 

「ブルマ、とりあえずお腹が減ったから帰ろう」

 

「え?あ、そうね?確かに、こんなとこに長居しても仕方ないもんね」

 

 

私の言葉にクリリンも頷く。

 

 

「そうですね。俺もお腹が空きましたし……帰りましょうか」

 

「そうそう、お腹空いたし帰ろ」

 

「……でもクウラさん、観客席でずっと何か食べてませんでした?」

 

「……?それがどうかしたの?」

 

「あ、いや、なんでもないです……はは」

 

 

クリリンの愛想笑いに首を傾げつつ、私達はその場を後にした。

天下一武道会も終わり、孫悟空の冒険もひと段落がついたのだ。

 

まぁ、これから先の方が長い戦いになるのだろうけれど。

それはまた別の話……だろう。

 

今はただ、平和を享受したい。

そんな気分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がつがつ、むしゃむしゃ。

 

 

「……よく食べますね、クウラさんって」

 

 

ばりばり、もぐもぐ。

 

 

「……ええ、そうね。というか、今さっきカニを甲羅ごと食べてなかった?」

 

 

ばくばく、ずるるる。

 

 

「……なんかこの感じ、悟空を思い出しますね」

 

 

もぐもぐもぐもぐ。

……何で食事してるだけなのに、勝手に思い出語りの餌になってるんだ?

困惑しながら、私はビールを飲む。

 

やっぱり紙コップよりも、ジョッキだ。

キンキンに冷えたビール、これが犯罪的に美味い。

 

中華料理を食べながら、喉に流し込む。

っく、おおおおお〜っ!!喉越し!!!

 

 

「……ブルマさん。クウラさんって、なんだか思ってたより随分と愉快な人なんですね」

 

「ええ、まぁね。ちょっと目を離せないというか、そんな感じもするけど」

 

「あー、それは分かります。黙ってたら美人なんですけどね……」

 

 

ん?

話を聞いてなかったが、クリリンから美人と言われちゃったみたいだ。

 

いやぁ、だがすまん。

私には心に決めた男性が……居ないけど、それはそれとして地球で恋人を作るつもりはないんだ。

その気持ちには応えられないよ、ごめんネ……!

 

 

ばりばり、むしゃむしゃ、ぐびぐび。

 

豚の丸焼きを独り占めしながら、ビールを飲み込む。

……この場の会計はブルマが払うと聞いている。

人の金で食う飯、飲む酒は美味い。

最高のスパイスだ。

 

 

「というか、泥酔してません?顔真っ赤だし、言動も変になってますし」

 

「あー、いや……言動は割といつも通りな気がするけど……確かに、なんだかこう、ちょっとアレかもね……」

 

 

何か言ってるけど、私は気にせず、ビールを呑んだ。

あー、本当に美味しい。

このまま地球に移住したい気分だ。

 

地球の飯、酒、さいこ〜っ!!

 

ぐびぐび〜っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、ホテルにて。

 

 

「う、うが、がががが……!」

 

 

私は強烈な頭痛、吐き気、寒気、胃もたれ、胃痛、眩暈に悩まされていた。

二日酔い、という奴だ。

 

脳みそがぎゅーってこねこねなってて、あっぱらぱーな感じになってる。

 

このクウラ様が気分が悪いなんて!

頭痛がする、吐き気も……!

 

 

「クウラちゃん、水買ってきたわよ」

 

「あ、ありがとう、ブルマ……あなたは、命の恩人……」

 

「おおげさね」

 

 

泣きながら私はペットボトルをひったくり水を一気飲みする。

500mLではなく、2Lのペットボトルだ。

 

浴びるように水を飲む。

 

だが、この渇きは潤う事はない。

砂漠に水を流すがごとく、悉く無意味なのだ。

 

 

「う、うう……ベッドに戻る……」

 

「お大事にね?……二日酔いにお大事に、って言うのかしら?」

 

 

看病してくれるブルマに感謝しつつ、布団を顔まで被る。

 

脳みそがカチ割れそうなほどの痛みに耐えつつ、私は一筋の涙を流した。

 

私が何をしたっていうんだ。

どうしてこんな目に遭わなきゃならない。

何も悪い事はしていないっていうのに。

 

 

 

 

 

結局、二日酔いは二日どころか五日も続いた。

つまり、地球滞在期間の殆どを、私はベッドの上で過ごしたのだ。

 

ぐすん。

 

もう二度とお酒は飲まない。

アルコールは猛毒だ、あんなもの飲む奴の気がしれない。

 

ぼろぼろと泣きながら、私は禁酒を誓ったのだった。

 

 

 

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