棺の中のスノウ・ホワイト 作:ぜっけい
車に揺られて30分、銀我たちは事件のあった現場──ありふれた住宅街に──に着いていた。
夏も近づき日は長くなりつつあるが、あたりはもうすっかり夕暮れに包まれている。
「──ここが、事件現場なんすか?」
「ええ、そうよ。田中さんという人の家で築10年程度。子どもが生まれるのをきっかけに新築を建てて引っ越したそうよ。事件が起きたのもその一軒家の中。家庭環境もありふれた両親と小学生の子どもの三人家族だったみたいね」
──残念なことに、被害者の皆さんはもう居なくなってしまったそうだけど。
軽自動車を近くのコインパーキングに留めた夏子は、スマホに送られたメール──隠蔽班が送付した被害を受けた一家の情報を読み上げる。
居なくなった、ということが留守という意味ではなく、死んでしまったという意味であることは銀我も察せた。
事件現場は駐車場前の交差点に隣接していて、車を降りてすぐにその家は見つけられた。
普通の一戸建ての民家だ。元は白かったであろう外壁は10年という歳月を受けて少し汚れが目立つ。とはいえ、ゴミ屋敷みたいな荒廃した気配はない。むしろ家の前にある駐車スペースには雑草はないし、表から見える小さな庭は荒れているわけではない。単に、外壁の汚れはそこまで優先して取り除くものではない、と家の主が判断していたのだろう。
「──なんだ、あいつら」
家より、銀我が気になったのはその家の前にいる変な人達だった。
銀我より一回り背丈の低いスーツ姿の3人の男たちが事件現場を塞ぐように立っている。背丈や体格──よく目を凝らせば鼻の形も似ているから恐らく兄弟なのだろう。
とはいえ、よく似た3人兄弟だから驚いたのではない、その特異な格好に銀我はドン引きしたのだ。
一人は革製のアイマスクで両目を塞いだ男。
もう一人は、ヘッドセットを身に着け両耳を塞いだ男。
そして、最後の一人はマスクを身に着け──頬とマスクの隙間からバンドが伸びているためおそらく口を塞いでいるのだろう。
総じて言えば、倒錯的なプレイにしか使わなさそうな拘束具を三人それぞれが身につけているのだ。
変態、という言葉が銀我の脳裏によぎる。
「ああ……えーっと、銀我くんは初めてだよね。彼らは猿渡三兄弟……それぞれが“隠蔽”の異端能力を持つ優秀な焚書官なのよ」
「へ、へぇ~……そうなんすか」
気まずそうに視線をそらしながら、夏子が銀我に彼らの紹介をする。
本当に? 本当に焚書官なのか? ホントは──単なる変態ではないのか? あの男たちこそ別の意味で、あるいは真の意味で異端者ではないのか?
そんなことはない、ないだろう。だが、その疑念がムクムクと湧いてくるのを銀我は止められなかった。
──そも、隣にいるゴスロリ姿の少女もかなり特異な格好であることに、銀我は気づかない。
「……サワタリさんたち、昨日ぶりね」
「ん、ああ! こんにちは、昨日ぶりですね真白さん」
銀我の動揺を知ってか知らずか、真白は躊躇いなく猿渡三兄弟──アイマスクをした男に話しかける。昨日もあっていたらしい、口ぶりからしてかなり気安い関係であるようだ。
……マジか。と銀我の動揺は更に深まる。
「現場はどうなっているの?」
「状態は発見されたときのままになっています。現在は侵入者や来訪者が現れないよう、いつも通り我々兄弟が“逸らして”います」
「ん、逸らす?」
「あなたは……ああ、銀我さんですね。先日は災難でしたね、腕を奪われるなんて辛い思いをしたでしょう。ですが、焚書官の道を選んだ──その決断を僕たちは尊重します。長男である僕が代表して称えます」
「え、ああ、はい……はい、頑張ります!」
想像よりもずっと丁寧な口調であった。ヘッドギアとマスクを身に着けた兄弟たちも笑顔を浮かべ、銀我を歓迎するように振る舞っている。
その身につけた拘束具を除けば、ありふれた好青年にしか見えない。
「しかし、その視線──ええ、分かります。この異常な姿に困惑しているのでしょう?」
「………………はい」
目を塞いでいるのに、なぜ視線を察するんだ? と銀我は困惑したがその指摘は事実だったので幾ばくの逡巡の後に頷く。そう、真白が普段眼帯をしているように、このアイマスクやヘッドギアは異端に関する装身具である可能性を見落としていたことに銀我は気づいた。
「素直ですね。今は良いですが、将来的には損をしますよ」
「……ごめんなさい」
「構いません、初対面の人からはいつものことなので。……説明すると、これは我々の異端を発動するための“キー”なのです」
「キー? 鍵ってことですか」
「はい。私は“視ない”とで周りの人に対象の物体や人を見なかったことに……自然と目をそらさせることができるのです。弟の充は“聴かない”で聞かなかったことにさせ、真雄は口を“閉ざす”ことで話題を封じることができるのです。我々三人が揃えば、この家一つに関する人々の視線を、意識を、存在を隠すことなど他愛のないことです」
「そう! 猿渡三兄弟がいるから無辜の民とアタシのシアワセな眠りが守られているのだよ!」
ばんっ、と両手を広げながら女性が割り込む。
猫を連想させる細い切れ目をした美人の女性だ。年齢は二十歳前半くらいだろうか、肌艶もよく実際よりずっと若そうだ。
そして身長が高い、男子の中でも高身長に属する銀我と並んでもほとんど見劣らないほどだから、170後半はあるだろう。なによりかなりグラマラスな体型だ、友人とふざけて買ったグラビア誌の表紙を飾っていた巨乳アイドルと勝るとも劣らない……いや、はっきり言うと銀我が今まで見てきた中でダントツにデカい。
だが、それ以上に──猫が幾つもプリントされた可愛らしいパジャマを……寝間着を着ていることに銀我は困惑した。ある意味で、この女性は猿渡兄弟よりも往来では似つかわしくない衣装をしている。
「……お久しぶりですね、小鳥遊さん」
「ん、そーだねなっちゃん! 一ヶ月ぶりくらい? まーあたしちゃんにしてみれば半月程度の感覚だけどさ。あ、まっちゃんとは
「んっ──そうね。そういうことも……あったわね」
夏子さんの両手を(強引に)握り、ブンブンと降ったかと思えば、するりと真白を抱きかかえてくるくる回りだすパジャマの女性。彼女こそが件の小鳥遊という問題の人であった。銀我の想像よりずっとハイテンションで……一緒にいて楽しくはあるが一瞬で疲労が溜まるタイプの人間であることは一瞬で把握できた。
──しかし、夏子さんをなっちゃんと呼ぶのは良いとして、真白をまっちゃんとはいったいどういうことなのだろうか。まるでジュースみたいな仇名だ。
「んーテンションがひっくい~! いつものことだけどさぁ、お姉さんちょっと悲しいぜぇ? まっちゃんさぁ」
「いつものことなら、不満なんて言わないで。……面倒だから」
「そだね~。ま、猫はいつだって気まぐれだからさ。気にしないでくれると助かるぜ」
──で、君が。
真白を地面に下ろしながら小鳥遊という女性は──異端を現実より隔離する焚書官“眠猫”は、青い焚書官を睥睨する。
「君が噂の、まっちゃんが引き入れた焚書官か。あたしは
実のところ、君には早いうちに会いたいって思っていてさ。なっちゃんにちょいとお願いしたのよ。なにせ、何を隠そうカゴメツバサの異端事件を隠蔽したのはあたしちゃんがやったわけだからさ。
──彼、学校に来なくなっても誰も気にしていなかっただろう?」
「あ──」
言われて、気づく。生徒一人が消滅したにも関わらず、学校は何一つ変わること無く日常が流れていた。生徒が行方不明なったという噂も、クラスメイトが減って困惑するクラスもなにも。
……俺の、銀我の才能を奪い、この地域では最上位とも言える野球の才能を発揮したにも関わらず、野球部の練習に参加していたときに籠目翼の話題を一度も聞いたこともなかった。
──まだ4月で生徒同士の繋がりが薄いこともある。銀我と翼のクラスが違うこともある。
だが、これほどまでに無風であることは不自然と言わざるを得ない。それに、今の今まで気づかなかったことに銀我は言いようのない不気味さを感じた。
「ぞっとしたぁ? びっくりしたぁ? でーも大丈夫!! それはぜーんぶあたしちゃんのせい! あたしの異端能力──“胡蝶の微睡み”はね、
胡蝶の微睡み、中国の故事に由来するその異端能力はこと異端者の存在を隠蔽するに秀でている。猿渡兄弟の異端能力は即効性こそあるが持続性がない。一方で小鳥遊蘭は遅効性だが一度発動してしまえば事件が公になる可能性はほとんどない。
異端事件が猟奇殺人としてワイドショーになろうとも、彼女が現場で眠ってしまえば──目覚めるころにはすっかり沈静化している。誰に聞いても「ああ、そういうこともあったね」と、なんでもないことのように頷く。
まさしく──覚めて忘れる、泡沫の夢として。
「だからさぁ、カゴメツバサのやった凶行は誰も覚えていないわけよ。人気のラーメン店主も、将来を期待されたボルダリングの選手も、巷を騒がせたドロボーさんの死もね。実の母親も例外でなく、彼の存在を覚えていないでしょうね。……異端を、魂の変容に耐性を持つ焚書官なら多少は覚えてるけど、そういうこともあったという記録でしかないんだよね~。
──つまりさ、彼のことをちゃーんと覚えているのは、一度彼の翼になって一部となっていた君だけってワケだ。……その重さを、理解しているかい?」
小鳥遊という軽薄な女は、しかしその最後の言葉だけには真に迫るものがあった。
それは誰にも顧みられない死の存在を告げるということ。籠目翼という天を目指し、墜落した愚かでありながら純粋だった少年のことを覚えて──死を悼むことができるのは自分だけ。
そして、自分がもし異端で亡くなっても──焚書官を続けるのなら──誰にもその生を覚えてもらえないということ。
「──分かってる。死は、重いものだから。背負っているモノを忘れることなんて、できない」
その重さは、一つの家族を壊すほどだということを──上沢銀我は知っている。
「ん、そうだね。あたしもそうありたいと思うよ」
小鳥遊蘭は誰よりも死に触れている。溶けて、細切れて、潰れて、腐って、焼けて、轢かれて、乾いて、埋まって、啄まれ、喰われ、串刺され、吊られて──死んで、遺骸となったモノの側で眠るが故に。
──その重さと、それを無くす罪深さを識っている。
だから、問いた。彼女は決まって、新入りの焚書官にこの問いをする。
つまり、異端者の死を悼むことができるか? と。
真面目なヤツ、憎しむヤツ、愚弄するヤツ、淡々としたヤツ、何も無いヤツ。この少年、上沢銀我は真面目なヤツだ。バカなやつとも言う。蘭にとっても嫌いじゃない、むしろ好感が持てる。
ただ──
「君は、きっと長生きしないね」
「えっ」
そう、猫の女はぽつりと呟いた。
──田中さんの家はシンと静まり返っていた。
甘い香りでいっぱいの湿気た空気が銀我の肺を逆撫でる。真白はまったく気にした素振りもなくブーツのまま廊下を進んでいく。それに倣って、銀我もスニーカーのまま着いていく。
……まるで自分の家に似ていると銀我は思った。生活感こそあるものの、誰も家を拠り所にしていない、そういう空間。
けど、違う。銀我の家は人が生活している。けど、この家はもう誰も生きていない。
死者の家とよく似た自分の家に、銀我は哀しさを覚えた。
「……大丈夫? 辛いのなら戻っていいのよ」
「甘ったるい匂いでキッツイが……ま、大丈夫だ。安全確認するだけでいいんだろ? これぐらい俺にもさせてくれよ」
「そう。なら、いいけど」
真白は銀我を僅かに一瞥したきり、緋色の櫛を片手に淡々とがらんとした廊下を先導していく。
真白は既に眼帯を外していた。銀の瞳は油断無く廊下の隅々に視線を向け、櫛はナイフのように鋭く構え、異常がないか確認していく。
廊下にはクッキーやキャンディ、せんべいなんかの破片が幾つも散らばっていた。そのせいで菓子くずが砕けるプチ、プチ、とした音が足跡に交じる。
現場は二階だが、トラップが他の場所にないとは限らない。真白は銀我を引き連れリビング、ダイニング、キッチン、和室、そして浴室やトイレまで隅々までチェックする。昨晩までちゃんと人が生活していたのだろう。シンクには使ったきりのマグカップやまだ洗われていない衣類の山があった。
異常はなかった。強いて言えば、廊下やフローリングに散らばる菓子の破片や幾つか脆くなっている調度品……電気のスイッチや観葉植物の鉢、トイレットペーパーホルダーの残骸なんかがあるくらい。
「──報告にもあったけど、この家を異端者は
「あー、今更だけどよ。ラビュリスってのはなんだ?」
一階を一通り確認し終えた真白はそう呟く。出発前に夏子さんが言っていたキーワード。異端者絡みの用語だというのは察せられたが、どういう意味か銀我は知らなかった。
「……
「ああ、覚えているぜ。真白の家の窓にぶつかったやつだろ」
階段を登りながら銀我は応える。結局、あのあと真白は窓を直したのだろうか、と銀我は疑問を覚える。……真白は割れたままでも気にしなさそうだ。
「そう。原理はあれと同じ。異端を用いて小動物の魂を改ざんして使い魔にするように、一部の異端者は異端を用いて家やビルを異常な空間にすることができるの。
それが
……この散らばったお菓子からすると、異端者の元になった童話はヘンゼルとグレーテルかしら」
──童話には場が必要不可欠なものもある。浦島太郎の竜宮城やシンデレラの舞踏会場、あるいはラプンツェルの塔。ヘンゼルとグレーテルの魔女のお菓子の家なんて最たるものだ。
異端者は己の異端を建築物に伝わせることでその“場”を生み出すことができる。迷宮とは異端者と戦う焚書官にとって最悪にフィールドだ。
不退転の覚悟を持つ戦士にとって脱出不可能は些末なことだ。だが、空間そのものが異端で満ちているの……これは頂けない。いつどこから能力が発動するか分かったものではない、攻めも守りも大幅に難易度の上がる厳しい戦場なのだ。
「わたしにとっても、迷宮は嫌な場所よ。どこに視線を向けても異端で満ちているから……眩しくてしかたないのよ」
「へぇ、そういうもんなのか」
「そういうものよ。……そろそろ、分かる頃じゃないかしら?」
「何を……うっ、なんだこの匂いっ!?」
真白が指摘すると同時に、銀我の鼻にす、と僅かな激臭が嗅覚を逆撫でる。
その根源は現場となった、一家の眠る──腐敗しきった死体のあるベッドルームからだというのは想像がついた。
「真白はとっくにこの匂いに気づいていたのか?」
「いいえ、まったくよ。ただ、経験でなんとなく予想がついていただけよ」
「はぁ? おまえ、このひでぇ匂いが分かんねぇのかよ」
「そうね。あら……言っていなかったかしら? わたしの感覚が鈍いこと」
「聞いてねぇよ。鈍いってどれくらいなんだよ」
「少なくとも、この家に染み付いている甘い香りは分からないわね。嗅覚だけじゃなくて、視覚も、聴覚も、触覚も、味覚も……鋭敏な感覚は、それこそこの左目だけね」
なんでもないことのように真白は言う。銀の義眼を光らせて、子供部屋や書斎に異常はないか確認していく。
「わたし、本当はもう死んでいるはずなのよ」
「………………」
「お母さんに串刺されて、少なくとも三年間は死んでいたわ。腐らない、どんなことをしても消滅しない異常な死体として異対の保管庫に管理されて……3年前に突然にわたしは意識を取り戻したのよ」
「それ以来なのか? 感覚が鈍いのは」
「そうね。……いえ、生きていたときも、わたしはあまり感覚が鋭い方ではなかったわ。たぶん、お母さんに殺されていなくても、この匂いは気づけなかったでしょうね」
「……そうか」
寝室の扉の向こうは、地獄だった。
ハエや蛆虫の集る腐敗しきった肉の塊。ベッドから溢れた腐敗液がフローリングをじゅくじゅくと汚染していき、それにつられて幾つかの小さな骨……指先や歯がベッドから滑り落ちていた。
ひどい惨状だった。死体を見たことのある銀我でも、ここまで絶望的で凌辱的なものは初めてだった。それこそ、真白の衝撃的な話がなければ堪えられずにゲロを吐いていただろう。
それほどまでに濃密な腐臭。腹の奥底を殴りつけるような吐き気に銀我は感じずにはいられない。
「これが、トラップね。目撃者の少年は賢かったわね、野生動物の食べ残しを持ち去ったら襲われちゃうことをよく知っていたみたい」
「……そうなのか」
「ええ、異端の痕跡がベタベタとへばり付いているの。まるでマーキングね、下手に触れたらその人までこの肉粥に変わっていたかも」
真白は屍を睨む。そして、
──鏡よ鏡、
その言葉を
そして、当然。
餌を失った羽虫たちは、ぶぅん、と一斉に飛び出す。
腐肉をたらふく食べていた虫たちが大量にこちらに飛んでくる様は虫が苦手ではない銀我にとっても背筋が逆立つ光景だ。
「うわっ、やべぇ!!」
「きゃっ」
真白の首根っこを掴んで銀我は急いで寝室から飛び出す。真白の可愛らしい悲鳴も意に介さず、マシンガンのように飛びかかってくる虫たちをシャットアウトするために、扉を叩きつけるように閉める。
ピシっピシっと羽虫が扉にぶつかる振動がドア越しに伝わる。……嫌な感覚だ。
よく見ると何匹かハエが肩についていたが、払えばなんとかなる程度だ。この程度で済んでよかったと考えるべきだ。
「真白ぉ、大丈夫か?」
「……あ、うん。……だいじょうぶよ」
「……? そうか、なら良いけどよ……」
真白の様子はおかしかった。異端を使った負担……ではないだろう。顔色は悪いが、ほんの僅かだ。気丈な彼女であればすぐ立ち上がって夏子と小鳥遊らに報告に向かうだろう。
たが、真白は廊下にぺたんと座り、ぼう、と戸惑うように首元に触っていた。銀我が掴んだあたりを隠すように。
「なあ、おい、虫が苦手なのかよ。それとも、掴んだのが悪かったのか?」
「…………いいえ、平気よ。ええ、もう、ほんとに大丈夫だから。早く報告に行きましょう」
突然立ち上がった真白は拒絶するようにそれだけを言って、脱兎のように階段を降りていく。……まるで、何かから逃げるように。
「…………なんだよ、あいつ」
銀我は困惑するしかなかった。
……そして、
片手で持てるほど軽い真白の重さが、嫌に右手に残っていた。