六平家のアンジェラさん   作:RK6246

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#11 シャル

 

斉廷戦争時、そしてそれ以降六平国重が作った妖刀には基本3つの能力が備わっている。

 

淵天の能力は

斬撃を飛ばせる(くろ)

受けた攻撃を吸収し、自らの力として使える(あか)

身体強化と妖術の運用に使う玄力、さらに高密度のそれを纏う(にしき)

の3つ

 

発動時黒い金魚が一匹現れる。そしてその威力は基本高いが発動の際刀を振る必要がある。

空間を泳ぐ無数の黒い金魚の群れである(くろ)(ちぎり)は一発の威力は低い代わりに刀の振りはコンパクトで済む。

 

「見てくれが派手になってもなあ!」

 

そう叫んだ男は斜めに切られ、血が飛び散る前に紙となって霧散する

 

 

その具体的効果は通常以上の身体強化。朱文金色の残像と共に何人かの首が落とされる。

 

「少しの変化も見逃さず教えろ。奴は俺が殺す」

 

そう言った大男の心臓が貫かれる

 

「おい庭にいるぞ!!」

 

死体が廻縁に落下する

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

シャルは母と二人暮らしだった。

 

「いいシャル、私たちのこの力は誰にも見せないようにしないといけないからね!」

 

これを母は口を酸っぱくしていっていた。理由は悪い人たちに悪いことをされちゃうから。

 

鏡凪一族

特異体質である超再生力を保有した一族

その体質故『鏡凪の肉を食えば不老不死になる』というデマが広まり、斉廷戦争後間も無くして一族の集落が襲われ滅びた。

 

「だから本当に心の底から信じられる人にだけしか言っちゃダメだからね!」

 

母の場合それが父だったらしい。

しかし父は怖がり母の元から去り、数年してからシャル達の情報を売った。

 

「腓腹筋2つですね」

「そして僧帽筋が4つ」

「棘下筋も4つか」

「膝蓋靱帯は、1つ?」

「ああ、始めろ」

 

難しい言葉も、その身を持って意味を理解した。

 

痛かった

苦しかった

悔しかった

 

それでも、お母さんがいたから耐えられた

お母さんがいたから大丈夫だった

お母さんがいたから、こんな境遇でも幸せだった

 

「私のことはいいから、逃げて!」

「お母さんは!?お母さんと一緒じゃなきゃ嫌!!」

「ここにいたら貴方は幸せになれない!!」

「こ、ここが、幸せだよ!?お母さんと一緒だから!!」

「っ!だめ!!貴方がこんなところにいていいはずがないの!!」

 

 

ーーーーー

 

『本当に心の底から信じられる人にだけしか言っちゃダメ』

その言いつけ守って、仏頂面でも面倒見のいいチヒロと、いろんな本を持ってて楽しいアンジェラ達に話した。

 

「俺はこの世に7つしか存在しない妖刀のうち一つを持ってるから、狙われてるのは一緒だな」

 

チヒロはそう言って受け入れてくれた。

 

「アンジェラちゃんはチヒロくん以上に狙われてるからな。そんで場合によっては君以上に価値のある危ない立場や。たかが再生程度で威張らんようにな」

「何を言ってるの?」

 

柴のその言葉と、それを否定しなかったアンジェラを見て安心した。この人たちの中では私の体質はただの個性だった。

 

 

牢屋を見張っていた双子の妖術師が消失した。

 

母が言っていた言葉を思い出す

 

『一度最悪な気分を味わったって、めげずに頑張れば、きっと、とんでもない幸せがやってくるって!!貴方が教えてくれたから!!!』

 

「お腹空いてるか?サンドイッチあるぞ」

 

チヒロがそう言って美味しそうなサンドイッチを渡してきた。

 

「飲み物もあるぞ〜!水、お茶、ぶどう、りんご、オレンジ•••」

 

画面頭の初めましての人が飲み物が入った袋の中身を見せてきた。

 

涙が溢れて声が出ない

体が震えて渡されたサンドイッチをうまく握れない

 

「ぢひろぉ、おぞい!」

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