(うどん、ラーメン、パスタ、そうめん)
「お夕飯どないする二人とも」
「麺類まで絞ったわ。チヒロは?」
「まずは話を聞いてからでしょ姉さん」
喫茶ハルハル、妖術師の仕事を仲介する喫茶店。そこの店長とは二人が決意を固めてすぐ柴から紹介を受けた。
「ごめんくださ〜い!!」
扉を開けてその声を店内に響かせた。店主であるヒナオは不快そうな顔をしていた。
「うるさ。お、チヒロくんにアンちゃんだ〜!やっほー!」
「どうも」
「お久しぶり」
「お〜今日も二人ともクールだ〜すげ〜!」
「再会早々申し訳ないけど、目撃者は?」
「奥の部屋で寝てるよ〜」
奥の部屋に通された3人が見たのはまだ幼い少女だった。当の少女はイビキをかきながら眠っていた。
「•••どう思う二人とも?」
「十中八九おふざけやろ」
「俺もそう思います」
「え〜、でも些細な情報でもいいって言ってたじゃん」
「まぁ、話は聞いたほうがいいんじゃないかしら?」
「カバの!•••細胞分裂」
「なんちゅう寝言や」
「どんな夢見てんだ?」
「難しい言葉知ってるね!」
「•••」
何も言わぬアンジェラに疑問を持ち見ると何か考えているように見えた。
「姉さん?」
「ブハァ!!わ、別嬪さんだ!」
寝ていた少女が目を覚ます。アンジェラが少女と目線を合わせる
「おそよう、私はアンジェラ。あなたは?」
「私シャル!アンジェラヨウジュツシ?私を守って!!」
「それはいいけど、なんで守って欲しいのか教えてちょうだい」
シャルは口を噤んだ。その表情を見る限り悪ふざけではないとアンジェラは判断した。
"グゥ〜"
「•••姉さん?」
「今回は私じゃないわよ。シャル、何食べたい?」
「天ぷらそば!!」
頭の中にあった迷いがなくなる。
「人の意見を聞くのはやっぱり大事ね」
「姉さん•••」
「別にいいじゃない。食事しながらの方が聞きやすい話もあるでしょ」
もっとも、アンジェラが予測するシャルの秘密は食事中にできるものとは思ってないが。
ーーーーー
「俺はチヒロ」
「私シャル!」
「さっき聞いたよ」
その会話をアンジェラはざる蕎麦を啜っていた。
(温かいのもいいけど、やっぱり簡単に味編ができるざる蕎麦がいいわね。冷ます手間も省けるし)
「お〜ずっと啜ってる!アンジェラすげ〜!」
「どこに感心してんだ」
平和な会話を肴に啜る蕎麦のなんと旨いことか。アンジェラの蕎麦を啜る速度が増す。
「食べ終わったら施設に届けてやる」
「なんで!助けてくれるんじゃないの?」
アンジェラが啜るのを止める。
「チヒロ、まだ話を聞いてないのにその判断は早いわよ」
「•••じゃあなんで狙われているのか言ってみろ」
そう言われて少女は黙ってしまう。そこまで設定を作り込んでいないからだとチヒロは判断する。しかし彼女の顔は作られた表情ではないため質問を変える
「じゃあお前が見た最強の刀の特徴を言ってみろ」
「•••雲が出てた」
「「!!」」
自分たちの知識にある特徴を言い当てられて二人がシャルを見る。そこでアンジェラはふと隣の席に座った客を見た。円柱頭で店員が聞く注文を拒否していた。
(TT2 50倍加速)
アンジェラの世界が通常の1/100になって、隣の男は箸を割ったのを見た。男は箸を明らかに異常な持ち方に変え、箸先を店員に向けた。
「•••痛いわね」
「な!」
アンジェラが店員の首まで伸ばした手には今まで見ていた箸が刺さっていた。投げた本人である男の反応が新しいうちに、男を屋外に蹴り飛ばす。
(•••!いつの間に?!)
「一応聞くわね。目的は何?」
「目的ぃ?!んなもんそのガキに決まってんだろ!」
「そう」
箸を手から抜き、チヒロに目線を送る
「
チヒロがアンジェラに向かって叫ぶ。
「後で役所に言って破壊申請をしときなさい。ちゃんと援助してくれるはずだから」
呆然と立ち尽くす店員に向かって言ってすぐにシャルを抱きかかえる
「
呟いてすぐ柴が現れ、視点が車の中へ移動した。
「っ?!•••はっ?•••え?•••何が起こった?」
「一周回って落ち着いたな。気分は平気か?」
「?うん」
肯定しながら前の席へ移動するシャル。
「そーか。アンジェラちゃん、平気か?」
「今治療中」
後部座席では本を開きながら傷と向き合うアンジェラの姿があった。
『友だちの証』
宙がキラキラ光ったと思えば、手の傷が徐々に塞がっていった。
「•••これで良し」
窓の外を見るとチヒロの刀が男の首を切っていた。
「この間のヤクザと今の彼•••どっちを優先すべきかしら?」
「ん〜」
アンジェラと柴が共に悩んでいるところに、男の消失を確認したチヒロが帰ってきた。
「おそらく刳雲の居場所を知ってるかもしれないから今の男優先にしよう」
「•••そうね」
「シャル、俺たちは何よりも優先すべき目的がある。そしてお前を追う奴らはおそらく目的に近づける」
「利害の一致。あなたのことは私たちが守るわ」
アンジェラがシャルの頭に手を置く。
途中会話で出てきた数字は掃除屋言語(暗号文)とお考えください。