六平家のアンジェラさん   作:RK6246

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前話補足

大前提としてLORはダイスゲーです。戦闘開始時お互いダイスを振って数字がでかい方が小さい方に攻撃できます

前話に薄文字表記の文が4つあったと思いますが、最後の赤文字直前のやつ以外はパッシブ能力を付与するものです。

『ある日、 再び〜自分の皮を乾かした』
5段階の表情があって、『満面の笑顔』から『激怒の顔』の順でダイスで出た数字が-2、-1、±0、+1、+2した数字になる

『繭になった〜いなかった』
ダイスで最大値が出たら相手にデバフを付与する

『ちびの〜離れないって!』
自分のダイスが最小値か最大値しか出なくなる。最小値が出たら自分にダメージが入ります


#7 時間

 

数刻前

 

「•••父さんがかっこいい」

「まぁ、真面目モードの時はそうだったと思うのだけど」

「それはそう」

『٩( 'ω' )و』

「うるさいわよ」

「あぁ、言わなきゃよかった」

『Σ('◉⌓◉’)』

「は〜•••」

 

柴と薊を車に残し、2人と1つは特別展で展示物を見ていた。

 

「?!チヒロ大変!」

「何?」

「ハルハルが襲撃された」

「?!」

 

ーーーーー

 

現在

 

「遅くなってごめんなさいホドさん」

「全然遅くない、むしろ早いよ。アンジェラは?」

「姉さんは『置いて行け』と」

 

ホド達の元へ回り込んだチヒロは3人を見る。倒れないよう気を付けてるユイ、血を吐くホド、呼吸を整えるキンズリー。

 

「図書館に戻って大丈夫ですよ」

「•••私は戦える」

 

ホドが口を拭ってチヒロを見る。彼女の言葉に同調するように肉叩きの血を払うキンズリー。

 

「ごめんなさい、アタシは戻らせてもらいます」

「全然いいよ。1人でも生き残っていれば『文学の階』の機能は停止しないから」

 

もう一度『ごめんなさい』と言ってからユイは消えた。

 

「やっと会えた。噂の妖刀持ち」

 

止血を終えた双城がチヒロと彼が握る刀を交互に見ながら言った。

 

「なぁ、なんでお前は俺の知らない妖刀を持っているんだ?どこで手に入れた?蒼白な彼女の仕業か?」

「•••『蒼白な彼女』?」

「アンジェラのこと。『年齢的に少女じゃないだろ』ってことで」

「なるほど」

 

チヒロは双城の顔を見ず、刳雲を見た。自分が見ていない間その刳雲でどれだけの人間を切ったのか。怒りを覚える

 

「俺は六平国重を心から愛してる」

 

突然の発言に怒りが吹っ飛び、視線が刳雲から奴の顔に移った。

 

「数々の文献を読んで彼が到達した場所を目指したそして最近手に入れた刳雲(こいつ)に触れていい気分になってた。だが、その妖刀はなんだ?」

「•••」

「ダンマリか。じゃあなんの為に妖刀を振るかを教えてくれよ」

 

答えなかったわけではない、何と言うかを考えていた。

アンジェラの言葉を思い返す。

 

 

『会話は大事よ。相手がどんな人物かを理解するための一歩になるし、時間稼ぎにもなる』

『会話する価値がないと思ったら?』

『その時はすぐに切り上げなさい。無意味な会話ほど時間の無駄はないから』

『え〜』

 

 

周囲に目をやる。一般人は皆背を向けて逃げて行くが全員ではない。この周辺にいる人間全員が逃げ切るまでもう少し時間がかかるだろう。

 

 

『でも状況を見て、時間稼ぎが必要を思ったらその無駄な時間を伸ばせ。例えば質問を質問で返すとかな』

 

 

その会話を行なっていた時一緒にいた赤髪の女性が言ったことを思い出す。確か紅茶を嗜む司書を見ながら言っていた気がする。

 

「•••そういうお前はなんで妖刀を振るう」

「俺か?俺は彼の、六平国重の意思を代弁するためだ」

「代弁?」

「そうだ。どの文献にも彼は英雄としか書かれていなかった。とんでもない侮辱だ!」

「侮辱」

「そうだ!!妖刀は彼が生んだ最高の殺戮兵器だ!!ただひたすらに命を奪うためにあるんだ!!」

 

落ち着いた感情が再び沸るが必死に抑え込む。

 

「それで、俺は答えたぞ次はお前の番だぞ。なぜ妖刀を振るう」

「•••悪を滅し、弱者を救う。そのためだ」

 

チヒロの答えを聞いて双城は呆れ、そしてがっかりした顔を見せた。

 

「お前もか•••鏡凪のガキを守るのもくだらねぇ『善意』のためか?笑える、『善意』ほど六平の作品に似合わない言葉はないだろう」

「っ、チヒロ!ミホが死んだ!!シャルが!!」

「?!、『(にしき)』!!」

 

これ以上の時間稼ぎは悪手だと判断し、高速で迫ったチヒロの淵天と双城の刳雲がぶつかる

 

「お前が父さんを語るな!!」

「は?」

 

困惑と同時にチヒロの姿が見えなくなる。防衛のため全方位に冷気を放つ。しかし再び体に鎖が巻かれた。ホドから伸びていたその鎖が巻き取られる

 

「っ!?」

 

それは指令の遂行に全てを捧げた男の技

 

『斬-「『』」

 

双城が放った雷によって体の自由をなくす。体が固まっているうちにホドの首が落とされる。

 

「『』!」

 

今度こそ全方位に放った氷で身を固める。

キンズリーが肉叩きで氷を砕き、双城までの道を作る。しかしチヒロはその道を使わず双城の死角に回り込む。

 

(討った)

 

互いの刀が互いの首に触れる。

 

「避けたか」

(今のに反応した上でカウンターを)

 

刳雲とシャル、先日までなら圧倒的前者だったのに今は選べないでいた。視界の端で車が動いた。ふとそちらを見るとシャルの足が窓から出ていた。

 

 

『チヒロ本読むの上手!!』

『外に出れなかったのは残念だけど、楽しかった!』

 

 

シャルを選んで逃げる車を追いかける。

 

「おいおい、置いてくなよ」

 

復活した鳴をチヒロに向かって放つが盛り上がったコンクリートに阻まれる。

周りを見渡すと特徴的な服装の男女5人に囲まれていた。

 

(神奈備か、この5人とキンズリーだか言うこの男•••だけならよかったんだが)

 

目の前のビルの屋上を見上げると、見てわかるほどの圧倒的強者が2人立っていた。

 

(刳雲との親和性、荒療治を施したこの体を踏まえた今の状態であいつらを相手にしたくないな)

「『』」

 

ーーーーー

 

神奈備から逃げ切った双城は走行中のジープの後部座席、運転手の真後ろに着席した

 

「あのミホだか言う女、それなりに強いと思ったんだが」

「強かったさ。だが私の物量と」

「私の妖術でなんとかなったよ」

 

顔に点が幾つかついた助手席に座る男と、その後ろに座る髪を1つの団子にまとめ男が語った。

 

「それで、妖刀は理解できたか?」

「いいや、まだだ。もっと深めないとな」

「なんにせよ鏡凪の肉を取り戻した。これで研究再開だね」

「あぁ。六平国重を超える。•••おい、」

 

3人が語り合う車の前方に女が立ち塞がった。

 

「『蒼白な彼女』」

 

そう呼称されている彼女が持っていた本のページを捲る。開かれたページから頭が蝶の人型実態がその黒い腕と指先を向けてきた

 

「っ、右に避けろ!!」

「『』!」

 

車体が右に動いたため、指先から高速で放たれた蝶は左側に座っていた2人の頭を撃ち抜いた。

 

「?!」

 

2人の体が光る紙となって散って消えた。

 

(これが彼女の力か)

「チッ!」

 

舌を打った彼女が再び本のページを捲り始めた。しかし目当てのページは出なかった。

車が彼女の横を全速力で通り過ぎる。

 

(あの妖刀持ちの男と共に行動していた)「やはり、奴とはまた話し合わなきゃな。今度は彼女も一緒に」

 

バックミラー越しに見た彼女の顔には怒りがあった。

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