時間を薊を屋上から追い出し4人で作戦会議していた時に戻す。
「今回の目的はシャルの保護と背後にいるだろう毘灼と真打の情報を得ることです」
「それなら最終目標を決めましょう」
「『刳雲』の回収は含めなくてええんか?」
「•••はい」
「双城との戦闘はどうすんだ?」
「おそらくこれから薊が連れてくるだろう神奈備の人間が担当するでしょ」
「だから、最終目標は•••シャルの救出」
「わかった」
「俺としちゃあ、薊の部下で優秀だからといって刳雲と戦わせたくない」
「勝てる見込みがあってもか?」
「全員生存の完全勝利なら全然いい。でも、誰かが犠牲になるのはやだ。だからウチの部下4人を同行させたい」
「薊の部下の生存率と双城が図書館に収蔵される可能性も上げるためね」
「ああ。それで、できれば双城のトドメは俺に刺させてほしい」
「それはいいけど•••それだったら貴方も同行したら?その方がトドメさせる確率上がるわよ」
「いや〜、刳雲と戦闘中この頭が外れちゃ困る。それにシャルちゃんとお前らが心配だ」
「姉さんが殺した2人の本を読む限り、本拠地には妖術師を多く配置してるみたい。それとは別に地下倉庫へ続く小屋もあるみたい」
「シャルちゃんの居場所は?」
「地下2階の研究室。•••機材の修理は終わってるから確実にそこにいる」
「小屋には毘灼とかの情報あるんか?」
「いいえ、どうやら武器とかの研究資料しかないみたい。でも、雫天石に関する研究資料があるみたいね」
「それは•••どうすんだ?」
「毘灼に渡るのも神奈備に渡るのも面倒なことになりそうだし、私が回収するわ。警備も地下2階程無いみたいだし」
「•••柴、アンジェラ1人は不安だからお前ついてってほしい」
「それはええけど、そっち2人でええんか?」
「大丈夫だろ。なんかあっても引けばいい」
「じゃあ俺が妖術師を相手する。妖術師以外はお願い」
ーーーーー
4つの映像全て別角度で双城が映し出され、動き始める。
「刳雲の基本能力は3つ。攻防バランスが良い氷の『
右下の映像が氷に覆われ、動きが止まった。
「陽動、目眩しと応用性が高い水の『
4視点全部に水が映し出される。
「最後に殺傷力の高い雷の『
感電する4人とそして画面が点滅する。
「他5つと比べればスタンダードな方ね」
「妖刀って時点でスタンダードじゃないだろ」
「それはそう」
左上の映像が双城を通り抜けて消えた。映像は3つになった。
「あれ?なん•••あ、ごめん」
「いいわよ、気にしないで」
炎を放ち、大斧を振り下ろし、地面へ降り立ち、チヒロが登場して映像が二つになる。
「今のは」
「リタイア。生きてるから安心して」
「一回ここで止めて。それでエリザさんが、死ぬ、少し前の鳴を映して」
映像を巻き戻し、再び最高火力の鳴を見る。
「溜め後の高火力鳴の使用後インターバルが発生します。大体十数秒の」
映像の端にタイマーを映し出して映像を再開し、インターバルの時間をはかる。
「最後まで生き残ったキンズリー•••左下の映像主ね。双城と戦った彼が言うには、奴ならインターバルを縮めることができるだろう。って」
「なら時間測るのあまり意味ねぇな」
映像を見返して妖刀の力と双城の動きを確認する。
「以上が刳雲の基本能力です。が、父が言うにはこれらとは別に『本領』と言われる『理論を超えた力』があるらしいです」
「これの先か•••」
「確かに、これらも強いっちゃ強いけど戦争を終わらせるほどじゃないもんね」
「逆に言えばこの4人がここまで戦えたのは本領に至ってないからってこと?」
「そうね、さっきのキンズリーの言葉、『鳴のインターバル短縮』はそれに当てはまるかも。もしかしたら新しい第4の能力に目覚める可能性だってある」
双城の顔と刳雲だけを画面に映す。
「インターバルは短縮されるかもしれませんが、一番の隙でもあります。なので狙うならそこでしょう」
「ってことは溜めた鳴を打たせる必要がある、と」
「打たせるには、『警戒していることを察知させる』かしら」
「それだと意地でも撃とうとしてくるかもね」
「なら溜めを作る隙を作らせない方向で陣形を組む?そしたら双城は『私たちは高火力の鳴が怖いです』って思わせられるかもしれないし」
「ですが、その場合溜めを必要としない降からの溜めが足りない鳴を使ってくるでしょう。水を伝う電気の性質を利用した広域攻撃、刳雲の基本戦術です」
「おいおい、それくらって大丈夫なのかよ俺たち」
「さっき見た通りその降と鳴の合わせ技で死人は出てなかったでしょ?十分耐えられるんじゃない?かなり痛いと思うけど」
「おい」
すると萩原の電話が鳴る。画面を見て電話に出る。
「もしもし笠原。拠点は•••お、了解。それじゃあ双城が単独行動を始めるまで見張っててくれ。頼むな」
そう言って電話を終える。
「もらった情報通りだった、2人は信用できる。ってわけで作戦投入決定な」
「それは良かった」
安心したアンジェラを見て太郎は手を挙げる。すると光り散る紙吹雪の中から4人出てくる。
『こいつらがお前らと同行させる奴らな』
「普通に文字打てんのかよ!」
カザネが怒った様子に太郎と柴が爆笑する。アンジェラは呆れ、チヒロはカザネに謝罪する。
「まぁ•••作戦は固まった。あとは適切なタイミングになるまで待てばいい」
「双城はまだ商売を続けているみたいだからね。そう時間はかからないよ」
『ウチの子ヨロシクネ』
「まかせろ太郎!!」