ブルアカふぇすとカービィカフェに行く予定です
運よくファストチケットもカービィカフェの予約も取れたので満喫してきます!
そのため次の更新が来週末になります。
申し訳ございません……
あと今日で歳を1つ取りました。
「あっ!!」
アリスの大きな声が、部室の中に響いた。
「わっ……ア、アリスちゃん、どうしたの?」
ゲームに集中していたモモイとミドリ、
そして背後でパソコンを操作していたユズも、その声に驚いて手を止める。
「今、マホロアの仲間を探すために、いろんな人に連絡してたんですが……どうやらシーフ王の所にいるみたいです!」
「シーフ王?」
「こ、この前のEXPOで来たセイアさんのこと、じゃないかな…」
「モモトーク交換してたんだ…」
アリスは満面の笑みで、スマホの画面を三人に向けた。
「あっ!」
「これって……!」
そこに映っていたのは、マホロアが残したメモに描かれていた人物――
あの、仮面とマントを纏った剣士の姿だった。
「確か……メタナイトさん……だっけ?」
「どう見てもカタナイトにしか見えない人ね。他の人たちも、明らかにポーヴィに出てくるキャラに似てるんだよね……」
「その人が……セイアさんの所で見つかったの?」
「はい!早速マホロアに伝えましょう!」
アリスが勢いよく手を挙げた、その時だった。
ユズのポケットから控えめな通知音が鳴る。
(何だろ…?)
ユズはポケットに手に入れ、スマホを手に取り画面を確認する。
通知欄に表示されていた名前を見て、思わず目を見開いた。
(……先生!? い、いったいどうしたんだろ……)
恐る恐るモモトークを開く。
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<ユズ、今大丈夫かな?
<写真
<この絵に描かれてる人がいたら、教えてくれないかな。
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送られてきた写真の中には、
マホロアの姿と、先ほど話題に上がっていたメタナイトの姿が並んでいた。
画面を見つめたまま、ユズは一瞬言葉を失う。
「あっ……! み、みんな!」
すでに部室を出る準備を始め、荷物をまとめていた三人に、ユズは思わず声を張り上げる。
「どしたの、ユズ?」
滅多に大声を出さないユズに反応して三人が振り向く。
ユズは慌ててスマホを握り直し、画面を胸元に引き寄せた。
「せ、先生も……マホロアを探してるみたい……!」
「先生?」
「先生も調査クエストをしているのでしょうか?」
モモイとアリスが、同時に首を傾げる。
部室の空気に、わずかなざわめきが生まれた。
ミドリは腕を組み、少しだけ視線を落として考え込む。
やがて、小さく頷いて口を開いた。
「もしかして……メタナイトさんみたいに、他の人たちがいろんな学区にいるんじゃないかな。他の学区には行きづらいから、先生を通して探してる……とか?」
「なるほど!」
「流石ミドリ! 名探偵みたいです!」
勢いよく褒められ、ミドリは一瞬言葉に詰まる。
「そ、そこまでじゃ……」
そう言いながらも、ほんのりと頬を赤らめ、視線を逸らした。
「と、とりあえず……先生に、マホロアがここにいることを伝えないとね」
ユズは決意するように、スマホを両手で持ち直す。
「う、うん。ちょっと待ってね……」
指先が少し震えながらも、ユズは慌ててモモトークを開いた。
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せ、先生>
マホロアがミレニアムにいます>
あと、メタナイトさんがトリニティにいるかもしれません>
<ありがとうユズ!
<さっきトリニティに連絡したから、ユズ達はそのままシャーレに来れるかい?
は、はい!>
<気をつけてね!
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「シャーレに来てほしいって……!」
「よし! まずはマホロアに仲間が見つかったことを伝えに行きましょう!」
今度は忘れないようにと、全員が銃を手に取る。
軽く確認し合うように視線を交わすと、そのまま慌ただしく部室を飛び出していった。
「行こう!」
薄暗くなった部屋には、人の気配だけが抜け落ち、モニターの光だけが静かに残されていた。
「失礼します!」
アリスの元気な声と同時に、ドアが勢いよく開かれた。
だが、いつもなら真っ先に聞こえてくるはずのウタハやコトリの声は返ってこない。
「あれ? 先輩たち、出かけてるのかな?」
首を傾げた、その瞬間だった。
奥のガレージの方から、耳に響くような爆発音が轟く。
「うわっ!? な、何事!?」
床が微かに揺れ、空気が一瞬震えた。
次の瞬間、奥の扉が乱暴に開き、煙と一緒に人影が飛び出してくる。
「ゲホッ……! ちょっと出力を上げすぎたね……」
「ウン……もう少シ調整ガ必要ソウダネ…」
もくもくと立ちこめていた煙が次第に薄れ、そこに現れたのは、煤で少し汚れたウタハとマホロアの姿だった。
「ウタハ先輩!」
「マホロア!」
ゲーム開発部のメンバーがその姿を見て思わず駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか!?」
「おや、ゲーム開発部のみんなじゃないか。なに、いつもの爆発さ。」
ウタハは肩をすくめ、平然と答える。
「チョット出力を上げ過ぎて爆発しチャッタだけダヨ。ソレヨリ、キミ達ハどうシタンダイ?」
「あっ……そうだった」
あまりにも唐突に起きた爆発に、ゲーム開発部は来た目的を忘れかけていた。
「聞いて!マホロアの仲間が見つかったんだ!」
その言葉を聞いて数秒、マホロアはフリーズした。
そして……
「エエッ!?」
マホロアは目を見開き、思わず手にしていたスパナを取り落としそうになる。
「メ、メタナイトさんがいたって、連絡が来たんだ」
「メタナイト……!……ッテ随分ト発見が早カッタネ……」
「シーフ王のおかげです!」
アリスはスマホの画面をマホロアに見せる。
そこには、確かにその姿があった。
「シャーレに先生が呼んでくれるらしいよ!今すぐ行こう!」
「シャーレッテどこかワカンないケド、ウン!」
反射的に言葉が飛び出す。
「アッ、デモ……」
マホロアはふと足(?)を止め、ウタハの方を振り返った。
「大丈夫さ」
ウタハは穏やかに笑い、軽く手を振る。
「概要はある程度キミから聞いたからね。キミはキミのやるべきことをしに行くといい。エンジニア部の名にかけて、アレらは完成させると約束しよう。」
「……ウン!」
一瞬だけ迷いを見せたマホロアは、やがて力強く頷いた。
「行コウ!」
再度マホロアの口から放たれたその声には迷いはもう無かった。
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「さあ~てと、そろそろおじさん達も戻ろうかぁ」
ホシノは腰に手を当て、大きく伸びとあくびをする。
その動きに合わせて、日に焼けた肩口とピンク色の髪がふわりと揺れた。
「そうね……もうクタクタよ……」
アビドスの面々は、それぞれに小さく息をつく。
長い一日の終わりが、ようやく見えてきたところだった。
「そうだ! 学校に戻る前に、みんなでお買い物して、簡単なパーティーでもしませんか?」
アヤネのその一言に――
「ぱーてぃー!!」
カービィが真っ先に反応した。
ぱっと表情を明るくし、丸い体を小さく弾ませながら、期待に満ちた目でアヤネを見上げる。
「良いですね、アヤネちゃん☆」
「ん。賛成」
「せっかくだから、大きいシロコちゃんも呼ぼっかぁ」
そう言いながら、ホシノはスマホを取り出して電源を入れる。
指先で画面を操作した、その瞬間、見慣れた名前からの通知が目に飛び込んできた。
(……先生?)
一瞬だけ瞬きをしてから、通知をタップする。
そのままモモトークの画面が開いた。
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<ホシノ、今大丈夫かな
<知ってたら教えてほしいことがあるんだ
<写真4枚
<こういう見た目の人がいたら教えてほしいな
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「ん? んんんんん?」
ホシノは首を傾げながら、最初の写真を開く。
そこに映っていたのは、今目の前でシロコの腕の中で、嬉しそうに目を輝かせるカービィによく似た絵だった。
「ホシノ先輩?どうかしたんですか?」
「い、いやぁ……一時間くらい前なんだけどさ。先生から連絡が来てて……」
ホシノはスマホを皆の方へ向ける。
「この写真に描かれてる人を見たら、教えてほしいって……」
画面いっぱいに映る、ペンで描かれた丸い姿。
絵の横にはカービィと丁寧に書かれていた。
「これ……カービィちゃんですね……」
「名前までしっかり書かれてるわね…」
ホシノは指で画面をスライドさせ、次々と別の写真を表示する。
その度に、画面を覗き込んでいたカービィが、
「めたないと!」「まほろあ!」
と、写真に反応するように声を上げた。
まるで「知ってる」とでも言いたげな様子だった。
「他の写真は……メタナイト……バンダナワドルディ……マホロア……全部、カービィが言ってた名前が書いてる」
シロコは手元に収まるカービィの顔を覗き込む。
その表情はどこか嬉しそうだった。
「ま、とりあえず……」
そう言って、ホシノはカービィの方へスマホを向ける。
レンズを向けられたことに気づいたのか、カービィは一瞬きょとんとした顔をしてから、ぱちりと目を見開いた。
「カービィちゃんのことを先生に知らせておこうか」
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せんせ~>
写真1枚>
カービィちゃんならいたよ~>
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送信ボタンを押してから、ほんの数秒。
五秒も経たないうちに、スマホが震えた。
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<良かった!
<ちょっと遅い時間になっちゃうんだけど……
<今からでもシャーレに来れるかい?
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「シャーレに来てほしいってさ」
「では早速向かいましょうか☆」
「となると電車かしら?」
そう聞いたアヤネはスマホを操作し始める。
だが、少し残念そうな表情をして皆に伝えた。
「現在、線路に影響が出ているそうで……今から向かうのは難しいかもしれません…」
アヤネがそう言いかけた、その時。
一歩前に出たのはシロコだった。
「私に任せて」
静かな声でシロコははっきりと言い切る。
「自転車なら関係ない」
どこか格好つけたその言葉とは裏腹に、シロコの耳がぴこぴこと小さく動いていた。
(先生に会いたいだけに見えるけど…)
セリカは半分呆れたような表情でシロコを見た。
「はぁ……じゃ、パーティーは色々落ち着いてからかしら」
そう言いながら、他の皆がシロコの方を見る。
シロコは近くに止めてあった自転車に軽くまたがり、そのまま、ためらいなくカービィをバッグの中へと入れた。
「シロコ先輩……ちょっと扱い雑じゃ……」
「ん。朝もこうやって学校に連れてきた。問題ない」
バッグの中から、
「ぽよ!」
と元気な声が響き、それにつられるように、シロコの口元がわずかに緩む。
「まだ夕方とはいえ、少し暗いからね。気をつけるんだよ~」
「ん。わかった。」
ペダルへと足をかける。
シロコは一度だけ深く息を吸い、視線をまっすぐ前へ向けた。
夕暮れの風が、制服の裾と髪をわずかに揺らす。
周囲の音が、ほんの一瞬だけ遠のだように感じられた。
「行ってきます。」
その声を合図に、自転車が静かに動き出す。
気のせいか、今日の夕日はやけに色を失って見えた。
温かさよりも、沈黙の重さを残したまま、空の端へと沈んでいく。
まるで――
これから始まる出来事を、世界そのものが見送っているかのように。
それが前触れだと、まだ誰も気づいていなかった。