イナズマイレブン 『王者雷門』のヴィクトリーロード   作:ヒラメもち

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第2話 同級生

 

 無事に雷門中に入学した俺たちは、輝くようなサッカー部の青春を……

 

 『パスをする時、軸足の角度を修正してください』

「あ、はい……」

 

 今はAIという人工知能に基づいて、練習していた。

 的確な角度にしないと、高そうなゴーグルの画面が緑に光らない。これつけてパスの反復練習って、なんかサイエンスだよな。

 

「ハイ……ハイ……あ、休憩ですか」

 

 リストバンドで体調のあれこれを計測していて、休憩時間も指示通りだ。

 全部の練習時間がサイエンスじゃないけど、これじゃ俺が機械になっていくみたいだ。成長度合いが数値化されて、何だかゲームをやってる気分にもなる。

 

「パワプロは相変わらず、こういう特訓が好きじゃなさそうだな」

 

(れん)はどうなんだよ。仲間にパスしてる気がしなくないか?」

 

 『まあな』と呟いて、ベンチに置いてあるスポーツドリンクを手に取った。

 これだって、個人に適するように計算されて作られているらしい。

 

「今は基礎練習さ。まだ俺たちは子どもで、上手くなるための近道を用意してくれているんだ」

「でももっとこう、タイヤ特訓とかするものと思っていたけどな」

 

 円堂守伝説のドキュメンタリー映画によく出てくるじゃん。

 しかしいざ入学してみたら、最新の筋トレ設備だもの。

 

「時代は変わったんじゃないか。そういう特訓で怪我をしてしまっては、選手生命にも関わる」

「蓮は真面目だなぁ。監督もコーチも、中学からプロ意識つけさせてくるし」

 

 小学校時代、隠れてひたすらファイアトルネードの特訓をしていた身としては、こういう休憩時間が勿体なく感じてしまう。

 

乙女(おとめ)監督によれば、試合形式の練習になれば実践する機会は増えてくるさ。こういう積み重ねといい、『練習こそが力だ』、だろ?」

「そりゃそうだけどよ」

 

 なんか憧れてた雷門中と雰囲気が違うんだよな。

 蓮の言う通り、もう時代は変わったのかもしれないけど。

 

 今年から新しくなった監督だって、威厳のようなものがカケラもない。ドキュメンタリー映画に出てきた響木監督や久遠監督のように、ガツンと言ってほしさもある。

 

「ねっ、パワプロ君とレン君も休憩中?」

 

 この1年練習場だと珍しい女子の声だ。

 話しかけてきたのは、水色の髪の星村ナオさんで。

 

「ナオさんがお邪魔してませんか」

 

 その友達で、白色の髪の赤袖茉莉(あかそでまつり)さん。

 

「お邪魔だなんてそんな」

「早く練習を再開したいと話していただけさ」

 

 すげぇよ、蓮のやつ。

 サッカー美少女2人を前にしても、普段通りの対応だなんて。

 

「まつりちゃんは私の保護者か~ってね」

「はい、そうです」

 

 そうなのかよ。

 見るからに仲がよくて、昔から2人で一緒にサッカーを練習していたらしい。小学校時代はサッカーチームに所属していなかったこともあって、シュートは苦手そうにしてるけど、MFとしての駆け引きやボール運びは全国クラスだと思う。

 

「そうそう、今日も見せてよ! (なま)のファイアトルネード!」

「魚みたいですね」

「確かに、まるで生き物だな」

 

 星村さんはサッカーオタクでもあり、松風天馬選手のファンらしい。彼もファイアトルネードの使い手の1人で、たまにしか使わないとはいえ、剣城京介選手との連携技『ファイアトルネードDD』は化身すら貫通する。

 

「今は休憩時間だろ。見つかったら監督に叱られる」

 

 蓮の言うことも一理あるが。

 

「えぇ~ でも私たちの練習まで見にこないじゃん」

「1軍のところにもいないらしいですよ」

 

 いや大丈夫なのかよ、乙女監督。

 練習メニューを1年の俺たちの分まで考案してくれてるらしいから、忙しいのだろうか。

 

「なら、ファイアトルネード対決でどうだ?」

「暗黒寺……入部初日からやって監督から禁止されたはずだが?」

 

 やってきた暗黒寺がそう提案するも、蓮のやつが俺たちの前に出た。

 

「そうだぜパワプロ、相手にする必要ねぇよ」

「そうですよ、お互いのファイアトルネードをボール越しにぶつけ合うなんて」

 

 大佑(だいすけ)夏生(なつき)も止めてくるけど。

 

「別に怪我しなければいいんだろ。いいぞ、対決しようか」

「はっ、尻尾まいて逃げてもいいんだぜ?」

 

 あの時は暗黒寺と互角だったけど、夜に寮から抜け出して特訓してるんだ。

 エースストライカーのライバルとして切磋琢磨したいしな。

 

「ほな、名案があるで?」

 

 白髪と褐色の肌、しかも背が高く、目つきに威圧感がある。

 そんな暖冬屋哉太(だんとうやかなた)が割って入ってきた。

 

 他にもだいぶギャラリーが増えてきたな。

 

「暗黒寺とパワプロが、ワシにシュートを打つ、どっちのファイアトルネードが強かったかワシが決める。それでどうや?」

 

「……暖冬屋君はあの技が使える」

「いくら2人でも厳しいでしょう」

 

 時雨(しぐれ)といい、春日(かすが)といい、俺たちをバカにしやがって。

 

「「上等だコラァ!!」」

 

「2人ともサッカーバカですね」

「正直、推せる!」

 

「まさに伝説のオマージュ、面白いものが見れそうだぜ」

「フッ、この鬼門(きど)を楽しませるといい」

 

 赤袖さんと星村さん、それに天宮司と鬼門も賛成してくれた。でもたぶん鬼道有人はそんなこと言わないぞ。

 ここまで盛り上がったからには、真面目な蓮も認めるしかなさそうだな。

 

 場所を軽く移動して、暖冬屋がゴールの前に立った。

 

「さあ、どっちからでもええで?」

「俺からだ! 潰してやるよ!」

 

 暗黒寺はボールを空中に蹴り上げて、回転しながら飛び上がる。

 炎の軌跡を描きながら、シュートを放つ。

 

「ファイアトルネード!」

 

 まさしく炎の弾丸のようだ。

 対するは暖冬屋で、その右手にはオーラが貯まっていっている。

 

 そして頭上に掲げれば、巨大な手が具現化された。

 あの伝説の技に憧れたサッカープレイヤーもたくさんいたが、実際に身に着けられたプレイヤーは少ない。

 

 その必殺技の名は。

 

「ゴッドハンド!」

 

 巨大な手が炎のシュートを完璧に受け止める。

 シュートの勢いがなくなった頃にオーラは弾け、その手にはボールが収まっていた。

 

「あれが伝説のゴッドハンド、やっぱすげぇ」

「暗黒寺君のファイアトルネードをいとも簡単に」

 

「キャ~! 雷門サッカー部に入れただけでも嬉しいのに、ファイアトルネードとゴッドハンド使える同級生いるなんて~!」

「ナオさんが限界オタクになってます」

 

 ゴールキーパーも凄いメンバーが全国から来てるけど、暖冬屋は最高クラスだろうな。あの立向居勇気だって、ゴッドハンドを身に着けたのは中学1年の頃らしいのに。

 

「ちくしょう!!」

「ええシュートやないか。雷門1年で止められるの、ワシくらいやないか」

 

 先週より威力が上がっていたな。

 暗黒寺のやつも、練習メニュー以上の裏特訓をこなしているんだろう。

 

 態度はともかく、あれほどのシュート打てるやつは『サッカーが好き』なんだろう。

 これは負けてられないな。

 

「じゃあ次は俺の番だ。お前のゴッドハンド、打ち破ってみせ……」

 

 投げてもらったボールを足元に用意して、指差ししてまで勝利宣言してたら。

 リストバンドからアラームが鳴り響いた。

 

「なんかタイミングわるっ!?」

「パワプロ君、ドンマイです」

 

 星村さん、赤袖さん、恥ずかしいから言わないでくれ。

 

「仕方ない、みんな練習に戻ろう!」

「「「はい!!」」」

 

「ちっ、次はお前のゴッドハンド、潰してやるよ」

「暗黒寺、俺のセリフ取るなよ! 覚えてろよ!」

「俺のドラゴンクラッシュも忘れるなよ!」

 

「ええで。いつでも受けて立つ」

 

 

 まだまだ入部したての雷門1年組、なんだかんだ楽しくサッカーやれてる。

 

 誰が先に2軍入りするかというライバルでもあるけど、切磋琢磨する仲間でもあると思う。こういうサッカーの青春が、憧れた雷門中なんだよな。

 

 




パワプロ:FW(パワポケ13主)
暗黒寺修也:FW(オリキャラ)

月影蓮:MF(神童?)
紫雨雄介:DF(宍戸?)
天宮寺嶺:DF(綱波)
鬼門悟:MF(浜野?)
嵐大佑:現FW(染岡)
暖冬屋哉太:GK(井吹)
海老原夏生:FW(少林?)
春日玲央:MF(影野)

(女子)
星村ナオ:MF
赤袖茉莉:MF

原作ストーリーの時系列で、中2のネームドキャラが多すぎる。
そして名門なのに、中3のネームドが3人しかいないの、絶対何かありましたよね。勝手に何か妄想してしまいます。
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