イナズマイレブン 『王者雷門』のヴィクトリーロード 作:ヒラメもち
無事に雷門中に入学した俺たちは、輝くようなサッカー部の青春を……
『パスをする時、軸足の角度を修正してください』
「あ、はい……」
今はAIという人工知能に基づいて、練習していた。
的確な角度にしないと、高そうなゴーグルの画面が緑に光らない。これつけてパスの反復練習って、なんかサイエンスだよな。
「ハイ……ハイ……あ、休憩ですか」
リストバンドで体調のあれこれを計測していて、休憩時間も指示通りだ。
全部の練習時間がサイエンスじゃないけど、これじゃ俺が機械になっていくみたいだ。成長度合いが数値化されて、何だかゲームをやってる気分にもなる。
「パワプロは相変わらず、こういう特訓が好きじゃなさそうだな」
「
『まあな』と呟いて、ベンチに置いてあるスポーツドリンクを手に取った。
これだって、個人に適するように計算されて作られているらしい。
「今は基礎練習さ。まだ俺たちは子どもで、上手くなるための近道を用意してくれているんだ」
「でももっとこう、タイヤ特訓とかするものと思っていたけどな」
円堂守伝説のドキュメンタリー映画によく出てくるじゃん。
しかしいざ入学してみたら、最新の筋トレ設備だもの。
「時代は変わったんじゃないか。そういう特訓で怪我をしてしまっては、選手生命にも関わる」
「蓮は真面目だなぁ。監督もコーチも、中学からプロ意識つけさせてくるし」
小学校時代、隠れてひたすらファイアトルネードの特訓をしていた身としては、こういう休憩時間が勿体なく感じてしまう。
「
「そりゃそうだけどよ」
なんか憧れてた雷門中と雰囲気が違うんだよな。
蓮の言う通り、もう時代は変わったのかもしれないけど。
今年から新しくなった監督だって、威厳のようなものがカケラもない。ドキュメンタリー映画に出てきた響木監督や久遠監督のように、ガツンと言ってほしさもある。
「ねっ、パワプロ君とレン君も休憩中?」
この1年練習場だと珍しい女子の声だ。
話しかけてきたのは、水色の髪の星村ナオさんで。
「ナオさんがお邪魔してませんか」
その友達で、白色の髪の
「お邪魔だなんてそんな」
「早く練習を再開したいと話していただけさ」
すげぇよ、蓮のやつ。
サッカー美少女2人を前にしても、普段通りの対応だなんて。
「まつりちゃんは私の保護者か~ってね」
「はい、そうです」
そうなのかよ。
見るからに仲がよくて、昔から2人で一緒にサッカーを練習していたらしい。小学校時代はサッカーチームに所属していなかったこともあって、シュートは苦手そうにしてるけど、MFとしての駆け引きやボール運びは全国クラスだと思う。
「そうそう、今日も見せてよ!
「魚みたいですね」
「確かに、まるで生き物だな」
星村さんはサッカーオタクでもあり、松風天馬選手のファンらしい。彼もファイアトルネードの使い手の1人で、たまにしか使わないとはいえ、剣城京介選手との連携技『ファイアトルネードDD』は化身すら貫通する。
「今は休憩時間だろ。見つかったら監督に叱られる」
蓮の言うことも一理あるが。
「えぇ~ でも私たちの練習まで見にこないじゃん」
「1軍のところにもいないらしいですよ」
いや大丈夫なのかよ、乙女監督。
練習メニューを1年の俺たちの分まで考案してくれてるらしいから、忙しいのだろうか。
「なら、ファイアトルネード対決でどうだ?」
「暗黒寺……入部初日からやって監督から禁止されたはずだが?」
やってきた暗黒寺がそう提案するも、蓮のやつが俺たちの前に出た。
「そうだぜパワプロ、相手にする必要ねぇよ」
「そうですよ、お互いのファイアトルネードをボール越しにぶつけ合うなんて」
「別に怪我しなければいいんだろ。いいぞ、対決しようか」
「はっ、尻尾まいて逃げてもいいんだぜ?」
あの時は暗黒寺と互角だったけど、夜に寮から抜け出して特訓してるんだ。
エースストライカーのライバルとして切磋琢磨したいしな。
「ほな、名案があるで?」
白髪と褐色の肌、しかも背が高く、目つきに威圧感がある。
そんな
他にもだいぶギャラリーが増えてきたな。
「暗黒寺とパワプロが、ワシにシュートを打つ、どっちのファイアトルネードが強かったかワシが決める。それでどうや?」
「……暖冬屋君はあの技が使える」
「いくら2人でも厳しいでしょう」
「「上等だコラァ!!」」
「2人ともサッカーバカですね」
「正直、推せる!」
「まさに伝説のオマージュ、面白いものが見れそうだぜ」
「フッ、この
赤袖さんと星村さん、それに天宮司と鬼門も賛成してくれた。でもたぶん鬼道有人はそんなこと言わないぞ。
ここまで盛り上がったからには、真面目な蓮も認めるしかなさそうだな。
場所を軽く移動して、暖冬屋がゴールの前に立った。
「さあ、どっちからでもええで?」
「俺からだ! 潰してやるよ!」
暗黒寺はボールを空中に蹴り上げて、回転しながら飛び上がる。
炎の軌跡を描きながら、シュートを放つ。
「ファイアトルネード!」
まさしく炎の弾丸のようだ。
対するは暖冬屋で、その右手にはオーラが貯まっていっている。
そして頭上に掲げれば、巨大な手が具現化された。
あの伝説の技に憧れたサッカープレイヤーもたくさんいたが、実際に身に着けられたプレイヤーは少ない。
その必殺技の名は。
「ゴッドハンド!」
巨大な手が炎のシュートを完璧に受け止める。
シュートの勢いがなくなった頃にオーラは弾け、その手にはボールが収まっていた。
「あれが伝説のゴッドハンド、やっぱすげぇ」
「暗黒寺君のファイアトルネードをいとも簡単に」
「キャ~! 雷門サッカー部に入れただけでも嬉しいのに、ファイアトルネードとゴッドハンド使える同級生いるなんて~!」
「ナオさんが限界オタクになってます」
ゴールキーパーも凄いメンバーが全国から来てるけど、暖冬屋は最高クラスだろうな。あの立向居勇気だって、ゴッドハンドを身に着けたのは中学1年の頃らしいのに。
「ちくしょう!!」
「ええシュートやないか。雷門1年で止められるの、ワシくらいやないか」
先週より威力が上がっていたな。
暗黒寺のやつも、練習メニュー以上の裏特訓をこなしているんだろう。
態度はともかく、あれほどのシュート打てるやつは『サッカーが好き』なんだろう。
これは負けてられないな。
「じゃあ次は俺の番だ。お前のゴッドハンド、打ち破ってみせ……」
投げてもらったボールを足元に用意して、指差ししてまで勝利宣言してたら。
リストバンドからアラームが鳴り響いた。
「なんかタイミングわるっ!?」
「パワプロ君、ドンマイです」
星村さん、赤袖さん、恥ずかしいから言わないでくれ。
「仕方ない、みんな練習に戻ろう!」
「「「はい!!」」」
「ちっ、次はお前のゴッドハンド、潰してやるよ」
「暗黒寺、俺のセリフ取るなよ! 覚えてろよ!」
「俺のドラゴンクラッシュも忘れるなよ!」
「ええで。いつでも受けて立つ」
まだまだ入部したての雷門1年組、なんだかんだ楽しくサッカーやれてる。
誰が先に2軍入りするかというライバルでもあるけど、切磋琢磨する仲間でもあると思う。こういうサッカーの青春が、憧れた雷門中なんだよな。
パワプロ:FW(パワポケ13主)
暗黒寺修也:FW(オリキャラ)
月影蓮:MF(神童?)
紫雨雄介:DF(宍戸?)
天宮寺嶺:DF(綱波)
鬼門悟:MF(浜野?)
嵐大佑:現FW(染岡)
暖冬屋哉太:GK(井吹)
海老原夏生:FW(少林?)
春日玲央:MF(影野)
(女子)
星村ナオ:MF
赤袖茉莉:MF
原作ストーリーの時系列で、中2のネームドキャラが多すぎる。
そして名門なのに、中3のネームドが3人しかいないの、絶対何かありましたよね。勝手に何か妄想してしまいます。