"DISASTER"   作:榊 時雨

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こちらの都合で、最後にもう1シーン加筆しました

・前回の後書きで書こうと思って忘れてた補足設定
アースが姫野のことを「姫ちゃん」と呼ぶくらい仲がよかったのは、幽霊の悪魔に姫野を紹介したのがアースだから

アースは顔が広いので、色んな悪魔と公安のデビルハンターの仲介役を任されることもあります


4課の人外(加筆済)

特異4課には、銃撃犯(テロリスト)のいるビル内部を制圧する仕事を言い渡されていた。

デンジやパワー、アキはその中でも姫野たちを殺したテロリストを追っていた。

 

その外で、隊長の岸辺は退魔2課と警察に、4課の人外たちと交戦になった場合を想定して、彼らの特徴を伝えていた

 

「サメの魔人、暴力の魔人、蜘蛛の悪魔、天使の悪魔…こいつらは暴れるようなことがあれば厄介だが、暴れなければ問題ない。

その点で…あいつは理性的だが、大人しくても割と厄介だ」

 


 

「ビーム、確認もせずに無闇矢鱈と口に入れようとするのはやめたまえ すまないね、暴力くん」

 


 

「アース……災害の悪魔

ゾンビしかいない室内だ、使える能力は限られるがそれでもあいつの『地震』は強力だ」

 

岸辺は言葉を切り、「それと、1番注意してほしいのが」と加えて続けた

 

「あいつには”地雷”があってな……それだけは絶対に踏むな、俺でも手が付けられん

その状態であいつが外に出れば、1時間足らずで洪水と津波で関東甲信が沈むぞ」

「その、”地雷”…というのは」

 

県警の警部補が、恐る恐る尋ねた

 

「俺も詳しくは知らんが──」

 


 

「ギャ、ハぁイ アース、様」

「ははは、別に気にしなくていいのに」

「私が気にするんだ」

「もしかしてアースって潔癖症?」

 


 

「──数年前、サメの魔人とアースは契約してるんだと

だから、サメに何かあればアースは相手が誰であろうと躊躇なく殺すぞ、気を付けろ」

 


 

「じゃあ、お喋りは終わり」

 

アースはパンッと手を叩き、

 

「仕事に集中しようか」

 

…掴みどころのない笑みを浮かべた

 


 

数年前、東北の原子力発電所付近の海岸──

 

「そこの君、生きてるかい?」

 

角の生えた頭にサングラスの青年…公安に入る前のアースは、とある悪魔を探していた

 

ギャ……ゥ

「よかった、辛うじて生きてはいるね。はじめまして、サメの魔人くん。君を探しに、ここまで来たんだ」

オマエ… だれ

「失礼、自己紹介が遅れたね。私はアース、災害の悪魔だ」

 

全身が怪我だらけだった、その時のサメの魔人…ビームは殺されると思い、残っている力を振り絞って抵抗しようとした

 

「民間のデビルハンターに追われて、そんな怪我を負ったんだろう? 無理をしない方がいい、私は君を傷つけるつもりはない」

 

アースにそう言われてもビームは警戒を解かなかったが、とうとう身体に力が入らなくなった。

もう言葉を発する気力もなく、ビームは低く唸った。誰がお前なんか信じるもんか、と言わんばかりに

 

「サメの魔人くん、私は君と契約をしに来たんだ」

契 やく…?

「そう、契約。君にとっても、悪い話じゃないと思うよ」

 

契約。

悪魔にとってその言葉は、とても重いモノである。どちらかが契約を守れば、もう一方も必ず守らなければならない。守らなければ、罰が下る(死ぬ)

 

「私は今から君を助けてあげるし、これからも何があろうと君()()は助けてあげる。

その代わり──」

「……」

 

続きを待つように、じっとアースを見上げるビームに、アースは今よりいくらか幼い顔でニコリと笑った

 

「私と友達になってくれ!」

 

「? …⋯???」

「さぁ、どうする? この契約を受けるかは君次第だよ」

 

ビームは何が何だか訳が分からなかったが、今助かりたい一心で、アースの条件を飲んだ

 

「どんな場所でも泳げる君なら、どんな災害が起ころうと生きられるだろう?

私は、いつでも一緒にいられる友達が欲しかったんだ!! ありがとうサメの魔人くん、君の名前も教えてくれ」

 


 

時は現代に戻り、テロリストの潜むビル前──

 

「ずいぶん詳しいですが…岸辺隊長は、災害の悪魔が本気で怒ったところを見たことがあるのですか?」

 

退魔2課所属の古野という男が尋ねた。岸辺は古野を一瞥すると、首を横に振った

 

()()()()()後の現場を見たってだけだ…直接見てたら今、俺は生きて喋ってねぇだろうな」

「そんなに凄惨な現場だったので?」

「ああ、そうだな……海岸から近くの原子力発電所まで地面が液状化して、周囲の家なんかは全壊。あと少し範囲が広かったら、放射性物質が出てたらしい。

なんでも、サメの魔人に酷い怪我を負わせたデビルハンターがまた追ってきたからつって、地面割ったんだとよ。ただ…」

「…ただ?」

「……いや、なんでもねぇ」

 

「ただ、デビルハンター以外の…一般人の死者数は0(ゼロ)だった」のは、言っても無駄に気味悪がらせるだけだと思い、岸辺は口を噤んだ

 


 

「デンジくーん! お、アキくんもいるのか。よかった、無事かい?」

 

ビル内の4課メンバーがゾンビの制圧が終わって、アースはデンジとサムライソードの所に加勢に向かっていた。

その道中で、アキからサムライソードが拘束されたという連絡が入った

 

「アースさん……お疲れさまです、俺たちは無事です」

「お〜アンタは、飲み会のときの!」

「お疲れさま、私含めて人外組は全員が無事だよ。コベニちゃんは?」

「コベニは警察と一緒のハズです」

「それは何より、ところで何しようとしてたの?」

「アンタも、姫野先輩と仲良かったよな」

 

悪い顔でニヤリと笑ったデンジと、少し呆れ気味だが気合を入れているアキ。話を聞いて、アースは目を丸くした

 

「…っははは!! いいよ、その勝負乗った!!」

「参加者が増えたから、もっかいルール説明すんぞ。3人で順番にこいつのキンタマ蹴っていって…警察が来るまでに1番デケェ悲鳴を出させたやつの勝ちだ!!」

 

その直後、人間の姿のサムライソードの、情けない悲鳴が辺りに響いていた──

 

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