「そんで、頼みごとって何なんだ?」
「私が死んだ後のことを、君に頼みたいんだ」
「……はぁ?」
アースは淡々と、しかし穏やかな表情でそう言った
「なに言ってんだアンタ、これからすぐに死ぬ予定でもあんのかよ?」
「すぐじゃないよ、ただ…私が来年の東京の姿を見ることはできないだろうなと思って。早めに伝えておきたかったんだ」
「なんで分かんだよ、そんなこと」
「伊達に長生きしてる訳じゃないからね、私も。勘だよ、勘」
「勘って、お前……」
「そういうことが分かる知り合いにも聞いたからね…絶対、たぶん間違いないよ」
「どっちだよ」
「あははっ」
まるで他人事のように自分の死を語るアースに、デンジは胡乱な目を向けた。まだアースと付き合いの浅いデンジにとって、彼の意図や本心を汲み取ることは、そう容易なことではなかった
「さっきも言った通り、死んで蘇った後の私は『
「アンタは災害の悪魔だし、野放しにしとくのは危ねぇって話か?」
「そうだね……私が最も危惧しているのは、自分の友人を傷つけてしまうこと。そして、己で己を孤立無援に追い込んでしまうこと…」
そう話すアースは、友人もなく、独りで寂しく生きていた昔を思い出すように遠い目をしていた
「既に手は回してある、ただ保険は掛けておくに越したことはないからね」
「その
「…そういうこと
そのチェンソーがあるんだ、君はきっと銃の悪魔を倒して強いデビルハンターになるよ。だから、私を探しに来てほしい」
「探しにって……探してどうするんだ? 次のアンタは、もう俺のこと分かんねぇだろ」
「デンジくんには負担を掛けるけど…何とか頑張って、災害の悪魔を公安で飼ってくれ。たとえ
「公安でまた雇えばいい訳だな」
「まぁ、危険そうだったら無理に雇わなくっても大丈夫。公安であろうと民間であろうと、デビルハンターと契約さえさせてくれれば役には立てるハズだよ。
──頼まれて、もらえるかい?」
申し訳ないと言わんばかりに眉を下げて穏やかに笑うアースに、デンジは何とも言えなくなってしまって、ガシガシと頭を掻いた
「なぁんか思ってたより重いこと頼んでくんじゃん……」
「すまないね、君が私の想定以上に成長してくれたモノだから」
「そりゃあどーも」
一瞬とも永遠とも思える沈黙。2人の青年は、暗くなっていく街並みを見下ろしていた
「……マキマさんとのデートが懸かってるんだ、俺にできる限りはやってみるよ」
「うん、ありがとう──デンジくんに、頼んでよかった…」
安心したように息を吐いたアースの声は、普段の毅然とした彼からは想像もできないほど震えていた
たぶん次からレゼ篇に入ります、たぶん(保険)(大事なことなので2回目)