第一次特別学力試験当日、一部を除き緊張感が走る。ハルキ?ああ、あいつはどっからその自信がわいてくるのかわからないほど自信に満ちた顔をしている
"みんな、落ち着いて頑張ってね。ハルキは特に"
「分かってるって!まあ、泥舟に乗ったつもりでいてくれ!」
「ハルキ先輩!泥船では沈んでしまいますよ!?」
「……?」
「あうう……そんな私がおかしなこと言ってるみたいな顔しないでくださいよぉ……」
「なんで泥船に乗るのよ!大船に乗りなさいよ!」
「うふふ、賑やかですね。私も混ぜてくださいな」
"会話もいいけど、まずは席に着こうね"
ハルキ達は先生の一言で話を止めて席に座る。そして試験用紙を配られ、各自それを解いていく。ちなみにハルキはというと
(?????????)
まったく理解できていなかった。先ほどまでの自信は何だったのか。なんと最初の1問目で完全に詰まってしまっている。しかしここで諦めるこいつではない。何とか内容を思い出し、問題を解いていく。そして試験終了の時間がやってきた
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"試験の結果が届いたよ"
「み、皆さん、お疲れ様でした……!えっと100点満点で60点以上でしたら合格だそうです!高得点は取れなくても、とりあえずそのラインだけ越えられれば大丈夫です」
「フッ、100点は堅いぜ」
「あんたは黙ってて、どうせまた0点よ!」
「あらあら、それではこの試験は不合格ということになってしまいますよ?」
「さすがハルキ、凄く自信があるようだな」
"……じゃあ、結果を発表するよ"
ヒフミ──72点
「やりました!無難な点数ではありますが、合格点には届いているので良かったです!では、次に……」
アズサ──32点
「……はいぃっ!?」
「ちっ、紙一重だったか」
「……ま、待ってください!「紙一重」って点数じゃないですよ!?結構足りてないですよ!?」
「まあ、そういうこともあるさ、また頑張ろうね、アズサちゃん」
「ああ」
「で、次は?」
コハル──11点
「!?」
「コ、コハルちゃん!?ち、力を隠してたんじゃないんですか!?今回はちゃんと1年生用の試験を受けたんですよね!?ま、まさかまた2年生用の……いえその点数、3年生用の試験を受けたんですか!?」
「やっ、その……!か、かなり難しかったし……」
「すっごく簡単でしたよ!?小テストみたいなレベルでしたよ!?これじゃハルキ先輩のこと笑えませんよ!?」
「い、いや!あいつはどうせまた0点よ!私のほうが高いもん!」
「合格出来てなければ意味ありませんよ!?」
「うっ……」
「コハルちゃん!今回はだめだったけど、次頑張ろうな。オレも応援してっから!」
「アンタなんかに励まされたって嬉しくないわよ……」
「もしかしてオレ程度の応援では足りないということか!?じゃあ立ち直れるようにもっと応援しなければ!」
「そういうことじゃなぁぁぁぁい!!」
ハルキとコハルが漫才をやっている中、次はハナコの試験結果が発表される
ハナコ──2点
「2点!!?!?!?!?」
「ハルキ先輩と2点しか変わりませんよ!?」
"ヒフミ、ナチュラルにハルキが0点取ってるみたいな言い方してるよ"
「いや、4点かもしれないぞ」
「だとしてもですよ!?」
「いや?オレは100点だよ」
「絶対あり得ないからアンタは黙ってて」
「(`・ω・´)ゞ」
「なんでそんな嬉しそうに敬礼するのよ……」
「うふふ、ハルキ先輩に嫌味は通じませんからね」
「あうう、まさか合格したのが私だけなんて……」
「いや、まだハルキがいるぞ」
「アイツが合格なわけないでしょ」
"じゃあ、最後にハルキの点数だね"
ハルキ──0点
「何……だと……!?」
「知ってましたよっ!!ハルキ先輩が0点なんてことはじめから分かってましたよ!なんでそんな、あり得ないみたいな顔してるんですか!?このおバカー!!」
"ヒフミ、落ち着いて……キャラ崩壊しちゃってるから……"
「ま、次あるし、そこで100点取りゃいいや」
「あらあら、流石ハルキ先輩、切り替えが早いですね」
「まず反省してくださいっ!」
こうして一次試験はヒフミ以外は不合格という結果で幕を閉じた。そして、補習授業部の合宿が確定した
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「あら、先生。お疲れ様です」
「補習授業部の方はいかがですか?……といいつつ、すでにお話は聞いております。どうやら最初の試験は、うまくいかなかったようですね。ですが後2回残っていますので……」
"ナギサ、単刀直入に聞くね。3回とも不合格になったら、補習授業部の皆はどうなるの?"
「……小耳に挟まれたのでしょうか?出処は……ヒフミさん、ですかね。彼女はそういう所がありますからね。まあそれが、ヒフミさんの良い所でもあるのですが……」
「さて、質問にお答えしますと、簡単なお話です。試験で不合格を繰り返す、落第を逃れられそうにない、助け合うこともできない……だとすれば皆さん一緒に、退学していただくしかありません」
"退学!?……じゃあ、あの時ハルキについて言っていたことも、嘘なの?"
「……いいえ、あの言葉は紛れもなく本音ですよ。それはミカさんも同じです。しかし、彼はこのまま行けば留年は確実。そして私たちが彼に今現状何も教えてあげられない以上、補習授業部での試験合格を目指すしかないのです。ですが、それでも駄目となると……もう、この道しか残されていないのです」
"それは、ハルキには伝えたの……?"
「いいえ、伝えたところで、彼が覚えていられると思いますか?」
"………"
「否定できないでしょう?本来なら私も否定したいのですが、2年以上の付き合いです、彼の人となりはそれなりに理解しているつもりです」
先生もナギサも、ハルキに伝えたところで覚えていられるはずがないという事実を否定できないでいた。それもそうだろう。模擬試験で0点を取り、本番でも0点を取るおバカなのだから。ハルキは3年生用の試験を受けてはいるが、確実に1、2年用の試験すら0点を取る。本人は結果を見るまでは「いや、100点は確実だ」などと宣うだろうが
「しかし、補習授業部については元々退学させるために作ったものですから」
"……!?"
「なぜそんな事を……と言った顔をしていますね」
"理由を、教えてくれないかな?"
「あの中に、トリニティの裏切り者が居るからです」
"裏切り者……?"
「その裏切り者の狙いはエデン条約締結の阻止」
"エデン条約の……?もしかしてハルキが裏切り者である可能性が……"
「いえ、彼に他人を裏切るなどという知能はありません。彼が補習授業部にいるのは何度もお伝えした通り単純におバカだからです」
"ハルキ……"
先生はハルキの言われように呆れつつも納得していた。そりゃアイツのことを知っている人ならアイツに裏切る知能があるとか微塵も思わない。たとえ裏切ったとしても面と向かって俺は裏切るぞー!とバカ正直に宣言するだろう。裏表があると思うかもしれないがそんな物は断じて存在しない
「こんな血なまぐさいことに先生を巻き込んでしまって申し訳ありません。私のことは罵っていただいても構いません。おそらくこの事をハルキさんが知れば、私のことを軽蔑……しないですね、彼は」
"まあ、そうだね……"
「では、裏切り者の捜索、お願いいたします」
"それについては、私のやり方で対処させてもらうよ"
「……そうですか。わかりました。それからもう1点、試験については基本的に私たちの手のひらの上にあります。例えば「急に試験の範囲が変わる」ですとか、「試験会場が変わる」ですとか、「難易度が変わる」ですとか……そういった事が起きないことを祈っていますが……」
"ハルキについて色々いうのに、そういうことはするんだね"
「………矛盾しているという事は理解しています。ですが、これは必要なことなのです。彼を巻き込んでしまうのは心苦しいですが、やむを得ない事情があるということを、理解していただければ」
"……わかったよ。それじゃあ私はもう行くね"
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「ここが合宿所かぁ」
「はい、ようやく着きましたね……」
「しばらく使われていない別館の建物と聞いたので、冷たい床で裸になって寝ないといけないのかと思っていましたが……」
「広いですし、きちんとしていますし、可愛いベッドもあって何よりです。これならみんなで寝られそうですね、裸で♡」
「さっきから何でちょいちょい「裸」を強調するの!?それにベッドの数もちゃんとあるんだからみんなで寝る必要ないでしょ!?」
「せっかくの合宿ですし、そういうお勉強も必要ではないでしょうか?」
「ハナコちゃん、そのお勉強ってのは一体なんなんだ?」
「あら、ハルキ先輩、気になりますか?」
「なるなる!」
「うふふ……♡では今から……」
そう言ってハナコはあろうことかハルキのいる目の前で服に手をかけた。そして脱ごうとした瞬間……ハルキの目の前が真っ黒になった
「……?前が見えねえ」
「エッチなのは駄目!死刑!」
コハルはハルキの目を両手で隠し、ハナコの姿を見せないようにしていた
「あらあら……ハルキ先輩が知りたがっているから教えてあげようとしただけのですが……」
「純粋バカに何教えようとしてるのよ!?ハルキ先輩にそういうのはまだ早いの!」
なんと、コハルからしてみればハルキは性知識のまるでない純粋無垢な子供なのだ。肉体は立派な高校生男子なのだが、如何せん頭がダメダメであるため、こういう扱いになるのもまあ仕方ない
「ハルキ先輩……まるで子供みたいな扱いですね……」
"ハルキは確かに純粋だからね"
合宿所について早々この状況、ハルキたちは無事合宿を終えることができるのだろうか
ハルキはバカだけど決める時はしっかり決める、みたいなキャラ設定にしてるので、いずれ来るであろうおバカッコいいハルキ君を期待してください