ドラえもん×ウマ娘!ゴルシちゃんの幸せ未来大作戦! 作:ゴルシ未来人
日高地方。東は日高山脈、西は太平洋に面しており、自然や海の幸そして山の幸が豊富な地帯である。現実世界の史実では明治からサラブレッドの生産が盛んであり、社台グループが台頭するまでは様々な牧場が重賞を制覇するサラブレッドを排出していた。しかし、生産者である牧場も後継者不足や高齢化などの問題を抱えており、倒産…離農する生産牧場が増えているのが社会問題となっている。
「一面銀世界だな。ヒャッハー!!カルフォニアやニューヨークじゃ考えられないな!!!」
「ざぶぶぶ!!おっさん!良く平気だな!!」
「寒さなら真冬のニューヨークも大概だからな、ハッハハ!!」
そんな日高の大地にサンデーサイレンス、東京に居るときと同じ格好でやって来たゴルシちゃん(外見年齢6歳)、青色のタヌキロボット…ではなく猫型ロボットのドラえもんはやって来ていた。どこでもドアの恩恵か、一瞬で日高にやって来たこともあり、温度差からゴルシちゃんはガクガクと震え、サンデーサイレンスはテンションが上がっていた。
「腹ごしらえでジンギスカン食べてーな。ティターンのヤツが是非食っとけってさっきメール来た」
サンデーサイレンスがポケットからゴルシの時代では博物館や骨董市でしか見ることの出来ない代物、折り畳み式の携帯電話…通称ガラケーを取り出してメールを確認した。メールはメジロアサマから「地方トレセンの分校やローカルリーグ参加学校の場所を送るよ。見てきな青二才」とローカルリーグ…現実世界では地方競馬に参加している学校と地方トレセンの分校の位置が送られてきた。もう一件はメジロアサマの娘であり大学生のメジロティターンから「ジンギスカンって焼肉が美味しいよ!!」ってメールが着ている。
「羊肉だってよ。お土産に買おうぜ!!ババアの金でな!!」
「でもよ、ジンギスカンの肉って全部が北海道産じゃなくて消費量の半数以上がニュージーランドからの輸入物だぜ?」
「ゴルシ…俺様の夢をぶち壊すとは良い度胸だ。ガキンチョ」
「はっはー!現実を突きつけてやったぜ!!おっさん!!」
バチバチとヒバナを散らす二十代前半VS外見6歳中身JKが舌戦を繰り広げる。その様子を見て、ドラえもんは心の声で「パパよりそっくり」と思うのだった。
と、その時だった。ププッと車のクラクションが鳴る。ゴルシとドラえもんは勿論のこと、サンデーサイレンスもクラクションの方を向くと、一台の軽トラが停まっていた。軽トラの運転手は手回し式の開閉ハンドルを回して窓を開けていく。窓が開いたこともあり、運転手が明らかになった。
「サンデーサイレンス。お前、なんでこんなところに居るんだ?」
それは日本人ではなく、ニュージーランド人の女性だった。彼女はティナ。ウマ娘史実…つまり歴史改変が起こらなかった場合の世界線で、天涯孤独となったスペシャルウィークを引き取って育てた女性だ。
そんなティナとサンデーサイレンスが知り合いの訳だが、ティナはキャンペンガールの親友であり…サンデーサイレンスと会うのはティナの結婚式以来となるのだ。
「ティナか。ちょうど良かった。乗せてくれ、俺様は平気だが、このガキンチョの体力が大変でな」
「なんだとおっさ」
ゴルシはサンデーサイレンスに反論しようとしたが、サンデーサイレンスに無理やり抱っこされて、口を塞がれてしまった。
「しょうがない…乗りな」
ティナに言われ、サンデーサイレンスは助手席、ゴルシはサンデーサイレンスの膝の上。そして軽トラは一応2人乗りなのでロボットであるドラえもんは軽トラの荷台である。仕方あるまい、サンデーサイレンスとゴルシが荷台に乗ったら違法であり…その場合は青色のビニールシートを被って死体と偽って誤魔化すしかない。
「いやビニールシートを被って死体と偽るのもダメだからね!?」
ドラえもんのツッコミが響いたが気にしてはいけない。ドラえもんはお巡りさんが来たら、置物や人形を演じなければいけないのだ。
「予定日…何時なんだよ?」
「出産か?」
「そう」
ティナの運転で、日高にある北海道のローカルシリーズに関係している中学校や高等学校に向かっているゴルシちゃん達。その道中、暇だったのか…たまたま親友の旦那に会ったこともあり、ティナはサンデーサイレンスと会話していた。
「5月の予定だ。男か女か分かんないが、名前は決めてる」
「ウマ耳が有ったら、女の子だろ?」
「俺のような例外が居るんだ。男かも知れないだろ」
スペシャルウィークの誕生予定は5月。つまり、それまでにサンデーサイレンスは心臓病で亡くなってしまうのだ。ゴルシちゃんはなんとかしたいと思うが、ドラえもんの言葉もあり…実行に移せない。
「それで…名前は?」
「女の子ならスペシャルウィーク、男の子ならディープインパクトだ。仮に女の子が産まれて、次の子が男の子ならそのままだな」
女の子ならスペシャルウィーク。男の子ならディープインパクト。サンデーサイレンスは既に我が子の名前を決めていたようだ。だが、このままではディープインパクトは誕生しない。当然だ、サンデーサイレンスもキャンペンガールも亡くなる運命なのだから。
それにディープインパクトなんてウマ娘はゴルシの記憶では存在しない。だが、その名前を聞いたゴルシは恐ろしくなった。なんでか分からないが、その名前を付けられた人物は全てを置き去りにするほどの力を得そうだったから。
「じゃあ、2人目も続けて男の子か女の子なら?」
「女の子ならステイゴールド。男の子ならアーサーだな」
「急に普通だな、アーサーって。長男はディープインパクトにするんだろ?」
「アーサーなめんなよ?俺をネグレクトした孤児院から救ってくれたスーパー爺さんで、俺の名付け親だ!!」
2人目の女の子はステイゴールド。2人目の男の子はアーサー。ステイゴールドというウマ娘はゴルシは聞いたことはないが、何処か親近感がわいてきた。そしてアーサーという名前はサンデーサイレンスの養父からだろう。
「それにしても…ゴルシちゃんだったか?お前、サンデーサイレンスとそっくりだな」
「「誰がそっくりだ!!」」
「ほれみろ…そっくりだ」
ティナからして見れば、サンデーサイレンスとゴルシちゃんはそっくりとのことだ。外見というより、中身のことだろう。
「本当にそっくりだ。普段は悪ふざけするくせに、本気になった時は妙に冷静になったりな。
スペシャルウィークかディープインパクトか分からないけど、子供はキャンペンガールに似てほしいな」
「当たり前だろ………俺だって赤子の頃からババアに育てられたら、こうもなってないわ」
ゴルシはサンデーサイレンスの過去が気になったが、それを聞くのは別の機会となる。何故なら、突如としてサンデーサイレンスの心臓に…機関銃で撃たれたような激痛が走り…胸が締め付けられるような痛みで顔が真っ赤になる。
「グッ…ガァァ!?」
「おっさん!?おい!!しっかりしろよ!!」
だが、病魔はサンデーサイレンスの身体を蝕んでいく。本来なら今ので心臓発作を引き起こして死んでいる筈だが、サンデーサイレンスは気合いでそれを圧し殺して痛みに耐えた。
「サンデーサイレンス!?」
「……大丈夫だ。まだ子供を抱っこしてないのに、死ねるかよ。俺はまだ、トキノミノルに頂点から見える景色を見せてねえ…使命を果たしてないのに死ねるかよ」
やがて車は中高一貫の学校に到着した。
そこではローカルシリーズに参戦するウマ娘、中央のレースに参戦して下克上を狙うウマ娘がローカルシリーズのトレーナーの指示を聞いて練習に励んでいた。中には世紀末覇王(北斗の拳)のような筋骨隆々のマッチョなウマ娘も居る。
「ゴリゴリマッチョのウマ娘が居る!?」
「筋肉すげぇぇぇー!!」
ゴルシとドラえもんが唖然するのも無理はない。ゴリゴリマッチョなウマ娘達はローカルシリーズのばんえいリーグに参戦するウマ娘達なのだ。メジロ家とは関係ないが、メジロゴーリキーというウマ娘も居るのである。
「ばんえいリーグのウマ娘だよ。北海道じゃ良く見られて、心優しい力持ちだ」
ゴルシと手を繋ぐティナがそう教えてくれた。
では、サンデーサイレンスはというと、聖子ちゃんカットのウマ娘の少女に声をかけていた。その少女と幾つか会話を重ねると、あろうことかその少女を連れてゴルシ達の所に戻ってきた。
「おっさん、その子誰?」
そのウマ娘は資料で様々な時代のウマ娘の顔を知っているゴルシも知らない顔だった。
「喜べ、チームスピカの新メンバーだ。さて、自己紹介だ」
「ハイセイコーです!宜しくね、ゴルシちゃん!!」
そのウマ娘はハイセイコー。やがてトキノミノルと同じくチームスピカ(昭和)の主力の1人と成るのだった。
と、その時だった。
「あ…あのサンデーサイレンスさんですよね?」
1人の老人がサンデーサイレンスに話しかけた。その老人は服装からして、日高の農家さんだろうか?
「はい。そうです。失礼ですが、アナタは?」
((この男、ビジネス敬語をマスターしてる!?))
ゴルシとドラえもん、サンデーサイレンスが敬語を使えることに驚く。
「私は…先日、トレセン学園を退学させられた子の祖父です。孫の名はロイヤルイザーニャ。死んだ倅とその妻、イザーニャの子供です」
お爺さんは語る。お爺さんの孫であるロイヤルイザーニャは亡くなった息子の子供なのだが、先日…戦績が振るわなかったこともあり…トレセン学園を退学して北海道に戻ってきたのだ。
ゴルシだって思うことはある。苦労して受験勉強を頑張っても、中央で活躍出来なかったらトレセン学園を退学させられてローカルシリーズだったり、普通の高校に移るウマ娘を見てきた。残酷だが、これは未来でも変わらない現実なのだ。
「そうですか。お孫さんが所属していたチーム、それと出走種目は分かりますか?出来れば教えてください」
「イザーニャはチームベガに所属してました。しかし、芝の短距離でデビューしましたが…勝てず、ダートの短距離に転向しましたが1度も勝てたことがありません。そのため、ベガのトレーナーの意向もあり、追い出されるようにトレセン学園を退学にさせられたんです」
『お前のような素質なしが来るところじゃないんだよ。とっとと荷物を纏めて出ていけ』
その言葉と共にロイヤルイザーニャは追い出されて、祖父の居る北海道にやって来たのだ。それでも諦めきれず、ローカルシリーズで走り続けているが未だ未勝利なのだ。
「酷い…」
あまりの酷い話にドラえもんも嘆くように言う。
「分かりました。お孫さんに会わせて下さい」
「こちらです」
お爺さんの案内でゴルシ達はロイヤルイザーニャに会いに行く。だが、サンデーサイレンスは「半殺し♡リスト」というメモ帳にチームベガのトレーナー達の名前を書き込んだ。
「イザーニャ!サンデーサイレンスさんが来てくれたぞ!!俺達、庶民のヒーローの」
「「「庶民のヒーロー?」」」
そこには葦毛のトキノミノルと同世代のウマ娘、ロイヤルイザーニャが居た。側には鹿毛のウマ娘でイザーニャの親友のロイヤルファイトの姿もある。
「はじめまして、サンデーサイレンスだ」
サンデーサイレンスはしゃがみ、ロイヤルイザーニャの背丈に目線を合わせて話しかける。
「ロイヤル…イザーニャです」
トレーナーは勿論、トレセン学園時代のチームメイトにも色々言われてきたのだろう。ロイヤルイザーニャは自信が無さげに名乗った。
「いきなりだけど、お前は短距離に向いていない。ダートはもっと向いていない。
俺の予想が正しければ、芝の中距離が一番適性が高い。そうだな…後は」
サンデーサイレンスはロイヤルイザーニャにアドバイスを色々と告げる。その後、サンデーサイレンスはストップウォッチを取り出した。
「嘘だと思うなら、今から確かめる。やってみるか?」
「はい」
そしてロイヤルイザーニャはサンデーサイレンスからのアドバイス通りに、芝のコースで2000を走ってみる。作戦もサンデーサイレンスのアドバイス通りに、逃げや先行で行ってみた。だが、どうだろうか?
トレセン学園に居た頃と比べて身体が軽く、ぐんぐん進んでいく。
「イザーニャ!?スゴいじゃん!!あっ!私はロイヤルファイト、私は!?」
「ファイトだな。後で見てやるよ」
サンデーサイレンスは瞬く間にイザーニャの素質を開花させたのだ。そのトレーナーとしての圧倒的力を見て、ゴルシとドラえもんは驚く。未来ではサンデーサイレンスに匹敵するトレーナーは存在していないのだから。
「これがサンデーサイレンス。アイツは私の知るなかでも、一番のトレーナーだよ」
ティナの言葉を聞いてゴルシはファイトにも指導するサンデーサイレンスを見る。もし、サンデーサイレンスが生存したらマックイーンの故障を確実に防げる。それだけじゃない、他のトレーナーの質も間違いなく高まるだろう。
「お爺さん。安心してくれ。お孫さんは素質あるよ。俺が保証します。お孫さんとお友達は俺が責任を持って預かる」
「イザーニャを…孫をお願いします!!」
ロイヤルファイトとロイヤルイザーニャ、チームスピカ入り。
「さて…そろそろ帰ろうぜ。タヌキ、どこでもドア「サンデーサイレンス!!会ってほしい子供が居る!!日高の希望となる子が居るんだ!!」ティナ!?」
ハイセイコー、ロイヤルイザーニャ、ロイヤルファイト。新たな部員をゲットしたチームスピカ。サンデーサイレンスは帰ろうとしたが、ティナに腕を掴まれて…とある牧場に案内される。
そこは野崎牧場。家族経営の牧場であり、そこに当時のシンボリルドルフと歳が近い未就学児の幼子なウマ娘が居た。
そのウマ娘は稲妻のような流星模様を持ち、興味深そうにサンデーサイレンスを見上げる。
「この子は?」
「ロイヤルホープ。この野崎牧場の奥さんが亡くなる前に出産したウマ娘だ」
「そうか、ロイヤルホープか…良い名前だ」
ロイヤルホープ。やがて日本中に旋風を巻き起こし、社会現象を引き起こすアイドルウマ娘であった。
「サンデーサイレンス。この子が大きくなったら、チームスピカに入れてくれ。この子は日高の希望なんだ。だから…死ぬな…絶対に生きろ。スペシャルウィークやディープインパクトがお前に会うのを待ってるんだぞ!!何があっても、私の親友を未亡人にするなよ!!」
「ああ、分かってるさ」
だが、病魔はサンデーサイレンスの命を削っていく。
「ドラえもん。わりぃ…私、サンデーのおっさんを見捨てることができねぇ」
そして次回、ゴルシ…歴史を変える。
次回…ゴルシ、歴史を変えてしまう!!
サンデーサイレンス「胸の痛みが消えたわ!」
キャンペンガール「元気な女の子を無事に産みました!!」
トキノミノル「無敗で全て日本記録更新してクラシック三冠取れました!」
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