ガラル。古い歴史と新しい文化が混ざり合う場所。
商業化されたポケモンバトル。ダイマックス現象。
エンターテインメントとカルチャーを同時に堪能する。
ガラル地方の奥地には、封印されたポケモンがいると、各地で耳にする。
とにかく素早くて強いらしい。
次第に一つの予測へと収束していく。
大将…なのか?
噂に聞いた遺跡を訪れてみる。
冠の雪原。定めの遺跡。
そこには、石の台座があった。封印を解いてみる。
青い光が渦巻き、その中から一匹のポケモンが現れる。
黄色い体に、幾何学模様。
背中には複数のアンテナのような突起。
そして、その全身から放たれるエネルギーは、電撃。
常に、その体を包む電気が躍動している。
レジエレキ。
ただ、戦いの本能だけがある、古代の遺跡から甦った世界最速の電気ポケモン。
ヒノヤコマが挑む。
つばめがえし。
空へ舞い上がり、赤い光跡を残しながらレジエレキへ急降下する。
だが、レジエレキは更に速かった。
電撃を纏ったレジエレキが、音すら置き去りにして移動する。
つばめがえしが空を切る。
レジエレキがヒノヤコマの背後に回り込む。
サンダープリズン。
電撃の槍がヒノヤコマめがけて放たれる。
ヒノヤコマは翼をはためかせて横へ身を躱す。
電撃が空気を焦がし、その後ろから火が立ち上る。
目を凝らしても、その動きが見えない。
唯一見えるのは、黄色い電光の軌跡だけ。
敵がどこにいるのか。
次の攻撃がどこから来るのか。
見えない。
ヒノヤコマは翼を広げて防御を試みるが、二つ、三つの電撃が直撃する。
ついに電気網に捕まってしまい、地面に落下した。
砂塵が舞う。
だが、火柱が一本空へ舞い上がり、やがて火の鳥の様相を成していく。
辺りの砂が燃え尽き、炎の中からファイアローが現れた。
その瞳には、闘志が見える。
以前より、さらに強い火がついたようだ。
最速に挑もうとしている。
ファイアローは一言、指示を待っている。
ブレイブバード。
全力で決めてこい。
ファイアローが、空へ飛び立つ。
体全体が、青い炎に包まれる。
エネルギーを溜め迎え撃つレジエレキ。
レジエレキは大爆発しようと一点に集中させたエネルギーを放出しようとする。
だが、ファイアローの攻撃の速さはそれを上回る。
「はやてのつばさ」。
ファイアローの特性は、極致へと達した。
誰にも止められない速度。
ファイアローのブレイブバードが、レジエレキを貫いた。
雄叫びを上げる火の鳥。
その鳴き声は、達成感で満ちていた。
天晴れだ。
それも束の間、突然、あたりに霧が立ち込めてくる。
聞き覚えのある遠吠え。
どこかから見守ってくれていたのだろう。
ザシアンが現れ彼の前に立つ。
前とは姿が変わり、剣を咥え、さらに王者のような出で立ちをしている。
闘いにその生を捧げてきたことがわかる。
ガラルでは本来の力が発揮できるようだ。
かつて、対峙し、共に戦った相手でもある。
ザシアンが剣を構え、じっと真っ直ぐこちらを見つめている。
言葉はいらない。
そう言っているかのようだった。
先ほどの喧騒が嘘のように静まり返る。
そのままファイアローが構える。
先に動いたのはザシアンだった。
その強さ、やはり尋常じゃない。
三匹まとめてかかり、連携してやっと拮抗する。
ザシアンは剣の舞で更に集中力を研ぎ澄ませてくる。
巨獣斬が三匹目掛けて降りかかる。
一瞬でも気を抜けば、一発で倒されてしまうだろう。
一か八か三匹の力を合わせるしか乗り切る方法はない。
ロトムの電気と、グレイシアの氷、そしてヒノヤコマの炎。
これらを同時に放つように指示する。
ぶっつけ本番だ。
電気を纏う火柱が氷を伝い、三位一体の光線としてザシアンを貫く。
トライアタック!
ザシアンは回避できず、急所に当たる。
大地が揺れ、風が走り、光が収束する。
ザシアンの攻撃が止まる。
ザシアンは満足そうだった。
お互いを認め合う。
その刹那、天から光が差し込み空が割れる。
次元の歪み。
最後の闘いが、始まろうとしていた。