青の旅   作:daruma00

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六章:決戦

次元が歪む。

時空そのものが裂け、ところどころ反転しているようだ。

神秘的な光が近づいてきてその中へと吸い込まれていく。

意識が混沌とする中、気付くとそこは見覚えのある場所だった。

天冠山頂上。

四匹のポケモンたちも一緒だ。

そして目の前には光の階段が天へと昇るように続いていた。

階段を上る。宇宙が近く感じる。

そしてついに、大きな丸い平面が足場となる空間へ出た。

多くの丸でできた幾何学模様があるが、何を意味しているのかはわからない。

その瞬間、背後に大きな気配を感じた。

振り返ると、そこには先ほどの光があった。

「よく来てくれました。私はアルセウス。あなたたち人がそう呼ぶもの。ここは時間も空間も超えた私の宇宙。始まりの間」

光が次第に生物としての形を成していく。

白い体。

黄金の輪。

創造神。

その姿は、まさに神々しい。

人智を超えた神のような存在。

「ここまで辿り着いたあなたの力……私に見せてください」

力を示せ。まあ、そういうことだよな。

ファイアローが先制する。

ブレイブバード。

ファイアローが超スピードで接近する。

その速度は、確かに速い。

だが、アルセウスは、ただその場に立ちながら、隕石をファイアローへ放つ。

ファイアローは吹き飛ばされた。

強い。否、理不尽。そんな形容が相応しい。

距離を取って、ロトムに指示を出す。

だが、アルセウスは一瞬でテレポートしレーザービームを放つ。回避しきれず、ロトムは弾け飛ぶ。

束の間、今度はエリアの一角にワープし、波状に広がる地を這う巨大な衝撃波で広範囲を吹き飛ばす。

地上にいるグレイシアとザシアンが被弾する。

気付くとアルセウスの姿が見えない。

刹那、時空の壁をぶち割り、死角からこちら目掛けてダイブしてくる。

ザシアンと一緒に吹っ飛ばされる。

立て直す時間もない。

続けて、アルセウスは青いオーラを纏い三体の幻影を召喚する。

二体の分身が範囲攻撃を放つ。対応するファイアローとロトム。

その間に力を溜めた本体が、時間が歪むほどの咆哮を打ち出す。

回避できず、諸に食らうグレイシア。

息もつけない。

またアルセウスが大きな力を溜めている。身の毛がよだつ。

周りの空間に穴が開き、その場にいた全員がまとめて引き裂かれる。

圧倒的な力。

レジェンドプレートが浮かび上がる。

アルセウスから裁きの礫が放たれる。

四匹が、その全てに対応しなければならない。

だが、みんなもう既に満身創痍だ。

こちらにも迫ってくる。

ああ、これは避けられない。

そう感じて、目をギュッと瞑る。

全てを覚悟したが、礫は振ってこない。

恐る恐る目を開けると、そこには、見たことのない一匹のポケモンが、無数に降り注ぐ礫の盾になっている。

だが、おれにはわかる。

ジガルデ。

姿は出会った時と違うが。

人型になり、完全体って感じ?いや、まだ更に進化するのかもしれない。

緑だけでなく、赤と、そして青い色が体に刻まれていた。

全ての礫を受け切り、そこから、一瞬で飛び立つ。

超カッコイイ。

コアパニッシャーを放つ。

フェアリープレートに切り替え、迎え撃つアルセウス。

攻撃が通り、アルセウスにZが刻まれる。

だが、まだだ。まだアルセウスは瀕死になっていない。

その瞬間、ポケットの中の石ころがパワーを放ち始めた。

以前ジガルデからもらったものだ。

石ころを取り出すと、ジガルデナイトに変化した。

メガシンカだ!

ジガルデは輝き出す。

そして、頭の上に大きな砲台を構えた、メガジガルデが爆誕した。

アルセウスはその間に再度力を溜め、大量の裁きの礫を放つ。

メガジガルデも大砲を構え、コアパニッシャーを放つ。

アルセウスの光を、無に帰す光だ。

四匹も最後の力を振り絞り、アルセウスに攻撃を繰り出す。

ファイアローの炎。ロトムの電気。グレイシアの氷。ザシアンの剣。

全てが一つになり、ついにアルセウスに届いた。

攻撃を受けたアルセウスは、沈黙の後、彼を見る。

カントーでの旅の始まりから見てきた人間。

「あなたたちは、真の力を見せてくれました。これからのあなた、そしてあなたが生きていく宇宙を、私は祝福しましょう」

「己の限界に挑むことで あなたの世界を広げてください。あなたが望む限り、挑戦は続きます」

アルセウスが光に包まれる。

そして消えた。

審判は、終わったようだ。

 

気が付くと、元の世界に戻っていた。

混沌とした意識の中で、悠久の時をかけ、宇宙の始まりと終わりを見たかもしれないし、見ていないかもしれない。

なぜかシロナが目の前にいて、心配そうにこちらを見ている。

何やらどこからともなく突然現れたそうだ。

ここはシント遺跡という場所らしい。

アルセウスとシンオウ神話に関する話を聞かせてくれた。

もしかすると、アルフの遺跡と槍の柱で感じた視線はジガルデではなかったのか…?

ジガルデはこれから秩序の乱れたカロス地方に行くらしい。

必要なら呼んでほしい。この借りは返さないと、だよな。

ザシアンも、元の場所へ帰る。

彼女も自分の新しい役割を見つけたようだ。

短いアイコンタクトを掛け合って去っていった。

彼は見送った。

長い旅路だった。ファイアロー。ロトム。グレイシア。三匹も鳴いた。

 

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