青の旅   作:daruma00

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四章:蒼剣

ボルトロスの加入は、旅に新たな風を吹き込んだ。

フリーザーの静かで落ち着いた性格とは対照的に、ボルトロスは活発で好戦的だった。

だがそれは悪い意味ではなく、むしろ穴を補うような役割を果たしていた。

タマムシジムではフリーザーが主役だったが、ヤマブキジム、セキチクジムでは二匹の連携が光った。

フリーザーとボルトロスが交互に入れ替わりながら戦う様は、まるでダンスのようだった。一匹が攻撃し、すぐに交代。もう一匹が攻撃し、また交代。

この戦術を、彼は自然と編み出していた。

雨を降らせ雷や暴風を必中させる。氷や雪で視界を奪い、電撃で貫く。

彼らの連携は、日に日に深まっていった。

言葉はない。だが、通じ合っている。

それは、孤独だった三人が見つけた、新しい絆の形だった。

 

彼らは次のバッジを手に入れるためグレンタウンへ向かう途中、マサラタウン近郊へ差し掛かる。

霧が深く立ち込めるまどろんだ森。フリーザーもボルトロスも、緊張している様子だった。特にフリーザーの動きが慎重だ。何かを感じ取っているのだろう。

束の間、霧の向こうから、一匹のポケモンが切り裂くように現れた。

青い、いやシアンの体毛に、三つ編みのようなオレンジ色の長い毛が伸びている。

狼のような見た目と、その佇まいは、まさに王者のそれだった。とてつもない緊張感だ。

ザシアン。無数の古傷が英雄と呼ばれる所以を物語っている。

ザシアンの目が、彼とフリーザー、ボルトロスを見定めている。

そして、ザシアンが構えた。

フリーザーとボルトロスが同時に前に出た。

ザシアンが飛び出す。フリーザーが冷気で迎え撃つが、電光石火に吹き飛ばされる。ボルトロスの電撃も、ザシアンは軽々と避ける。

速い。そして強い。今までのどんな相手よりも。

圧倒的だった。

フリーザーとボルトロスが同時に攻撃を仕掛けても、ザシアンは全てを捌いていく。まるで二匹の動きが見えているかのような、完璧な防御と反撃。

だが、彼は勝利を確信していた。

根拠があるわけじゃない。説明もできない。ただわかるのだ。

これまで築いてきたコンビネーションは伊達じゃないはずだ。

それにザシアンはどこか弱っているようだった。本来の力が出せていないように見える。

ボルトロスが雨を降らせ始める。それに合わせてフリーザーが暴風を放つ。

ザシアンに直撃するが怯まない。

隙をついてボルトロスがでんじはを放つ。

ザシアンの動きがわずかに鈍る。刹那、フリーザーの絶対零度。

完璧には当たらなかったが、初めてザシアンが後退した。

すかさず氷と雷が同時にザシアンを襲う。雨に濡れた地面に電気が走り、凍った地面が砕ける。煙が立ち込める中、ザシアンの姿が見えなくなった。

彼は息を呑んだ。

煙が晴れると、そこにはザシアンが立っていた。傷は負っているが、まだ倒れていない。

ザシアンはゆっくりと近づいてくる。もう戦う意思はないようだ。

そして一度だけ、大きく此方へ吠える。

ザシアンはこちらを見つめてじっと待っている。

信じられないような状況だが、モンスターボールを投げる。

フェアリータイプか… うーん、よく見ると女の子らしくて可愛いような…

敵だとおっかないけど仲間になるとこれほどまでに頼もしいものはないね。

 

ザシアンの加入で、チームの戦術も更に磨きがかかった。

フリーザーは特殊攻撃と特殊防御、そして戦術の要となった。

先発して様子を見ながら空中から敵を凍らせる。その落ち着いた性格は、チーム全体を安定させる役割を果たしていた。

ボルトロスは特殊攻撃と物理防御、バランサーやクッション役も担当した。

先発として出ることも多く、フリーザーと交代しながら、有利な状況を作り出す。雨を降らせた状態での雷は、まさに必殺だった。

そしてザシアンは、大将となった。

最後の切り札として、その高い素早さから繰り出される物理攻撃はどんな強敵でもいとも簡単にねじ伏せた。

物理技に有効打がなかったパーティの最後のピースとなった。

グレンジムからは、この三匹体制の真価が発揮された。

炎タイプのジムに対し、ボルトロスが先発。雨を降らせ、相手の炎技を弱体化させる。

そしてフリーザーに交代し、攻撃しながら再びボルトロスに戻る。

このサイクル戦術に、相手は翻弄され、最後はザシアンの一閃で、勝利を収めた。

トキワジムでも、同様に圧勝だった。地面タイプに対し、フリーザーの氷とボルトロスのウェザーボールが効果的に炸裂していった。そして最後はやはりザシアンが決めた。

八つのジムバッジ。

彼は、遂にカントー・ポケモンリーグへの挑戦権を得た。

セキエイ高原。

カントーリーグの本拠地。ここで彼は四天王と戦い、そしてチャンピオンに挑むことになる。

もはや四天王では相手にならない。

チャンピオン。グリーン。

彼の手持ちは強力だった。御三家の完成形たち。激しい戦いだった。

だが、三匹の連携は完璧だった。

彼は、瞬く間にカントーリーグのチャンピオンとなった。

フリーザーも満足してくれているように見える。

旅の終わりが近づいているように感じていたが、彼はグリーンから、あるトレーナーの話を聞く。

 

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