満身創痍の中、シロガネ山からフリーザーに乗りヤマブキシティへ。
ポケモンセンターへみんなを預ける。
レッドとの戦いを経て、もう自分にできることはやり切ったと感じた。
レッドは最強のトレーナーに相応しかった。
もう一度戦って同じように勝てるだろうか。
おれだけじゃない。三匹にとっても最強クラスのポケモン達との戦いは強く印象に残ったのだろう。
三匹とも満足したと感じているのがわかる。もうこれ以上はない、そんなバトルだった。
やるべきことはやり尽くした。
この旅にも一区切りつけよう。
おれはみんなに感謝と別れを告げることにした。
ありがとうな、フリーザー、あの時助けてくれて。おれはもう一人で大丈夫だ。やっていけるさ。
師匠!旅をお供してくれてありがとう。おれがまた快活な気持ちに戻れたのはボルトロスの明るい性格のおかげだ。
ザシアン、背に乗せてくれていろいろなところを一緒に駆け回ったな。その圧倒的な強さにも何度も助けられたよ。ありがとう。
これからはそれぞれ好きな道を歩んでほしい、また会おうと。
三匹は納得してくれたようだった。
その夜。三匹は、それぞれの場所へ帰っていった。
彼は一人、ヤマブキシティに残った。
日常に戻るのだ。
数日後。
大きな旅の疲れからも回復してきた彼は、エリカを迎えにタマムシシティへ向かおうとしていた。
エリカが仕事でジョウトへ偵察へ行くということで、観光も兼ね同行することにしたのだ。
そのまま二人でヤマブキシティからリニアモーターカーでコガネシティへ移動する。
ジョウト。カントーとは違う空気。
古い街。歴史ある街。古代遺跡。
ジョウトには歴史的重要名所が回りきれないほどたくさんあった。
日本人なら訪問必須だと思う。マジで。
エリカは、何やら新しいポケモンリーグ四天王の選考企画を進めるということで、各地のジムを訪ねていた。
さすがのキクコさんももう引退か。
しばし一人で行動する。
アルフの遺跡。
異様な雰囲気のする遺跡で、人気がないのか、観光客もほとんどいないようだった。
わかっていないことが多いらしく、説明も少ない。
昔からある壁画を使ったパズルに挑戦できるようだが、難しすぎて途中でやめた。
昔の人間も似たような娯楽をしていたんだなあ、などと想いを馳せていると、何かの気配を感じる。
先ほどから誰かに見られている気がする。
何か黒いものが動いたのもわかった。
アイツか?苦手なんだよ…
エリカを連れてくればよかった、なんとなく。
囲まれてしまった気がする。
だが、よく見ると、あれは、ポケモン?
アンノーンというらしい。
特に危害もなさそうなので、さっさと退散しよう。
エリカと合流する。
起こったことを話してみたが、かわいくないからということで、興味がないようだ。
エリカ様…
なかなかの弾丸旅行だが、カントーへ帰る。
タマムシへエリカと歩く道中、突然草むらから一匹のポケモンが飛び出してきた。
イーブイ。
茶色い毛並み。大きな瞳。
イーブイは怯えていた。何かから逃げてきたのだろう。怪我もしているようだ。
彼は手を差し伸べた。
イーブイは警戒したが、やがて近づいてきた。
彼はイーブイを抱き上げた。
温かい。柔らかい。
イーブイが彼の腕の中で眠り始めた。
傷を治して回復させてあげないといけないな。
あぁ、おれもフリーザーみたいになれているだろうか…
エリカのところで一夜を過ごした後、ポケモンセンターへイーブイを引き取りに行った。
ポケットに何か入っている。安全祈願。エリカだな。心配性なヤツだ。
イーブイは野生に帰ろうとしなかったので、それから彼はイーブイと共にしばし穏やかな日々を過ごした。
このイーブイは雌だからなのかオシャレ好きなようだ。
タマムシシティのデパートでしつこくねだられたので、服やらアクセサリーを買ってあげた。
彼女か。
あの可愛さを前に断れる人間はいない。
それから、散歩、食事、遊び、たまの野生ポケモンとのバトル。
あの三匹と比べたら、お遊びみたいなものだったが、闘いになるとイーブイは真剣なようだった。
旅の余韻が蘇る。
次、旅することがあれば、いつかシンオウ地方へ行きたいと思っていたのだが、すぐに行きたくなってきた。
スノーボードをやってみたい。おれなら上手くできる自信がある。根拠?そんなものはない。
気持ちも体もソワソワしている。特にカントーで今やることもないし、行くことにするか。
イーブイもついてくる気満々のようだ。
エリカめ、なんでもお見通しってわけか…
支度をしていざ、家の扉を開け出発しようとすると、そこには…