──未来の悪魔は異様な姿をしていた
1文字で表現するならば樹
樹の人形のようであり、縦にパックリと開いた腹からは不気味な眼が見つめている
「早くお腹に頭を突っ込め!じゃなきゃ未来が見えないだろ!」
未来の悪魔に言われるがまま、アキは自身の頭を未来の悪魔の腹に捩じ込む。
フサフサとした感触、未来の悪魔がくねくねと動いているのも相まって、妙な感覚を覚える。
「~~~♪……?………ン?────ッ!?」
──唐突に未来の悪魔の動きが止まる。
異常を感じたアキは腹から顔を引っこ抜くと、未来の悪魔を見る。
「未来が重なって…?いやこれはそもそも…」
「おいどうした」
「種は同じ…根も同じ…だが肥料が違う…?片方は葉がまだ…」
「おい!!」
「…ッン…ああ……」
アキが叫ぶと、未来の悪魔は意識を戻す、未来を見てから妙に挙動がおかしい悪魔にアキは困惑。
その後、2~3回頭掻いた後口を開いた。
「…契約内容はこうだ…"お前の右目に俺を住ませろ"そうすれば力を貸してやる……それだけでいいのかって顔だな」
「……未来への道筋ってのは1本の樹木みたいなモノでね、変わることはない
「…お前の樹は2本ある」
「ま…1本目の樹が被さって、ほとんど全体は見えないんだが…」
「かろうじて分かるのは、
「2本目を植えた…いや
「まぁいい…要は、俺が見えないオマエの結末を直接この目で見て、知ってみたくなった」
「…どうだい?キミも気になるんじゃあないかな?」
未来の悪魔はアキの顎に指を付けると、クイっと上を向かせ、その目の奥を覗き込んだ。
「どうだっていい、俺の結末があろうとなかろうと俺のやることは変わらない」
悪魔に何を言われようとアキの心は変わらない。
アキは冷たく吐き捨てると、自分の右目を向ける
「俺は俺が殺したい奴を殺せれば後はどうなったっていい…さっさと目に入れ」
──冷たい声色と、冷たい内容。
向けた右目の奥は、深い海のように濁りきっていた。
「クソックソックソックソックソ!!」
「クソがァッッ!!!!」
──ガァンと立ち上がると同時にテーブルが蹴られる
高所から見事に滑り飛んだ男、サムライソードは現在荒れていた。
「わ…若っ落ち着いてください!」
「うるせぇッ!!」
部下の制止も聞かず当たり散らす
静寂した部屋の中に男の怒号はよく響いた。
「浅鳴クナイ…多重契約者、コイツに関する情報が異様に少なかったのはこのせいか…」
「してやられたな、おそらくマキマがコイツの情報を、なるべく表に出さないようにしていたんだろう…ここまで悪魔と契約が結べるヤツは戦力として貴重だからな…」
「んなことはどうだっていい!!」
「アイツはブチ殺す…!デンジと一緒に絶対ブッ殺してやる…ッ!!!」
「ターゲットを見誤るな。お前の相手はチェンソーだけ、多重契約者はこっちでなんとか止める」
「チッ…!」
沢渡の言葉で彼は少し冷静さを取り戻す。
されど怒りは収まらず、ドカリとソファに座り直し膝を揺らす
「ヘビは<脱皮>で回復はさせた、多少縮んだが<脱け殻>が使える…それに」
沢渡は下を見つめ言葉を止めた
「この下で保管されているゾンビ達…」
「ゾンビに噛まれた人間はゾンビになる…それで4課を終わらせる」
ビルの前は多数の車と人間が集まり、緊迫した雰囲気を漂わせている。
そんな中、岸辺はビルの上階を見つめ言葉を放った
「作戦はない」
「特異課全員をビルにぶち込む」
──新4課、始動。
<脱皮>回復技、傷は無くなるがサイズが縮む。
<脱け殻>脱皮を使用した後に使える技、脱皮で脱ぎ捨てた皮を分身のように扱える。