頭痛がひどいデビルハンターの話   作:kanesa

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爆破痛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝負アリ!!」

 

 

 

 ──公安対魔2課の訓練施設内部

 

 早川アキは野茂に呼ばれ戦闘訓練の指導に来ていた

 

 

「アキィ~わざわざ来てもらってすまないな」

 

「野茂さんの頼みは断れません」

 

「おお?そうか?なら今からでも2課に戻ってこい」

 

 

「特異課なんて物騒な話しか聞かないぞ?…なんでも何十体も悪魔と契約するヤバいヤツとかがいるって噂じゃねぇか」

 

「……クナイのことですか?」

 

 

 聞き覚えのある話にアキは反応した。

 野茂はそれに少し驚くと、言葉を返す

 

 

「なんだ知ってるのか?」

 

「まぁ……生意気な同僚ですよ」

 

「───ほぅ…」

 

 

 それは感嘆の声

「珍しいものを見た」と野茂は思った。

 

 ()()()()()()

 

 もちろんアキの笑顔は何度か見たことはある。

 だがそれも愛想笑い程度のもので、こんな風に自然と溢した心の底からの笑みは今まで見たことは無かった。

 

 

「どーやら今の職場も相当気に入ってるようだな」

 

「……そうでしょうか」

 

「まぁいい…順当にいけば5年後の副隊長は俺だ。そんときにまた、もっといい条件で誘うからな」

 

「…ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻るのかい?」

 

 

 廊下を歩く傍ら、天使の悪魔が尋ねる

 おそらく2課への勧誘についてだろう。

 そう察したアキは質問に答える

 

 

「いや…野茂さんには悪いが断るつもりだ」

 

「ふーん…悪魔を狩れるなら何処だっていいって言うもんかと思ってたけど」

 

「……特異課はマキマさんの管理下だ、銃の悪魔討伐に参加する為にはマキマさんとの直接の繋がりは持っておきたい。それに────

 

 

「アキ!!下に来い!すぐ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 野茂から呼ばれたアキが目にしたのは、サメの魔人「ビーム」がボロボロになりながら瀕死の状態のデンジを抱えている場面であった。

 

 そんな中、対魔2課の訓練施設前にビームが「ボム」と呼んだ少女が現れる。

 

 

「すいませ~ん!!」

 

「助けてくださ~い!!」

 

「悪魔に襲われてま~す!!」

 

 

「ほーずいぶんな笑顔で襲われているもんだな」

 

 

 明らかに嘘とわかる雑な演技。

 野茂は警戒を緩めず、アキ達を下がらせると戦闘態勢をとった

 

 

 

 

 

 

「ダメみたいだな~そりゃだめか~」

 

「なら仕方ない」

 

 

「皆殺しコース──かな""ッ"!!?

 

 

 少女が首元のピンを抜く──瞬間。

 いきなりその身体が真横にブッ飛び、そのまま高めの塀に激突、瓦礫の中へと沈んだ。

 

 一瞬の出来事だが、現状を見れば誰が何をやったかは容易に理解できるだろう…

 

 先ほどまで少女がいた地点には《車の悪魔》

 

 そしてその中から現れる、痛んだ頭を押さえた浅鳴クナイはため息を一度吐いた後、呟く。

 

 

「……よしっ!」

 

「絵面は良くないがよくやった」

 

 

 あまりにも異常事態だからか、一周回って野茂は冷静にその呟きにツッコミを入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「浅鳴クナイ!特異課です!!」

 

 

 ──よかった!

 

 遅れたが一応間に合った!

 まさか今日に限って悪魔が近くに出現してしまうとは…

 

 とりあえずまだ変身はして無さそうだが…

 

 

「クナイ…ってまさか、アキが言ってた──」

 

「あの!!すみませんが皆さんはここから撤退と民間人の避難誘導を!!!」

 

「……だがアンタは」

 

「お願いします!!!」

 

 

 瓦礫から目を逸らさず、短刀を抜く。

 とにかく今はゴリ押してでも2課の人と民間人を遠ざけるしかない。

 だからとにかく必死にデカイ声で頼み込む!

 

 

「───わかった、じゃこれだけ持ってけ」

 

 

 そう言って野茂さんは何かを俺に投げ渡す。

 片手で受け取ると、硬い感触に無骨な形状……

 

 ……デビルハンターに支給されるであった。

 

 

「許可は出せねぇ、()()()()()()()()()()

 

 

()()()()()()()()()()()そう言い放ち、施設内へ指示を出しに向かった。

 

 

 そしてその直後───

 

 

「あ"ーっ女の子を轢くなんてひっどいなぁ!もう!!」

 

 

 ボォンッという爆発音と共に、瓦礫が燃えながら四方八方に吹っ飛んだ。

 

 瓦礫の中から現れたのは、魚雷のような鉄の頭

 その不気味な頭部と女の身体はアンバランスのようにも、調和しているようにも見える。

 

 だがそれが人か悪魔かと問われたら、迷い無く皆悪魔と答えるであろう

 

「レゼ」、改め「ボム」ここに爆誕。

 

 

 

「って…よく見ればお客さんじゃん、デビルハンターだったんだ…その身長じゃスーツ似合わないね」

 

「身長は余計だろッ!!」

 

 

 いきなり喧嘩売りやがって…マジ轢いたろか

 マジ轢いたけど

 

 

「まぁいい……一応聞きますけど、今の任務を止めて公安に転職する気は?」

 

「…無いね」

 

 

 そう言うとボムはその手を、まだデビルハンターが残っている建物に向ける。

 

 瞬時にその手に《餅》を纏わりつかせると、その餅の中でパチリと放たれた火種は行く先を塞がれ、放った彼女自身の手を爆発させた

 

 

「ッ……」

 

「なら仕方ない」

 

 

 爆発により、片手を失ったボムを横目に俺は新しい悪魔を出す。

 

 それは黒い羽根と身体、シルクハットにペストマスク、そして人間の手のような2本の足が特徴的な──《カラスの悪魔》であった。

 

 その背に乗り、目の前の悪魔へ高速で突進した

 

 

 

 

「デビルハンターとしてお前を討伐する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





《カラスの悪魔》:巨大化したり、分裂して複数のカラスになったりする悪魔。クナイは昔、鬼太郎のように複数のカラスで移動していたが、思ったよりめんどくさかったので止めた。
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