ソードアート・オンライン ~灰の剣帝の英雄譚~ 作:アキ1113
それでは、どうぞご覧ください。
「攻撃手段はさっきの手と脚!下の青い線を踏むとターゲットされる!僕がわざと線を踏むから、その隙にソードスキルを叩き込んで!」
ボスが出て来た直後、サツキは全員にボスの情報と指示を手短に伝えた。それに続くように……
「俺も囮をやる!みんな頼んだぞ!」
『了解!』
キリトもそう言い、2人は前に出ていく。そして……
「じゃあ………行くよ」
サツキはそう言い、足元のラインを踏んだ。
「っ!」
その直後、サツキはすぐさま下から出てくる腕を回避し……
「やぁっ!!」
「しっ!!」
こちらに走ってきたミトと共に、腕にダメージを与えていく。それによって、ボスのHPは徐々に減っていく。
「あの紋章が奴の弱点だ!チャンスがあったら狙ってくれ!」
『おう!』
それからは全員でラインを踏んでいき、出てきた腕や脚にソードスキルを叩き込んでいく。そして……
「3本目!」
HPバーを5本中3本減らすことに成功した………が、
「みんな!壁を見てくれ!」
エギルのその言葉に、全員が壁に目を向けると……
「オイオイ……これまでにないパターンだゾ……?」
壁が波打つように動いている光景が広がっていた。それを見て、嫌な予感を覚えたのか……
「全員、階段下に退避!」
「了解!」
キリトが階段下まで戻るように指示を飛ばした。そうして、アスナの先導で全員が階段へと向かっていくが……
「キー坊!サー坊!」
アルゴが2人を呼びながら、ボス部屋の天井を指差した。そこには……
「顔が……」
「ない……?」
壁が動く前まであったボスのゴーレムの顔が無くなっていたのだ。その顔はというと……
「シヴァ!?」
「「「!?」」」
「くっ……!?」
階段のところに出現し、シヴァタのことを飲み込もうとしていたが……
「っ!」
嫌な予感に従って駆け出していたサツキがシヴァタを突き飛ばしたことで、シヴァタがゴーレムに捕まってしまうことは回避された。だが……
「くっ……!」
「「「サツキ(君)!?」」」
代わりにサツキがボスの口に嚙みつかれ、ゴーレムにつかまってしまった。サツキは反射的に曲刀をゴーレムの歯と歯の間に突き立てたことで、ダメージを受けることは回避されたが、武器の耐久値が徐々に減っていっていた……。
「階段が口になりやがった……!?」
「エギル!額の紋章を攻撃してくれ!」
キリトはすぐさまそう言うが……
「ダメだ……こいつ、紋章がねぇ!!」
「「!?」」
ゴーレムの額には弱点である紋章が無くなっていた。
「くそっ!」
キリトはすぐにサツキを助けようと駆け出そうとするが………
「待て!」
「!」
それをアルゴに止められた。
「分かったゾ………この部屋そのものがボスなんダ……!」
「っ……!」
「きっと紋章も、部屋の何処かを移動してるはず………それを叩かないと、サー坊を助けられない……」
アルゴの予想は正しく、紋章は今もこの部屋の何処かを動き回っており、それを攻撃しないとサツキを助け出すことはできない。
「っ!」
(くそっ!額の紋章はどこに……早く探さないと―――)
キリトは部屋中を見渡して紋章を探すが、何処にも見当たらないのだ。その間にも、サツキの武器の耐久値はみるみる減っていき……
「っ!?」
遂に壊れてしまった………が、
「くっ……!」
ミトがギリギリのところで自身の武器をゴーレムの歯と歯に挟み、サツキがダメージを食らってしまうのを防いだのだ。
「ミト……!?」
「早く!今のうちに!」
「!全員ラインを踏んで腕と脚を出してくれ!そこに弱点の紋章があるはずだ!」
キリトはすぐさま指示を飛ばし、全員にラインを踏ませてゴーレムの腕と脚を全て出させた。だが……
「ダメだ見つからねぇ!」
1回で見つけるのは難しかったようで、見つけることが出来ずにいた。
「もう一度!」
そして……
「!ありましたーー!!」
リーテンが脚の内の1本に、紋章があるのを見つけたのだ。
「逃がすか……!」
キリトは走り出し、すかさずソニックリープの構えを取る。それから紋章を狙って飛び上がろうとし―――
「届け―――」
「キー坊頭を下げろ!!」
「っ!?」
そこにアルゴが走り込んできて、キリトの肩を踏み台にして姿を消そうとしている脚に向かって飛び上がった。
「当たれぇえええええ!!」
アルゴはソードスキルを発動させると、紋章を狙って武器である爪を振り下ろした。放ったソードスキルは、見事に脚の紋章へと当たり……
「っ……」
「サツキ!」
それによって、捕らわれていたサツキを解放させることができた。
「大丈夫!?HPは!?」
その場に膝をついたサツキに、ミトが焦ったようにそう訊いてきた。
「落ち着いて、まだ大丈夫だから」
「また無茶して………でも良かったわ、無事で」
ミトは呆れたようにそう言ったが、その顔には安堵の表情が浮かんでいた。
「さぁ、まだ行けるわよね?」
「!……もちろんだよ、ミト」
そう言って立ち上がった2人は、互いの武器をぶつけ合った。
「さて……こうなったら、あれを使うしかないわね」
「あれ?」
サツキがその言葉に疑問を覚えていると……
「こっちだ!」
「!」
紋章を見つけた声がしたため、ミトはその方向に向かって走り出し……
「はぁあああああああ!!」
鎌を鎖鎌に変形させると、鎖の方を投げて紋章を追尾し、攻撃を命中させたのだ。
「追尾攻撃か!」
「これなら……!」
「みんな、合図に合わせてラインを踏んで。紋章は見つけ次第、私が叩く!」
「おう!」
「任せたぜ!」
それから全員、ミトの合図でラインを踏み………
「こっち!お願い!」
「はぁっ!!」
ミトの紋章への追尾攻撃に加え、全員がゴーレムの腕や脚にもダメージを負わせたことで、ボスのHPバーを残り1本にすることに成功した。すると、今まで床にあったラインが天井へと収束され……
「下がって!」
「後退!」
人型のボスの頭がついたゴーレムが姿を現し、サツキたちの前に着地してきたのだ。
「で、でけぇ……!」
「あぁ……でもこれで、最初の作戦通り戦える」
「ラスト1本……速攻で削るよ!」
『おう!』
『えぇ!』
サツキの言葉に全員が応えた後、キリトとアスナのコンビが先陣を切ってボスに向かっていく。そんな2人を狙い、ボスは大振りの動きでパンチを食らわせようとしたが……
「「っ!」」
それを2人は左右に分かれることで避け……
「「はぁああああああ!!」」
後ろで待ち構えていたシヴァタとリーテンによって、攻撃はパリィされたのだ。
「今だ!突っ込め!」
『うおおおおおお!!』
その隙を突いて、全員がソードスキルでボスのHPを削りにかかる。
「スイッチ!」
「はぁあああああああ!!」
そしてその隙に………
「ふっ!」
壁の段差を駆け上がっていたアルゴが飛び上がり、紋章に攻撃を加えようとしたが……
「っ!?」
ボスはアルゴに狙いを定め、目からビームを出そうとしてきたのだ。すると……
「はぁっ!!」
『!?』
「しっ!」
『GyA!?』
鎖鎌でミトが攻撃を逸らし、アルゴとは反対側から段差を駆け上がっていたサツキが紋章にソードスキルを当てて見せ、ボスのHPを大きく削った。
「キー坊!紋章は移動しないみたいだゾ!」
「よし、アスナ!」
「うんっ!」
2人はすぐさま二手に分かれると、左右の壁の段差を駆け上がっていく。その間にも、サツキとミトがゴーレムの腕を駆け上がり、紋章へと向かっていたが……
「「っ!」」
2人はあと一歩のところで邪魔され、振り落とされてしまう……が、
「やぁっ!!」
「ふっ!!」
ミトは鎖鎌を、サツキはコートに隠し持っていた投剣で、落ちていく途中でありながらも紋章に攻撃を加えたのだ。それによってボスは後ろに仰け反り、キリトとアスナが紋章を狙いやすくなっていた。
「アスナ!キリト!」
「ラストアタックは任せた!」
「了解!」
「遠慮なく貰っとくぜ!」
ミトとサツキの言葉にそう返したキリトとアスナは、紋章があるボスの頭に向かって飛び上がった。そして、2人はソードスキルを紋章へと叩き込み……
「「これで―――
終わりだぁあああああああ!!」」
最後の一撃でボスのHPは削られ……
『―――!?』
その身体はポリゴンへと変えられたのだった……。
読んで下さり、ありがとうございます。
次回の話で、スケルツォ編は終わりとなります。
それでは、次回『後始末』もどうぞよろしくお願いいたします。