天使と悪魔は世界を描く   作:もく 

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世界観、プロローグ

この世界には、天使と悪魔が存在する。

 

だがそれは、善と悪を裁くための存在ではない。

彼らはもっと曖昧で、もっと不確かな――神々の後継候補だった。

 

神は永遠ではない。

役割を終え、姿を変え、あるいは世界のどこかへ消えていく。

そのたびに、新たな神が必要になる。

 

そのために生まれるのが、天使と悪魔だ。

 

多くの天使は理性を重んじ、感情を制御する。

多くの悪魔は欲望を糧にし、衝動を力へ変える。

彼らはそれぞれの世界で学び、試され、

やがて「神に相応しいか」を見極められる。

 

――それが、この世界の常識だった。

 

だが、ある時期に生まれた四人だけは違った。

 

彼らは、感情があまりにも強かった。

 

怒りに揺れ、悲しみに沈み、

喜びに笑い、誰かの痛みに胸を締めつけられる。

天使であろうと、悪魔であろうと関係なく、

彼らは「心」を持ちすぎていた。

 

周囲からは、未熟だと評された。

神には向かないと、遠回しに告げられた。

 

それでも四人は、感情を捨てられなかった。

 

そんな彼らが辿り着いたのが、

天界の奥深くにある古い図書館だった。

 

そこには、もはや誰も顧みない本が眠っていた。

神々がかつて生み出し、忘れ去った創作物。

 

剣を振るう者の物語。

鬼と戦う人間の話。

失ったものを抱えながら、それでも前に進む物語。

 

四人は、本を読み漁った。

 

なぜ人は戦うのか。

なぜ絶望の中で、なお立ち上がれるのか。

なぜ、弱い存在ほど強くなろうとするのか。

 

答えは、すべて物語の中にあった。

 

――その様子を、面白がって見ている神がいた。

 

創作の神。

 

世界を作り、物語を生み、

そして何より、退屈を嫌う神だった。

 

「感情が強すぎる天使と悪魔、か……」

 

神はくすりと笑う。

 

「そんなに物語が好きならさ、

読むだけじゃなくて、入ってみたらどう?」

 

それは提案であり、命令だった。

そして同時に、神の気まぐれ――いたずらの始まりでもあった。

 

こうして四人は、

自分たちが読んだ物語の世界へ送られることになる。

 

行き先は、基本的に神が勝手に決める。

四人が読んだ作品の中から、神の興味で選ばれる。

 

たまに、誰かの強い願いが反映されることもある。

だがそれすら、神の気分次第だ。

 

「それじゃ、いってらっしゃーい」

 

「頑張ってね〜」

 

あまりにも軽く、無責任な声を残して。

 

天使と悪魔は、物語の世界へと放り込まれる。

 

そこでは彼らもまた、

剣を握り、血を流し、誰かを守る存在になる。

 

観測者ではいられない。

傍観者でいることも許されない。

 

物語に関わる以上、

彼ら自身もまた、物語の一部になるのだ。

 

それが救いであろうと。

それが悲劇であろうと。

 

拒むことはできない。

 

そして今日もまた――

天使と悪魔は、その世界へと入っていく。

 

物語の結末が、

自分たちをどこへ導くのかも知らぬまま。




四人の紹介
以下の名前は四人がその世界に入ったときに主に使われる名前


ヒカリ(天野照、等)

白髪の天使
性格は穏やかで1人称は僕


ツクヨミ(黒羽月詠、等)

黒髪の悪魔
普段は冷静、1人称は俺


アオイ(神野葵、等)

青髪の天使
とにかく優しい、1人称は私


レン(神野煉、等)

赤髪の悪魔
好奇心旺盛、1人称はオレ
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