白銀かぐやはどうにかしたい 〜2周目の恋路〜   作:チャリンコ2025

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───かぐやが副会長就任を固辞した翌日。

 

 

 

白銀御行はただただ気が重い状態で登校した。

歩みの一歩一歩が重い。

 

一晩中、四宮かぐやに断られた理由を探していた。

 

気持ちを理解して飲み込もうとしても、納得しない自分が居る。

そうすると、人間は面白いもので感情が振り切れ、反転する。

 

四宮かぐや抜きで生徒会を運用してみせる!

アイツが自分の過ちを認めて詫びてくるまで、仕事なんかさせてやるか!!

 

そう意気込んで生徒会室に入り、藤原千花の置き土産に苦悶する。

 

 

 

『なんでアイツは出来るのにやらないんだ!?』

 

 

藤原千花に昨日して貰った書類の手直しをしながら、所々出来てるが何処かしらに間違いや抜けが出てくる内容に溜息と憤りが募る。

 

 

───四宮ならこれぐらいの書類

 

 

頭の中に出てきた考えをかき消す様に頭を掻いた後、コーヒーカップを取ろうとして手が空を切る。

いつもならそこに置かれてる「筈」のコーヒーカップが無い事に気がつく。

 

 

───いつもなら四宮が何も言わなくても差し出してくれるのに、

 

 

まだ、藤原千花も石上優も来てない生徒会室は、異様に広く感じる。

いつもなら四宮か、自分が当たり前に居るココは、こんなにも広く寂しい空間だったのかと思い知らされる。

 

 

 

 

 

頭の中で警報がなる!

 

 

 

 

 

───これは四宮の策略だ

 

 

しかし、それで、も・・・。

 

四宮が居ないのは寂しい、と。

 

結局、この日は生徒会の他の三人は生徒会室に現れなかったので、早々に切り上げて白銀御行はバイトに向かった。

 

バイト中も家に帰ってから布団に入っても、白銀御行は四宮かぐやの事を考えてしまう。

 

 

 

───そういえば、キスの意味を教えて貰ってない。

 

───誕生日パーティーのお返しを考えなければ。

 

───弁当や味噌汁の礼をしてない。

 

───いつも淹れてくれるコーヒーや紅茶のお礼もしっかり言わないと。

 

───応援演説の礼も。

 

副会長として、会長として至らない俺を補佐し続けてくれてる事も・・・。

 

・・・俺は貰ってばかりで、貰い続ける事を当たり前に思っていたのかと・・・。

 

まるで乞食の様に・・・。

 

 

 

『あいつは・・・、四宮は副会長では無くなったんだな・・・。』

 

 

言葉にしてみて、それが大きな損失だと理解して、嗚咽が漏れそうになる。

やがて、白銀御行は意識を手放す。

 

 

 

しかし、

 

 

 

───『四宮は副会長ではなくなったんだな・・・。』───

 

 

その言葉を受け取った者が居た。

 

 

 

 

 

 

 

他方、四宮かぐやは自分の気持ちと向き合っていた。

 

早坂愛と話をしてなんとなく自分の気持ちが解った様に思えたが、それが副会長職固辞に繋がらない。

 

自分から距離を取れば、白銀御行を混乱させて傷付けてしまうのは解り切っていたのに。

でも、何故か「はい」と言えない自分がいる。

 

 

 

『私は、何を怖がってるのだろう・・・。』

 

 

このモヤモヤした説明できない気持ち自体が原因だろうとは考えるが、それが何なのか説明できない事がかぐやを悩ます。

 

 

 

『何ショボくれてるの?』

 

 

声に気が付いて顔を上げると、目の前に人が立っていた。

気が付かない程に考え込んでいた様だ。

 

 

 

『あ、眞妃さん。柏木さんもごきげんよう。』

 

『らしくないわね、どうしたのよ?』

 

『かぐやさん、元気無いですけど?』

 

『そ、そんな事ないですよ。』

 

『ベタ過ぎる返事で丸わかりよ。』

 

『まあ、色々とありまして、ね。』

 

 

今この二人を相手にするのは分が悪いなと感じたかぐやは、話題を転じようとして機先を制された。

 

 

 

『言ってなかったわね。

白銀会長、就任おめでとうございます。

特待生の二期連続は「初」ですってね。』

 

『白銀会長は凄いですね。

ボランティア部設立の際にはお世話になりました。』

 

『一年の子じゃ、少し不安だったしね。』

 

『まあ、伊井野さんは良い子なんですけど、もう少しお勉強してからの方が良いでしょうね。』

 

『で、なんで元気ないの?

彼氏と喧嘩でもした?』

 

『それはどういう意味です?』

 

『実は、白銀会長をお見かけしたんですが、いつも以上に眼光鋭くて話し掛けるどころか近付く事も憚れるオーラが・・・。』

 

『何があったか知らないけど、「彼女」なんだから面倒見ないとある事ない事言われるわ。』

 

『たった今、言われてますけど?』

 

『おお、怖。

じゃ、そういう事で。』

 

『あっ、眞妃。

かぐやさん、失礼しますね。』

 

『ごきげんよう。』

 

 

二人を見送って考える。

気にはなるが、何故か生徒会室に行く気にならない。

結局、その日はかぐやは生徒会室に行かず、石上優も藤原千花も生徒会室には行かなかった。

 

 

 

 

 

───このまま、会わずに終わるのだろうか?

 

 

 

それは嫌だけど、何故だか御行さんに会う気にならない。

 

けど、何か忘れてる気がするのだけど、何かしら?。

 

 

 

 

 

 

 

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