白銀かぐやはどうにかしたい 〜2周目の恋路〜   作:チャリンコ2025

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28話以前は書き方の統一が出来てなかったのと、内容の追加などをしてます。


✕編集中✕

 

 

 

───体育祭の翌日

 

 

 

四宮かぐやはいつも通り調理場を手伝った後、食堂で朝食を取りながら満足感に浸っていた。

 

 

「筋肉痛が翌日に来る」

 

 

年齢を重ねれば、無茶をすると筋肉痛という反動は遅れて来る。

翌日に痛みが来てくれる事に涙が出そうなほど、かぐやは感動している。

 

 

 

『かぐや様。

楽しい事があったんですか?』

 

 

かぐやの横で食事を取ってる早坂愛が尋ねる。

 

 

 

『こうやって愛や皆とご飯を食べるのは楽しいなって。』

 

『・・・そうですね。』

 

 

これまでの泉岳寺別邸の朝食は取れる者から取るという仕組みで、早朝からやる事だらけだった。

それら別邸の仕事の全てを仕切っていたのは、一番勤続年数の長い早坂愛。

 

他の者は全員が愛の年長ではあるが、勤続年数は料理長ですら愛よ短い。

中には年少者に指図されるのは気に食わないと、口や態度に出さなくても腹に溜め込む者もいる。

 

これまではかぐやにヘイトが集まるぐらいならと、愛がそういった事柄からかぐやの「防壁」の役割を務めていた。

それが、愛が近侍解任(辞職)の後に吹き出した。

 

愛を追って辞める者、あからさまに怠ける者、平然と不平を口にする者、そこに黄光らの息のかかった者が加わり混乱した。

 

早坂愛の去った泉岳寺別邸は心休まる所ではなく、かぐやにはただ眠りに帰り身支度を整える場所でしか無くなってしまった。

 

それを「経験」したからこそ、かぐやは愛のありがたみを思い知る事になった。

 

この「将来」が動かないなら、自分で変えるだけだ。

愛に任せっぱなしだった使用人達を、かぐや自身で愛も交えて関係を構築する。

 

調理場を手伝うのも、かぐやのやりたい事(料理)と使用人達と近くなれて都合が良い。また、注意深く観察する事で、「誰が何処に属してるのか」当たりをつける事も出来、振る仕事や話題などを意図的に変える事も出来る。

 

その副産物として、かぐやは使用人達とお喋りをしながら朝食を取るという、8月以前は想像もできない事をしているが。

 

 

 

 

 

───お昼・生徒会室

 

 

金曜日に行われた体育祭の片付けや部活などで土曜日に珍しく登校した生徒会メンバー。

かぐやの弁当と味噌汁、別邸特製弁当(おかずのみ)という久々の組み合わせにお呼ばれした面々は舌鼓を打っていた。

今日の味噌汁は、レンコン・里芋・人参と渋い具である。

 

メンバーは生徒会の白銀御行・藤原千花・石上優・伊井野ミコ、所用で登校していた四条眞妃にかぐや自身の六人である。なお、眞妃は食事の前に先日の一件で詰問されて、悩みがあるなら生徒会室に来なさいとかぐや達に念を押された。

後に、柏木渚からの避難所としてよく入り浸る様にはなったが。

 

人数も増えたので椅子を増やそうかと提案もあるが、業務が落ち着いたらリサイクルショップでも回るかと話をしてるものの、まだ時間が取れないので三人掛けソファ二脚のままである。

 

座り位置はかぐやは御行の横が定位置になっている。

かぐやは堂々としているが、御行は澄ましていても心臓はダンスをしてる。

大友京子の一件以降、より強くかぐやを御行は意識する様になってしまった。

 

 

 

『そういえば、ちょっと報告なんですが。』

 

『なんだ、四宮?』

 

 

弁当も食べ終わり食後の談笑となった時、かぐやが「ある秘密」を話し出す。

 

 

 

『普通二輪免許、取っちゃいました!』

 

『へぇ~、四宮先輩バイクに乗れるですか・・・。』

 

『俺も去年取らせて貰ったな。

なかなか乗る機会が無いが・・・。』

 

白銀御行と石上優は言い終えて、気が付いた。

二人の表情が平穏から驚愕に変わる。

女性陣三人は固まってる。

 

 

 

 

 

『『『『『えええええぇぇぇっっっ

!!!!!?????』』』』』

 

 

 

期待通りの反応に少し自慢げなかぐやは、やや鼻が高い。

 

一同を代表して藤原千花が疑問点を聞く。

 

 

 

『いっ、何時、取ったんですか?

そんな時間ありました!?』

 

『友達が去年取ってたので教えて貰って、取得したんです。

まあ、ペーパーですけど。』

 

 

友達とは、早坂愛の事である。

物凄く渋られたが、形だけ教えて貰った。

運転経験はあるが最近は乗れなかったので、復習がてら「教えて貰った」実績づくりをしないと、いきなり取った場合、あまりに不可解に映るからだ。

 

 

 

『かぐや、アンタいつの間に・・・。』

 

『眞妃さんもどうですか?

試験、楽しかったですよ。』

 

『・・・そうね、面白そうね。

持っていても損はないわね。』

 

『確かに、免許証は身分証としても使えますしね。

私も考えようかな。

四宮先輩、道交法はしっかり守ってくださいよ。』

 

『ええ、もちろんですよ伊井野さん。』

 

『しかし、よく取れたわね、かぐや。』

 

『勝手に取りました。』

 

『『『『『えっ?』』』』』

 

『どうせ、うちの者に言ってもアレコレ言われて取らせて貰えないでしょうから、用事のついでに予約を入れたら翌日に空きがあったので、飛び込みで受けて取りました。』

 

 

無邪気に左手でピースサインするかぐやに、四条眞妃は硬直する。

「アンタ、飛び込みって」と、とんでもない行動力に舌を巻く。

 

 

 

『四宮先輩、凄いですね。

驚きました。』

 

『・・・そんなに簡単に取れるものなのか、四宮?

(俺は苦労したのに。)』

 

『実技でエンジンをかけるのが不安でしたけど、コツを教えて貰っていたので、何とか。』

 

『僕も取りたいですけど、来年までは無理ですね。』

 

『何故だ? 石上は16歳だろう?』

 

『僕は三月生まれなので、今はまだ15歳なんです。』

 

『そうか・・・、早生まれか。』

 

『・・・石上くん、いま、なんていいました?』

 

『どうした、藤原書記?

石上は「来年まで無理」と言っただけだが?』

 

『その後です、肝心なのは!

三月生まれ、と言いませんでしたか?』

 

『ええ、三月生まれですが?

どうしたんですか、藤原先輩?』

 

 

あからさまにショックな顔をする藤原千花。

 

 

 

『三月「三日」で、』

 

『イヤァァーーーーー!?』

 

 

絶叫と共に藤原千花は頭を抱える。

周りは訳が分からず唖然とするばかりとなる。

 

 

 

『ふ、藤原さん、どうしたんですか?』

 

『石上?

アンタ、藤原先輩に何したの?』

 

『僕が聞きたいよ。』

 

 

唐突に立ち上がった藤原千花は更に絶叫する。

 

 

 

『誕生日が一緒ォ一一一一一!?

一緒くたにされる一一一一一!!』

 

 

絶叫の理由がアホらしくて呆れる一同。

その後もわめいて駄々をこね、石上優に転校しろだ、誕生日を変えろだ言うので、白銀御行が会長権限で誕生日を祝わない様にすると言った為、漸く大人しくなった。

 

四宮かぐやは藤原千花と友達を止めようかと真剣に悩む。

その後、順次生徒会メンバーと四条眞妃は普通二輪免許を取得した。

 

なお、この時は、かぐやがバイクに乗ると言ってもスクーターに乗ってるのだろうと周りは思っていたが、「白銀かぐや」としては二桁に近い運転歴があるかぐやは、初心者が選ばないバイクを所有して早坂愛は震えていた。

 

ホンダのシャドウ400を女子高生が乗るなど、誰が想像するだろうか?

 

保護者役の四宮雲鷹がバイク好きだったのが裏目に出て、気前よくコレクションを妹にくれたのだった。

 

「白銀かぐや」は全て知っていたが。

 

ただ、勝手に普通二輪免許を取得したと告げられた時、雲鷹の返事は目を見開いて「絶句」だったが・・・。

 

最初はブツブツ小言を言っていた雲鷹だが、内心は久々の同類(かぐや)誕生にバイクのアレコレを語り始め、兄妹はバイク話で花を咲かせた。

 

割と似てるところの多い兄妹なのだ。

 

アメリカで悪友達にバイクを勧められ乗り回す様になったかぐやに、

 

 

 

『危ない事はしないでくれ!』

 

 

と、御行が本気で訴えた程に荒っぽい運転を好むかぐやではあったが、雲鷹も現役時代は早坂奈央に本気で心配される程の荒らい運転をしていたのだ。

 

最も、雲鷹をバイクに目覚めさせたのは奈央だが。

 

 

 

 

 

 

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