白銀かぐやはどうにかしたい 〜2周目の恋路〜   作:チャリンコ2025

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───前回までのあらすじ

亡き母親の墓参りを父親とする事を希望していたかぐやは意外な事実を教えられる。
無事墓参りを終えた四宮親子の前に、敵となった四条真琴が娘の眞妃と息子の帝と祖母の墓参りに現れた。


✕編集中✕

 

 

───月曜日・生徒会室

 

 

生徒会は会長の白銀御行の発案で二学期期末試験の試験休みになってはいるが、あの御行が生徒会業務を休むとは考えられず、四宮かぐやは早朝に生徒会室に顔を出して自分の予想が当たった事に溜息が出る。

 

 

 

『な、なんだ四宮。

えらく早いじゃないか?』

 

 

入室したかぐやは先に来ていた御行の問い掛けに答えず会長席まで一気に近付くと、御行の側に置かれていた申請書などの束を掴み取り、取り出したペンで処理を始める。

 

 

 

『おっ、おい、何をするんだ?』

 

『言ってもさせてくれませんから、実力行使です。

副会長ですから私にも決裁権はあります。

会長、この申請はこの様に決裁しますよ?』

 

 

かぐやは手際良く決裁を済ませて処理済みの書類の束を作っていく。

その流れる様な処理の早さに御行は口を挟む余地もなかった。

 

 

 

『はい、これで終わりです。

会長、隠してる分も出してください。』

 

『・・・もうねぇよ。

たく、四宮は仕事熱心だな。』

 

『・・・怒りますよ?』

 

『で、四宮、用件は?』

 

『・・・ありませんよ。』

 

『この為だけに早く来たのか?』

 

『そのお言葉、そっくりそのままお返しします。

では、終わったので失礼します。』

 

 

そういうと、かぐやは生徒会室を出て行ってしまい、御行は呆気にとられる。

しかし、いつもとかぐやから受ける雰囲気が違う様に感じれた。

 

 

 

『たく、何なんだか。

・・・試験勉強でもするか。』

 

 

かぐやの目的は、実はこれである。

アメリカで交際中に試験勉強の話になった時に、御行がかぐやを目で追ってしまい勉強に集中できなかったと、半ば白状した様に喋ってしまったのだ。

前々から仕事を一人で片付ける御行に不満があったかぐやは、「今回」は仕事を奪ってでも負担を減らそうと考えていたので、こういう行動に出たのである。

 

 

 

 

 

 

 

───お昼・生徒会室

 

 

休みにはなっているのだが、御行とかぐやは生徒会室位でしかゆっくり食事ができなくなっている。

暖かさがあれば屋上という選択もあるが、流石に11月にもなると風が冷たいので断念した。

そして、当たり前の様に龍珠桃と四条眞妃が食事に来ていた。

今日は会計の石上優も来ている。

 

 

 

『会長、休みにしても意味がないんのでは?』

 

『(俺には意味があるんだよ)昼はいいだろう、放課後の時間が大事なんだから。

それより、石上会計は大丈夫なのか?』

 

『四宮先輩からは参考書と問題集頂きましたし、龍珠先輩達からも教えて貰ってますから。』

 

『なんなら、白銀が教えたら良いだろう?

男同士だし、会長なんだから。』

 

『次回考えておく。

今から加わったら、教える人数が増え過ぎて混乱するだろう。

教え方・教わり方は人それぞれだからな。』

 

 

かぐやが先に面倒を見ると言い出したのに、自分がしゃしゃり出るべきではないと御行は考えていた。

「言った事はやり抜く」「面倒見がいい」という、かぐやの人となりを知っているから御行は邪魔をしたくないのだ。

 

また、家業の事で周りと壁のあった桃が、優と親しく話しているのを邪魔するのも気が引ける。

 

一方、御行の横に済まし顔で座っているかぐやは、「経験」した二学期期末試験は優は努力したが点数は奮わなかった事を知っている。

中間テストから一月強経つとはいえ、直ぐに点数が上がりは、しない。

 

彼が本当に勉学に励むようになるには、今回の試験でも挫折を経験する必要がある。

その観点で見れば、子安つばめ直々に教えて貰う方が良いのではないだろうか?

かぐやはそう考えて静観している。

 

それより、気になるのは書記の藤原千花である。

所属しているテーブルゲーム部に行ってる様だが、また新しいゲームでも開発しているのだろうか・・・。

サッカーボールぐらいはありそうなサイコロを持ち歩いてるの見てるだけに、かぐやは警戒しており、御行も警戒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

───夜、かぐやの寝室

 

 

 

『未だ、糸口すら無しね。』

 

 

先日のマスメディア部号外偽造配布事件以降、早坂愛が調査を続けているが、号外以外の物証がない事と目撃者がおらず、不審人物の目撃情報もない。

把握できる範囲内で撮影時に校内や正門付近に居た人物達のアリバイもあった為、手詰まり状態になっている。

 

 

 

『この号外の写真のアングルから、正門付近から望遠レンズで撮影されています。

現行、最もカメラ性能の良いスマホで同じ様に撮影してみましたが、この号外の写真の様にはなりません。

画像修正のソフトなどを使ってもここまでの鮮明さが出せませんでした。

再現した方法では、望遠レンズ付きのカメラしか撮影方法は考えられないです。』

 

『監視カメラには写ってなかったのね?』

 

『それも奇妙なんですが、アングルから正門の上に立たないと撮影できなかったのです。しかし、正門付近の監視カメラの映像にはそんな事をしてる人物はいませんでした。

会長さん達が撮影された場所も監視カメラがあったのですが、二人が通った後には誰も通過してません。また、そのアングルから割り出した推定の撮影現場を収めていた監視カメラにも誰も写っていなかったんです。

不審人物の目撃情報もありません。

時折、特定の生徒の追っかけと思われる人物は正門付近に出没しますが警備員に排除されてます。』

 

『伊井野ミコさんのお友達の大仏こばちさんでしたか?

彼女は元子役さんで人気があるみたいね。』

 

『当人はうんざりしてる様ですね。』

 

『煩わしいけど迂闊な事はできないものね。』

 

『この手の輩は質が悪いですからね。』

 

『生徒会として介入すると、なんだけど、生徒会にも苦情は来てたのよ。

主に周りの住人さん達から、だけど。』

 

『難しいですね。』

 

『何度か生徒会として直接当人達に抗議したり、学校側も警備員さん達を配置したりしたけど、一過性で元に戻ってしまうのよね。

全く、どこで調べてきてるのやら。』

 

『引き続き調査をします。』

 

『程々でいいわ。

尻尾が出てこないと捕まえ様がないし、愛の負担も大きくなるから。』

 

『ありがとうございます。』

 

『ところで、愛は試験勉強はいいの?』

 

『まあ、大丈夫ですけど。』

 

『前から気になってたんだけど、どんな勉強法を使ってるの?』

 

『えっ? かぐや様と同じですよ。』

 

『でも、愛の方が仕事で時間取れないじゃない?』

 

『同じですって。

私の方が順位は下なんですから。』

 

『ねえ? 今回の試験、お互いに全力でやってみない?』

 

『やる意味が解りません。

私の方が頭悪いんですから。』

 

『嘘おっしゃい。

私と変わらないぐらいじゃない。

私の愛が、そんなに低い点数な訳ないもの。

やってみましょうよ?』

 

『そんな事、言われましても・・・。』

 

『解ったは、壁に貼り出される順位になったら、オフ一日はどう?

完全なオフよ、朝から晩まで。』

 

 

かぐやに気を遣われてると思うが悪い気はしない愛は、「考えておきます。」とだけ返事をしてお茶を濁す。

無理をして明るく振る舞ってるが、本宅で父親から告げられた事はかぐやにはショックだろうと思う。

愛自身は「クソジジイ」と言った事もある程に、かぐやの父親の四宮雁庵には悪印象しかない。

ろくに接する事もなく、夏休みの本宅への緊急招集は「居たのか」の一言だけで、腹立だしかった。

あれが為に、かぐやは楽しみにしていた千花達との外出もキャンセルせざるを得なかった。

何より、今も苦痛を強いられる「ある任務」をやらされている愛は、雁庵どころか四宮家自体に嫌悪感しかない。

愛にとって大事なのは、かぐやと家族である両親だけである。

 

 

 

 

 

─────つづく

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