白銀かぐやはどうにかしたい 〜2周目の恋路〜   作:チャリンコ2025

8 / 61


───前回までのあらすじ


突然訪ねてきた大友京子の謝罪で石上優の冤罪は晴れるかに思われたが、同級生達は受け入れない。
自分の浅慮が原因と考えた大友京子は体育祭に石上優の応援に来る。


008『バイク紀行』

 

 

 

───体育祭の翌日

 

 

四宮かぐやはいつも通り調理場を手伝った後、食堂で朝食を取りながら満足感に浸っていた。

 

 

「筋肉痛が翌日に来る」

 

 

年齢を重ねれば、無茶をすると筋肉痛という反動は遅れて来る。

翌日に痛みが来てくれる事に涙が出そうなほど、かぐやは感動している。

 

 

 

『かぐや様。

楽しい事があったんですか?』

 

 

かぐやの横で食事を取ってる早坂愛が尋ねる。

 

 

 

『こうやって愛や皆とご飯を食べるのは楽しいなって。』

 

『・・・そうですね。』

 

 

これまでの泉岳寺別邸の朝食は取れる者から取るという仕組みで、早朝からやる事だらけだった。

それら別邸の仕事の全てを仕切っていたのは、一番勤続年数の長い早坂愛。

 

他の者は全員が愛の年長ではあるが、勤続年数は料理長ですら愛よ短い。

中には年少者に指図されるのは気に食わないと、口や態度に出さなくても腹に溜め込む者もいる。

 

これまではかぐやにヘイトが集まるぐらいならと、愛がそういった事柄からかぐやの「防壁」の役割を務めていた。

それが、愛が近侍解任(辞職)の後に吹き出した。

 

愛を追って辞める者、あからさまに怠ける者、平然と不平を口にする者、そこに黄光らの息のかかった者が加わり混乱した。

 

早坂愛の去った泉岳寺別邸は心休まる所ではなく、かぐやにはただ眠りに帰り身支度を整える場所でしか無くなってしまった。

 

それを「経験」したからこそ、かぐやは愛のありがたみを思い知る事になった。

 

この「将来」が動かないなら、自分で変えるだけだ。

愛に任せっぱなしだった使用人達を、かぐや自身で愛も交えて関係を構築する。

 

調理場を手伝うのも、かぐやのやりたい事(料理)と使用人達と近くなれて都合が良い。また、注意深く観察する事で、「誰が何処に属してるのか」当たりをつける事も出来、振る仕事や話題などを意図的に変える事も出来る。

 

その副産物として、かぐやは使用人達とお喋りをしながら朝食を取るという、8月以前は想像もできない事をしているが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───お昼・生徒会室

 

 

金曜日に行われた体育祭の片付けや部活などで土曜日に珍しく登校した生徒会メンバー。

かぐやの弁当と味噌汁、別邸特製弁当(おかずのみ)という久々の組み合わせにお呼ばれした面々は舌鼓を打っていた。

今日の味噌汁は、レンコン・里芋・人参と渋い具である。

 

メンバーは生徒会の白銀御行・藤原千花・石上優・伊井野ミコ、所用で登校していた四条眞妃にかぐや自身の六人である。なお、眞妃は食事の前に先日の一件で詰問されて、悩みがあるなら生徒会室に来なさいとかぐや達に念を押された。

後に、柏木渚からの避難所としてよく入り浸る様にはなったが。

 

人数も増えたので椅子を増やそうかと提案もあるが、業務が落ち着いたらリサイクルショップでも回るかと話をしてるものの、まだ時間が取れないので三人掛けソファ二脚のままである。

 

座り位置はかぐやは御行の横が定位置になっている。

かぐやは堂々としているが、御行は澄ましていても心臓はダンスをしている。

大友京子の一件以降、より強くかぐやを御行は意識する様になってしまった。

 

 

 

『そういえば、ちょっと報告なんですが。』

 

『なんだ、四宮?』

 

 

弁当も食べ終わり食後の談笑となった時、かぐやが「ある秘密」を話し出す。

 

 

 

『普通二輪免許、取っちゃいました!』

 

『へぇ~、四宮先輩バイクに乗れるですか・・・。』

 

『俺も去年取らせて貰ったな。

なかなか乗る機会が無いが・・・。』

 

白銀御行と石上優は言い終えて、気が付いた。

二人の表情が平穏から驚愕に変わる。

女性陣三人は固まってる。

 

 

 

 

 

『『『『『えええええぇぇぇっっっ

!!!!!?????』』』』』

 

 

 

期待通りの反応に少し自慢げなかぐやは、やや鼻が高い。

 

一同を代表して藤原千花が疑問点を聞く。

 

 

 

『いっ、何時、取ったんですか?

そんな時間ありました!?』

 

『友達が去年取ってたので教えて貰って、取得したんです。

まあ、ペーパーですけど。』

 

 

友達とは、愛の事である。

物凄く渋られたが、形だけ教えて貰った。

運転経験はあるが最近は乗れなかったので、復習がてら「教えて貰った」実績づくりをしないと、いきなり免許を取った場合、あまりに不可解に映るからだ。

 

 

 

『かぐや、アンタいつの間に・・・。』

 

『眞妃さんもどうですか?

試験、楽しかったですよ。』

 

『・・・そうね、面白そうね。

持っていても損はないわね。』

 

『確かに、免許証は身分証としても使えますしね。

私も考えようかな。

四宮先輩、道交法はしっかり守ってくださいよ。』

 

『ええ、もちろんですよ伊井野さん。』

 

『しかし、よく取れたわね、かぐや。』

 

『勝手に取りました。』

 

『『『『『えっ?』』』』』

 

『どうせ、うちの者に言ってもアレコレ言われて取らせて貰えないでしょうから、用事のついでに試験センターに予約を入れたら翌日に空きがあったので、飛び込みで受けて取りました。』

 

 

無邪気に左手でピースサインするかぐやに、四条眞妃は硬直する。

「アンタ、飛び込みって」と、とんでもない行動力に顔が引き攣る。

 

 

 

『四宮先輩、凄いですね。

驚きました。』

 

『・・・そんなに簡単に取れるものなのか、四宮?

(俺は苦労したのに。)』

 

『実技でエンジンをかけるのが不安でしたけど、コツを教えて貰っていたので、何とか。』

 

『僕も取りたいですけど、来年までは無理ですね。』

 

『何故だ? 石上は16歳だろう?』

 

『僕は三月生まれなので、今はまだ15歳なんです。』

 

『そうか・・・、早生まれか。』

 

『・・・石上くん、いま、なんていいました?』

 

『どうした、藤原書記?

石上は「来年まで無理」と言っただけだが?』

 

『その後です、肝心なのは!

三月生まれ、と言いませんでしたか?』

 

『ええ、三月生まれですが?

どうしたんですか、藤原先輩?』

 

 

あからさまにショックな顔をする千花。

 

 

 

『三月「三日」で、』

 

『イヤァァーーーーー!?』

 

 

絶叫と共に千花は頭を抱える。

周りは訳が分からず唖然とするばかりとなる。

 

 

 

『ふ、藤原さん、どうしたんですか?』

 

『石上?

アンタ、藤原先輩に何したの?』

 

『僕が聞きたいよ。』

 

 

唐突に立ち上がった千花は更に絶叫する。

 

 

 

『誕生日が一緒ォ一一一一一!?

一緒くたにされる一一一一一!!』

 

 

絶叫の理由がアホらしくて呆れる一同。

その後もわめいて駄々をこね、優に転校しろだ、誕生日を変えろだ言うので、御行が会長権限で誕生日を祝わない様にすると言った為、漸く大人しくなった。

 

かぐやは千花と友達を止めようかと真剣に悩む。

その後、順次生徒会メンバーと四条眞妃は普通二輪免許を取得した。

 

なお、この時は、かぐやがバイクに乗ると言ってもスクーターに乗ってるのだろうと一同は思っていたが、「白銀かぐや」としては二桁に近い運転歴があるかぐやは、初心者が選ばないバイクを所有して愛は震えていた。

 

ホンダのシャドウ400を女子高生が乗るなど、誰が想像するだろうか?

 

保護者役のかぐやの兄である四宮雲鷹がバイク好きだったのが裏目に出て、気前よく妹にくれたのだった。

 

「白銀かぐや」は全て知っていたが。

 

ただ、勝手に普通二輪免許を取得したと告げられた時、雲鷹の返事は目を見開いて「絶句」だったが・・・。

 

最初はブツブツ小言を言っていた雲鷹だが、内心は久々の同類(かぐや)誕生にバイクのアレコレを語り始め、兄妹はバイク話で花を咲かせた。

 

割と似てるところの多い兄妹なのだ。

 

アメリカで悪友達にバイクを勧められ乗り回す様になったかぐやに、

 

 

 

『危ない事はしないでくれ!』

 

 

と、御行が本気で訴えた程に荒っぽい運転を好むかぐやではあったが、雲鷹も現役時代は愛の母親の早坂奈央に本気で心配される程の荒らい運転をしていたのだ。

 

最も、雲鷹をバイクに目覚めさせたのは奈央だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───日曜日早朝、泉岳寺別邸

 

 

いつも通りの週末───、

 

の筈が、愛はかぐやの予想外の行動に面食らっていた。

 

 

九月以降のいつも週末なら、毎朝の日課のかぐやの料理が終われば朝食を取り、身支度を終えて愛と二人で東京駅から新幹線で京都にむかう───、

 

 

筈だったのが、今朝は違った。

 

 

朝食作りから自室に戻ったかぐやは赤のライダースーツに着替えており、外出の身支度の手伝いに来た愛に自分と同じく赤のライダースーツに着替える様に渡してきたのだ。

何時買ったんだと問いただしたいが、唐突な予想外の展開に愛は頭が回らない。

 

 

 

『ほら、早く着替えて。』

 

『・・・かぐや様、新幹線は?』

 

『いいから、早く早く。』

 

 

急かされて慌てて着替え直した愛を待っていたのは、玄関ホール前のロータリーに用意されていた2台のシャドウ400と、かぐやだった。

 

 

『じゃあ皆、行ってくるから。

後はよろしくね。

愛、行くわよ。』

 

 

そういうが早いかかぐやはバイクのエンジンを掛けて、走り始めた。

 

他の使用人達は笑顔でかぐやを見送り、愛には同情の眼差しを向ける。

全員代わりたいとは露程も思わないが・・・。

 

頭の理解が現実に追い付くよりかぐやを優先しないとと、混乱しながら残ったバイクに跨り愛はかぐやを追い掛ける。

 

かぐやは免許交付されて一週間しか経ってないのに!

 

 

 

「このまま、何処に行くの?」

 

 

愛はかぐやの考えを読む。

 

 

───東名で京都まで───

 

 

イヤ、無理だ!

 

免許を取って間もないかぐやには高速道路は早過ぎるし危険だ。

 

 

───なら、近所?

 

 

白銀会長さんの家が可能性が高くなるけど、ライダースーツに着替えてまでの距離じゃない。

 

昨日、生徒会で免許を自慢したと言ってたから晴れ姿を会長さんに見せに行くの?

 

等と考えていたら、かぐやのシャドウ400は首都高に上がた!

 

 

 

『イヤイヤイヤ!?

高速道路はまだ早いですって!!?』

 

 

我が目を疑いながら、かぐやを追って愛も首都高に乗る。

 

愛の後方に距離を取った2台のバイクも、戸惑いつつ愛に続いて首都高に乗る。

 

が、愛と後続二台は次第に疑惑から確信に変わる。

 

 

 

『『『中央道に行く気だ!』』』

 

 

だが───

 

 

『かぐや様!

飛ばしすぎです!!

それは免許取り立ての人間の走りじゃない!!!』

 

 

ヘルメットの中で一人突っ込む愛を気にする事もない様に見えて、かぐやはサイドミラーで後続の愛のシャドウ400を確認しながら速度を合わせてる。

 

 

───さて、この後はどうしましょうね?

 

 

富士吉田に折れて河口湖に行って富士山眺め様かしら?

 

その後は浜名湖でウナギでも食べようかしら?

 

それとも塩尻から上諏訪温泉も良いわね。

 

等と、旅慣れた人間の気ままな風来旅の気分に、かぐやはなっていた。

 

「大雑把なスケジュールを組んで、後は気分次第で寄り道を楽しむのが旅の醍醐味」というのがかぐやの旅の楽しみ方。

 

旅に関しては普段と行動パターンが変わるかぐやは、スケジュール第一の白銀御行とこの部分だけは相性が悪い。

 

気ままに気分で行動する、この部分は藤原千花と相性が良いので、アメリカから日本に帰国したら二人で勝手に遊びに行ったりした。

 

置いていかれた御行が不機嫌になって、かぐやがご機嫌をとって仲直りまでがセットになったが。

 

御行は、帰りが遅い飼い主に不貞腐れた飼い猫と同じ扱いをされてる事を理解してない。

 

 

───藤原千花に振り回されないか?

 

 

スタンフォード大や他国の友人達の方に余程振り回されるので、御行もかぐやも、眞妃ですら藤原千花ぐらいは何とも思わなくなっていた。

 

帝は、姉並みに行動が理解できない人間が増えたと「100年の恋も冷める」現実に苦悶したが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───同時刻・四宮雲鷹

 

 

 

かぐやにバイクをくれてやったところ、同じシャドウ400を別に購入(支払いはクレカで雲鷹に請求が来る)した為、胸騒ぎがしたので念の為に貼り付けた見張り兼かぐやの護衛から報告を受けた四宮雲鷹は、ホットラインで待機させていたある人物に連絡を取った。

学業との関係で、動くなら今日だろうと網を張っていたのだ。

 

 

『・・・、聞こえてるか?』

 

『はい。』

 

『こっちから焼津辺りまでは付ける。

・・・筈だったんだが、東名じゃなくて中央道に周りやがった。

諏訪辺りで引き継げ。』

 

『えっ!?』

 

『裏をかかれた。

・・・お前の腕ならなんとかなるだろう。

じゃじゃ馬を頼む。』

 

『・・・中央道ですか・・・、懐かしいですね。』

 

『・・・だな。

昔の血が騒ぎそうだ。』

 

『・・・では、後ほど。』

 

『・・・「頼む」。』

 

 

 

電話が切れたのを確認した「早坂奈央」。

 

 

 

『はあ・・・、中央道って。』

 

 

電話の主は表富士を眺めながら、ため息をつく。

東名を進んでくると予想していただけに山越えルートは面倒なんだけど、と。

先程まで談笑しながら一緒に表富士を眺めていたバイカー達と別れ、止めていたヤマハのドラッグスターに跨りエンジンを掛ける。

今日は黒のライダースーツという奈央としては、珍しい格好だ。

 

 

 

『少し、ヤンチャが過ぎるんじゃありません!』

 

 

軽快に山梨に向けて走り出す奈央。

 

しかし、この直後にかぐやは富士吉田に進路を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───富士吉田・道の駅

 

 

 

『せめて!

行き先ぐらい言ってください!!』

 

 

富士吉田の道の駅で休憩する事にしたかぐやは、トイレから出てきたところを追い掛けて来た愛に捕まり半泣きの絶叫の抗議を受けていた。

 

早坂愛は去年免許を取ってるがあくまで「乗れる」程度であり、高速道路に乗ったのは二回しかない。

 

それも一区間だけ。

 

そんな愛を、免許取り立てのかぐやが置き去りにしそうなぐらい飛ばすから追いかけるだけでも必死なのに、トラック追い越しまでするから膝が震えながら必死にかぐやに食らいついてきた為、感情が爆発したのだ。

 

当のかぐやはライダースーツの胸元を開け涼んでいた。

流石に二桁に近い運転歴かつアメリカで運転経験があるから、コレぐらいは大した事はない。

 

『ごめんなさい。

気分が高揚しちゃって。』

 

『どれだけ私が怖い思いしたか判ってるんですか!?

こんな事になるなら教えなければよかった!』

 

『ちょっと、愛。

落ち着いて!』

 

両手を合わせて謝るかぐやだったが、感極まった愛は泣き出してしまった。

 

遠くから見てる雲鷹の見張り兼護衛も愛に同情の眼差しを向ける。

 

護衛達から見ても、あんな躊躇なくトラックを追い越していくとは思わず、バイクが無人で走ってるじゃないかと疑う位だった。

とても、免許取り立ての人間の腕ではないと思った。

早坂愛が泣き出してかぐやが慰めるのに時間がかかったおかげで「本命」が到着し、見張り兼護衛達は「本命」を見た瞬間に、触らぬ神に祟り無しと引き継いでサービスエリアに逃げる様に入って行った。

 

受け継いだ「本命」早坂奈央がかぐや達に大股に近付いていく。

傍目には高校生の娘がいる様には見えない鍛えられた身体をライダースーツに包み、ヘルメットを右手に髪を振り乱しながら同性からも羨望の眼差しを向けられそうだが、表情は息を呑む程の眼光の鋭さで眉間に雷雲が漂っているかの様な憤怒の表情である。

 

 

 

『かぐや様。』

 

 

努めて冷静にいつもの声のトーンで、四宮かぐやに話し掛ける奈央。

 

声の主が奈央と気付いたかぐやが愛をなだめながら奈央に顔を向ける。

 

 

 

『ああ、奈央さぁ・・・。』

 

 

奈央の顔を見た瞬間、かぐやは言葉を失い血の気が引く。

 

 

「不味い!

これは怒られる!!」

、と。

 

かぐやは幼い頃は奈央が乳母として世話をしていたが、一度だけ物凄く怒られた事がある。

イヤイヤ期に入ったかぐやが些細な事で怒って玩具を愛に投げ付けた事があったが、投げた玩具が愛の目に当たりそうになった時に猛烈に怒られた。

 

 

 

『人に物を投げつけるとは、どういう了見ですか!』と。

 

 

普段は乳母として優しさが前面に出ていたが、この時ばかりは別人かと思える程に怖かった。

それ以来、かぐやは奈央を「絶対怒らせてはいけない人」と認識している。

久々に冷や汗が背筋を走る感覚に、後は謝る以外にかぐやに選択肢はなかった。

かぐやの10分に渡る反省と謝罪と、愛が泣き止んだ事でとりあえず奈央に許されて、その後は奈央の先導の元に安全運転で、三人は河口湖・上諏訪温泉を周り岐阜で休憩を入れた後、夕方近くに京都本宅に到着した。

 

モヤモヤした時は走るに限るなとかぐやは実感していた。

奈央に大目玉を食らうとは想像してなかったが・・・。

 

 

 

道中、奈央がナンパされたり、その縁でバイククラブの集団と一緒に走ったり、なかなかに楽しい旅とはなったが。

奈央はナンパされた事で上機嫌となり、実娘の愛は少し呆れていたが、気持ちは良く分かるかぐやだった。

 

ナンパされた事ではなく、魅力的に見られた事が嬉しいのだ。

その頃には態度が軟化した奈央と愛と三人で久々に親子の様な楽しい時間も過ごせた。

 

尚、バイクで京都に来た事と道中の出来事を聞いた父親の四宮雁庵はかぐやにしばらく高速道路は走るなと念を押し、仕事で京都にいなかった早坂正人は夜に娘の愛に慰労の電話を入れて、愛が感極まってまた泣き出すハプニングがあった。

 

報告を受けた兄の四宮黄光や雲鷹ですら、あまりに無謀と写ったかぐやの行動に苦言を呈す程だった。

 

黄光は気付いてなかったが、「兄として妹が心配」と言う態度に、かぐやや愛、奈央や正人ですら内心「呆れ半分の失笑」状態だった。

 

しかし、バイクの運転経験がある雲鷹と奈央は「かぐやの運転」に強烈な違和感を覚える。

 

特に奈央は、初心者の筈のかぐやがトラックやバイクのドライバー達と身振り手振りで意思疎通が出来てる事を間近に見て、自分の目を疑った。

 

免許取り立ての人間には到底思えないかぐやの運転は、最低でも数年運転した事がなければ出来ない芸当だと。

 

 

 

 

 

───夜・本宅のかぐやの寝室

 

 

 

『ごめんなさい、私が調子に乗りすぎて、愛を泣かせてしまって。』

 

『私こそ、かぐや様にあんな口をきいてしまって。』

 

 

敷かれた布団の上で手をついて土下座し合ってる様は、喧嘩後の仲直りのカップルみたいな状況にかぐやと愛はなっていた。

 

 

『ですが・・・、かぐや様は何処であんな運転技術を得たんですか?』

 

『あ、あれは、ほら、動画サイトとかで見たり、本を読んだりしたから。』

 

 

あやふやな説明しかできないかぐやは、実は自分はタイムスリップしてきた未来のかぐやだと言いたくなったが、今言ってもややこしくなるだけだから止めておこうと考えた。

話したところで愛を混乱させるだけであろうから。

 

歯切れの悪いかぐやに愛も疑念を抱くが、「出来るかなと思ったら出来てしまったの」と言い切られると追及する材料がなく、今後は控えてくださいと釘を刺すぐらいしか出来なかった。

かぐやに約束させても破られるだろうなと愛は考えたが、止めて貰わないと命が幾つあっても足りないと心底思っている。

 

 

 

翌日、朝食を作り終えたかぐやはバイクを乗って帰らないといけないと、先週の父親の雁庵との外出の約束を延期して貰って京都を後にした。

 

雁庵自体はすっかり忘れていたが、バイクで京都まで来た理由は何割かは約束の延期の口実にするのが目的だったりもする。

 

直前で調整がつかない部分が出てしまったのだ。

かぐやの見通しが甘かったのだ。

 

飛ばしてスッキリしたかったがかぐやの本音だが。

 

 

 

『判ってるな、かぐや?』

 

『事故を起こすなよ。』

 

『護衛(見張り)を付けます。』

 

 

出発前、雁庵・黄光から念を押され、念の為にと護衛(早坂奈央)が早坂正人によって手配されたが、高速道路を走らず下道を走っては時間がかかり過ぎるので、三人は東名高速道路で東京に帰った。

 

父・雁庵は解かるが、長兄・黄光は事故を起こすなら諸手を挙げて喜びそうなものなのに、意外に真剣に心配してる様な素振りに悪寒が走るかぐやや正人達だった。

 

かぐや達を別邸まで送り届けた後、早坂奈央はかぐやの直ぐ上の兄の雲鷹に報告の為に会っていた。

 

 

 

『かぐやにバイクをやったのは、乗れねえと考えたからだ。

アイツの性格と、余程の物好きでなければ乗る訳がないとな。

結果はコレだ。』

 

『かぐや様は何処かで数年間の乗車経験があります。

そうでなければ、説明がつきません。』

 

『だが、そんな素振りは今までない。

学校か家かの日々で、少なくともバイクの練習をした痕跡はない。』

 

『それ故に、「説明」がつかないのです。』

 

『・・・最近のアイツは、おかしな事だらけだ。』

 

極めて真面目で真剣な話をしてるが、絵面はヘッドの奈央に手下の雲鷹が報告をしてる様な状態である。

場所は古馴染みのバーで、店の奥の革張りのヴィンセント・ソファに、ライダースーツの奈央が髪を解き胸元を開けて頬杖ついて足を組み、日頃からは想像できない態度で雲鷹に対している。

 

横のソファに座る雲鷹は、浅く腰掛け畏まった様に見える態度で酒を飲んでいる。

 

コレだけを見れば立場が逆転してる様だが、昔は雲鷹は生真面目で奈央の尻に敷かれた状態だった。

 

二人の関係はある事が原因で破綻したが、今は懐かしい頃に一時的に戻った様になっている。

 

 

───この店の中ではあの頃に戻る。

 

 

かぐやの面倒を見て自分に子供が出来て、九月のかぐやの本宅突撃に付き合ってからは、雲鷹も変わってきてる様だった。

 

 

 

『ともかく、ご苦労だった。

ゆっくりしてくれ。』

 

 

そういうと飲みかけの酒を置いてバーを出ていく雲鷹。

奈央はそれを目で見送る。

今の二人はそれしかしない・出来ない関係になってしまった。

かぐやと愛にはそんな事にならない事を願うが、早坂家の人間としてのイロハを愛に教え込んだのは奈央自身だ。

愛が心底嫌悪してる任務をしてる事も承知してる。

愛は何も言わないが、奈央自身も嫌悪した任務だから娘の事は解るつもりだ。

 

 

 

『・・・因果なものね。

私自身も・・・。』

 

 

結局、奈央は深酒してバーで潰れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───火曜・放課後の生徒会室

 

 

今週は三連休の為に火曜日スタートの週の為と、高等部全体は体育祭の熱気が残っているので少しテンション高めだったが、朝から早坂愛の機嫌が悪かったので今週は大人しくしておこうと考えたかぐやは、生徒会メンバーとの雑談の中で長野と静岡のお土産を渡しながらバイクでの週末旅行記を話したところ、全員が怖い顔になっていた事に気が付いた。

 

かぐや本人はお茶請け話にと話したつもりだったのだが、他のメンバーにはとんでもない事をサラッとやってのけた、と映っていた。

 

 

 

『四宮、プライベートの時間にお前が何をするかは自由だが、免許取り立ての人間が高速乗って京都まで往復するのは、正気の沙汰じゃないぞ。』

 

 

かぐや以外のメンバーの中で唯一の免許保有者の白銀御行が、暗黙の了解で口火を切って説教を始める。

正直、笑って失敗談として話すかぐやに恐怖を覚えていた。

京都まで免許を取って直ぐに往復するなど、御行は信じられない気持ちだった。

 

 

 

 

───四宮らしくない。

 

 

 

それが白銀御行の本音だ。

 

白銀御行の何時になく真剣な表情に石上優と伊井野ミコ、「あの」藤原千花ですら真剣な面持ちでかぐやを見つめる。

 

ここまで真剣な空気になるとは思わず戸惑うと同時に、心配されてる事に温かいものを感じるかぐやだった。

 

 

 

『四宮、今度行く時は俺にも声を掛けろ。

俺も免許(実質ペーパー)はあるから、一緒に行くぐらいは出来る。』

 

 

(えっ! ソレって、ドライブデート!?)

 

 

かぐやはそう考えたが、当の白銀御行は心配が九割なので考えに至ってない。

優やミコは「先輩、大胆!」と顔に出ていた。

ただ、千花だけが沈黙を守ってる。

 

 

『大丈夫です、会長。

家の者に大分絞られましたので、しばらくは遠出は出来ませんから。

ただ、私は出来れば皆さんとツーリングしたいと思うのですが?』

 

『う〜~〜ん・・・、魅力的な提案ですけど、風紀委員会や期末考査や奉心祭やらで年内は私は難しいですね。

免許からになりますから。

石上は来年までは無理よね。』

 

『僕は免許取れればバイクは兄に借りれるでしょうからね。』

 

『直ぐ動けるのは俺だけか。』

 

『なら、横浜ベイブリッジを抜けて横浜まで行ってみません?』

 

『横浜か、近いし直ぐ帰ってこれるか。』

 

『横浜ならお土産に焼売お願いします、会長。』

 

『それは定番すぎないか?』

 

『石上、横浜ならケーキとかは?』

 

『車ならともかく、バイクでケーキは大変だぞ、伊井野。』

 

 

花が咲きかけた雑談は激しい音で中断させられる。

千花が右手でテーブルを叩いたのだ。

 

 

 

『・・・皆さん、かぐやさんに怒るんじゃなかったんですか?』

 

 

日頃の藤原からは想像できない程の低い声でメンバーに問い掛けてくる。

御行やかぐやでさえ、その迫力に息を呑む。

 

 

 

『・・・藤原書記、それは俺が問い質したつもりだが?』

 

『それで、いいんですか?

皆、心配だからかぐやに怒ったんじゃないんですか?

 

それなのに、かぐやさんに誘われたら話に乗って、出掛ける約束をしそうになって。

 

皆さんの心配心はそんなに簡単に切り替えられるんですか?』

 

『藤原書記・・・、』

 

『解らないなら、もういいです!』

 

 

慌てたかぐやが間に入る。

 

 

 

『藤原さん、心配させてしまった事は謝ります。ただ、私は皆さんと楽しめたらいいなと思っただけで。』

 

『そういう事じゃないです!』

 

 

そう言うと千花は生徒会室を出て行ってしまった。

 

 

 

『・・・どうしたもんかな。』

 

『私が見てきます。』

 

 

そういうと、ミコが千花を追って行った。

 

 

 

『千花さん・・・。』

 

『藤原書記の態度は少し過剰とも思うが、気持ちは俺達も同じだ。

今回は、かなり度が過ぎたと俺は思う。』

 

『・・・はい。』

 

 

俯くかぐやを御行と優の二人は見つめるが、その後は結局は御行とかぐやの二人で、時期は未定だかバイクで出掛ける約束をしてしまった。

ドライブデートに気が付いた御行が、誘惑に負けたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───廊下

 

 

千花を追い掛けたミコは直ぐに追い付いたが、何と声を掛けてよいか躊躇っていた。

そのまま、二人で近くの女子トイレに入る。

洗面台に寄りかかる様に立ち、千花はミコを見る。

 

 

 

『どうしたの、ミコちゃん。』

 

『藤原先輩・・・。

 

怒る気持ちは解ります。

私だって、四宮先輩は笑って話してましたが、運転免許取って直ぐに高速道路なんて怖いです。

 

・・・事故の話だって、色々聞きますし。

 

だから、藤原先輩は怒ったんですよね?』

 

 

ミコなりの解釈なのだが、千花がかぐやに怒ったのはそれだけが理由ではない。

 

九月からのかぐやの言動に違和感を、引っ掛かるものがあるからこそ、あえて行動に起こしたのだ。

それは、かぐやの親友として少なくない年月を共に過ごしたからこそ、最近の四宮かぐやには違和感を感じるのだ。

 

だが、それはミコに言うべきではないと千花は考えていた。

 

 

 

『かぐやさんは色々言われてるけど、思い付きだけで動く人じゃないの。

バイクで京都に行ったのも、やってみたかった「だけ」じゃないと思うの。』

 

『・・・。』

 

『哀しいじゃない。

親友なのに、何かやろうとしてると思えるのに、「本当の理由」を教えてもらえないなんて・・・。』

 

『藤原先輩・・・。

 

待つしか・・・、

 

ないんじゃないですか?』

 

『・・・そう、

 

・・・だね。

 

・・・なら、私は待とうかな。

 

やりたい事を教えてくれるまで。』

 

 

大仏こばちの事が頭をよぎるミコは、二人は素敵な関係だなと思う。

 

日頃の千花を知るかぐやが聞けば複雑な表情にしかならないが。

 

伊井野ミコは藤原千花の本性を、まだ知らない。

 

 

生徒会室にミコと戻った千花は、再度かぐやから謝罪を受けて謝り合ったが、やはり違和感を感じる。

具体的にいえば、喋り方や声の上下や選ぶ言葉など今までと微妙に違う。

 

親近感は今の方がある。

 

かぐやに周りへの遠慮がなくなったというべきか。しかし、変化を指摘してもはぐらかされるだけだろうとは思う。

寂しさを抱えつつ、その日は生徒会は解散となった。

 

御行はバイト、優はゲームしたさに足早に帰り、追う様にミコも二人をおいて先に進む。

 

 

───会長達が二人にしてくれている。

 

 

下足場に来た時、かぐやと千花は二人っきりになった。

 

周りに他の生徒はおらず、遠くに部活をしている生徒の声や物音が聞こえるだけの空間。

 

千花は言うつもりはなかったが、空気がそうさせたのかもしれない。

気が付いた時は、かぐやが自分の靴に手をかけたまま、表情は変わっていた。

 

 

 

『貴女は、誰なの?』

 

 

藤原千花は、四宮かぐやにそう言ってしまった───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かぐやは、言われた事の意味を即座には理解できなかった。

 

 

「私は四宮かぐやよ。」

 

 

そう答え様としたが、目の前にいる親友だと思ってる千花の寂しそうな瞳を見た瞬間に、何も言えなくなった。

 

千花は少し俯きながら続ける。

 

 

 

『かぐやさんはね・・・、物凄く臆病で繊細なんです。

 

物凄く考えてからでないと何も出来ない、凄く怖がりな人なんです。

 

私とは全然違う人なんです。

 

・・・会長に悪戯した日の事、覚えてますか?』

 

 

無言でかぐやは頷く。

上目遣いで見ていた千花は、話を続ける。

 

 

 

『普段動じない人なのに、悪戯位であんなに慌てて・・・。

 

そんな人が免許取って直ぐに高速で京都まで行って帰って来るなんて、考えられないの。』

 

 

 

───アメリカに行かなかったらやらなかったわよ。

 

 

、とかぐやは思う。

 

彼の国は行動しなければ何も得られない。

遠慮や配慮より、動いて示さないと存在さえ認められない。

 

 

 

でも、

 

 

この頃の私なら、確かに考えられない事してるわねとかぐやは思う。

 

 

 

『・・・貴女は何をしようとしてるの?

 

私は怖いの。

 

貴女は、突然いなくなりそうで、

 

・・・怖いの。

 

貴女は、誰なの?』

 

 

何時ものおちゃらけた千花かと思ったが、目を見る限り真剣であったので、直感的に「私」に気が付いたのかもしれない。

かぐやはそう考えた。

彼女はその手の勘は鋭い。

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

───本当の事を言う訳にいかない。

 

 

 

こういう時は、言葉だけではダメとかぐやは行動に移す。

下足箱から手を引き、カバンを足元に置き、千花を抱き締める。

 

 

 

『私は居なくならないわよ。

そんな怖い事考えないで。』

 

『・・・やっぱり、

 

・・・貴女はかぐやさんじゃない。

 

かぐやさんは、こういう時は抱き締めてなんかくれない。』

 

 

 

多少自覚はあるが、冷たい人間と改めて言われてる様で千花の言葉は癇に触る。

 

 

『・・・ねえ、藤原さん。

貴女は私を普段どう見てるの?』

 

『言ってるじゃないですか?

意地っ張りの寂しがり屋で、頭でっかちの臆病な人って。』

 

『「意地っ張り」と「頭でっかち」は、さっきは言ってなかったわよね?』

 

 

かぐやの周りの気圧が下がり、帯電し始める。

千花を抱き締めていた腕に力が入る。

 

 

 

『藤原さん、貴女は私をそんなふうに思っていたんですね。』

 

『い、痛い!

痛いです、かぐやさん!!』

 

 

慌てて千花はかぐやの肩を叩きギブアップを伝えるが、かぐやの体勢はプロレスのベアハッグの様な状態になりつつあり、かぐやの笑顔が余計不気味さを出している。

 

 

 

『こんなところで愛し合わないでくれる。

彼氏が泣くわよ。』

 

 

聞き覚えのある声で言われて慌てて千花を離したかぐやは、声の主に身体を向ける。

声の主は四条眞妃だった。

 

ただ、いつもの気さくさはなく、険のある態度だった。

 

 

 

『眞妃さん、愛し合うなんて私達は女同士ですよ。

それに、彼氏って誰の事ですか?』

 

『今時は珍しくはないでしょ?

 

・・・彼氏って、白銀会長しか居ないじゃない。』

 

『会長とはそういう関係ではありません。』

 

『付き合ってるんじゃないの。』

 

『ええっ!

付き合ってるんですか、かぐやさん!!?』

 

『千花さん、貴女まで眞妃さんに合わせないでください。』

 

『私はお似合いだと思ってるけど。』

 

『・・・真顔で言わないでくれます、眞妃さん。』

 

 

そう言いつつ言葉とは裏腹に頬が赤くなるかぐやは、白状してる様なものだが。

(未来で)結婚してるとはいえ、言われて嬉しい言葉はある。

 

しかし、四条眞妃に歯切れの悪い感じを受けるのは何だろう・・・。

 

その時、下校時間を告げる予鈴が鳴る。

 

 

 

『ああっ、ごめんなさい。

今日はペスの散歩があるんです。

かぐやさん、さようなら!』

 

 

そういうと、千花は駆け出して帰って行った。

去り際に、少し笑いながら。

 

眞妃はかぐやにつれない態度で自分の靴を出すと、そのまま帰ろうとした。

 

 

 

『眞妃さん、何があったの?

田沼さん?』

 

『・・・違うわよ。

大体、なんで知ってるのよ。』

 

『・・・私に言う前に、貴女もかなり判りやすいわよ。』

 

『・・・うるさいわね!

皆して、うるさいのよ!!』

 

 

唐突な反応に戸惑うかぐや。

 

が、こういう時は眞妃の良くない前兆と経験しているかぐやは、手に力を入れて眞妃の前に回り込んで両肩を掴む。

 

 

 

『私の目を見て、「眞妃」。』

 

『・・・。』

 

『「話せる?」』

 

普段はしないかぐやの言動に戸惑う眞妃。

少しの間、二人はそのままの姿勢をしていたが、眞妃が大きく息を吐き出すと観念したかの様に口を開く。

 

 

 

『トイレ・・・、行かない?』

 

 

 

 

 

─────つづく

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。