【完結】並行線上の彼ら彼女ら   作:シュガーマン

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()彼女()2人旅(逃避行) 中幕

あらすじを話そう。

 

「デートしよっ」

「嫌ですいややっぱ嘘です行きましょうすぐ行きましょう。」

 

 

 

「あらすじを話す暇は無いよ!」

 

………当たり前のように茜さんは僕の思考を読んでくるんだよなぁ…

 

僕達はあの会話の後いつもと違う電車に乗って他愛ない会話をし続けていた。

 

「デートって今日はどこにいく予定なんですか?服も制服だし。お金も僕持ってませんよ?」

 

「質問を一気にするなよ困っちゃうじゃんか!まず今日の予定?そんなもんはねえ!」

「マジですか…」

 

「服はどっかで買おう!」

「全部買うってなると結構かかりますよ?」

 

「大丈夫!金ならある!」

 

そう言うと茜さんはバックから札束を3つドン!と出して見せてくれた。……え?…マジですか…

 

「合わせて30万ある!舐める?」

 

「舐めないです!あとなんで30万もあるんですか?!まだ高3でしょ!」

 

しかも茜さんの高校はバイトも禁止だったはずだ。一体どうやって…

 

「これは私が隠れてバイトして稼いだ金だ!」

「なんて人だ…というかあなたみたいな人が出来るバイトってなんですか…?」

 

僕はただ何も考えずそう聞いた。

 

「………ちょっと言えないバイトかな…」

 

何か聞いちゃいけない事を聞いた気がして僕はすぐに話を変えた。

 

「というか僕なんかとのデートで使っちゃっていいんですか?」

 

「いいんだよ。なんかパーッと使いたい気分でね。高校生っぽいデート全部するぞー!」

 

「今日一日で高校生っぽいデート全部なんて出来ますかね…」

 

「今日だけじゃなくてもいいよ。これからがあるんだからね!」

 

俺はドキッとしてしまった。なぜって?それは茜さんの顔がいつもの元気で可愛らしい、といった顔じゃなく

大人っぽくて綺麗、そう表現した方がいいような顔をしていたからだ。

 

「これから…これからたくさんデートしようねっ!」

 

その言葉を、僕が断れる訳がなかった。

 

「……はい。付き合ってあげますよ、どうせ僕しか付き合えないんだし…」

 

「じゃあまずは服を買いに行きましょうか。」

「そうしようそうしよう!」

 

断らなくちゃいけなかった。

 

「ここから近い服屋はここだね。だから-------」

 

断れたら

どれほど楽に苦しめただろう。

 

—————————

——————

———

 

それから僕らは学校があった事なんて忘れて色々な所でデートをした。

水族館、遊園地、買い物、映画館。

全部茜さんの奢りだったから僕は少しカッコ悪かったけど。

少し不安だったのは茜さんのスマホの通知が鳴り止まなかった事だ。電車に乗った時から鳴り続けていて

通知音を切ったら次は電話をかけてきた。多分同じ人からだろう。

「出なくていいの?」と声をかけても「もういいんだよ。」とだけ。

でもそんなのもスマホの電源を切って2人で遊んでいるうちに忘れてしまった。

それほど楽しかったのだ、茜さんとのデートは。

 

けれど映画館を見終わった後茜さんは何を思ったのかスマホの電源をまた付けて通知を見たと同時にこう言った。

 

「最後のデートへ行こうか!」

 

何かを諦めたかのような顔でそう答えた。

 

 

—————————

——————

———

 

ザザッ

 

 

ザザッ

 

 

ザブーン

 

僕らは九十九里浜に来ていた。

 

「なんで最後のデートをここにしたんですか?」

 

「アニメでね。ここを君と歩きたいっ!とか言って告白するシーンがずっと残っていてね。ここへは一度来てみたかったんだ。」

 

「…茜さん好きです。」

 

「…ふぇっ?」

 

あぁこんなに場を整えられて告らない奴なんていないだろうさ。

 

「茜さん、来年も、再来年も、そのまたもっと未来も。僕と一緒にいて下さい。」

 

「…えっ何今結婚でも申し込まれてるの?」

 

顔が真っ赤になるのを感じる。

 

「なぁーんでそんな気恥ずかしい事言うんですか?!告白なんて生まれてこのかたした事が無いんですよ!

どんなテンションでとかどんな台詞でとか知らねーんですよ!」

 

手を大きく上げて茜さんの方に振り下ろし、90度の綺麗な礼をして叫ぶ。

 

「これがっ!僕の出来る精一杯です!茜さん!あなたのことが好きです!お願いします!付き合ってください!」

 

「……」

 

沈黙が続く。

顔を下げてるから顔見れねぇー!怖すぎる!

 

「……ごめんなさい。」

 

………

 

「えこの流れで振られる事あります?」

なんだか肩の力が抜けてしまった。

僕は顔を上げて彼女の顔を見た。

 

「なんで泣いてるんですか?」

 

 

 

「……あのね。あのね。」

 

 

 

「私も君の事好き。」

 

「……」

 

「好きなんだ。」

 

「じゃなんで振ったんですか。」

 

 

「私ね。このまま2人でどこか遠くまで行って2人で暮らしていけたらな、って今日何回も思ったんだ。」

 

「実は初めからそのつもりだったんだぁ。でも、無理みたいなんだ。現実的な問題もあるよ?高校生2人が保護者も居ないのに

ずっと暮らしていける訳ないし、君にも家族がいる。でもそんな現実的な事考えずに2人で暮らしたかったんだぁ。」

 

「ごめん、分かりづらかったね…何話してるのか私にもわかんないや。」 

 

「でもそんな現実的な問題以外にもダメな理由があってね…私はそれから逃げるために頑張ってお金も稼いで…稼いで。

ここまで逃げてきたのに結局逃げれそうに無いんだ。ある一つの方法を除いてね。

急に君にこんな事を言って本当に申し訳ない。でもさ。わたしもうむりだぁ。」

 

「ねぇ。真君。」

「…やっと名前で呼んでくれましたね茜さん。」

「お願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」

 

…………

 

「…はい。」

「ありがとう。」

 

「私の自殺を。見届けて?」

 

ただ。

ただ。

悔しい。

 

「…喜んで。」

 

僕は口角を無理矢理あげて笑ってそう答えてみせた。

 

 

 

 

 

 

 






次回完結予定です。
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