ビリーヴのトレウマ   作:ゴールド@モーさん好き

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彼シャツ系の創作です!

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雨に塗られたらトレシャツを貰った

「すいませんトレーナーさん、助かりました」

「良いって、それにも災難だったな。〝急な雨に降られちゃった〟なんて、たしか今日は買い物の予定だったろ」

 

 僕は今、自分のトレーナーの御自宅にお邪魔している。というのも先程トレーナーさんが言っていた通り、元々この近辺で〝買い物をする予定〟だった所に雨で濡れてしまった。少しくらいなら良かったが、かなりガッツリ濡れてしまい少しの申し訳なさの元、トレーナーさんに頼ってしまった。

 

「とりあえずキミが来るまでにお風呂にお湯張っといたから入っておいで、そのままじゃ風邪引いちゃうし」

「えっそこまで、いいんですか?」

「タオルで拭いても冷えた身体は中々温まらないからね、分かったら大人しくお風呂に入ってきなさい」

 

 僕はトレーナーさんのご厚意に甘え、脱衣場へと向かった。

 

「………まぁ、大丈夫か」

 

 扉の鍵を見つめ、僕は掛けずにずぶ濡れの服を脱ぎ洗濯カゴに放り浴室に入った。

 

「はぁ……暖かいな」

 

 浴室の湯気に少しほっとしながら、シャワーを指先足先から当てじっくり体の中心に向かって浴びる。

 そうしてると脱衣場側の扉からノックと共にトレーナーさんの声が聞こえた。

 

「男用の物で悪いけど、シャンプーとかは使って平気だよ!あと、脱衣場に着替え置いとくから!絶対出てこないでね!」

「はっはい!分かりました!」

 

 僕は浴室の扉、すりガラス越しにトレーナーさんが着替えを置いてくれてるのをじっと見つめ……そそくさと戻っていく姿に安心と残念さを感じた。

 

「覗きに来るような人だったらもう少し楽だったろうし、覗きに来るような人だったら僕はここまで入れ込んで無いっか……我ながらままならないな」

 

 まるで、と言うよりも恋する乙女その通りな自分の煩悩苦笑いしてしまう。

 シャンプーとボディソープ借り、身体を洗って湯船に浸かる。冷えて強ばった身体がお湯でほぐれていくのが分かる。

 

「何時もトレーナーさんはこのお風呂に入っているんだよね…………!?」

 

 緩みきった自分の思考があらぬ方向に行ってしまってるのを自覚し、僕は頭を振りお湯で顔を洗った。僕は、思った以上に今の状況に心が浮かれてるようだ……トレーナーさんの前で変な事を口走らないで居られるか自信が無くなってきた。

 僕は15分ほど湯船に浸かり、芯まで暖かくなったろう所で浴室を出た。身体を拭き、トレーナーさんが用意してくれた着替えを身につけた。

 少しくたびれたTシャツとジャージの上下だ、日頃から使い込んでるようで着た時安心感が僕を包んだ。

 

「…………後日しっかりお礼をしよう」

 

 そう思いながら僕が来る前に急いで買ったばっかりであろう下着の包装をゴミ箱に捨て、脱衣場を後にした。

 

「お風呂、ありがとうございました」

「身体はちゃんと温まったかな?」

「はい、お陰様で。あと、その……着替え、色々とありがとうございます」

「あっあはは、俺の部屋着でわるいね」

 

 ……照れくさそうにしてるし下着には触れないでおこう。

 

「いえ、お貸しして頂けるだけありがたいです」

「そう言ってもらえると助かる、スープ作っといたけど飲む?」

「頂きます」

 

 コーンスープが入ったマグカップを貰い、ゆっくりと飲む。程よい熱さで心身共に温まる。

 

「甘くて美味しいです」

「そうでしょ、インスタントなんだけどソコのメーカーのコーンスープが昔から好きでね。一人暮らししてからストックしてるんだ」

「後でメーカーをお聞きしても?」

「うん!なんなら幾つか渡すよ、この時期はこういう手軽に暖まる奴は重宝するからね」

 

 トレーナーさんはウキウキとキッチンに行き、戸棚を開いてお土産の用意をし始めた。そんな姿に口角が上がるのを止めれず、誤魔化すように僕はスープを飲んだ。

 

「この調子だと雨止まなそうだな、ビリーヴの服も洗って乾かす時間考えると……買い物はまたの機会になりそうだな」

「そうですね、けど申し訳ないですけどこうやってトレーナーさんと過ごせて僕は嬉しいです」

「そうか、ビリーヴが嬉しいなら良かったよ」

 

 僕はトレーナーとソファで隣り合い、テレビを見たり本を読んだりとゆったり時間を楽しんだ。

 

「服、しっかり乾いてますね」

「そうか、なら脱衣場で着替えてきなよ。何時までも俺の部屋着ってのもアレだろうし」

「……そうですね」

「?」

 

 僕は脱衣場に行き、ジャージとTシャツを脱ぎ自分の私服に着替えた。さっきまでサイズが大きくブカブカな服を着てたせいか、自分に合ってる筈なのに微かな窮屈さを感じる。

 

「…………スゥー……ハァ……スゥー……ハァ……」

 

 僕は先程まで着ていたTシャツに目をやり、もう手放さなければいけないのならと思いきり顔に押付け彼の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。はしたないこの行為に心が満たされてる事に内心頭を抱える気持ちが浮かんできた。

 

「お待たせしました、お着替えありがとうございます」

「あぁ……」

「えっと、どうしましたかトレーナーさん?」

 

 着替えを返却し、帰り支度をしようと思ったがトレーナーさんに顔を見つめられ思わず固まってしまった。

 

「あーえっと、俺の思い違いだったらすまないがさっきまで着てた奴気に入ったか?」

「?!」

「俺もブカブカな服着るの好きだし、部屋着なら他にもあるからアレだったらあげるけどもし違うなら」

「あっえっと欲しいです!トレーナーさんの部屋着!」

「そ、そうか?ならはい、あげるよ」

「ありがとうございます」

 

 思わぬ収穫に心が踊ってしまう、現金だとは思うが仕方の無い事だ。

 

「それじゃあそろそろ門限だろうし、気をつけて帰るんだぞ」

「はい、今日は本当にありがとうございました」

 

 トレーナーさんにお礼の言葉を述べ、僕は寮への帰路に向かった。

 

 

 寮の部屋に着き、僕は早速頂いたシャツを着た。

 

「……落ち着く」

 

 僕よりも大きなトレーナーさんの大きなTシャツ、彼の匂いや大きさに身を包まれどうしても心が安らいでしまう。

 

「予定以上にトレーナーさんと楽しめたのは嬉しい誤算だったな」

 

 あの時間の雨が降るのは知ってた、彼が今日予定無いのも知ってた。車に横を走られて水を思いっきり被ったのは予想外だったけど、そのお陰で部屋着も貰えた。今日はいい事尽くめだった。

 

「……トレーナーとは在学中は良きパートナーとして連れ添う」

 

 そして、卒業したら……

 

「その為にもしっかり目標立てて、1つ1つ積み重ねないと。彼との思い出を、絆を」

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