今異世界転生TSつよつよ美少女魔法使いなんだけど、若い頃の自分に告白されて困ってる。 作:一宮 千歳
紹介された彼女の名前はヴィサーラ。家名はなく、平民。
珍しい女性の騎士団員らしい。
所属は第二で、もともとイグナスの部下にあたる。
しかもイグナスによれば索敵、罠解除、
「何か一言、あるか?」
イグナスが促すと、ヴィサーラは首を傾げ、少し考え込むようにしてから、口に出した。
「……可愛さと、強さは、関係ないと思います」
おい、完全にこっち向いて言ったなそれ。
……しかし、敵意は感じない。あくまで、思ったことを言っただけの様子。なんならある程度の敬意すら感じる。えー。欠点って、もしかして、コミュ障?
視線を返し、じっと見つめる。
髪は赤毛のベリーショートで、瞳も紅。身長は160cmってところか。
そしてうん、なんというか、喪女顔。別にこれはこれで嫌いではない、中一の頃の初恋の女の子も顔は地味系だった。……と、ふと目線を下にやると、とんでもないものが目に入った。
うお、デッカ……ほっそ……でっか……。
何て武器持ってやがる。クソ、首から下が大量殺人兵器じゃねえか。
実に美しいプロポーションは上から108-130-95-80-85-102って感じだ。
間違えた。これはスリーサイズじゃない。
「おい、別の言い方があるだろう」
「女性としての魅力は……強さに関係ない……?」
しかも天然臭いぞ。バフデバフ無効ですか、やりますね。
……冷静になれ、ビークール。
動いてない敵は問題ない。動く敵が問題だ。どうだ?
ゆさっ。
私はもうダメかもしれない。
ていうかイグナスはこれが部下で大丈夫だったのか? とか、これで騎士は無理でしょ。とかの感想が無限に湧いてきていけない。
イグナスが説教してるが、その間ちょっと
「(こそこそ)……気になりますか、ヴィサーラさんが」
「(こそこそ)な、何がですか?」
気にしてら。まあ健全な男子としてはしょうがないですよ。そう、君の欲望を肯定してやろう。
「(こそこそ)お胸。気になるんでしょう? ……実は私もです」
勇者くんは驚きに目を見開く。
「(こそこそ)えっ」
「(こそこそ)女性として、魅力的な肢体をお持ちですね……」
これぞ籠絡術「あなたと同じ目線を私は持ってますよの法」である。
「(こそこそ)は、はあ……」
「あー、くっついて仲がいいのはいいが、顔合わせ中だからな?」
あ、イグナスの説教が終わって注意された。そっと
「すまない、待たせたな。ヴィサーラはこの通り、対人関係を円滑にこなすのに少々問題がある。とくに、悪気はないんだが、思ったことをそのまま口にするクセがある。それが通常の人間関係では致命的な欠点であり、しかし斥候としては最高の才能とも言えるが故に、タチが悪い……」
斥候として最高? 思ったことをそのまま口にすることが? ……あーいや、予断を挟まない、ということか。それは確かに強みだ。
ちょっといたずら心が湧いた。ヴィサーラがどのくらい思ったことを口にするのか、試してみよう。
「ファーロン副団長と勇者様、付き合うなら?」
「イグナスさんです」
即答。しれっと名前呼びまでした。
「「ちょっと?」」
「どのあたりが好き?」
「顔です。王国にこれほどの顔はなかなかいません」
再度の即答。男二人は置いといて、なるほど、思ったことをそのまま言うから返答が早い。これも利点だ。
「よくわかりました。優秀ですのね」
「ありがとうございます。初対面で褒められたのは初めてです。嬉しいです」
ヴィサーラがにこりと笑うと、それは思っていたよりも可愛い笑顔だった。私は大きくうなずく。うん、大量破壊兵器で周りの理性を蒸散させない限り、いい斥候役になってくれると思う。
「……女同士で通じ合ってない?」
「イグナスさん、俺女が怖くなりそうです」
男の反応はさておき。
「さて。斥候役というか、これまで騎士団で作戦に従事してきて、魔族相手には私たち四人でどう当たればいいと思いますの?」
本題だ。斥候役から見た我々はどんな行動を取るべき集団なのか。
「リリアナ様は姿隠しと音消しの魔法は使えますか?」
「ええ」
「では隠密行動を常とし、敵将の暗殺を主行動とすべきです。魔族の特筆すべき長所は数と多様性。それを活かされる、騎士や一般兵の行うような野戦は下策となります」
そうなるよね。
「とはいえ拠点に詰めている敵将を暗殺は難しいのでは?」
「はい。なので、味方の交戦している軍団の長を背後から襲う、一撃離脱で戦功を積むべきかと」
ふーん。ざっくり私の考えてた作戦と同じじゃん、好感が持てる。と思っていると、イグナスが怒ったような口調で口を挟んできた。
「ヴィサーラ。それは騎士の戦いでもなければ勇者の戦いでもない。許されざる行為だ!」
「ですが人類の勝率を上げるためには最適です」
「ヴィサーラ!」
声を荒げるイグナスを私が制止する。
「ファーロン副団長、彼女はあなたが優秀だと言った斥候。戦力分析に誤りはないはずでしょう?」
「そうだが……」
「私やファーロン副団長、勇者様はその道の専門ではないのです。ヴィサーラさんの言を取り入れ、敵将暗殺と退却の戦術を練ることにいたしましょう。ね?」
そこで
「どうされました?」
「あの、俺、実際の戦闘はまだわかんないですけど、勝率が高い方がいいです。名誉とかはどうでもいいので」
「勝つことが
わりとあっさりパーティ方針が決まった。
それにしてもヴィサーラ、超がつくほど優秀じゃない? なんか、国に対する忠誠心とかがないなら、手駒として確保しておきたいくらいなんだけど。