「オジさん、行ってきます」
元気よく挨拶する青年、制服を着ていてその制服は秀尽学園高校のもの。今年から入った1年。佐倉映司だ
そのまま玄関に行くように見えたが階段を登って一室をノックする
「行ってくるね、双葉」
返事は無い。部屋の主は寝ているのかそれとも気づいてないだけなのか
これが映司の朝の日課だ
大切な家族に挨拶する
映司は家を出て電車に乗り、高校に着く頃には雨が降り始めていたが既に高校は目の前だったため気にしてなかった
「それにしてもこの学校、マニアックな問題ばかり出してくるから困るんだよね...」
それで単位を落とされてはたまったものじゃないと愚痴りながらも勉強をしていた。そこへ
「特待生ってホント羨ましいよね」
「ね、それだけで色々免除されるんでしょ?あー、私も何かの特待生になんないかなぁ」
聞こえてきた声に聞き耳を立てて、目の前の席の少女に映司は呟く
「噂されてるね」
「はい、でも気にしてませんよ?」
「かすみがいいならいいと思うけど...」
映司の前の席の少女は芳澤かすみ。新体操で成績を残している少女だ
が、新体操と無縁の映司がなぜ彼女と話すほど仲がいいのかと言うと、人助けした所を見られ、それに共感を持ったかすみが話しかけてきてそれから仲良くなったという所だ
「あ、ここ分かりますか?」
「ん?ああ、そこは〜」
互いに勉強し合っていた
下校時間、帰宅して佐倉家に入ろうとした時に
「あ、そこの君」
「はい?」
「君、佐倉さんの息子さん?」
「はい...って、ああ、荷物ですか。サインでいいですか?」
サインを書くと荷物を受け取り家に入る
「また双葉がネットで注文したのかな...ん?名義が俺になってる...」
映司はなぜ自分名義に?と、少し考えたが本人に聞いた方が早いかと荷物を持ってあがる
「にしても重い...双葉?起きてるなら今だけでも話聞いてくれ。荷物届いたぞ」
「荷物?私は何も注文してないぞ?」
「え」
扉と荷物を交互に見ている。そしてカチャリとドアの鍵が開く音が
話しかけてこの音が鳴った場合、入ってきていいと言う意味合いになっているため映司は入る
「また散らかして...あとで掃除するからな?」
「助かる...って、荷物。私は頼んでないから...そうじろうなんじゃないか?」
「いや、それが名義が俺になってて...あとかなり重い」
降ろすと双葉は椅子に座ったまま荷物を見ている。果たしてなんなのかと
「開けないのか?」
「いや、これがもしオジさん宛のものだったら悪いし...」
「そうじろうのだったら宛名はそうじろうになってるはずだし、それにここ。映司の旧名字があるってことは多分...」
少し暗い顔をする映司
双葉もまた言ってしまったと思ったのか、暗い顔をする
お互い親に関してはデリケートだからだ。いい思い出があるかと言われれば怪しい所
「開けてみるか」
「そ、そうそう。見てみないとワカラナイカラナー」
ビリビリっとガムテープを剥がしてダンボールの箱を開けると3つの穴が空いた謎のものがあり、他は缶ジュースにしては怪しい筒状のものがいくつかと何かのケースが
「....明らかに怪しいよな」
「そのケース、何か入ってないのか?」
カチッと開けるとメダルが入っていた
「ゲームセンターのメダルか?」
「さぁ?双葉、調べられない?」
「調べるって...まぁ何かしらないか調べてみるから何かお菓子お願い。あとカップ焼きそばも」
「ちゃんと食事をとった方が...まぁいいか」
近くのスーパーに行くためにエコバッグを持ってでかける映司...さっとダンボール箱に入ってた手紙を気づかれないように取って
「おもちゃじゃなくてオーズ....錬金術...ね」
遺言状に書かれてある内容を細めで読み耽っていた。いずれ双葉が調べ尽くしてくれるだろうとだろうと