駄作ですが皆さんの暇つぶしになれば!
朝は少し肌寒い。
オラリオ全体がまだ眠っている時間。
少し早めにホームを出たフェリアはファミリアの城壁を飛び越え外に出る。
正門から出ると後でどこかの
向こうも私の行く先は薄々分かっているだろうが大っぴらにバレない限り怒られない。
さて、誰もいないメインストーリーを抜けフラフラと歩く足取りはひとつの目的地に向かって歩みを進める。
日が登り気温が少しづつ上がっていることを感じながら肌に陽の温もりが溜まり朝の眠気を溶かしてくれる。
朝の散歩には少し長い距離を歩き目的地に到着する。
巨大な門の前に立ち少し待つと重々しい門は音を立てて開く。
「フェリア〜」
門が開くと同時に私の胸に飛び込んでくる少女。
ヘイズ・ベルベット。
2つ名を
フレイヤファミリアの
そんな可愛らしい彼女がえんえんと涙目を浮かべながら私の胸で泣いている。
「良かった来てくれて〜えぐッ、もう3日も寝てなくて〜」
「うん、だと思って来た。とりあえず今日は頑張ろう」
「うん」
彼女の涙を袖で拭き取りながフレイヤファミリアの本拠、
瞬間。無数の砲撃がフェリアを襲う。
色とりどりの閃光、もとい魔法の砲撃がヘイズごとフェリアにぶつけられる。中にはLv4の砲撃も含まれ階層主との戦いを想像させるほどの魔法の雨が降り注ぐ。
「温い」
抜き放たれる刀。
腰に刺さった一本の夜刀が開放される。
フェリアが持つ第一等級武装。
夜刀 『ツクヨミ』
主食は鉱石やダンジョンの外壁で生まれ落ちて最初に食した物が主食になりそれを体内で圧縮、外骨格として纏う事で攻撃にも防御にも転用できるモンスター。
その強化種。アダマンタイトを主食にしたロック・グロックの『圧縮石』から作られた第一等級武装。
その為に、武器としては驚異の重さを誇り。Lv4でさえツクヨミを片手で振るうことも叶わぬほど見た目とは裏腹の重量を誇る。
師匠から譲り受けたフェリアのメイン装備。
振るわれただけのツクヨミはその風圧だけで50を超える砲撃を撃ち落とす。
「なんたる、、ん!」
全てを言い終える前にフェリアの眼前に迫る雷撃。
砲撃の隙間を縫って時間差で放たれていた射程をギリギリまで切り詰めた威力と速度重視の雷撃。
「レミリアとラスクの作戦かな?いい線いってる」
ツクヨミは振り切っていいるので腰から抜き放った鞘で雷を叩き落とす。
空気を切り裂く轟音と共に強引にによって雷撃を上からねじ伏せる。
仮にもLv4その砲撃の威力は並の上級冒険者を蒸発させるだけの威力はある。それを暴力だけでねじ伏せる。
まるで
「はぁあああああ!!」
追撃。
フェリアが魔法を迎撃した刹那の隙、時間にして1秒にも満たない時の中で
ヴァンを筆頭にLv4で構成された少数精鋭の部隊がフェリアを襲う。
長剣、レイピア、短剣、大剣、大槌、戦斧、槍。
それぞれがフェリアを殺さんと振り下ろされる。
「うん、遅い」
だが、フェリアに取って1秒にも満たない時間は悠久の時と変わりは無い。
目配せだけで自分に降りかかる火の粉の数を確認する。
振り切っていたはずのツクヨミが力任せに強引に引き戻される。
先頭にいたヴァンに向かって振り下ろされる黒刀を剣で受け止める。
「ぐっ!ぐぼぉ!」
拮抗は一瞬、受け止めたはずのヴァンが次の瞬間には受け止めた剣ごと地面に埋められる。
続く『強靭な勇士』達を迎え撃つ。
ヴァンを埋めたツクヨミから手を離す。連携とは口が裂けても言えない突撃を一人ずつ相手をしていく。
槍の軌道をねじ曲げ大剣とぶつける。体制が崩れた槍使いに蹴りをぶち込みはるか後方にぶっ飛んでいく。
続く短剣を相手の連撃全てを手刀を持って迎撃、撃ち落としながら返す手刀で強引に沈める。
そこへ仲間ごと吹き飛ばすように降るわれる大槌を左手で受け止める。
「な!」
止めた大槌を体を捻りながら押し返し左手でもう一度鞘を抜き取り突きをもって吹き飛ばす。
続く横凪に振るわれる戦斧は右手で刃を掴まぬように受け止める。
「ぐッ!動かな、、うげッ!」
掴まれた戦斧を引き抜こうとしていたところを鞘でぶん殴り地面とキスをしてもらう。
「相変わらず容赦ないですね。ゼオ・グルヴェイグ」
フェリアの後ろにいたヘイズが呟きながら回復魔法を振りまく。
「良かったのは追撃まで、後は個々の連携が足りない、力も足りない。なんたる惰弱」
フェリアは翡翠の瞳を閉じながら過去にいた灰色の髪の魔女をイメージしながらつぶやく。
「それ、誰の真似か知りませんが似合ってませんよ」
「知ってる。私はあんなにイカれた女じゃない」
そう言ってツクヨミに今も潰されているヴァンを引っこ抜き満たす煤者達に投げつける。
「満足するまでいくらでも来なさい。無理にとは言わない、実力差に潰される程度の忠誠心なら女神もいらないでしょ?」
ブヂィ
何かが切れる音がして倒れ伏していた強靭な勇士達が回復した体をゆらゆらと揺らしながら立ち上がる。
「ふふ、そうだ。お前達に本物の洗礼を教えてあげる」
その日、フレイヤファミリアの洗礼は過去最大のものになった。
一人の怪物によって。
*
「はぁ、はぁ、はぁ、ぐッ、、」
「クソが、、、」
早朝から始まった一方的な蹂躙は夕暮れ時まで続き、ほぼ全ての眷属が立ち上がることも出来ないほどに消耗している。
「こんなものか、、よく頑張ったね」
そう言って汗ひとつかかずにツクヨミを鞘に戻すフェリア。
「はぁ、はぁ、どうして、、」
「ん?」
フェリアの足元に転がるエルフ達。
確か、名前はメルーナ・スレアだったか。
「お前は、、はぁ、ロキファミリアのはずだ。何故こんな事をする」
何を聞くのかと思ったら、今も息も絶え絶えで仰向けで大の字で伸びているメルーナのそばによりしゃがみこむ。
「私は個人的にフィン達とは方針が違う。それに
それだけを言って、「ほらご飯だよ、私が作るから期待してて」と本拠に入っていった。
メルーナはそんな後ろ姿を見えなくなるその時まで見つめていた。
*
フレイヤファミリアの厨房では一人の冒険者以外立ち入れないほどの修羅場とかしていた。
本日の午後から満たす煤者達全員は一時の休暇を得ていた。その代わり一人の少女が彼女達の代わりを務めている。
数百人のフレイヤファミリアの晩餐を一人で支えている彼女は満たす煤者達達が口を揃えて今すぐロキファミリアからウチのファミリアに移籍してくれと懇願するほどに卓越した技術と速度を持って瞬時に料理を完成させていく。
「嘘、、あの量を1人で?」
「これがLv6!?」
「それは違うと思いますよ〜フェリアは昔からなんでも出来ましたから」
同時並行で料理を3品4品と完成させ出来た物から強靭な勇士達が平らげていく。
「ヘイズ、とりあえず1週間分の仕込みとメニュー表も作っておくから」
「やっぱりフェリアうちに来ませんか?」
「ロキには返しきれない恩があるの。ごめんね」
「ですよね〜」
「あと、ヘイズの睡眠不足を解消する為の特製料理も作っておいたから食べてね」
「はぁ、、、結婚しませんか?」
「疲れてるね。早く寝ないとね」
意味不明な事を呟き始めたヘイズが満たす煤者達に担がれる形で寝室に連れていかれて行った。
全ての料理を作り終え、そろそろ帰ろうかとしていた時だった。
「フェリア」
野太くそして重い声と共にフェリアを呼び止めたのは厨房の入口にいつの間にか立っていたオッタルだった。
「久しぶり、遠征前に来た時以来だね」
「、、、」
「最近は調子いいの?あと料理どうだった?」
「、、、」
「そう、ぼちぼちか。美味しかった?ありがと」
「、、、」
「明日の怪物際?行かないよ、私が人混み嫌いなの知ってるでしょ」
「そうか」
「うん、あとヘイズ達にも少し休暇あげた方がいいよ?」
「善処しよう」
そういったオッタルは女神の護衛に戻ったようだ。
「まて、あの猪なんも喋ってねぇだろ」
「「「「確かに」」」」
「やはり、漆黒の帳から舞い降りた彼女は特殊な力を手に入れていたか、、ぐぼぉ!」
「、、、、」
まるで、エスパーであるかのように佇むオッタルと会話を成立させているフェリアを前にアレンがツッコミを入れてそれをアルフレッグ達が同意する。
ヘグニは訳の分からない言葉でブツブツと呟いているのをヘディンに殴られる。
フェリアがフレイヤファミリアに来るのは今回が初めてではない。今回はLv4を筆頭に洗礼に参加していたがいつもはここにアレン達幹部も加わって洗礼が行われる。
「私帰るから」
「二度と来んなボケ」
「はいはい、みんなの分だけ食後のデザートあるから食べて」
「まだそんなこと言うのかよ。器の小さい猫め」
「そう、あまりにも大きすぎる180C。160ではあまりにも太刀打ちできない!」
「諦めろよ、神の言うところの弱者男性って言われるぞチビ猫」
「チビなのはてめぇらの方だろうが死ね!つか殺す!」
「「 「やってみろ!!」」」
「辞めろ愚弟共、フェリアの料理だぞ味わって食べろ」
毎回毎回元気なことだ、アレンとドヴァリン達がメンチを切りながら睨み合う横を素通りして帰路につく。
「
「なに?ヘディン」
「貴様、、届いているなLv7に」
「「「「「ーーーー!!!」」」」」
「、、、」
ヘディンにそう問われたフェリアは一切表情が変わらない口元が少し笑った気がした。
そんな些細な機微を感じ取ったのはヘディンただ一人だろう。
「分かる?」
「ちッ、、、不愉快だ。さっさと帰れ」
「うん、またね」
そう言って手を振りながら帰るフェリアにヘグニだけがヒラヒラと手を振って見送っていたその腹にヘディンの拳が突き刺さる。
「へげぶぅ!、、な、ん、で?」
ドサッ、、とヘグニが倒れる中ヘディンはそのまま冷蔵庫の中にあったデザートのモンブランをひとつ取り出すとそのまま食堂を出ていった。
「なんだあいつ?」
「Lvを越えられて悔しいんだろ」
「元々、色々教えてたもんな並行詠唱とか」
「初めはヘディンの方がLv高かったからな」
「フェリアのことヘディンはこちら側に来られないって評価してたからな」
「寂しいよな、、ヘディン。弟子が独り立ちするのは」
フェリアは確かに昔から強力なスキルや魔法を保持していた。だが、それは一介の冒険者が切り札を持っているように、『強力なだけ』のスキルなら発現している眷属はこのオラリオに無数にいる。
足りないと感じていた。言葉にしたのはヘディンなだけであってそれはここにいるアルフレッグ達やアレン、ヘグニも当時は同じ意見だった。
フェリアには足りなかった。
運命をねじ曲げる力が。
英雄を英雄たらしめる素質が感じられなかった。
それは言語化するには難しいものだが一種の勘だ。凡人が努力さえ続ければ到達する。
第一級冒険者はそういう領域にない。
試練を、絶望を、地獄を乗り越えなくてはならない。
停滞していた、7年前。Lv4だった彼女は明らかに向こう側の人間だった。
Lv4は登竜門だ。第一級と第二級を分けるそれは底の深さも広さも想像を絶するものがある。
だが、あの日彼女はこちら側に来た。
ならば、今まさに凡人と見ていた彼女がLv7に到達するほどの地獄とは考えの及ばない領域のものだろう。
「くだらねぇ、俺は寝るぞ」
そう言ってアレンもモンブランを一つ手に取って帰っていく。
「我が宿敵にしてライバルに道を譲ることになるとは、また一層の試練と煉獄の炎の中にこの身を落とそう」
ヘグニもモンブランを取ってまた消えていく。
「まぁ、すぐ追いつく」
「最後に勝つのは俺達」
「でもLv7は正直凄い」
「さ、俺達も行こう」
4人もそれぞれモンブランを手に取って自室に帰っていった。
*
「で、貴様はこんな時間までどこに行っていた?」
日も沈み興が乗ってどんどんと料理を作りまくって挙句の果てにデザートまで作っていたフェリアは気がつけば日付が変わる時間帯までフレイヤファミリアにいた。
こっそり窓から侵入したフェリアは抜き足差し足で自室の扉まで来た所でそれを待ち構えていたリヴェリアに見つかった。
「あ、、、」
「こい、ゆっくり話を聞かせてくれ」
こめかみに怒りのマークを何個も付けたリヴェリアだ。
「あ、あ、あ、、、、シワ増えちゃうよ?」
「あぁ、そうだな貴様のせいでな!!」
首根っこを掴まれ、引きづられるようにリヴェリアの寝室に連れていかれるのだった。
ぼちぼち書きます。
ネタとか気になることとか教えてください頑張って書きます!