オラリオの黄金鳥   作:逆戲愛薙

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まだまだ書くぞー!


駄作です。何度でもいいましょう!

暇つぶしにどうぞ


3話

 

「眠い」

 

 

フェリアは朝があまり好きではない。ぼーっとした頭の中で思考さえも鈍足になるこの瞬間は生理現象と理解していても拒絶感からまた眠りに着きたいと瞳を閉じろと警告してくる頭があまり好きではない。

 

 

「フェ、、ア〜」

 

 

深い水底に沈む思考の外から誰かが私を呼ぶ声がする。

 

 

「フェリ、、〜!」

 

 

声を出したい、でも、この体はどんどんと沈んでいく。

 

ごめん。

 

そう頭の隅に言葉を浮かばせながら落ちていく。

 

 

「フェリアーーー!」

 

 

そうしてそれと同時に少女も落ちてきた。

 

 

「ぐぇ、、!」

 

 

女の子が出しては行けないような声と共にフェリアの思考は急激に水底から浮上する。

 

誰かがフェリアに覆い被さるように飛んできたのだ。

覚醒する視界と感覚、それと不意打ちにクリーンヒットしたみぞおちに今も抱きつく少女を見る。

 

 

「ティオナ、、、朝から何?」

 

 

「何って今日怪物祭だよ?」

 

 

「だから?」

 

 

むー!と頬を膨らませながらティオナはフェリアのお腹に顔を埋める。

 

 

「ちょっとくすぐったい」

 

 

「昨日もアイズたちとお出かけするのに誘おうと思ったのにいないしー!今日は私達と一緒に行こうよー」

 

 

「え、、、嫌だな」

 

 

「そんなこと言わないでさ〜」

 

 

「ちょ、ちょっとティオナさん!」

 

 

駄々をこねるようにまだ私の腹の上で抱きつくように顔を埋めてくるこの元気な後輩の頭を剥がすようにアイアンクローをお見舞いしていると山吹色の髪を揺らしながら息も上がって走ってきたレフィーヤが部屋の扉の前に立っていた。

 

 

「あ!レフィーヤも説得してよ〜怪物祭回ろって〜」

 

 

「フェリアさんの寝室、、、いい匂い、、は!そんな事より!ティオナさんフェリアさんも困ってますから離れてください!」

 

 

「えー柔らかいしいい匂いするよ〜レフィーヤもどう?」

 

 

「、、、、ごくり、、は!違います!違いますから!決して羨ましいとかけしからんとか、少し私もとか思ってませんからー!」

 

 

「うん、大丈夫。何も言ってないよ」

 

 

人混み嫌い、怖い。

 

考えただけで憂鬱だ。でも、こうなったティオナは意地でも駄々を捏ね続けるだろう。

 

さて、どう断ろうかと思考を巡らせていると。

 

 

「たまには付き合ってやれ」

 

 

「リヴェリア」

 

 

やれやれと、開け放たれたままの扉の先でリヴェリアが立っていた。

 

 

「昨日のこともある、行ってきてやれ」

 

「う、、わかった。着替えたら行くよ」

 

 

「やったー!やっぱりリヴェリアも連れてきてよかったね。レフィーヤ」

 

 

「私は、その別に、、」

 

 

お前の策略か、、なんて恐ろしい子ティオナ。

まぁ、レフィーヤ達ともたまにしか食事もしないしいつもお出かけを断っていた事もあるので渋々行くことにする。

 

外向きの袴は生憎とフェリアは持ち合わせていない。

 

そのせいで通常戦闘服がこんな淫らな袴になってしまったのだ、なんだよこのミニスカみたいな服は!

 

まぁ、可愛いからいいけど。

 

とりあえず、髪型をポニーテールに纏め正門に向かうとティオナが手を振って待っていた。

 

 

「お待たせ」

 

 

「信じらんない、あんたほんとに連れてきたの?嘘だと思ってたわ」

 

 

「だから言ったじゃーん。フェリアは来るって」

 

 

「いつ見ても可愛いです!フェリアさん」

 

 

「ありがとうレフィーヤ」

 

 

「さ!早く行こ行こー!」

 

 

ティオナに手を引かれるように街に繰り出す。

 

怪物祭とあってオラリオはいつも以上の活気に溢れている。メインストリートは人でごった返しになっていてじゃが丸くんも見たことの無い味が発売されている。

 

なんだ、『新登場!練りからしサーモン味!!』って気になってしまうだろ普通に。

 

そんなこんなでみんなであっちに行ったりこっちに行ったりと繰り返している内に気がついたら。

 

 

「迷子になってた」

 

 

何を言っているのか分からないかもしれないけれど、私は確かにレフィーヤ達と一緒に怪物祭を回っていたはずなのだ!

 

私が『グルグル特大わたあめ!!イチゴパフェ味』に気を取られたばっかりにこの人混みの中ティオナ達を見失ってしまったなんて事は一ミリも、いや、ご飯粒くらいはある。

 

まぁ、探すのは簡単なんだけれど。

 

流石にこの大通りで跳躍して屋根伝いに探すのは人の目を引きすぎるので却下だ。それにめんどくさい。

 

とりあえず、その辺の路地に出てこの、人混み(モンスターの行進)から脱出もしたい。

 

ティオナ達は怪物祭の名物のガネーシャファミリアのショーを見ると言っていたのでそちらで待つことにしようと足を進めた時だ。

 

 

「ーーー!」

 

 

囲まれてる。

 

 

路地の屋根フードを深く被った冒険者が7人。

 

人目見たらわかるその所作、息遣い。全員が第一級冒険者。

 

 

「まぁ、誰かは分かってるんだけどね。どうしたの?フレイヤファミリアが大勢で」

 

 

「女神様からの言伝だ。何もするな『夜の黄金鳥』(カナリア)

 

 

「何もするなって?」

 

 

「女神の試練」

「寵愛を受けるに値するのか」

「兎を見定める」

 

「まぁ、そういうことだ。フェリア」

 

 

「なるほどね」

 

 

この一連の話、兎、。あぁ、あの酒場の白髪少年のことか。まぁた厄介な女に見初められてしまったものだと哀れみと同情の気持ちでいっぱいいっぱいだ。

 

かくいう私も昔よくちょっかいをかけられるがキッパリと友達として断らせていただいた。(物理)

 

そんなことより、はっきり言って私はあの少年にそれほどの興味が湧いていない。

 

冒険者は、皆が立ち上がってきた。

 

絶望と挫折、地獄と試練の中で私達は這い上がってきた。それは、『乗り越えた者』だけが今ここに存在が許される。

 

英雄の都、オラリオと呼ばれるここは幾万という冒険者達が立ち上がる場所。

 

それと同時に無数の屍の気づきあげられた墓場でもある。

だからこそフェリアは這い上がって来る者に興味がでる。

 

彼はまだスタートラインに立っただけ、それはこの都市に住まう冒険者なら皆が挑むものだ。

 

私自身、まだ彼にそれ程の価値を見てはいない。

 

 

「私は興味ないよ。邪魔しようとも思わない」

 

 

フェリアは踵を返しながら大通りに向かって歩き始める。

 

 

「でも、、、、」

 

 

振り向いたフェリアの瞳に戦意が宿る。

 

 

「久々に殺りあってもいい」

 

 

ほんの少しだけ、鞘から抜き放たれる黒刀。

 

それを見た瞬間、6人が武器を取りだし構えを取る。

 

いや、構えを取らされた。見下ろす彼女から目を離せば食い殺される。

最大級の警報が鳴り響きその圧力で空気が軋むような錯覚さえする。

 

 

「やっぱりヘディンだけは冗談だって気がつくよね」

 

 

全員が戦闘態勢を取る中でフードから除くメガネの奥の瞳と視線を交わす。

 

 

(バカが)

 

(ごめんて)

 

 

言葉を交わすことなくお互いの言いたいことを察した二人。

 

 

「じゃあね。みんな」

 

 

そう言ってメインストリートに戻っていく。

フェリアの背中に殺気が突き刺さるが振り返ることなく去っていく。

 

 

「あの女いつか殺す」

 

 

そんな背中を見ながらアレンが槍を屋根に突き刺しながら苛立ったように吐き捨てる。

 

 

「行くぞ、奴の言っていることは事実だ。兎には毛ほどの興味もないだろう」

 

 

そう言ってヘディンは監視のために走り出す。

 

 

(今はな、、、)

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、これどういう状況?」

 

「フェリア!やっと来た!」

 

「いい所に来たわ!武器持ってんのあんただけなのよ!」

 

「フェリアさん!」

 

 

顔のない蛇。黄緑色の体色は気味の悪さを醸し出し、うねる触手が高速で打ち出されそれをティオナ達が撃ち落としながら民家の被害を最小限に抑えながら戦っている。

 

ダンジョン産のモンスターにしては見たことも聞いたこともない。フェリアの脳内に存在するどのモンスターの特徴とも一致しない。それも男神と女神の報告書のどこにも存在していない。

 

(もっと深い所のモンスター?いや、それなら潜在能力はLv8を超えてくる。見たところ精々Lv4から個体差によってはLv5が関の山)

 

 

「新種か、」

 

 

数は8体、ティオナ達に2体ほど引き付けてもらって全部切ろう。

 

 

「レフィーヤ詠唱」

 

「はい!」

 

 

さて、時間稼ぎだ。

 

踏み込み一つで距離をゼロにする。都市最速のアレンに匹敵するその俊敏を持って肉薄する。

 

力は込めない、速度を持って威力とする。

 

 

飛び出した体を捻りツクヨミを振り抜く。

 

それだけで黄緑色の化け物の頭頂部とおぼしき蕾のような部分ごと吹き飛ばす。

 

 

「魔石のありそうな場所ごと吹き飛ばせばいい」

 

 

頭部の蕾部分を失った新種のモンスターは灰になって消える。

 

 

良かった。これで魔石は地下にありましたとかだった場合だいぶめんどくさいことになるところだった。

 

フェリアは魔石の場所が最低最悪の場所でなくて良かったなとほっとするのもつかの間、蛇行する巨体でフェリアを推し潰そうとするが狙った時にはフェリアの姿は掻き消え距離を取られる。

 

圧倒的速度の差がそこにはある。新種が攻撃のモーションを取った時にはフェリアは一撃を見舞って離脱している。

 

 

「【穿て、必中の矢】!」

 

 

レフィーヤの魔法も完成する。

 

これで、ひとまずモンスターを倒してその後の調査でもしようと射線から退避しようと足に力を込めた時だ。

 

高まる魔力を感じ取った直後。

新種のモンスター全てがフェリア達を無視してレフィーヤに向かって蕾を覆し振り向いた。

 

 

「ーーー!!」

 

 

悪寒が走る。その『魔力』に惹きつけられるような動きを見た時、フェリアの体は動いていた。

 

魔力が臨界に達したレフィーヤは黄緑色のモンスターが一斉に振り返るのを見て悪寒が走る。

 

(このモンスター、『魔力』に反応して!)

 

直後、視界に白銀の光がその脅威が華奢なエルフを貫く前に救い出す。

 

地面を突き破りレフィーヤに迫る黄緑色の杭のような触手から強引に奪いさる。

 

 

「え、、、え、え?」

 

 

レフィーヤからしてみれば蕾が振り返り嫌な予感がした時には視界いっぱいにフェリアの胸が映り抱きしめられえられていたことだろう。

 

急展開に思考が追いつかないレフィーヤやフェリアに捕まるようにして少し離れた場所に下ろされる。

 

 

「良かった間に合った」

 

 

「ありがとうございます。フェリアさ、、!!フェリアさん腕が!」

 

 

レフィーヤが指さす先、今も抱き抱えられている左腕とは逆、包帯に巻かれていたはずの右腕は誰が見ても分かるほどに損壊し折れている。

 

包帯は衝撃で弾け飛び骨がグチャグチャにへし折れている。

 

救い出す時に杭のような触手を右腕で防いだ時だ。Lv6であっても耐久があまり高い方ではないフェリアはLv5の個体の攻撃をまともにくらえばこうなる。

 

 

「い、今ポーションを」

 

 

「いい、大丈夫」

 

 

焦ったようにカバンからポーションを取り出そうとするレフィーヤをフェリア制する。

 

 

「何を言って、、、むぐぅ!」

 

 

意味のわからない事をいうフェリアに焦るレフィーヤの鼻と口を左手で塞ぐ。

 

どんなにLvが上がり痛みに対して鈍くなっていると言っても痛いものは痛いのだ。

こんな大怪我自分なら涙を流して動けなくなっていることだろう。それ程までにフェリアの右腕は損壊しているはず、、だった。

 

グチャグチャで見るほどに痛々しかったその右腕は骨どうしが砕け散った己同士を探し出すようにフェリアの右腕の中で奇妙に動きながらその形を整えていく。それと同時に毒々しい色の煙を吹き上げながら腕の傷も塞がっていく。

 

それはまるでアミッドの回復魔法を見ているようにみるみるうちに腕がその形を取り戻していき。

 

ものの数十秒で腕の怪我など無かったかのように無傷の状態に戻っていく。

 

 

「治るから、、あと息止めといて吸うと死んじゃう」

 

 

「ーーー!?」

 

 

なんの事なのか今も理解ができないレフィーヤは息を吸えば死ぬというフェリアの忠告を守って息を止める。

 

それと同時に冷静になる頭でフェリアの腕を見る。

 

見てしまった。

 

いつも包帯に隠されてロキファミリアの誰も見たことの無いその右腕。

 

それは形容し難いほどに腐っていた。

 

今も包帯が少し残る肘までの部分。それより先はいつも見る綺麗な肌が顔を出しているが問題は肘から指先に至る皮膚が全て毒々しい程に腐り今も腐り落ちてしまうのではないかと言う程に変色している。

 

 

「見られちゃったね」

 

 

少し悲しそうにしながら呟くフェリア。

 

修復が終わったのか立ち上っていた煙が消える。

 

更に鮮明になった右腕は先程同様に腐ったように変色しているがその中でも変色した腕を縛り上げるように黒い竜巻が螺旋を描くように右腕に巻きついている。

 

 

(動いてる、、、?)

 

 

腕に巻き付く黒い竜巻は目を凝らして見るとこぎざみに揺れながらフェリアの右腕を縛り上げるように震えているのが分かる。

 

まるで、、、

 

 

「生きてるみたい?」

 

 

「ーーー!!」

 

 

心の声を正確に当てられたレフィーヤは驚きのあまり飛び跳ねそうになった。

 

 

「その考えは間違ってないよ。こいつは私の中で今も生きてる」

 

 

そう言いながら、息吸わないでね。とレフィーヤに忠告しながら胸元からスペアの包帯を取り出して慣れた手つきで右腕に巻き直して行く。

 

 

「これでよし。息していいよ」

 

 

「ぷっはぁ!はぁ、はぁ、フェリアさんその、右手」

 

 

見るからに禍々しい、そして痛々しい右腕をずっと隠していた事にレフィーヤは言葉が見つからない。

 

 

「ごめん、この腕のことはロキとフィン達しか知らなの。だから、今は、ね?」

 

 

「、、、はい」

 

 

そうだ。

 

なんで隠していたのか、何故?そんな事を今やっている場合では無い。

 

今も黄緑色のモンスターを素手で塞き止めているティオナ達の所へ戻らなくては行けない。

 

巻き直した包帯を再度キツく締め直したフェリアはレフィーヤを一瞥する。

 

 

「私達に追いつくんでしょ?それとも、、怖くなっちゃった?」

 

 

そう言っていつも表情をあまり変えることの無いフェリアの顔が少しだけ、ほんの少しだけ意地悪な姉のように笑いかけてきた気がした。

 

話したいこと、聞きたいことはいっぱいある。

 

 

けど、今は立ち上がらなくてはならない。

 

 

先程まで気が付かなかったが、立ち上がろうとしたレフィーヤの足が震えている。

 

怖がっている。あの化け物に挑みに行くとを体が拒んでいる。

そんな足を何度か叩き震えを『物理』で止めるレフィーヤはフェリアの瞳を見つめ返す。

 

 

(いい眼だ)

 

 

「私は、、レフィーヤ・ウィリディス! ウィーシェの森のエルフ。逃げ出すわけにはいきません!」

 

 

怖いものは怖い。先程の攻撃も直撃していたらただでは済まなかった。Lv3がLv5相当の敵の攻撃をくらえばどうなるかなど想像もしたくもない。

 

フェリアが助け出してくれなければ先程のフェリアの右腕のような惨状がレフィーヤの腹の中で行われていたことだろう。

 

レフィーヤは理解している。嫌という程理解させられている。

 

幾度となく、フェリアとアイズ達に守られ続けていきた彼女は側に立つことさえ出来ないのかもしれない。

 

追いかけて、追いかけ続けるほどにフェリアやアイズ達との差を実感する。

英雄の都で立ち上がり、彼女も英傑達の導を歩むほどにその差は広大で縮まっていることすら実感できぬほど、逆に開いていってしまうほど憧憬と距離は遠い。

 

心が軋んでしまうほどに金色の彼女と白銀の彼女は強く、自分は弱い。

 

今、ここにいない彼女に前を向いて胸を張って会えるように、今も窮地に陥っている姉妹を助ける為に立ち上がる。

 

自分を、認めてくれようとしている彼女の隣にいることを、許される存在になりたい。

 

 

「【ウィーシュの名のもとに願う】!」

 

 

(追いすがれレフィーヤ・ウィリディス)

 

 

憧憬に今も目の前にいる私の英雄に!

 

追いつくために!

 

何度転んでも立ち上がろう。この道を走り出した私はきっと何度も転んでしまう。

その度に傷は増え、泥だらけになり汚れてしまうだろう。仲間の手を幾度となく借りることもあるだろう。

 

溢れる涙も枯れて折れる意思さえも無くなってしまうかもしれない。

 

でも、それでも無様に這い上がってきた者が。

 

英雄の標を刻んでゆくのだ。

 

守られるだけのレフィーヤ・ウィリディスを捨てて憧憬に追いつく為に歌い続ける。

 

 

「【エルフ・リング】」

 

 

山吹色の魔力が翡翠の色に変化する。

 

先程同様に蕾が開き巨大な歯を見せながらレフィーヤに殺到する。

 

 

「はいはいっと!」

 

 

「大人しくしてろッ!!」

 

 

だが、それを姉妹が許さない。

その巨体を蹴り、弾いては突撃を拒む。

 

それに腹を立てたのか何本かの触手が地面に突き刺さる。

 

数瞬をへて槍のごとくレフィーヤに射出される触手の魔の手を漆黒の刀身がことごとくを殲滅する。

 

 

「手癖が悪いみたいだね」

 

 

守ってくれている。

 

信じて歌を紡ぎ続ける。

 

 

「【吹雪け、三度の厳冬──我が名はアールヴ】!」

 

 

「【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」

 

 

都市最強の魔道士の魔法が放たれる。

 

三条の吹雪がことごとくを凍てつかせその巨体な体躯を瞬間冷凍する。

 

輝く氷像となったモンスター達に亀裂がはいり粉砕された。

 

特大の魔力と精神力を注ぎ込んだやり切ったレフィーヤは肩で息をする。

 

 

「よくやったレフィーヤ」

 

 

「はぁ、はぁ、、んっ、はい!!」

 

 

笑顔を向ける彼女の頭をなでなでしているとロキを抱えたアイズが屋根伝いに降りてくる。

 

 

「おぉ、これはまた盛大にやったな」

 

 

「フェリア、、レフィーヤもリヴェリアみたいで、、凄かった」

 

 

それを聞いたレフィーヤは林檎のように赤くなる。

 

それと入れ違うようにロキがフェリアの隣に立つ。

 

 

「フェリア、、どうや」

 

 

「うん、右腕疼くよ」

 

 

「ほうか、、地下の方見てきてくれるか?」

 

 

「任せて」

 

 

それを聞いてティオナ達と別れると黄緑色のモンスターが出現した穴、人がまるまる一人入れるほどに拡張されたそれに飛び込む。

 

 

「さ、うちらは残ってるモンスターのとこ行くで」

 

 

「分かりました」

 

 

「さっさと終わらせましょ」

 

 

「そうだね〜」

 

 

「フェリアさん大丈夫でしょうか?」

 

 

「大丈夫だよ。だってあのフェリアだよ?」

 

 

心配そうに穴を見つめるレフィーヤをティオナが腕を引っ張って連れていく。

 

そんな彼女達の後ろ姿を見つめながらロキだけが薄く閉じていた瞳を開く。

 

 

「きな臭くなってきたで」

 

 

 





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