なので一旦100で打ち止めになるかなーと思います。
お題71:時間になると巨大化する「賞味期限切れヨーグルト」をめぐる、冷蔵庫内での権力闘争。
「さて、今日の議題だが……」
「待て、冷蔵庫の食材が何普通に会話しだしてんだ」
久々に実家へ帰省して、飲み物をもらおうと冷蔵庫を開けたらいきなりこれである。納豆パックがパカパカ開きながらしゃべってんの普通にホラーだぞ。
「ああ、あのヨーグルトが非常に厄介だよな」
「沢庵まで喋りだしたし……ばあちゃん、これ一体何が起きてんの?」
「あんたが東京に出てから、ちょっとしたら皆しゃべりだしてねぇ。あたしは寂しくないからいいけどねぇ」
「相変わらずのんきだよなぁ……」
まあばあちゃんが気にしてないならいいんだけど。それにしても、ヨーグルトが厄介ってどういうことだ。
「あいつ、賞味期限が切れると巨大化するからな……」
「そろそろ冷蔵庫の棚が壊れちまうよ!」
「ばあちゃん、賞味期限切れたやつは捨てようぜ」
「あー、そうね。気を付けるよ」
俺の一言であっさり解決したヨーグルト問題。冷蔵庫内は歓喜に包まれた。なんだこれ。
お題72:自分の靴下が突然しゃべりだし、「今日は出勤をボイコットする」と宣言してきた朝。
今日も真夏日の予報、外回り確定という地獄。だが俺は、挫けずに出勤しようと身支度を整えた。しかしこれに異議を唱える者が1人、もとい、1足いた。
「もうやだ! 会社行きたくない!」
「靴下に出社を止められているだと!?」
同じ柄を5足ほど揃えている靴下が、突然出勤をボイコットしだしたのである。
「何故だ! というか俺が行くって言ってるのに、なぜお前が止める!?」
「だってあんたの歩き方、力みすぎていて痛いんだもん! せめて中敷きとか入れてよ!」
まさかの靴下が俺の歩きで痛がっているという理由だった。このままでは遅刻してしまう。靴下のせいで遅れたとか、厳しい上司に言えるはずがない。
「頼む! 今日の帰りに中敷きを買うから! 今日だけは我慢してくれ!」
「……わかった。ただし百均のじゃダメ。ちゃんとスポーツショップの良い奴にしてよ」
「ぐっ……、仕方ないな」
痛い出費だが、靴下がそういうなら仕方ない。一応、いい中敷きを買ったら満足してくれた。
お題73:町内会で開催される“第1回 ぜんぜん飛ばないUFOコンテスト”。
男は休日にふらっと寄った空き地で、とあるコンテストが開催されていることに気がついた。
「第1回、町内一全然飛ばないUFOコンテスト?」
大きな垂れ幕には、そう書かれていた。困惑していると、受付の人が寄ってきた。
「アナタ、キョウミガオアリデ?」
「うおっ緑色!?」
受付の人かと思いきや、全身が緑色で腕が4本あった。まさか、宇宙人が審査をするのだろうか。
「イヤー、チキュウジンンのハッソウハ、ジツニオモシロイデスヨ」
「そ、そうなんですか」
「エエ。ウチュウヲトブトイッテイルノニ、"プロペラ"ナンカツケタリシテ。クウキナイッツーノ!」
「はは……」
地球人のセンスに感心しているのか、それとも馬鹿にしているのかが微妙な言い方である。そんな話をしている間にも、次はドラ〇もんのタイムマシンみたいなUFOが持ち込まれてきて、宇宙人たち大爆笑。それでいいのか地球人たちよ。
お題74:目覚めたら、なぜか街中の信号機が全て“じゃんけん”で色を決めるルールになっていた。
今日も面倒な通学タイムか、と憂鬱ながら家を出る。近くの横断歩道で、黄色い旗を持ったおじさんが立っている。
「ん、あれ?」
信号を見ると、色の順番がおかしい。ふつうは左から青、黄色、赤のはず。なのに目の前にある信号はまるっきり左右が逆だ。
「ねえおじさん、信号が逆じゃない?」
「ああ、実は今朝からルールが変わったんだ」
「へー、じゃあ全部あの色に変わるの?」
いいや、とおじさんは何でもないように、衝撃的な事を言った。
「今朝から、すべての信号機の色はじゃんけんで決まるようになったんだよ」
「ええ?」
信号機の色が、じゃんけんで決まる。どうしてそんなことになったのだろう。
「だからほれ、向こうの信号はまた色が違うだろう?」
「うそぉ!? 信号機によって全部違うの!?」
よく見ると確かに、信号機によって色がバラバラである。これじゃあ全然何を表しているのかがわからない。
「あ、あそこのは前と同じ色か」
「いや、あれは納戸色、刈安色、猩々緋色だよ」
「なんて???」
後で調べたら青、黄色、赤に近い色だけど違うらしい。これ3つとも似た色とかだったらどーすんの。
お題75:毎晩ベッドの下から説教をしてくる、やたら博識なゴブリンとの同居生活。
今夜も寝つきが悪かったな、とつぶやく彼女。一人暮らしだったはずなのだが、ベッドの下から聞きなれた声が聞こえてきた。
「ヨウ、今日もレム睡眠が多かったようだナ。寝る前30分はスマホを触るナと何度言ったら……」
「その前にベッドの下もぐりこんで、私の睡眠の深さを勝手に計るの止めろっつーのよ」
妙に説教じみた口調の、ゴブリン。彼はいつからか彼女の部屋で同居しているのである。
「毎回頼んでもいないのにアドバイスしてくんの、いい加減にしてくんない?」
「君は、これまで見てきた人間の中で一番だらしないんだヨ。口出しせずにはいられないんダ」
「はぁー……いい加減にしないと今日本屋連れていくの止めるよ」
「それは話が違うじゃないカ!」
二人のやり取りは、あまりにも気を許しすぎている友人関係のようだった。
全然飛ばないUFOコンテストは、昔の鳥人間コンテストをイメージしてました。絶対飛ばないだろっていう賑やかし枠好きだったなあ。
納戸色、刈安色、猩々緋色という名前は、5分終えた後に調べて記入しました。