俺は神の駒らしい ―平和のためにコーディネーターを滅ぼすまで― 作:やわらぎ
AIさんは、辛い描写が好きなんだろうか?
地球連合によるプラントへの宣戦布告は、まるで“世界が決めていた予定”をなぞるように発された。
「コズミック・イラ70年2月。地球連合はザフトの武装化と既存条約の破棄を理由に、プラントへ正式に宣戦を布告する」
アルテミス要塞の報告官の声が、OC本部の戦略会議室に乾いた音で響く。
主人公は、画面奥に映る連合地球評議会の声明をただ黙って見つめていた。
――原作の流れを押しとどめても、結局はこうなるのか。
各国にMSを輸出し、ヘリオポリスでの開発を消し飛ばし、オーブの平和主義にも揺らぎを与え、アズラエルでさえ冷静にしてみせた。それでも結果は変わらない。
「……やっぱり“修正力”ってやつですか、神様」
返答は当然、まだない。
ただ、胃の奥に冷たい石のような重さがある。
やるべきことをしてきた。だが、この世界は“神の意志”で動いている。
最初から主人公は、盤上に置かれた“駒”なのだ。
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そして三日後。
ユニウス・セブンは地球連合軍の飽和攻撃を受けた。
核は使われなかった。だが、何千発もの徹甲弾頭と高出力ビームの集中砲火は、コロニーに亀裂を走らせ、やがて巨大な破壊の連鎖を呼び起こした。
コロニーの外殻が赤く裂ける映像に、会議室の空気が凍り付く。
「……最悪の形で、歴史がなぞられたな」
レビル大将が、重い声で言う。
その後ろでワッケイン少将が、淡々と状況を分析していく。
OCの軍艦はユニウス宙域から遠かったため、救援に入ることは許されなかった。
地球連合軍との表面的な同盟関係と、OCの“中立”を保つため、ゴップ大将は外交判断として手出しを止めていた。
だが主人公にとっては、これは重い決断だった。
爆発の光が沈静化するころ、プラント本国は正式に声明を発した。
「黒衣の独立宣言」
および
「地球連合に対する徹底抗戦」
もう後戻りはない。
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「……これでプラントの融和派は完全に消えますね」
護衛のシーマ中佐が、主人公のすぐ隣で呟く。
彼女は皮肉な笑みを浮かべたが、その瞳には沈んだ光も宿っている。
「ザラ派は暴走する。アスラン・ザラも父の影響を強く受けるでしょう」
「ラクス・クラインは宗教的象徴になりかねん。排除対象ですね」
「キラ・ヤマト? あれは……“神の敵”ですね」
アナベル・ガトー少佐の声は、抑揚ひとつなかった。
主人公は苦笑した。
「……みんな簡単に言うなぁ。俺はそんなに強くないんだぞ」
「主は“神の駒”ですから」
ノリス大佐は飄々と言い、肩をすくめた。
駒。
またその言葉だ。
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その頃、各国はOCの存在を一段と重視し始めていた。
■地球連合
プラントとの戦争を決めた今、OCの軍事力と“情報網”が依存対象になりつつある。
特にムルタ・アズラエルは、OCとの裏の連携を保持しつつ、以前のような冷静さを保っていた。
■アジア連合・ユーラシア連合・大西洋連合
MS生産を急ぎ、OCから輸入した機体の分解研究に必死になっていた。
これも主人公の思惑どおりだ。“対ザフト”の地力が底上げされていく。
■オーブ
ヘリオポリスのMS計画が消えたことで、ただの“資源コロニー”として穏やかに回っている。
カガリもまだ政治の表舞台にすら出ていない。
■プラント
食糧・医薬品をOCから受け取っているが、これが逆に“被害者意識”を強め、戦意を煽っていた。
主人公としては皮肉な結果だった。
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主人公は司令室から一人、私室へ戻る。
机に突っ伏すように座り、深い息を吐いた。
「……俺は平和主義だ。ほんとは、こんな世界で戦いたくないんだよ……」
指先が震えている。
だが、そのとき。
――君はよくやっているよ、我が“駒”。
室内スピーカーから、あの声が聞こえた。
ラウ・ル・クルーゼのような、静かで、冷たく、皮肉に満ちた声。
――世界は揺らいでいる。だが、まだ予定の範囲内だ。
――次は“救世主たち”への対処だね。
――彼らの存在は、私の運営する世界のバランスを著しく損なう。
主人公は顔を上げる。
喉が乾く。
「神様……本当にやらないと、ダメなんですか?」
――もちろんだよ。
――君は私の駒だからね。
逃れられない。
その残酷な事実だけが、部屋の闇に沈み込むように響いた。
次の指令が、世界の歯車をまた進めるだろう。
主人公は、自分の掌を見つめながら、呟く。
「……やるしか、ないのか。平和のために」
そしてOCの艦隊は、次なる“運命の波”へ向けて動き始めた。
正直、自分で想定してたより十倍くらい話が重い。