聖園ミカのヒーローアカデミア   作:Erlösung

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合格発表

雄英の入試試験から一週間が経った。ミカの父親はここ数日、ソワソワとして落ち着かない。何度も郵便受けを覗きに行ったり、その周辺をウロウロしたりしていた。

 

一方、ミカはまるで他人事のように家でゆっくりくつろいでいた、テレビを見たり本を読んだりと普段通りの生活を過ごしている。今日もリビングのソファーに座り、テレビを見ていた

その時、バタバタバタと急ぎ足の足音が聞こえ、リビングの扉が勢いよく開かれる。少し息を切らした母親が現れたのだ。

 

 

 

「ミ、ミミ!ミカ!ミカ!」

 

 

 

『えっどうしたのお母さんそんなに慌てて』

 

 

 

 母親の呼びかけに首を傾げるミカ。母親であるレイはそんな彼女に一つの封筒を前面に突き出す。

ミカは封筒を手に取り、裏表を見て確かめる。間違いなく雄英からであった。

 

「大丈夫だよね!?合格してるかな!?」

父親であるヤマトが滅茶苦茶慌てる、それが少し鬱陶しかったのかミカは

 

『お父さんうるさいよ?』

 

「ガーン _| ̄|○ il||li」

 

大切な娘にうるさいと言われショックを受ける

そんな父親を無視してミカは

 

『よし、開けるよ』

 

そう言ってミカは中身を取り出す。入っていたのは、数枚の紙と、小さな機械。

 

 まず、目についた小さな紙を手に取る。折りたたまれた紙やよくわからない機械と違い、これだけが中身が見えていた。

 

 

 

『えっとなになに……映像を空中に投影する機械で、スイッチを入れて平らな所に置くだけで再生……。仮想敵といい金使い過ぎじゃない?』

 

 

 

 注意書きを読み終え、封筒の中にあった小さな機械を取り出して、恐る恐る机の上に乗せる。

コトリ、と音を立てて機械が置かれた途端、独特の駆動音と共に中空に四角いディスプレイのようなものが映り

 

 

 「私が撮影されたのさ!」

 

画面にネズミが映った

 

「ネズミなのか犬なのか熊なのか、かくしてその正体は・・・

 

 

 

 

 

 

校長さ!」

 

 

『えっ!?このネズミが雄英高校の校長なの!?』

 

ミカは心の底から驚いた。それもそのはずあの雄英高校の校長がまさかのネズミなのだから。

 

「早速だけど結果を報告していくのさ!聖園ミカ、君の合否は考える間も無く決まったよ。

筆記試験では満点で堂々の1位!すごいね君!

さらに!実技試験もヴィランポイントも89 Pと全体でトップの好成績!

しかし!僕たちが見ていたのは敵ポイントだけじゃないのさ!レスキューポイント!しかも審査制!我々が見ていたもう一つの基礎能力さ!

そんなわけで!ヴィランポイント89Pに加え、レスキューポイント61Pの合計150Pで君は主席合格なのさ!

さらにここで提案があるのさ!』

 

(提案?)

 

『君はそうそう現れることがない100 ポイント超えの合格者さ!だからこそ君を特別推薦枠として勧誘したいのさ!』

 

(特別推薦枠?)

 

『特別推薦枠は筆記、実技共に良好である生徒に送る謂わば特持生さ!メリットとしては学費がほぼ免除になるのさ!さらに学食が半額で食べられるのさ!

来なよ少女!ここが君のヒーローアカデミアさ!」

 

メッセージはソコまでで、映像は切れた。ミカが放心したように映像が消えた空中を見続けている。だが、両親が動いてミカの側に寄ってきた。

 

 

 

「ミカ、おめでとう。トップクラスで合格だって。すごいよ、ミカは」

 

 「おめでとうミカ、貴女は私達の自慢の娘よ。」

 両親がミカをギュッと抱きしめ、ミカは頬を赤く染めていた。

 

 

 

『ありがとう、お父さん、お母さん……でもちょっと恥ずかしいんだけど・・・』

 

 

 

「ふふふ、本当によかったわ……さあ、今日はお祝いよ!まずは買い出しに行きましょう。あっ、ミカはゆっくりしてて。あと、封筒に書類が入っていたでしょ?それをしっかり確認しておきなさい。見落としが無いようにね」

 

 

 

 ようやく両親から解放されたミカは言われたとおり、書類を確認する。面倒くさそうな入学書類ばかりであったが、それを見ているとついつい頬が緩んでしまう。

 

 

 

 

時は少々さかのぼる。入学試験後の事である。雄英高校ヒーロー科の会議室では、雄英の校長や教師陣が出席する重要会議が行われていた。

 

 

 

「実技総合成績が出ました」

 

 

 

 前方の大画面に受験生の名前と成績が上位からズラリと並ぶ。それを見た教師陣から感嘆の声が複数上がった。目立つのは聖園ミカ、爆豪勝己、一人の少女そして緑谷出久の成績である。

 

 

 

「救助ポイント0点で3位とはなあ!」

 

 

 

「後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

 

 

「対照的に敵ポイント0点で10位」

 

 

 

「アレに立ち向かったのは過去にも居たけど…ブッ飛ばしちゃったり粉々にしちゃったのは久しく見てないね」

 

 

 

「思わず、YEAH!って言っちゃったからなー」

 

 

 

 ワイワイと騒ぎながら講評を行う教師陣。そして話題は次の注目者に移った。

 

 

 

「そして……1位、聖園ミカ。敵ポイント89P、レスキューポイント61Pの100P超えの好成績だな」

 

 

 

「試験前半は中央に即座に移動。受験生待ちをしていた仮想敵を纏めて破壊している。仮想敵も受験生もバラけ始めた中盤では、ピンチな者を発見する度に助けたり、怪我人を治癒したりと他の受験生を助けています。」

 

ミカの試験の様子がいくつかの画面に映し出される。教師陣は時に頷きながら、時に感心しながらその姿を見る。

そして

 

「次に聖園ミカと同じく特別推薦枠の2位の子ですが…」

 

「これは…」

 

「中々に凶悪な顔ね」

 

「これ3位の奴より顔が怖いな」

 

そう言いながら画面に映る受験生を見る

その受験生は背中に聖園ミカとは正反対の黒い翼があり、凶悪な顔で次々と仮想敵を破壊していく、そして頭上には赤くそして血液の様な液体が滴る天使の輪の様な物がある。

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