クソみたいな世界で、俺は   作:月山 白影

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救い
鳥籠の外に出て見た景色は綺麗だった


 

 

 

 

 

 「っ…!!」

 

俺は飛び起きる。

俺は胸を触る。

……良かった…心臓は…生きてる…

なんだ…?夢、だったのか…?

最あ――

 

 『――あ、アトラ起きたんだね。良かった〜!2週間も目を覚まさなかったから、もう死んだかと思っ――』

 「――なんでお前が…!!」

 『なんでって…アトラが路地裏で血を流して倒れてたからだよ。』

 「は…?」

 

夢じゃ…なかった…?

じゃあ…あの女は…

 

 「チッ…クソが…」

 「とりあえず、出てけ…!」

 『それは無理かな。』

 「あぁ?」

 「なんだ?エデン条約の時みたいに追いかけ回されたいか?」

 「それとも…今殺されたいのか?」

 『――そう言う事言うなら私が貴方を殺す。』

 「っ…!!」

 

俺の後ろから声が聞こえた同時に後頭部に冷たい物が当てられる。

銃口だ…

銃口が今俺の頭の後ろに…

 

 『それにしても…貴方はヘイローが割れたのに良く生きれてるね。』

 「お前…まさか…俺を殺した…」

 『そうだよ。よく覚えてるね。アトラ。』

 「チッ…」

 「クソが…」

 

もう…諦めてしまうか…

無理だったんだ。最初から。

支配の鎖から飛び去るのは無理なんだ。

雲を掴む話だ。

俺は…一生、鳥籠の中に囚われたままなんだ…

普通の…普通の生き方をしたかっただけだと言うのに…

俺は…異端な正義だったからだ…!

ヴァルキューレに入った時からそうだ…

先輩にイジメられ、アリウスに逃げても今度は大人の支配…俺に生き(行き)場所は…無かったんだよ…!

もう…いいか……

感情を無くしてしまえば…自我を無くしてしまえば……楽になれ――

 

 『――アトラ…お前は自由だ…』

 

隣から声が聞こえる。

誰かは分からない。

カーテンでよく分からない。

シルエットだけが見える。

大人はカーテンを開ける。

そこには――

 

 「――サオリ…?」

 『そうだ、私だ。アトラ。』

 「なんで…生きて…」

 『運良く先生が私の事を発見してくれてな。』

 「……」

 

あぁ…そういう事か…

神は受諾しなかったんじゃない。

神は受諾できなかったんだ…

 

 『ここは、奇跡が集まる場所だからね。』

 

奇跡…か…

 

 「ははっ…奇跡なんて信じねぇぞ…?」

 「俺には奇跡なんて降ってこな――」

 『――アトラ、本当はサオリを殺したくなんてなかったでしょ。』

 「っ……」

 「……」

 

俺は何も言えない。

図星だからだ。

自由という目標だけを見て、捨てようとした物は見ようとしなかった。

いや、見たくなかった。

見たら、俺は壊れてしまうから。

 

 『……大丈夫だよ。アトラ。ここに悪い大人も、子供を支配しようする奴なんて居ないよ。』

 

大人が俺を抱きついてくる。

クソが…

なんで…涙が…

クソクソクソ…!!

なんで…こんなにも心地いいんだ…!

嫌なのに……

 

 「あうっ…」

 

情けない声だけが出てくる。

言葉にも成らない声が。

あぁ…やっと分かったんだ。

俺は…誰かに助けて欲しかったんだ…

ただ、俺は構って欲しかったんだ…

自由なんていう建前で…

こんなに…しょうもない理由を隠すためにあんな…

捨てたものが多すぎる…

もう…ダメだ…

 

 『大丈夫…大丈夫だから。』

 「うぅっ…!」

 

俺はただ、忌々しかった大人の腕の中で情けなく泣いた。




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袴紋太郎さんお気に入り登録ありがとうございますご感想などお待ちしておりますこれからも温かい目で見てちょ。

救いってこんな感じでいい?
俺は基本大人を恨ませる事しか出来ないからこれ頑張ったほう。
誰か俺の事コメントで褒めてくれ。

苦しめ or救い

  • 苦しめ
  • 救い
  • 俺のせいなんだよ…!
  • お前が不自由なのは…!
  • 俺のせいだ…!
  • もう…生きてるが嫌になってきた…
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