俺はサオリに連れられて多分1時間と57分は経過しただろうか…
突然、俺はマダムに首を掴まれ、高く上げられる。
その時、聖堂のガラス絵の前には赤い木に絡め取られた姫、「秤アツコ」が居た。
しかし、そんなのは気にしてる暇もない。俺はただ、息苦しさだけが襲ってくる
「い、やだ…!」
『失敗した者は死ぬ、そう私は言いました。そして、貴様は失敗した。だからアトラ、貴様は今日、死ぬ。』
「マ…ダム…やめ…くださ…い……もう…一度……チャ…ンスを…!」
『何度も懇願しても無駄です。』
指導者だと信じてた…
酷いことされてもアリウスが勝てば自由になれると思ってた…
けど、そんな事なかった。
夢はやはり、所詮夢…
あぁ…やはり…希望など、持つべきじゃなかった…
分かってたはずだ…死ぬと……
俺は…結局最後の最後でミスするんだって…
この大人、いや、この世界の大人は信じない…
結局、大人は皆、汚い生き物なんだ…
あぁ…ヘイローを破壊する爆弾が……もう、目の前に……
できることなら……苦しまずに死にたいなぁ…
俺は全身の力を抜き、目を瞑る。
死の気配だけが俺に近づく。
バンッ!!
突然、大きな音が聖堂に響き渡る。
俺は目を開け、何があったのかを確認する。
そこには、「シャーレの先生」が居た。
先生の表情は焦っており、しかし、怒っている様にも思えた。
『ベアトリーチェ、その子を離せ…!!』
『シャーレの先生……』
『まぁ、いいでしょう…今ここで殺してさしあげましょう。』
『サオリ、ミサキ、ヒヨリ、頼んだよ。』
『あぁ…任せてくれ。』
俺は投げ捨てられる。
それと同時に息苦しさから解放され、咳き込む。
次の瞬間、マダムの姿が変貌し、頭は大きな花の様になり、グロテスクになる。
『今ここで、貴様らを殺して差し上げます…!』
突然、何もなかった場所からユスティナ聖徒達が顕現する。
そして、マダムが指揮と戦闘を同時に行い始める。
それに対抗するかのようにサオリ達は銃弾を放つトリガーから指を離さない。
「……に…げないと……」
俺は逃げる。
ボロボロな身体を無理矢理動かして這って逃げる。
走って逃げたいが、満身創痍なこの身体。立てる訳もない。
それに、無理矢理サオリに引き摺られてかすり傷だらけ、それをさらに追い討ちの形で這って逃げるから余計痛い。
傷は酷く、吐き気がする。
「い゙だ…い゙……」
俺は……こんな状態なのに…一体いつまで夢を見るんだ…?
虚しくなる……
頭では、冷静なのに……なぜ、涙が……
あぁ…そうか……悔しくて、苦しくて、全てが嫌だからだ……この自分すらも……
俺は必死に這う。
今は自由なんかどうでもいい。
今はただ、生きたい。
生きて…この醜い世界から…逃げるんだ……!
「あ゙あ゙ぁ゙……!!」
ただ無意味な掠れた叫び声を上げながら這う。
何度も何度も必死に腕や足を動かす。
次の瞬間、銃声が止み、マダムの声がする。
『ぐっ、ああ……なりません……!!』
『私の権能が……!!』
『なりません……まだ儀式が完遂していなかったのでしょうか……?』
『まだ力が……ああ……』
『たかが……たかが貴様ら如きに……!!』
『バルバラ……いえ、バシリカに存在する全ての兵力をここに……!!』
『こちらに戻ってきなさい!』
マダムは俺には理解のできない事を言い続ける。
バルバラ…?バシリカ…?
分からない……
俺は重い体を振り返らせ、マダムの居る方を見る。
目に入ったの怪我をしたサオリ達。
『しっかりしろ!まだ終わりじゃない!!』
サオリはそう叫ぶ。
多分、ヒヨリ辺りがマイナスな言葉を言ったのだろう。
『支援が来る前に、早く……!!』
マダムがサオリの叫びに対抗するかのように叫ぶ。
『――バシリカの兵よ、私を保護なさい!!』
『……』
『……何故、来ないのですか……?』
『バルバラは?何故まだ誰も……』
次の瞬間、どこからか曲が聞こえる。
マダムは何かに気づいたかのように目を大きく見開く。
『……!!』
『なりません!!!』
『なりません!私の領地で慈悲を語る歌を響かせるなど!』
どうやら、この歌は慈悲を語る歌らしい。
本当に嫌気が差す。
我が物顔で軽々しくアリウスを私の領地だと言う……このクズが…!
大人は皆クズだ…!
『一体どのような手段を……?』
『楽器も蓄音機も全て破壊したというのに!――奇跡が起きたとでも?』
『なりません!!生徒は憎悪を軽蔑を……呪いを歌わなければなりません!』
『お互いに騙し傷つけ合う地獄の中で、私たちに搾取される存在であるべきなのです!』
このク――
『――黙れ。』
『……なに!?』
『私の大切な生徒に話しかけるな。』
『……!!!』
『あなたは偽りの教えで子供たちを奈落へ落とした。あなたは絶対に許せない。』
『よ、よくも私にそのような……』
『言葉をぉおおおーー!!』
マダムはシャーレの先生の言葉によって沸点に達する。
そして再び、マダムの姿はグロテスクな姿へと変貌し始める。
『ああ、そうだサオリ――』
『貴様を新しい生贄として捧げましょう!』
『貴様が私の計画を台無しにしたのですから、その代償を支払うのです!!』
サオリが何か言ってるのは分かるが、遠くてさっきからマダムとシャーレの先生の言葉しか聞こえない。
周りの反応を見る限り、サオリは同意したのだろう。
そして、再び銃声と共に激しい戦いが始まる。
俺はやっと逃げる事を思い出し、再び、這い始める。
数分経っただろうか扉はまだ遠い。
俺は必死に這――
『――グアアアアアッ!!』
突然、マダムの叫び声が聖堂に響く。
『何故、どうして……!!私は、私の……!!』
『私の計画が……私の領地が……私の意識が……』
『わたくしの……ワタクシ、ノ……』
『グッ……アア……アァ……』
次の瞬間、マダムがバタリと倒れる音がした。
そして、サオリ達は姫を助けに姫の元へと向かった。
そんな幸せが後ろにはある。
だが、俺は気にしない。
俺はただ、扉へと向かう。
しかし、マダムの声が聞こえる。
まだ、生きていたのか…?
『一度の勝利ごときで、終わりになど……』
『????????』
知らない誰かの声が聞こえる。
声は微かに聞こえるが、何を言ってるかは分からなかった。
俺は今度こそ気にせず、扉へと向かう。
「逃げて…やる……」
突然、此方へと向かってくる足音がする。
俺は焦りでさらに無理矢理、腕と足を動かし、這う。
しかし当然、満身創痍な俺の身体では亀同然。
そして、俺の真後ろで足音は止む。
『君、大丈夫?』
この声は……シャーレの先生…!!
大人……!
その瞬間、俺は殺意が湧く。
こんな汚れた世界は大人が居るから悪い。
なら、この大人もその1人だ……
ぶっ殺す…!!
俺は背負っていた愛銃「
「…ク、ソ野……郎がぁ…!!」
俺は引き金に指をかけ、引こうとする。
しかし、どこからか、弾丸が俺の手を撃ち、愛銃は飛んでいく。
『やめろ、アトラ。』
「な…に…しやが……る……サ…オリィ……!」
『マダムの命令はもう無い。だから、お前は自由だ。』
「信じ……れるっ…かぁっ…!!」
「こ…の腐……った世か…いでぇ……おと…なは……ゴ…ミだぁ……!信じ…るなっ…!!」
『アトラ、先生はマダムとは違う。子供のために命すら張る大人だ。』
「お…れは……信じ…な――」
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えーと、簡単に言わせてもらうと何個か作品を絞ってきました。続けてほしい作品に投票してください。1位から3位までの投票数が多かった作品を書きます。 あ、因みに、その3つしか書かないというわけではありません。ただ、受験勉強などで時間が無く、書ける時間がないからです。高校に合格したらまた今みたいに続けます。 この中から選んでください。
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呪言師のブルーアーカイブ
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スイーツ!?食べる!!
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あ゙ー…どうも、普通のキヴォトス人です…
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クソみたいな世界で、俺は
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やあ皆、俺だ。
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シロコと俺
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先生に塩対応してたら殺されそうなんだが
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探究心は無くならない
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おかん