Resurrection of Rising Sun ~Failed Grand Order 作:神谷萌
オリキャラによる原作キャラ説教回です。
「何よ……アンタは……」
通信越しに睨むような視線を相手に向けながら、オルガマリーが問い質すように言う。
『私は
「アニムスフィア……」
それを聞かされて、オルガマリーが少し驚いたような顔になる。
瞳の片方が翠色のオッドアイであること以外、自身を幼くしたような容姿をしているセレスタを凝視しつつ、息を呑むようにして言葉を失ってしまう。
「よく、通信が繋がりましたね?」
オルガマリーが僅かに沈黙したところへ、マシュがセレスタに問いかける。
「ここへ送り込めるのは私と先輩だけというぐらいとなると、通信をつなぐのも困難だと思うのですが」
『ああ、それは、そこの彼女がいてくれたから』
セレスタは、苦笑のような表情で言う。
『汎人類史のオルガマリーの要素がそこにあったから、それと同位のお姉ちゃんと縁を繋げば、この通りってわけ』
「私が、私が
オルガマリーがはっとして言い、視線を合わせ直した。
『いるわよ。代わろうか?』
セレスタがそう言うと、通信に映し出される姿が、セレスタから、異聞世界のオルガマリーへと代わった。
『はじめまして、異世界の私』
「あ……あ……」
『あなたの言い分は解るわ。人類文明の継続は本来、アニムスフィア家の存在意義そのものだものね』
そこまで、穏やかな口調で言った異聞世界のオルガマリーだったが、そこでキッ、と視線を鋭くする。ただ、それでもなお、こちら側にいるオルガマリーよりも、感情に余裕があるように感じられた。
『でも、それは私達も同じ。父は失脚して零落したとは言っても、全てが霧散したわけじゃない。私達の今いる世界を継続する義務も権利も意義もある』
「それが解っているなら! 私が譲れない事ぐらい解るでしょう!?」
毅然と言い切った異聞世界のオルガマリーに対し、こちらのオルガマリーが言い返す。
すると、
『それは、なんのために?』
と、通信に映る相手が再びセレスタになり、何かを見透かしたようにニヤニヤ笑いながら、そう言った。
「それは、決まってるじゃない、人理の継続。この
『そうじゃない』
きっぱりと言ったオルガマリーの言葉に、セレスタは笑みを消し、立香達がこれまで見なかったような、酷薄そうな表情になった。
『誰かに認めてもらいたい。自分がその地位にあることを認めさせたい。自分の背負うものの大きさを解ってもらいたい……もちろん、最初の言い分が
「それのなにが悪いっていうのよ!」
オルガマリーが言い返す。
「誰も私を認めてくれない! 誰も私を解ってくれない! 誰も私を求めてくれない!」
『じゃあなんで他者を認めない!? 他者を解ろうとしない!? 他者の判断を尊重しない!?』
ヒステリックに高い声を出すオルガマリーに、セレスタは憤怒の混じったような表情と口調で言い返す。
『他者を見下しながら他者に怯えてる、それで他人が自分を理解してくれるわけないじゃない』
最後は呆れたように、セレスタは言って、小さくため息を
「別に……レフや……お父様だって……」
『それは “理解” じゃなくて “依存”』
自身の右腕を抱きかかえるようにしながら、今にも泣き出しそうな表情で言うオルガマリーに対して、セレスタはあっさりと言い返す。
「あの、ちょっと、言い過ぎなんじゃ……」
見かねたかのように、立香が言う。
『……まぁ、ちょっと、私も感情的になりすぎたか』
セレスタは、決まり悪そうに言い、頬を掻く仕種をした。
『亡霊みたいなものにここまで熱くなっても仕方ないんだけど』
「亡霊?」
立香が声に出し、マシュとともに顔色を変える。
『だって、汎人類史のオルガマリー・アニムスフィアは、そこで死んだんでしょう?』
セレスタは、済ました表情で言う。
『そこにいるのは、特異点に刻みつけるような形で残った、オルガマリーの記憶の一片。できることと言えば、 “かつてあったこと” をなぞるぐらい』
「…………」
セレスタの言葉に、オルガマリーはただ苦い顔をしている。
『その刻まれた情報があったから、
そこまで言って、セレスタは、ふぅ、と息を
『今は、汎人類史が、異聞世界が、とやっている状況じゃないの。人類そのものが、いえ、地球そのものがどうにかなる段階なのよ』
セレスタは、オルガマリーに諭すように言う。
「…………」
オルガマリーは、苦い顔をしたままだった。
『その特異点の、そう、攻略、と言うわね。特異点のオルガマリー。あなたはそこの情報をリピートしているから、そこの案内役には最適なんだけど……あなたが立香を容認できないならいいわ。アシストは困難だけど私がなんとかするから、あなたは黙ってついてきて』
「…………やる……」
「えっ?」
セレスタに言われて、ようやく絞り出したようなオルガマリーの言葉に、立香が反応する。
「やるわよ! ここの
「いいんですか?」
立香と共に驚いたような顔をしつつ、マシュが訊き返す。
「…………抵抗はあるけど……でも……せめて……綺麗な
「その、じゃあ?」
気持ちを吐露するオルガマリーに、立香が訊ねる。
「ええ、あなた達が無事に大聖杯のところまで辿り着けるよう、完璧な
そう言って、オルガマリーは顔を上げて、一瞬、通信越しのセレスタを見た。
「さて……」
立香が言い、気を取り直して、行動を開始する。
「目指す場所は、西であることは間違いないんだけど……」
大通りを、西へ向かって移動しようとするも ────
「あ、塞がっちゃってる」
ビルの瓦礫が大通りを完全に塞いでしまい、しかも、炎がそれを覆っている。
「炎の勢いもかなりあるよ。サーヴァントならまだしも、立香が突っ切るのは無理じゃない?」
ブーディカが言った。
「ああ、時間帯が変わって、ビルが崩れてきちゃったのね」
オルガマリーがそう言った。
「炎が強いところは濃い魔力溜まりにもなっているわ。立香の魔力汚染への対応は礼装頼みでしょ?」
「あ、はい……」
立香は答える。
科学文明に対応して変質している異聞世界の
「イケニの女王の言う通り、強行突破はやめた方がいいわね。迂回路を案内するわ。できるだけ安全な最短経路を行きましょう」
オルガマリーがそう言うと、
「さすがオルガマリー所長です。時間帯での変化を記憶してらっしゃるんですね」
と、マシュが感心したように声を出す。
「それぐらいしかできないって……いえ」
ついつい、険のある表情で言いかけたオルガマリーだったが、言い直す。
「あなた達には認められて終わりたいから」
オルガマリーが先導する形で、5人は燃える冬木の街の中を、炎と瓦礫を避けて歩いていく。
「あ……」
路地の跡を歩いていくと、進行方向から少し逸れたビルの残骸の前に、2人の人影が見えた。
「今のは、ソロモンと……」
「マリスビリー氏の姿に見えましたが……」
立香とマシュが、そう言って、オルガマリーの方を見る。
「そうみたいね。とは言え、害はないわ。あれも幻……この特異点で起きた出来事のひとつ、いえ、厳密にはここが特異点Xとして観測される、その直前の冬木での出来事、
『ちょっと待って、今の本当!?』
オルガマリーが2人に説明していると、それを聞いて、セレスタが通信越しに割り込んできた。
「ええ、本当。……ああ、これは今、初めて触れる情報だったのかしら?」
戸惑ったような声を出したセレスタに対して、オルガマリーは、それを冷笑するような、あるいは自嘲するような、笑みで答え、訊き返すような言葉を出した。
『
「そういうことよ」
セレスタが言葉に出すと、オルガマリーはそれを肯定した。
「さぁ、幻に囚われている必要はないわ。行きましょう」
「!」
オルガマリーが、険しい視線を前に向けて、立ち止まる。
「敵が近づいてきたわよ」
「!」
オルガマリーの言葉に、立香達の表情も引き締まる。
「サーヴァントが接近してきます……ですが……これは……」
マシュが、どこか呆然としたように、道路の先に視線を向けている。
その、道路の先から、1人の人影が、一見、歩いて接近してくる。
それは、黒い靄のような存在ではなく……────
「シャドウサーヴァント、では、ない?」
「そうみたいだね」
マシュが唖然としたように言うと、ブーディカがそう言いながら、立香とマシュ、それにオルガマリーを追い越すようにして、最前に出る。
「ブーディカ! それって……」
「うん」
立香が背後から声をかけると、ブーディカは、一瞬、苦笑しながら立香を振り返った。
「悪いけど、とりあえずあたし1人に任せてくれないかな」
目の前に近づいてくる存在に視線を向け直して、言う。
「でも……」
「話し合い、とか考えてないでしょうね?」
ブーディカの背中に、更に声をかけようとする立香に、オルガマリーがそれを咎めるかのような声を出した。
「もともと、ここは聖杯戦争の現場。サーヴァントとマスターが殺し合いも辞さずに争奪戦を繰り広げる場所」
オルガマリーの言葉を聞きつつ、立香が、気落ちしたような、ハラハラしたような、そんな顔でブーディカの背中を見る。
「まして汚染情報でまみれたこの場にいるサーヴァントに、話なんか通じるわけがない」
オルガマリーがそう言う間にも、ブーディカは正面のサーヴァントに向かって歩いていく。
その、正面のサーヴァントは、女性の姿をしているが ──── 黒い、自らを戒めるかのような、無数のベルトで構成された衣装を身に着けている。
そして、その顔は ────
「あたしがそんなに強くないのは解ってたけど、こう、鏡を突きつけられると、本当に情けないねぇ……」
そう言って、ブーディカは立ち止まり、自嘲するかのように、口元で苦笑しながら言う。
その視線の先には、霊装以外、同じ顔と姿の、黒いライダー。
「こんな悪性情報に侵されて、そんな姿になって……そのくせ、
ブーディカがそう言い、その一瞬の後。
ヒュッ
ブーディカと黒いライダーは、お互いに相手に向かって飛び出し、一気に間合いを詰める。
「舐める、なぁっ!」
一気に腰を落として、黒いライダーが持つ細身の剣の斬撃を躱すと、そのまま下から上へ向かって鋭く蹴り上げる。
黒いライダーの方は仰け反ってそれを回避する。追いかけるようにブーディカの槍の一撃が繰り出されるが、そのときには黒いライダーは、大きく間合いを取り直していた。
「お前が!
黒いライダーが声を上げる。
「憎しみを無理矢理に閉じ込めているのはお前だって同じだろう! 誤魔化しても見えるんだ! その槍の中に、憎悪の炎を隠してるってね!」
同じ顔でありながら、怒り顔でも狂気に駆られたようなそれで、黒いライダーは言う。
「別に、隠してるつもりはなかったんだけどね」
ブーディカはそう言いながら、間合いを探りつつ構え直す。
「私は! 私は憎しみで戦わないと……この姿は、それを戒めるためのものだ!」
黒いライダーは叫ぶ。
「だから、アヴェンジャーはもちろん、セイバーの召喚も
ブーディカの方から仕掛ける。
「その槍で、この守りを貫かせるものか! 『
黒いライダーの宝具、戦車の車輪の概念が防壁となって、黒いライダーを包み込む。
「憎しみを封じるなんて、耳ざわりはいいけど、そんなのいつか潰れるに決まってるじゃないか!」
迫りながら、ブーディカが口にする。
「この炎は確かに憎しみの具現化だ! でも、それを前に向けるか後ろに向けるかは、それこそあたし自身が決める!!」
銀色の槍から、赤黒い炎が吹き出し、太くも鋭い
「その
概念の防壁を、鋭い炎の槍は多少削がれつつも、破壊して貫いた。そのまま、炎の穂先が黒いライダーを呑み込み ──── そのすべてを霧散させた。
「先輩」
マシュの制止する声も構わず、立香はおずおずと近寄っていく。
「終わった、の?」
立香が問いかける声を出す。
「うん……なんとか。恥ずかしいもの、見せちゃったかな?」
ブーディカが立香を振り返り、苦笑しながら答えた。
「その、大丈夫?」
立香は、心配したような、不安なような、そんな表情で問いかける。
「え? ……ああ、大丈夫大丈夫。お姉さんを信じなさーい」
ブーディカは、笑顔になりながらそう言って、立香の額を軽く叩いた。
「さ、また状況が悪くなる前にここを抜けちゃおうよ」
「う、うん」
ブーディカさん、敵ではアヴェンジャーだったこと何度かあるのは知ってます。
でも、基本イベント時空だし、奏章IIのは巌窟王の作り出したものだし、こう解釈してもいいかなと。
具体的な感想をいただけると、続きを描くことが捗ります。
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ネモ・ガールマリーンの衣装について
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