Fairy Vanguard   作:TubuanBoy

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皆さんお久しぶりです。
最近執筆時間が大幅に削られた上に進み悩んでましてこちらももう一つの連載中の作品もストップしている状態からの今回の投稿です。
本編ではまだまだ序盤の短めのストーリーだったので一話にまとめてみたら中々書き終わらない………完成してみたら遅いはずいつもの二〜三倍の文字数………長めの話を除き、今後一括・一話分で投稿するかは読者の意見を聞きたいと思います。文字数に比例し時間がかかりますから文章の書き方から指摘を受け入れる方針です。

流石に次の話鉄の森編は二話以上に分けたほうがいいかな?


本に取り憑かれた者

 

ルーシィがギルドに入って数日、ギルドから歩いて通える場所に部屋を借り一人生活をスタートさせていた。

 

「もー!!なんで勝手に入ってきてるのよー!!帰って!!」

「やだよ、遊ぶんだから。」

「超勝手!!!」

 

ナツとハッピーは引っ越してきた場所に早速遊びに来ていた。

 

そこに引越し祝いとお土産を持ってアイチの妹エミがやってきた。

 

「ルーシィさん!!さっそく遊びに来ちゃいました!

あっ!これお土産のケーキです。どうぞ!」

 

「ハア、本当良い子よね貴方達姉妹は……」

「兄妹です。」

「不法侵入の上に太々しい態度をとるどっかの誰かさんとは大違いね。」

 

「ふごっ!!ほぐがぁぐわっひぐわっが!!(ん?そんな奴がいるのか?)」

「ってもう食ってるしーーーー!!!」

 

ルーシィはエミについてきた少年の姿が気になる。

 

「そっちの男の子はエミちゃんのボーイフレンド(男友達)?」

「ボッ……ボーイフレンドォ(恋人)!!!」

ルーシィは男友達の意味合いで言った言葉を勝手に勘違いし顔を赤らめながら叫ぶ。

 

「お前らも入れよ!お茶ぐらいは出すってさ。」

「…………それ、私のセリフね…………」

 

ルーシィは二人を招き入れお茶を飲みながら五人でトークを開始した。

 

「ヘェ〜カムイ君まだ小さいのにもう魔導師として難しい任務をこなしてるんだ!」

「あんまし子供扱いすんじゃねえぜ!これでもアイチお兄さんにも勝った事があるんだぜ!!」

「今は同じチームだけどね。」

 

カムイはエミの兄アイチと同じQ4のメンバー。

あれだけ強いアイチでさえチームを必要とするクエストがあるのだ。

まだ、クエストを受けた事のないルーシィには不安にかられる。

 

「チームかぁ…………

冒険活劇に仲間って要素は欠かせないし、いざとなった時に頼れる仲間は欲しいよね〜(ボソッ」

 

ルーシィがため息をする様に言葉を零すとエミが反応した。

 

「ルーシィさんなんか物書さんみたいなこと言うんですね。」

「え……ああえーと………」

 

口ごもるルーシィに何かを思い出すようにナツが少しにやける。

 

 

「チームだよチーム!!ルーシィ!!チーム組もうぜ!!」

 

「え!?」

 

※※※※※※※※※※※※※※※※

 

「うごぉぉぉぉ〜〜〜」

「御機嫌いかがですか〜〜ご主人様〜〜〜」

 

ナツはルーシィをチームに誘った。

変な奴だけど自分を認めてくれたと思いルーシィは上機嫌でそれをOKした。

了承を確認したナツは目的の品、二人の初仕事を提示した。

 

そのクエストの内容はとある伯爵家から本を取り戻す任務。

その伯爵はど変態で金髪メイドが大好物、ルーシィにメイド服を着させ任務を遂行させる算段であった。

流石のルーシィも自分が騙せれたことに気づき呻き回った。

 

今は移動の馬車でグロッキーになっているナツに囁かな復讐をしているところだ。

 

「大丈夫ですか?」

「心配いりませんよエミさん!何時もの事ですから。」

 

その場にいたカムイとエミは二人を心配しついてきたのだ。

 

「心配してついてきてくれたからね。20万Jが手に入ったらエミちゃん、一緒に買い物でも行こっか。」

「うん!!」

 

「俺はエミさんのためならたとえ火の中水の中!どこでもオフコースしますよ!!」

「エスコートね」

「ありがと!カムイくん!」

「いや〜〜それほどでも〜〜////」

 

ルーシィはカムイのエミに対する態度と他の人との態度が違うことに気がついた。

エミやその兄のアイチにのみ敬語を使い、アイチをお兄さんと慕う。

 

「ねえ、ハッピー。カムイくんってもしかして………(ボソッ」

「あい!気づいてないのは本人だけです。」

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

ナツが呻いているうちになんとか目的地のシロツメの街に到着。

男たちは腹ごしらえをしていると着替えてきた二人に目を奪われた。

「結局私って何着ても似合っちゃうのよねぇ〜〜

お食事はお済みですか?ご主人様。まだでしたらごゆっくり召し上がり下さいね♡」

「どうかな?似合ってるかな?カムイくん。」

 

ポロッ

 

二人がメイド姿に着替えて出てきた。

 

「ブフォ!!………………お……オレのハートにクリティカルトリガー!!!!」

 

メイド服をきたエミに悶えるカムイとは正反対の反応をするナツとハッピー。

 

「ナツ〜〜」

「おう。」

「どーしよぉ〜!!冗談で言ったのに本気にしてるよ〜〜メイド作戦。」

「今更冗談とは言えねえしな。こ……これで行くか」

「聞こえてますが!!!?」

 

「私、潜入なんて初めてだから心配だな〜〜」

言ってることとは正反対に期待に胸を膨らかせるエミ

「思いの外ノリノリの人が約1名…………」

「………心配しないでくださいエミさん。

エミさんを変態公爵の前に出すわけにはいきません………潜入はルーシィさん1人で十分です。…………」

「そっか………残念。」

 

※※※※※※※※※※※

 

 

腹ごしらえを済ませた四人は先に依頼主の所に行った。

本一つに二十万もかける人なのだからよっぽど裕福な人だろう予想通り家は立派なお屋敷であった。

 

「私が依頼主のカービィ・メロンです。」

「(メロン………この町の名前もそうだけど………何処かで聞いた事があるのよね………)」

 

「仕事の話をしましょう。

私の依頼したことはただ一つ、エバルー公爵の持つこの世に一冊しかない本『日の出』の破棄又は焼失です。」

「盗ってくるんじゃねーのか?

事実上他人の所有物を無断で破棄するのですから盗むのと変わりありません。」

「驚いたぁ………あたしてっきり奪われた本かなんかを取り返してくれって話かと……」

 

「……泥棒はとってもいけないことですよ?できれば訳を話してくれませんか?」

純粋無垢なエミにこの任務は向かなかったかもしれない。

所有権がエバルー公爵にある物ならばそれは犯罪であることは確かだ。

 

「いーじゃねーかエミ!二十万だぞ二十万!!」

 

「…………いえ、成功報酬は200万です………」

「にっ!!!?」

「ひゃ!!!!」

「くぅ!!!?」

「まぁ!!!?」

「んーー!!!」

 

格上げされたことを知らずにきた五人は驚く。

 

「な………なんで急にそんな………200万に………」

「それだけどうしてもあの本を破棄したいのです。

私はあの本の存在が許せないのです。」

 

依頼主メロンは顔を伏せ重い空気で語った。

 

「おおおおおおッ!!!行くぞルーシィ、カムイーーーー燃えてキタァァぁ!!!!!」

 

「おう!」

「ちょっと!!!」

「あっ!!!まってーーーー」

 

「(存在が許せない本ってどーゆー事!?)」

 

 

 

五人が立ち去った後、残された依頼主の妻が依頼主に言った。

「先週、同じ依頼を別のギルドが一回失敗しています。

エルバー公爵からしてみれば未遂とはいえ自分の屋敷に入られた事になります。

警備の強化は当然です。今は屋敷に入ることさえ難しいでしょう。」

 

「……わかってる………だが、あの本だけはこの世から消し去らねばならんのだ……

例え、あの悪魔(・・)相手であっても…………」

 

※※※※※※※※※※

 

 

五人は早速本強奪任務を始めた。

 

〜〜作戦その1・メイド作戦〜〜

 

当初の作戦メイド作戦を決行。

相手は超がつくほどのブ男、身体はボールのようで手足は細い異様な体型、右手に怪しげな本を携えていた。

 

ルーシィも正直鳥肌物だが、ここは200万の為、必死で我慢したのだが………

 

「いらん!!帰れブス」

「ブ…………」

 

「そーゆー事よ帰んなさいブス」

「え………ちょ…………あちゃーーーーーーっ!!!」

 

ルーシィはエルバーのお眼鏡には敵わず門前払。

ブタゴリラのようなメイドにより投げ飛ばされてしまった。

 

 

ショックを受け済みで泣いているルーシィに追い打ちをかける。

 

「使えねぇな」

「違うのよ!!!エルバーの美的感覚が特殊なのよ!!!!あんたも見たでしょ!?メイドゴリラ!!!」

「言い訳だ」

「きーーーーーくやしーーーーー!!!!」

「ルーシィさん………同情します………」

「エミちゃん………ありがとう…………」

 

〜〜作戦その2・突撃!!〜〜

 

 

突撃とは言え相手は悪党でもないし町の権力者でもある。

下手に強行突破すれば下手すれば軍が動く、それだけは避けたい。

ルーシィの指摘により隠密行動することにした。

 

ナツの炎で窓ガラスを溶かし、中に潜入。

誰にも気づかれないように静かに行動しているつもりであったが、監視用水晶によって五人の行動は筒抜けであった。

 

 

「誰かとっ捕まえて本の場所聞いた方が早くね?」

「あい」

「見つからないように任務を遂行するのよ。忍者見たいでかっこいいでしょ?」

「に……忍者かぁ」

「なんだか益々いけないことしてるみたいで気がひけるなぁ〜〜」

 

すると下のタイルが盛り上がり、中からエバルー公爵自慢のメイド部隊が地面から現れた。

 

「侵入者発見!!!」

 

 

「うほぉぉぉぉぉ!!!!」

「見つかったぁーーーーーっ!!!」

「きゃーーーーー!!!」

 

「ハイジョシマス」

排除の言葉に反応し怒りをこみ上げるカムイが魔法を発動させる。

「エミさんに手を出す奴は俺が許さーーーーーーん!!!

換装………バトロイド『バトルライザー』に俺様搭乗(ライド)!!!」

 

カムイはロボットを召喚しそれに搭乗した。

 

「うわっ!!ろ………ロボット!!」

その魔法を始めて見たルーシィは大いに驚いた。

 

カムイはそのロボットの手をメイド軍に叩きつけ、メイド長らしきゴリラにはその拳で軽々と吹き飛ばした。

「ライザー!!!……パーーーンチ!!!」

 

 

 

「カムイの魔法はアイチと同様、異空間から魔力駆動の機械兵器を取り出す魔法なんだ。」

「それでロボットを取り出すなんて……反則臭っ!…………」

「自分が操縦して自分の魔力を使って動かせば魔法の杖や魔法剣と大差ないって本人は言ってるよ。」

 

「で?アンタは何をやってるの?」

「…………忍者なんだろ?顔ぐらい隠さないと。」

首に巻くマフラーを顔に巻き顔を隠すナツ。

「すでに絶望的なまでに騒がしいから……」

 

あれだけ大きな音を立てておきながら誰もこの場に駆けつける様子がない。

五人は本の捜索を続けることにした。

 

次々と部屋を捜索するとエバルーの書斎を見つける。

部屋の壁中に積まれた本棚とぎっしり詰まった本の山は文学少女のルーシィにとって圧巻であった。

 

「エバルーって見かけによらず蔵書家なのね。

ここにある本を全部読んでるのなら少し尊敬しちゃうかも。」

 

「おいおい、ここにある本全部調べるのかよ。俺、本を読むと眠くなるんだぜ〜〜」

「だから屋敷ごとやいちまおうぜ。そうすれば任務完了だ。」

「カムイくんもナツさんも真面目にやってよ〜〜。」

 

普段から本など読まないし、調べごとも苦手なナツやカムイは早速だれていた。

 

「ねぇ、みてみてー。お魚の本〜〜」

「zzzzzzz」

「エロい本みっけーー!」

「ナツさん!!/////」

 

「おおおっ!!!金色の本発っけーん!!!」

「ウパー!!!」

 

「アンタら真面目に探しなさいよ!!」

その時、ナツが手にした本こそ目的の本であった。

 

日の出(デイ・ブレイク)!!!」

「見つかったのかよ!!」

「こんなにあっさりみつかっちゃって言い訳!?」

 

偶然手にした本が目的の本とは運がいい。

他の本と一緒になっている事を考えるとこの本自体エルバーにとってそこまで重要なものではないようだ。

 

「さて燃やすか。」

「ちょっ!!待って!!

これ作者ケム・ザレオンじゃない!?」

「あっ!私も知ってます。魔導師でありながら小説家だった人ですよね?」

「「知らんなーー」」

「あんた達本読まないからよ。」

 

ルーシィはその本をナツから取り上げると嬉しそうに上に掲げた。

 

「あたし大ファンなのよー!!

ケム・ザレオンの作品は全部読んだはずなのにーー!未発表作品って事!!?」

「いいから早く燃やそうぜ」

「何言ってるのこれは文化遺産よ!!

燃やすなんてとんでもない!!!」

「仕事放棄だ………」

「大ファンって言ってるでしょ!!」

「今度は逆ギレか………」

読書家のルーシィにはとても価値のある本の様だ。

本の破棄に手間取っていると本の主人が現れてしまった。

 

「ボヨヨヨ!!

貴様らの狙いは日の出だったのか。泳がせておいて正解だった!!

我輩って賢いのうボヨヨヨ」

 

「ほら!モタモタしてっから!」

「ごめん…………」

 

「(地面から現れた!?………魔法かな?………)」

「(にしても何だ、あの本。嫌な気配がする。)」

 

エバルーの異様な登場に推測を立てるエミ。

登場の仕方ではなくエバルーの手に握られた本の方が気になるナツ。

 

 

「フム………魔導師たちが躍起になって何を探していると思えば、そんなくだらない本とは」

「くだらない本!?

(依頼主が200万も払ってでも破棄したい本を所有者のエバルーまでもがくだらない本だって………)

も…………もしかしてこの本貰ってもいいのかしら?」

「嫌だね。どんなくだらない本でも我輩の物は我輩の物!!」

「ケチ!」

「黙れブス」

 

「じゃあせめて読ませて!!」

「ここでか!?」

 

緊迫する筈の状況でまさかのコントのようなやりとり。

その場に座り込み本を読み始めたルーシィに激怒したエルバーは自分が雇った傭兵たちを呼び寄せた。

 

「ええい!!気に食わん!!偉い我輩の本に手を出すとは!!お前たち!!仕事だ!!」

 

本棚の間からゆっくり三人の男が出てきた。

 

「グットアフタヌーン」

「こんなガキどもがあの妖精の尻尾の魔導師かい?」

 

狼の紋章が刻まれた服を着る二人、一人は大きなフライパンを装備する。

傭兵ギルド南の狼所属【バニッシュブラザーズ】の通り名を持つ傭兵であった。

 

この二人とも只者ではない雰囲気を出しているが少し遅れて部屋日入ってきた男は更に何段階も上の力を秘めていることにカムイもナツも感じ取った。

 

ピリッ!ピリッ!っと近づいてくる其の者の殺気を感じた。

 

その男はコートを着込み、独特の髪型に鋭い目をしていた。

 

「………カムイ…………」

「分かってる。あいつだけダンチだ……」

 

その特徴的な風貌に博学なハッピーはピンとくる。

 

「……【施棍の喧嘩屋 喧嘩屋(ブロウラー)アーク】!?」

「ハッピー!知ってるのか?」

「あい、今や国にも強い影響力を持つ傭兵ギルドの⒉トップの一つ、【なるかみ】所属の傭兵……確か問題行動の多いギルドの中でもかなりの問題児で独房に放り込まれたのも一度や二度じゃないとか…………」

「……なんでそんな奴がこんな所に………」

 

 

まさかこんな比較的小さい規模の依頼にビックネームの傭兵が絡むとは思わなかったハッピーたちは息を飲む。

 

「(上司に説教くらってこんな仕事しか受けさせてもらえなかったなんて言えない…)」

 

驚くカムイ達にそんな事を心に思うアークであった。

 

緊迫する空気の中、ガン無視で黙々と本を読ん読んでいたルーシィはある事に気づく。

 

「これ……

ナツ!!少し時間を頂戴!!この本にはなんか秘密があるみたいなの!!!どっかで読ませて!!」

 

いきなり走り去るルーシィ。

その会話を聞いていたエバルーが焦る。

 

「(秘密じゃと!?我輩が読んだ時には気づかなかった………こうしてはおれん!!)

作戦変更じゃ!!あの娘は我輩自ら捕まえる!!御前達はその小僧達を消しておけ!!」

 

エルバーは出てきたように地面に潜りルーシィを追っていった。

 

「……面倒なことになってきた……」

「エミさん、すいませんけどハッピーと一緒にルーシィの所に行ってもらいませんか?ここは俺たちが食い止めるので。ここは……」

「「俺たち2人で十分だ!!」」

 

アークが強敵なのは二人とも理解している。だからこそあまり戦闘に向かないエミを逃したのだ。

 

「我々に対し2人で十分だと?

どうやら妖精の尻尾の魔導師は自分たちが最強か何かと勘違いしているようだな。

しかし、所詮は魔導師、戦いのプロである我々にはかなわない。」

 

二人の挑発に反論したフライパンを持つ方の傭兵

 

「……しかし、獅子は兎を狩るにも全力を尽くすと言う。相性の良い相手をさせてもらう!!」

 

するとバニッシュブラザースの二人が向かってきて、その大きなフライパンと投げ技でナツとカムイを引き離した。

 

「とう!!」

バニッシュブラザーズのフライパン攻撃を避ける二人だがナツがもう一人に掴まれ投げ飛ばされてしまった。

その投擲は壁を軽々と破壊しナツを隣の部屋に移動させた。

ナツはうまく体制を立て直す。

 

「チッ俺の相手はこいつらかよ。」

 

「確かについてないな。何故なら火の魔導師は(ミー)の最も得意とする相手だからな。」

「ん?なんで火って知ってんだ?」

 

ナツはまだこいつらの前では魔法を使っていない。

バニッシュブラザーズの二人は惜しまず答えた。

 

「全ては監視水晶にて見ていたのだよ。」

 

「あの娘の鍵……所持(ホルダー)系星霊魔導師、契約数7。

猫は疑うまでもなく能力系『(エーラ)』、ガキ二人の男の方は所持(ホルダー)系『換装』で魔導兵器を取り出していた。」

 

「そして貴様は潜入するとき熱で窓ガラスを溶かしていた、能力(アビリティ)系火の魔導師。

もう一人の子供は知らないが、戦場から逃がしたところを見ると戦闘向きの能力者では無いだろう。」

 

少ない情報で的確に相手の能力を見抜いていったバニッシュブラザーズ魔法についてもそれなりの知識があるのだろう。それなのに先ほどから魔導師を蔑む傾向にあるのは魔導師のその性質によるものだった。

 

貴様(ユー)は魔導師の弱点を知っているかね?」

「ん?」

「肉体だ」

「肉体!!!?」

 

「そう、魔法とは知力と精神力を鍛錬せねば身につかぬもの」

「結果…魔法を得るためには肉体の鍛錬は不足する。」

「すなわち…日々、体を鍛えている我々には力もスピードも遠く及ばない。」

 

彼らの言っておることは正しい。

確かに一般的な魔導師に関してはその法則が成り立つかもしれない、しかし今彼らが対面している魔導師はただの魔導師ではなかった。

 

「………喧嘩屋が相手している少年の魔法こそそれを体現しているだろう。

未熟な肉体を補うために機械兵器によって身を守りながら魔法を行使する、非力な魔導士が戦うための最も有効的な回答だろう。………

しかし、それこそあの喧嘩屋には通用しない。そして貴様の魔法も我々には通用しない。」

 

その話を聞いてもナツは慌てるどころかまだまだ余裕があった。

確かに喧嘩屋は強そうだがカムイがそうやすやすと負けるとも思ってないからだ。

 

「アイツはお前たちが思ってるよりも100倍強ぇぜ………

そして俺はその更に100倍強ぇぜ!!!ぶっ飛べ!!!!」

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※

 

 

バニッシュブラザーズによりナツと引き離されたカムイはアークとの激しい戦闘を繰り広げていた。

 

「いっけーーーー!!『ライザー・カスタム』!!!」

カムイは先ほどとのバトロイドの後継機に搭乗しアークに攻撃を仕掛ける。

 

アークはその攻撃を難なくかわし、時には両手に持つ武器、ヤイバ付きのトンファーを振り回し攻撃を受け逃した。

 

「そんな鈍重な攻撃では俺は捕らえられんぞ。

妖精の尻尾の魔導士とはその程度か?」

 

「だったらこいつでどうだ!!行くぜ!!『ジェットライザー』!!!!」

 

別のバトロイドに換装。その姿は変わってないようにも見えたが背中に大きなジェットを搭載してあった。

ジェットの恩恵を受け猛スピードで突撃してきたライザーの拳はアークにヒットし大きな土煙をあげた。

 

「(当たった!!)」

機動力を上げた一撃をアークにヒットさせることができたがその攻撃はアークのトンファーによって見事止められていた。

 

「…………この程度か!?ならばその木偶の坊を破壊させてもらう。」

ギロッと鋭い目を更に釣り上げ殺気を高める。

カムイは気配の変異と周りの空気の異変に気がつく。

 

ビリッ!バリバリバリ!!!!

 

「(!!!………不味い!!!)右腕武装パージ!!!」

切り離した右腕は突如破壊され爆発した。

 

「…………いい判断だ……でなければ今頃黒焦げだ…」

 

「(…………電気!?………確かにロボットには有効だな。)」

 

「俺の名はアーク………電弧放電のアークだ。」

 

「(絶縁破壊…………回路をショートさせてくるのか…………

この攻撃ならたとえショートしなくても確実に動きが鈍るし、挙動がおかしくなる。

これ又相性の悪い相手だ…………)」

 

そして、アークは両手に持つトンファーを構えた。

今までとは構えが違う。

これまでは様子見と言わんばかりに本気を出そうとする。

 

「そしてこれが俺の施棍の真の姿だ。」

トンファーから雷が溢れ出し、刃を形成する。

 

「刃状のプラズマジェット………金属だろうがカーボンだろうが平気で切断できそうだなぁ。」

「その通りだ。これでお前のバトロイドの装甲をやすやすと貫ける。」

 

 

 

「へッ!!だったら近づかなければいいんじゃねーか!

バトロイドこ攻撃法が肉弾戦だと思ったら大間違いだ!!!搭乗(ライド)!『ターボライザー』!!!」

高出力・高起動・中遠距離仕様のライザー、その機動力で距離を取りエネルギーガンやミサイルで波状攻撃を開始した。

 

次から次へと放たれる攻撃、しかしアークはその攻撃を見切りかわし果てにはミサイルを真っ二つにして目にも留まらぬスピードで懐に入った。

 

「遅い……!!!」

 

アークはターボライザーの右足、左足、右腕、左腕果ては武装を切り離し、最後には本体に直接刃を突き刺し放電した。

 

「終わりだ!!」

 

ターボライザーは見事に爆発し木っ端微塵に砕け散った。

 

「…………うまく脱出したなぁ…………魔導士!」

「ハア………ハア………ハア………」

 

なんとかコックピットから脱出したなカムイは大きなダメージを受けていた。

 

「だが、お前に勝ちの見込みが無い。

お前は魔導士にしておくには勿体無いぐらい強かったぞ?

才能ある若者を潰すのは気がひけるがこれも仕事だ。悪く思うなよ。」

 

 

「……………勝手に決めんなよ…………

ロボット無しじゃ誰が戦えないって!!!?魔導士が肉弾戦しちゃいけないって誰が決めた!!」

カムイは左腕を伸ばし換装の魔法陣を展開する。

 

「換装…………左腕特殊武装『ライオン・ヒート』!!!!」

 

カムイの右腕には獣をモチーフにした機械武装を展開した。

 

「安心しろ。俺は(こっち)の方が強ぇ!!!」

 

この言葉がハッタリではないことをアークはカムイの目を見て悟った。

 

「退屈な仕事だと思っていたが、楽し気なってきたな!!」

「行くぜ!百獣の王の拳!!」

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 

「ぶっ飛べ!!!!火竜の翼撃!!」

 

その頃ナツはバニッシュブラザーズの二人を見事撃墜していた。

 

「な………なんだ………この魔導士は……………!!!!」

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

本を持って地下に逃げたルーシィは本を解析し、衝撃の事実を目の当たりにしていた。

 

「…………ま…………まさかこんな秘密があったなんて……………

この本は………燃やせないわ…………カービィさんに届けなきゃ…………」

 

ルーシィが立ち上がった瞬間、壁から手がで出来てルーシィを拘束した。

 

「ボヨヨヨヨヨヨ………風詠み眼鏡を持ち歩いているとは………

あなたもなかなかの読書家よのう」

 

手の主人はエバルー。

 

「さあ、言え!!何を見つけた!?その本の秘密とはなんだ!!」

「痛っ…!!」

 

「言え!言わないとこの腕へし折るぞ!!」

「べーーーーーー!!」

 

ムカッ

 

メキメキメキメキ!!

 

絶体絶命のピンチに天使の叫びが聞こえた。

 

「えーーーーいっ!!!」

「おおぉ!!ぎゃあああああああ!!!」

突如飛んできたハート形の魔法弾がエバルーの腕にヒットしエルバーはその手を離した。

 

「エミちゃん!!ハッピー!!ありがとう!」

 

エミは小さめの杖を構えていた。

先ほどの魔法は魔導士としては最もオーソドックスな魔力の塊を弾として放つものだ。

 

「…………でも、エミちゃんの魔法。

魔法弾の形と色をピンクいハート形にする必要あったの?」

「そっちの方が可愛いから。」

「……………」

 

エミの手に持つ小さめの杖はハートマークや星マークがふんだんに使われている所謂魔法少女が持ってる如何にもな杖である。

 

 

「ぐぅぅ……おのれ……………」

 

魔法弾がヒットしても決定打にはなれずエルバーは怒りを燃やす。

 

「形勢逆転ね………」

ルーシィは鍵を構えて威嚇する。

 

「ほぉう……星霊魔導士かボヨヨヨ

だが文学少女のくせに言葉の使い方を間違えているね。

小娘一人増えたところで我輩の魔法『土潜(ダイバー)』は破れん!!」

 

「オイラもいるのに完全に無視だね…………」

 

先程からエバルーが使っていた奇妙な移動方法はエミの予想通り魔法の一種であった。

 

確かにこの四方八方壁に囲まれているこの場では驚異的だ。

 

エミとルーシィは回避するのに精一杯といったところだ。

 

ルーシィは語り出した、この本に書かれていた事を。

 

この本は著者であるケム・ザレオンがエバルーに脅され三年間独房で書かされたものである。

この土地にはまだ封建主義が残っておりそこの権力者であるエルバーに逆らったら親族全員の市民権剥奪も可能らしい。

市民権を剥奪されれば親族の生活は苦しいものになってしまう。

自分の誇りとの戦いの三年間であったと。

 

普通に読めば内容はエルバー本人を主人公としたファンもガッカリの駄作であるが、解読すればこの本が書かれたひどい経緯が書かれていた。

 

しかし、この本に隠された秘密はそれだけではない。

このの著者ケム・ザレオンは魔導士。そう、この本には魔法がかけられている。

 

「だからこの本は渡さない!!てゆーかあんたに持つ資格なし!!

開け!!巨蟹宮の扉!!キャンサー!!!」

 

ルーシィは切り札の一つカニの手足を持つ美容師キャンサーを召喚した。

 

「(秘密じゃと!!?まさか我輩の事業の数々の裏側でも書きおったか!?

マズイぞ!あれが評議院の検証魔導士に渡ったら我輩は終わりではないか!!)

そうはさせん!!開け!!処女宮の扉!!バルゴ!!!」

 

エルバーは懐から鍵を取り出し、ルーシィと同じ魔法に周りが驚愕した。

 

「お呼びでしょうか?御主人様」

「バルゴ!その本を奪え!!」

 

先ほどカムイが吹き飛ばしたゴリラメイドが現れる。

まさか彼女も星霊であるとは思わず驚きも二倍であったがさらに驚きの事件が起きた。

 

ナツが偶然バルゴを掴んでおり、星霊が普段住まう星霊界を中継して瞬間移動を果たしたのだ。

 

「ルーシィ!俺はどうしたらいい!?」

「そいつどかして!!」

「おう!!」

 

相手が戸惑っているうちにナツは手に炎を纏いバルゴを撃破。

ルーシィは腰に装備した鞭を取り出しエルバーを拘束した。

 

「もう、地面には逃げられないわよ!」

 

その隙にキャンサーの攻撃がエバルーにヒットする。

 

「あんたなんか脇役で十分なのよ!!」

 

エバルーは倒れ、戦いは終結したかに思えた。

 

「やりましたね!ナツさん!!」

「…………」

「どうしたんですか?」

「………なんかやな予感がする。」

 

ナツが変な雰囲気を感じた。

すると倒れたエルバーの横にエバルーが戦闘時にも肌身離さず持っていた本が転がり本が開く。

 

「……………我輩が……脇役だと…………

我輩の物語はここで終わりだと?…………そんなの認めん…………認めんぞ!

そんなストーリー…………バットエンドにしてやる!!!」

 

本から立ち上る黒い煙に包まれ再び立ち上がる。

そしてその煙は悪魔へと姿を変えた。

 

「書物の悪魔!!…………もしかして………こいつの悪行の数々………まさか!!」

 

禁書と呼ばれる魔道書の中には悪魔が封印されているものが多い。

魔導士であり、蔵書家であるエルバーが偶然手にしてもらったものであろう。

 

実体のないこのタイプの悪魔は持ち主の欲望に反応し持ち主の体を乗っ取ったのだ。

『ストーリー・テラー』それがこの悪魔の名前であった。

この男、エルバーの本に対する執着と自分の地位に対する欲望を糧に力を貯め。

この男に理性を超越した悪行を仕向けた張本人である。

 

悪魔はその大きな体から繰り出される攻撃をルーシィに放つ。

 

「エビ!!!」

「キャンサー!!」

 

キャンサーがルーシィをかばいこの攻撃を受け戦闘不能になってした。

というか蟹なのに語尾がエビなことにルーシィ以外の全員が心の中で突っ込んだ。

 

「ルーシィさん!下がってください!!えいっ!!!」

 

エミは魔法弾を放つが攻撃力が足らず、悪魔は平気そうだ。

 

「やっぱりこのままの姿で攻撃しても倒れてくれないかぁ〜〜」

「でもそこに水があるから全力が出せるよ!」

 

ハッピーが横の大きな下水を指差し

エミの魔法の真骨頂はルーシィのアクエリアスのように水場で発揮されるものなのだろうか。

 

「エミちゃんの魔法も水場の条件があるの!?」

「はい………そうなんですが………下水ではあんまり使いたくないですね………」

「………それならしょうがないね………私もそうだし。」

 

確かに下水なんかでアクエリアスを呼び出したら後でどんな仕打ちを受けるのだろうか。

 

「火竜の…………鉄拳!!!!!」

ナツの炎を纏った攻撃を悪魔にかまそうとした。

 

バシッ!!!

 

悪魔はその攻撃を見事受け止めた。

 

「!!!!ナツが力負けた!!!」

 

火力自慢のナツの攻撃を受け止めた。

この悪魔の原動力はエルバーの欲望、とんでもない力だ。

 

「火竜の鉤爪!!!」

ナツはすぐ様足での攻撃に切り替え悪魔に一撃を入れた。

 

スカッ!!

 

攻撃が入ったと思われた瞬間その攻撃はすり抜けた。

元々実体のない悪魔なのだから実体化の有無は自由自在だ。

 

「すり抜けた!?実体の有無は自由自在なの!?

だったらエバルー本人に攻撃よ!!行けーー!!ナツ!!」

「ルーシィ………何にもやってないね。」

「アンタも人のこと言えないし、私があんな化け物敵うわけないじゃん。」

 

「どわっ!!」

エバルー本人に攻撃しようとしたナツに降りかかる悪魔の攻撃、ナツは躱せたがこれでは攻撃できない。

 

「これじゃあ攻撃できない……………」

 

するとエミがある作戦を立てた。

 

「…………ルーシィさん。」

「どうしたのエミちゃん?」

「あの悪魔の本を狙いましょうルーシィさん。悪魔の発生源ですから狙うのが難しいですけど私が魔法で悪魔を引きつけます。ルーシィさんはその間に本を奪ってください。

後はナツさんの魔法で本を焼き払えば…………」

 

「ダメよ危険すぎる!もし失敗したら………」

「大丈夫です!私信じてますからナツさん達妖精の尻尾の仲間を……そしてルーシィさんの事もね!」

「…………わかった………ナツ!聞いてた!?」

「おう!!」

「ハッピーはエミちゃんをサポートして!!」

「あい!!!」

 

四人は覚悟を決め作戦に移った。

 

「当たってーーー!!!!」

 

エミはエバルーに向かって魔法弾を放った。

宿主を守るのはデフォの様で悪魔は実体化してエバルーを守るしかない。

 

「いけ!」

ルーシィは鞭を使い針の穴を通すかのような攻撃でエバルーの手元にある本を弾いた。

 

「ナツ!!」

「任せろ!!火竜の咆哮ぉぉぉぉ!!!!」

 

ナツは弾かれた本に目掛け、火炎放射を禁書にぶつけた。

 

「「ぎゃあああぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ!!!」」

エバルーと悪魔はシンクロするように苦しみ出しエルバーはその場に倒れ、悪魔は消滅した。

効力を失った禁書はチリになって消えた。

 

それを確認した四人は歓喜をあげた。

 

「やったなエミ!!」

「はい!!」

 

パンッ!

 

エミとナツは仲良くハイタッチする。

 

「ルーシィさんも。」

エミは笑顔でルーシィの前に手を掲げた。

 

「ありがと。エミちゃん!」

 

パンッ!!

 

その時、ルーシィはチームで動くことがどういう事なのかわかった気がした。

エミとカムイが今回ついてきたのはそれを教えてくれるためだったのかもしれない。

 

 

※※※※※※※※※※※※

 

 

一方その頃、強敵アークと戦っていたカムイは…………

 

 

「ふぅ〜〜〜〜〜どうやらあっちは終わったようだなぁ。」

「任務失敗、お前たちの勝ちだ。これ以上戦う理由は無いな。」

「意外だなそんなの御構い無しで戦い続けるのかと思ったぜ。」

「俺がいくら戦闘狂でも時と場合を考えるぜ。」

 

この短くも濃密な戦いの中で軽い友情が芽生えていた。

 

「全く………お前たちのお陰で骨折り損のくたびれ儲けだぜ…………

まあいいけど……

それにしてもお前、なかなかやるじゃねえか。どうだ?俺と一緒に来ないか?

お前を魔導士にしとくには勿体無い。仕える価値のある男を紹介してやる!」

 

カムイは傭兵ギルドからの勧誘を受けたがその気は全くなかった。

 

「いい話かもしれないが俺は今が楽しくてしょうがないんだ。悪いが断らせてもらうぜ。」

「だろうな。また機会があった殺り合おうぜ。」

「おう!またな!!」

 

アークは去っていった。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

その後目的の本を依頼主カービィ・メロン、本の著者ケム・ザレオンの息子に渡すと本にかけられた魔法が発動。

本の文字が書き換わり真のストーリーが現れた。

 

父が残した最後にして最悪の本を躍起になって破棄しようとした息子カービィは父の真意を知ると涙を流し喜んだ。

 

そうしてこのクエストは終わりを迎えた。

 

 

 

 

 




ナツに対するバニッシュブラザーズ、カムイに対するメタとしてアークを採用したのですが、序盤登場のキャラとしては強くしすぎましたかね?
今話のように今後は色々なメンバー、ヴァンガキャラ、ヴァンガユニット、フェアテキャラを絡ませたいと思います。
ヴァンガキャラ、ヴァンガユニットはフェアテ世界のいたる組織、団体に差し込んで行く予定です。

【キャラクター紹介】
名前:カムイ・カツラギ
所属 妖精の尻尾 年齢12歳
魔法 換装(バトロイド・グラップル)

使用クランノヴァグラップルの能力を再現、漫画でのライザーでの戦いが一番近いです。
ロボに乗って戦いますけど直接的な戦闘も得意。
エミちゃんが好きなのは原作通り。
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