Fairy Vanguard   作:TubuanBoy

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二年間放置していましてすいませんでしたm(_ _)m
先日の久々に感想をもらって時期的にちょうど手が空いたのでなんとか投稿できました。


最強メンバー

 

シュティルと呼ばれる侍と鉄の森の残党に担がれた傷だらけのアイチとミサキ。

その姿を見て落ち着いていられるエルザではなかった。

 

「貴様ぁぁ!!よくも!!」

 

「おっ、勘違いするな。

これは問答無用で向かってきたこいつらが悪い。

全く、血の気の多い連中だよ。」

 

心当たりしかないエルザはその意見に賛同せざるえなかった。

 

「…………う…………確かに。」

 

「私はお前達と話し合いに来たんだ。」

「話し合い?」

 

「取引といったほうがいいな。

私は闇ギルド【闇の異端者】(ダークイレギュラーズ)が一人。

そちらがこちらの条件を飲むのなら、お前らが苦戦しているこの魔風壁を解除してやるといっているんだ。」

 

「出来るのか!?この魔風壁を!?」

 

エルザでも抜け出し不可能な魔風壁をこの男は出来るという。

エルザは焦ってた、しかし力でこの男をねじ伏せる事は現状不可能だと理解していた。

 

「くっ…………しかし………」

「闇ギルドの人間の言葉を鵜呑みにするわけにはいかないか………

確かにな、私はどちらでも構わないがな。」

 

「ヴァンピーアさん!!そりゃねぇっすよ!!」

横でアイチを抱えるカラッカが心配そうにいう。

 

「お前達の仲間も無事で帰って来るのだ。

悪くない交渉だと思うぞ?」

 

「内容はなんだ。

こちらの要求は仲間の解放と魔風壁の解除だ!!」

「こちらの要求はただ一つ、ここに倒れている元鉄の森の構成委員を警察に引き渡すのをやめて欲しい。」

 

「犯罪者を野に放てと?」

「こいつらは好きでこんなことをしていたわけじゃない。

そう言った仕事しか出来ないからそうしたんだ。

 

こいつらの身柄は我々闇の異端者が責任を持って預かる。

奴らも適材適所の仕事を与えてやればもう表の連中に迷惑をかける事はなくなるだろう。」

 

エルザはシュティルの言葉に納得した様でウンと首を縦に振った。

 

闇ギルドに属するものとは言えバラム同盟に所属していない彼ら【闇の異端者】の性質はエルザもよく知っている。

アイチやミサキは知らないがS級ともなれば彼らが絡む仕事も出来て来る。

エルザはその辺しっかりと理解していた。

 

「魔風壁の解除を頼んだ。

グレイ、ナツ、二人を頼んだ。」

「「おう!!」」

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

魔風壁を前に二本の刀を構えるシュティル。

 

「言い忘れたが私は解除魔導士ではない……

しかし、我が名刀は全ての魔を切り裂く。」

 

彼は元々東洋の対魔士、標的の吸血鬼を求めこの地に来たが逆にその魔の虜になってしまった。

 

しかし、皮肉といえよう。

吸血鬼という自らが魔とする存在になってその力が強くなったのだから。

 

「魔を持って魔を制する………我が刃は全ての魔を切り裂く!!」

 

目にも留まらぬ速さで抜刀された刀。

その刃は風を切り裂いた。

 

 

「す………すごい………」

 

あれだけ猛威を振るっていた魔風壁をいともたやすく切り裂いたことにルーシィは驚く。

 

 

「こんなもんだ…………

約束通り残りのメンバーは私が引き取る。

エリゴールは我々でも手に負えない輩、止めれたらそちらの好きにしてもらっても構わない。」

 

「ああ、そうさせて頂く。私達の親に手を出したことを後悔させてやる。

だが、カゲは私達で引き取る。彼は早く医者に見せたほうがいい。」

 

鉄の森のメンバーで一番時間を要する重症なのは彼だけだ。

町中に誰もいないのだから隣町まで行って早く医者に見せたほうがいい。

 

「ああ…………早く行け。間に合わなくなるぞ?」

 

 

「それなら大丈夫よ。」

 

エルザとシュティルの会話に目覚めたミサキが口を挟んだ。

 

「………神の御告げとやらか?」

「違うわよ。ナツとハッピーが行った。……大丈夫、ナツは勝つから。」

 

グレイとルーシィは言われた初めて気がついた。

言われて気がつく二人がいないことに。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

「あの町だ。見えてきた」

 

エリゴールは風の魔法を使い目的の場所へと飛んでいると背後から超スピードの物体が飛んで来た。

 

 

「コレが………

 

ハッピーの…………

 

MAXスピードだぁ!!!!」

 

ハッピーに捕まり超スピードでエリゴールに追いついたナツはエリゴールを止めるために立ちはだかった。

 

 

「キ……キサマ………

なぜこんな所に…………」

 

「お前を倒すためだ!!!!」

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「あの火の玉小僧死んだな…」

 

ミサキの治癒の魔法の効果を受け、まともに動けないが喋れるほどには回復した様だ。

現在は魔導四輪をパクリ、ナツ達とエリゴールを追いかけている最中だ。

 

「なんでそいうこと言うかなァ

ミサキさんだって勝つって行ってるじゃない!」

 

「ふふ、いかれた女の妄想なんてなんの根拠にもなれやしないさ。」

 

「おい……………」

「え?」

 

振り返ると剣を構え首元に伸ばすアイチの姿があった。

 

「ミサキさんを侮辱するのは僕が許さない!

言葉には気をつけろ、次がお前の最後の言葉になるぞ。」

 

アイチは仲間がバカにされる事を酷く嫌う。

 

「おい、アイチ。せっかく助けた奴を殺そうとするんじゃない。

あとおまえ、なんでナツが勝てないと思うんだ?根拠は?」

 

カゲは得意げな顔で言った。

 

「火の魔法じゃエリゴールさんの暴風衣は破れない。絶対に」

 

それを聞いたアイチは「なんだ、そんな事か」と言う様な顔をして剣を納めた。

 

「うちの守護竜を舐めないほうがいいよ。」

 

「守護竜?」

 

この世界には各地に守護竜の伝説がある。

聖域の聖母竜、楽園の聖樹竜など。

 

「彼の魔法は失われたドラゴンの魔法。風なんかじゃ消えないよ。」

 

聖域に守護竜がいる様に妖精の尻尾(僕らのギルド)にはナツがいる。

アイチはそう言いたいのだ。

 

 

「…………あのギルドを壊す破壊神が守護竜!?………

アイチ………冗談はよしてくれよ。」

 

アイチの言葉に頭を抱え反論したのはエルザ。

そして残るメンバーもそれに賛同した。

 

この後、ナツの元にたどり着いたカゲは驚く事になる。

アイチとミサキの言った通りになったと。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「ひぃぃぃ〜〜ひぃぃぃ〜〜

ヴァンピーアさん!手伝ってくださいよ〜〜」

 

ヴァンピーアに救われたカラッカは仲間を全員荷車に乗せて必死に運び街を出ようとしていた。

 

「おまえの仲間だろ…しっかりやれ。」

 

「…カゲ………………妖精の連中に連れてかれちまったけど良かったんかな。

ありゃあ、あのまま刑務所行きですよ?」

 

「あいつはいいさ……………」

 

ヴァンピーアは気づいていた。

彼は環境が悪くてそうなってしまっただけで、本当は闇ギルドに入るべき人間ではないと。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

駆けつけた妖精の尻尾の一行は戦いに勝利したナツを確認。

コレで首謀者をやっつけ一件落着かと思いきやまともに動けないとたかをくくっていた影山が行動を起こした。

 

 

一瞬の隙をつきララバイを妖精の尻尾から奪還したカゲヤマは満身創痍になりながらも目的の街にたどり着き計画に王手をかけていた。

 

しかし、拭こうとした時、妖精の尻尾のマスター・マカロフによってその悪行を悟られていた。

 

 

「参りました。」

 

計画を断念し、両膝をついて頭を下げるカゲヤマ、マカロフもヴァンピーアもそれができる人間だと信じていたのだろう。

 

 

コレで事件は今度こそ解決だと思われたが、そうでは納得いかない者が一人(?)だけいた。

 

 

『カカカ………どいつもこいつも根性のねェ魔導士共だ!

もう我慢できん!ワシ自ら食ってやろう………

 

貴様らの魂をな………』

 

 

ゼレフの書の悪魔、それがララバイの正体であった。

ゼレフ、それは大昔に存在した歴史上最も凶悪だった黒魔導士。

何百年も前の負の遺産が今ここで目覚めたのだ。

 

 

『さあて……どいつの魂から頂こうかな?

決めたぞ!全員まとめてだ!!』

 

小さい山ほど大きい悪魔はその大きな口を開けて邪殺の音を響かせた。

 

その場にいた他のギルドマスターは逃げようとしたが、彼らだけは違った。

 

 

「来て!神鷹一拍子!!」

 

ミサキは月影の勾玉を装備し、大きい鷹に乗って悪魔に向かって行った。

 

神霊魔法、それも神をその身に宿す「神おろし」とその神の使いを呼び出す召喚魔法を同時に行う高等テクとサラッと行う。

 

次に行動に起こしたのはエルザ。

彼女も得意の鎧の換装を瞬時に行い悪魔の足に太刀を入れた。

 

 

「こいつも鎧の換装!?なんて早さだ。」

 

四つ首の猟犬のマスターさえもが声えおあげるエルザの実力。

 

「おりゃおりゃああああ!!」

 

悪魔によじ登り蹴り一つで悪魔をよろけさせる。

身体能力に乏しい(ハズの)魔導士ではあり得ないことだ。

 

『小癪な!!!』

 

ララバイの悪魔は口から魔法弾を放つがナツはヒラリと躱す。

 

しかし、その流れ弾が他のギルドマスターに向かう。

 

「アイスメイク!『盾』!!」

 

瞬時に氷の盾を作ったのはグレイ。

造形魔法、それは魔法に形を与える魔法。

そして、形を奪う魔法。

 

「アイスメイク!『槍騎兵』!!」

 

グレイの手から放たれた槍は悪魔の腹に大穴を与えた。

 

「いまだ!!」

 

大ダメージを与え、隙を作ったグレイの合図で他のメンバーがとどめに入った。

 

エルザがまた瞬時に鎧を換装させる。

 

黒い羽を持った鎧に。

『黒羽の鎧』一撃の破壊力を増大させる魔法の鎧だ。

 

「右手の炎と左手の炎………合わせて………

『火竜の煌炎』!!!」

 

ナツは高濃度の炎を拳に集中させ悪魔に振り下ろす。

 

 

「迷えし闇を慰め、天へと導け!!

『月影の勾玉!!』」

 

神器を配置し終えたミサキはその力を解放させ悪魔に浄化の光を放つ。

 

エルザの剣、ナツは拳を、ミサキは光で攻撃した。

最後に待ち構えるは準備を整えた騎士王の姿だった。

 

「……力を借りるよ。アルフレッド………」

 

王都を守る第一騎士団、その団長は代々騎士王の家系が務める。

今のアイチの姿は今代の騎士団長と同じ姿(レプリカ)

 

「あれは騎士王の武装!?

王族にしか使いこなせない武装を何故彼が!?」

 

彼が使える武装はブラスター・ブレードだけではない。

騎士団のあらゆる猛者たちの武装が彼の元に集まっている。

 

「エクス………カリバァぁぁぁぁぁ!!!!」

 

アイチの閃光の刃が、そして他の四人の魔法が悪魔を粉々に消滅させた。

 

それを目の当たりしたルーシィと他のギルドマスターは驚愕した。

 

「ゼレフの悪魔がこうもあっさり………」

 

「凄い……これが……………」

 

 

妖精の尻尾最強クラスの魔導士の実力。

 

ルーシィはそう、呟くが妖精の尻尾にはまだまだ実力者が沢山いる事を知らない。

 

 




また、取り敢えず書くのを再開したいと思います。
もう一つの作品もあるので亀更新かな〜
僕のモチベーションは皆さんの応援です!よろしくお願いします!

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