というわけでひさしぶりの本編です
『遊ぶ気は無い』という言葉のとおり、ブロリーは本当に容赦が無かった。
セルと悟空が相対していたときはハイスピードでの打ち合いが結構長い時間続いていたんだが、何というか今のこの闘いはミもフタもない。
ブロリーの一撃がいちいち重すぎるのだろう。
幾度目かの重々しい打撃音と共に腹をぶん殴られたセルが苦悶の声を上げて後退り、しかし膝をつく前に再び体勢を立て直して反撃を試みる。
しかし撃ち込まれたその拳を右、左と難なく受け止めたブロリーは涼しい顔のまま息を乱した様子もない。
両手がそのまま組み合いに移行した頃、対照的に余裕の無さそうなセルはそれでもまだ不敵な笑みを浮かべていた。
「ふ、ふふ・・・言うだけのことはあるようだ。仕方ない、私の真のパワーをお見せするとしようか・・・!」
そういやあったなあそんな段階。割と今の状態でもボコボコにされてんのにまだ余力を隠した状態だったとは恐れ入るぜ。
・・・ただし、まだ全力を出していないのはブロリーも同じことだ。
セルの体格が若干増し、溢れ出る気の輝きも各段に増えた・・・が、しかしそれと共に組み合っていた両手がセルのパワーアップとまるで反比例するように徐々にセルの側に押し込まれ指がひしゃげていく。
「ば、ばかな・・・!!何故・・・!?」
単純な話。セルが全力を出すというからブロリー側も出力を上げただけのことだ。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」
地を這うような低音の、しかし獣を彷彿とさせる雄叫びを上げたブロリーはどんどん気を膨らませ体格もセルを上回る勢いで増していく。そして視界いっぱいの色が一瞬塗り替わったような不思議な光景と共に気が爆発し、ブロリーはそのまま伝説の超サイヤ人形態へと姿を変えた。
うひゃ~!!あのエフェクトそのまま現実になるんだ~!!
俺、初回の変身シーンは気絶してて見逃しちゃったからなあ。感動もひとしおだよ。
ひっそりしみじみしていると、セルの悲鳴が辺りに響き渡って俺は再び視線を向ける。
組み合ったままだった両手をそのままブロリーに握りつぶされたらしく、セルの両手首の先がたいへん可哀想なことになっていた。
隣で見ているクリリンも「ひぇぇ」と慄いた様子で声を上げている。
「う、ぐぉぉぉ・・・!!」
さすがに両手を潰されたままにはしておけなかったのか、まるでトカゲの尻尾切りみたいにセルは自ら両腕を落として即座に再生させた。器用だなあ。
肩で息をしているセルに対してブロリーは無傷のフルパワー。
・・・そこから先はもう、ほとんど一方的な蹂躙でしかなかった。
原作でのSS2に覚醒した悟飯は一発打ち込んでセルが弱り始めるとそこで攻撃の手を緩めていたが、ブロリーはそれをしない。
只でさえクソ重い弩級の拳が、もう何発セルの腹へ叩き込まれたことやら。
なお、「攻撃するのはなるべくおなかにして」というのは俺からのオーダーだったりする。出来れば18号は回収してあげたいし、それによって完全体が崩れ次のフェーズに進むからだ。
最悪完全体のまま消し炭にしてしまったとしても後々17号と一緒に生き返れはすると思うんだが・・・一応念のため。
まあそんな思惑も働き、タコ殴りにされっぱなしのセルはもう既にフラッフラだ。
「な、なんなんだ、貴様はぁぁ!!」
「残念だったなあセル。だから言っただろ?ブロリーはサイヤ人でもオラたちとはまた違う、伝説の超サイヤ人ってヤツなんだとよ。強さも別格だ」
「ふ、ふざけるな・・・!!」
前試合でのやりとりがハッタリでは無かったことを悟空が改めて口にすれば、激昂したようにセルは怒号を上げる。
「人類の存亡を賭けたセルゲームの直前というタイミングで!偶然絶滅したはずのサイヤ人の生き残りが見つかり!!偶然それが伝説の存在だっただと!?そんな都合のいい、出来過ぎた話があってたまるかぁ!!!」
たしかに。
セル視点だとめちゃくちゃ理不尽な話で草。
少なくとも、ウキウキでTV乗っ取って開催宣言してたあの頃は間違いなく自分が宇宙最強だと信じて疑わなかっただろうになあ。
でもしゃーないじゃんマジでたまたまこのタイミングだったんだからさ~。恨むならパラガスのおっちゃんを恨めよな。もういないけど。
もはや悲痛な叫びにも聞こえるセルの言葉も、しかしブロリーからすれば知ったことではない。
大きな掌に掴まれて岩へ叩き込まれたセルの、これまた腹目掛けて飛び上がったブロリーが巨体の全体重を乗せ勢いよく踏みつけた。
あ、あれ原作映画でも悟空にやってたやつだ!ゲームでもよく見る技。
腹ばかりに集中して掛け続けた圧についに耐えきれなくなったのか、セルは嘔吐いて18号を吐き出した。
そしてそれと同時に姿が変わる。第二形態だ。
「か、完全体が・・・そんな、馬鹿な・・・・・!」
「ふん・・・ムシケラにしては頑張ったほうだが、この期に及んでパワーダウンとは。とうとう終わりの時が来たようだな」
あ、聞き覚えありすぎるセリフが若干混じってきた。
原作崩壊して回収できなかったぶんここで一気に聞けちゃったりするんだろうか?
「ち、ちくしょう・・・!!ちくしょおおおーーーっ!!!!」
セルのほうもなんか見覚えある悔しがり方で再度激昂し、ブロリーに食って掛かるが到底敵いはせず再び正面からぶん殴られ吹っ飛んでいった。
「・・・ゆ・・・ゆるさん・・・・・!!貴様だけは・・・ゆるさなぁーーーい!!!!!」
瓦礫の中から立ち上がってわなわなと震えたセルはついに最終手段に出たのか気を爆発させ、徐々にその身体を肥大化させていく。
これまた見覚えのある、風船みたいに膨れた姿になってしまったセルは勝ち誇ったような顔で不敵に笑った。
「ふはははは・・・貴様らはもう終わりだ!!あ・・・あと1分で、オレは自爆する・・・オレも死ぬが貴様らも全部死ぬ・・・!地球まるごとぜんぶ、道連れだ・・・!!」
悟空以外のZ戦士たちが驚愕する中、しかしブロリーだけはその様子に構うこともなくこっちを振り返る。
「シロ!」
「おっけ~」
今のところ全て予定通り、ここまで来れば俺の出番だ。まかせんしゃい!
俺は膨れ上がったセルの傍まで即座に転移し、そのぶよぶよの腹に触れる。うひ~、虫っぽい~。
そしてブロリーのほうへ振り返って手を振った。
「な、なんだ・・・!?」
「そんじゃ、ちょっといってくるね~」
困惑するセルと共に新惑星ベジータの宮殿跡地へ転移。
そして今やだれもいなくなったその星にセルだけを残し、俺は即座に離脱!
奴はどこだここはと慌てた声を上げていたが、わざわざ答えてやる義理も時間もない。ゆっくりしんでいってね!
もう何度目かわからないシャモ星へ移動した俺は空を見上げ、そしてその数秒後に空の一角がチカッと光ったのを見た。
目視確認よーし!
転移先の候補を確認すると、さっきまであったはずの新惑星ベジータが消えている。
転移ポイントの消失確認よーし!
これで新惑星ベジータ共々セルが爆発したのは間違いない。
置き去りにしてしまっていたおっちゃんもこれでやっと跡形もなく消えられただろう。・・・待たせてごめんな。
シャモたちへも新惑星ベジータがついに無くなった旨を簡単に伝え、そのまま俺はブロリーの元へ戻る。
「ただいま~。ちゃんとじばくしたよ、セル」
「無事か。・・・しかし、すぐにまた戻ってくるんだろう?」
「うん、そのはず」
この辺りの展開がどうなるかという情報は事前にブロリーへ共有済み。
自爆後に残った核から再生してすぐ、パーフェクトセルになった状態で地球に舞い戻ってくるはずだ。
そこまで長い時間じゃなかったはずなんだが・・・。
そのまま1分、2分、5分・・・・・、
・・・あれ?来ないな・・・・・??
核ごと逝ったか?
いやそんなわけ・・・・・?
「・・・しんじゃったかな?」
ぽつりと溢した俺の言葉に、未だ変身を解かないブロリーは同じく見上げながらぽつりと返した。
「・・・・・いや、"いる"」
やっぱ生きてんのか。
え~・・・?
原作だとあの時たしか瞬間移動で即座に・・・・・ん?瞬間移動?
・・・あ!!
悟空じゃなくて俺が連れてったから!!
アイツたぶん瞬間移動ラーニング出来てねえんだ!!俺の転移って技じゃなくて魔法由来だから仕組みも全然ちげーし。
そりゃすぐには来ねぇわ。新惑星ベジータからここまでえっちらおっちら飛んでこなきゃなんねーんだもんな。
な~んだそういうことか~と得心がいったが、笑ってるのは俺だけで他の皆は空を見上げ表情を硬くしていた。
「な、なんだこれは・・・!!本当にあのセル、なのか・・・!?」
ピッコロさんのその言葉にどことなく違和感をおぼえた俺はどゆこと?と周りを見渡した。
するとクリリンが青い顔をしながら悲鳴のような声を上げている。
「セルの気が・・・こっちに近付きながらどんどん膨れ上がってんだ・・・!さっきとは比べ物にならないくらいに・・・!」
あー、パーフェクトセルは大体SS2相当らしいから倍くらいにはなってるんだっけ。
しかし聞けば今皆が感じている気は先程の2倍どころではないという。
・・・え?なに?
もしかしてまた何か知らないとこで想定外の事態でも起きてんの?
隣のブロリーを見上げれば、彼も同じく表情は明るくない。
「・・・・・やばそうなかんじ?」
「どうだろうな」
まじかよ。
ブロリーまでそんな反応ってことは結構よろしくない状況になってる可能性がある。
そしてさらに十数分ほど経った頃、やがて"それ"は現れた。
激しい閃光と共に天から降ってきたそれが爆音と共に地上に降り立つ。
セルには間違いないんだろうが、登場の仕方もさることながら・・・なんだか様子がおかしい。
なんというか、すごく荒々しいのだ。
俺の知ってるパーフェクトセルは完全体になったときに輪をかけて、その余裕からか紳士ぶった振る舞いをしていたような気がするんだが。
・・・なんでそんな、"獣じみた"ご様子なんです・・・??
低く唸り声を上げ、体勢低く構えたその顔は目も血走っていて・・・あ、瞳の色紫だったのになんか金色してる。
それを見た俺は既視感に気づいた。
ねえ、なんかさ。
あれ、超ブロがブチ切れたときの人間形態大猿。あれに似てない?
え?まさかなんか突然変異起こしてパーフェクトセルの状態からさらに戦闘力10倍になったとかそんなふざけたこと言わないよね?
確かに大猿由来の強化と超サイヤ人由来の強化って効果が重複するらしいけど・・・・・いやいやまさかこんな土壇場でそんな超強化が起こるわけ・・・・・、
え?うそじゃん?
それはさすがに・・・・・お話が違ってくるのでは・・・・・???
インフレくん「ついてこれるか?俺のスピードに」
先日番外編をまとめて本編のうしろに移動させたんですが、やっぱり一番下に本編の最新話が来るようにしたほうがいいんでしょうか・・・??
どういう形が一番いいのかもうよくわかんない(´・ω・`)