TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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26:セルゲームリザルト

俺の推しの進化がとどまるところを知らない。

 

なんだこれ???

 

俺が知っているSS4のブロリーというのは、あのデカくて白目むいててむきむきの伝説の超サイヤ人をベースにしたものだったんだが。

今目の前にいるのは、通常状態である黒ブロがベースになっているようだ。

 

正直、めちゃくちゃビジュが良い。

伝ブロほどのワイルドさはないものの、元の黒ブロから漂っていたアンニュイな雰囲気というかダウナー方面の魅力にSS4がよく似合っている。

なんていうか、色気が・・・すげえ・・・・・。

 

鏡もない今自分ではイマイチよくわかっていないのか、ブロリーは腕の毛を見てなんだこれはという顔をしていた。俺が訊きたい。髪もいつもより伸びてんよ。

 

もぉぉぉなんなんお前見れば見るほど格好いいじゃん!!

 

限界オタクみたいなセリフを思わず口に出しそうになるのをグッと堪えて、大猿を乗り越えてさらにその先へ進化したのだという事実だけを告げる。

 

「・・・身体が、やけに軽い」

「つよくなったんだよ」

 

伝ブロとか大猿とかでっかくて重量級な姿が続いてたからかね。

ほう、と漏らして何かを確かめるように拳を握るブロリーはどこか挑発的な笑みを浮かべて振り返った。かっこよ・・・。

 

「ならば、試してみるか」

 

その視線の先には唸りを上げるセルの姿。

あっちはさすがにこれ以上の変化は無いらしい。

 

抱き抱えていた俺を地面へ降ろし、その場に残してブロリーは再び歩み出る。

 

途中その姿が掻き消えたかと思えば、次の瞬間には既にセルの胴体へ一撃を叩き込んでいた。

は、はえぇ~・・・!

 

腹へ撃ち込んだ拳をそのまま掬い上げるようにして上空へ打ち上げて、セルが体勢を立て直す前にラリアットで背後にあった岩山へ押し込む。

ベコリと大きなクレーターが拡がったのを見て俺はテンション爆上げた。

 

うわあぁぁ岩盤だぁーーーーー!!

 

しかし流石にあのベジータのようなやられっぱなしにはならず、押し付ける腕から逃れたセルもすぐさま反撃に出る。

先ほどまでの伝ブロではいなすだけでも危うかった連撃を、今のブロリーは難なく躱し再び叩き付けるようにしてカウンターで沈めた。

 

どんどんダメージが蓄積していくセルはそれでもなお怒り狂って吼え、埋もれかけた瓦礫を吹き飛ばしながら高く舞い上がる。

肩で息をしながらも憎々しげに見下ろしてくるその様子は既に限界が近い。

 

流石にそろそろ決着がつきそうだなと思って見ていると、最後の足掻きなのかセルはその両腕を高く掲げてどこか見覚えのあるポーズをとった。

 

・・・ん?あれって・・・・・、

 

掲げられた両手の先を中心に、俺にすらハッキリ目に見えるほどの膨大な気が集まりだす。

大きなエネルギーの塊を形作っていくそれは超ブロでいうところのギガンティックボールだろう。

しかしその様子はそれよりも、よく似たポーズで悟空が幾度となく使ってきた"アレ"を思わせた。

 

俺の見立てを裏付けるように、周りにいたZ戦士の皆が苦しみ始めたと思えば次々に膝をつく。

 

「な、なんだ・・・!?気が、気がどんどん吸われていく・・・!!」

 

強制徴収型の元気玉!!??

そういやなんかゲームでそんなことしてたような気がするしセル自身もやろうと思えば元気玉使えるとか言ってたけども!!ずっこい!!

 

ブロリーも力を吸い上げられそうになっていたものの、すぐさまバリアを張ると様子が戻った。防ぐ手段はあるようだ。

 

しかし元気玉か。

格上キラーの代名詞のように奥の手として幾度となく使われてきたチート技のひとつ。

実力差を覆すアレならば確かに、マトモに食らってしまうと今のブロリーとてただでは済むまい。

 

・・・マトモに食らってしまえば、の話ではあるが。

 

強力な威力の反面、あの技の欠点はタメの時間がやたらと長いこと!

 

律儀に待ってやる義理はない。

ブロリーはその膨大な気を手のひらに凝縮させ、光の粒となったそれを投げ放った。

 

アレを下側から撃つのは珍しい。

攻撃を仕掛けられたことにより、セルのほうもまだ充分とは言えそうにない頭上のそれをブロリー目掛けて投げつける。

空へと伸び上がる緑の流星は、セルが上空からぶつけようとしている巨大な気の塊に接触した途端それに負けないくらいの巨大な気弾へと膨張した。

 

途轍もなく大きな気の塊が二つ、上下から互いに押し合い拮抗する。

しかしセルの側のそれは、少しずつではあるが今なお膨張を続けていた。

周りの皆の苦しそうな様子も変わらない。いまだ気を吸い続けているのだ。

このままだと根こそぎ奪われそうだと思ったさなか、悟飯が立ち上がって"ブロリーのほうへ"手を翳す。

 

「このまま・・・吸い尽くされてしまうくらいなら・・・!!」

 

本来ならば、この戦いに決着をつけるのは悟飯の役目だった。

それを知るのは今や俺と悟空だけであり、本人には知る由もないはずだが・・・まるでその役割と共に託すかの如く、ブロリーへ残った力を送り込む。

そしてその様子を見た悟空も同じく手を揚げた。

 

「・・・そうだ!皆、セルなんかにやっちまうくらいならその前にブロリーへ渡しちまえ!」

 

動けないトランクスとパワーボールでほぼ力を使い果たしたベジータを除き、その場にいる仲間がこぞってブロリーのほうへ手を翳す。

全員が信頼感をもっているわけではないかもしれないが、「セルに利用されるよりかは」といったところだろう。

 

・・・一緒に手伝いたいが、生憎俺に気は扱えないのがもどかしい。

 

続々と集まった気の塊はブロリーの、そしてその手の中に湛えられた緑の光球へと集まり輝きが増して凝縮されてゆく。

 

「・・・ふん、雑魚共のパワーといえど足しにはなるか」

 

お口が悪い。

誰に礼も言うことなく不敵な笑みを浮かべたブロリーは、続く押し合いで劣勢になりかけていたそこへ手の中の光球を追撃として投げ放った。

 

「とっておきだ!」

 

二発目が合流したそれは、各段に大きさを増したエネルギーボールとなってセルの元気玉を一気に押し上げる。

ギガンティックミーティアは、元々二発の気弾による多段ヒット技。

悟空たちからの気の譲渡により大幅に威力を増したそれが元気玉共々セルを呑み込んだ。

 

叫びを上げながら強烈な光の中で灼かれ、崩れ、消えていく。

 

 

 

やがて炸裂し視界いっぱいを満たした光の消えたあとには、ただ蒼天だけが広がりセルの肉片のひとつすら跡形も残ってはいなかった。

 

 

 

「やった~!!」

 

キラキラ舞ってる光の残滓の中で振り返ったブロリーへ、駆け寄って飛びつく。

彼の表情が緩んだところを見るに、もうセルの気は全く残っていないのだろう。

抱きとめてくれた腕のふかふかをひっそり堪能していると、ふんわり光って形態が元に戻ってしまった。ざんねん。

 

「・・・少し・・・疲れた」

「ん、おつかれさま。かっこよかったよ」

 

ぽつりと吐き出すようにそう零したブロリーへ、労うようにぽんぽん撫でてみると頭の上にぽふっと被さってなんか深呼吸してる。・・・俺けっこう土埃まみれなんだけど。ばっちくない?

 

そんなことをしていると悟空たちが駆け寄ってきた。

 

やったなあとかさっきの変身なんなんだとか口々に色々と騒がしくしている皆の顔をぐるりと見回す。

遠くの方へ目をやると、原作では死んでしまっていたトランクスも満身創痍ながらよろよろと身を起こしていた。

サタンたちと16号も無事。

そして目の前にはもちろん悟空も悟飯も健在だ。

 

 

 

誰一人欠けることなく、死者ゼロでのセルゲーム決着。

 

 

 

・・・まあ、代わりにとんでもなくインフレが進行してしまったわけなんだけど。

 

でもこの先の未来、どう転んでいこうともブロリーだったらなんとかしてくれる気がした。なんてったって理不尽の権化なんだから。

もちろん俺も隣で、出来る範囲で支えて力になる。

 

まだまだ波乱万丈だろうけど、次の大きな事件が起きるまではおよそ7年。

それまでの平和な時期、みんな揃って堪能させてもらおう。

 

勝利の余韻と疲労感に浸りつつ、俺はとりあえず考えることを放棄してブロリーと笑い合った。

 

 

 

 

 





あくまでここの主人公はブロリーなんだし多少盛ったって許される。・・・よね?





追記
いつのまにか10万UA超えてました!
いつも見て下さる方々のおかげです。ありがとうございます。
感想コメントなども頂ける度に励みになっております~!

諸々反応もらえるとやっぱり燃料になってモチベアップしちゃう。
これからもひっそりとよろしくおねがいします。
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