TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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文章の区切りがちょっと中途半端になっていたこともあり、前話と併せて量を調整しました。
既に前の話を読んで頂いた方には被っている部分があります。





03:そして幼女は決意した。

そんなこんなで、俺は武道会の日まで適当に自己鍛錬しつつ過ごすことにした。

 

基本は短距離転移の連続使用。限界回数を知るという目的も兼ねて、一旦空へ上がってからひたすらにビシュンビシュン飛び回る。

ちなみに俺は舞空術など出来ないので、ビューンと一直線に翔ぶのではなく断続的に転移を繰り返すことで疑似的に飛行しているような状態だ。見た目はちょっと変だと思うけどまあしゃーない。

いつかはちゃんと気の扱いも覚えたいなあ・・・。

 

結論としては丸一日休みなく飛び回っても転移できなくなるということはなかった。回数にして数千はくだらないはずだ。こりゃ~限界なしと思っといて問題なさそうかな・・・??

 

ゲームのカカロットだと結構そこら中で食べ物手に入ったりしたよな、とちょっと山へ寄り道してみるとわんさか樹に実っているりんごを発見。ありがてえありがてえと遠慮なくもぎもぎ採って"収納"へ放り込んでいく。

転移と並んで空間魔法の代表的な便利機能、異空間収納は予想通り問題なく使えそうだった。容量については追々調べよう。

不老不死だから実際は何も食べなくても餓死はしないだろうけど、やっぱり口寂しいしなんとなくイヤで適当に手に入れた果物などを道中もぐもぐ食べている。

ちなみに一文無しなので町で買い物は出来ない。ホームレス幼女だからね。しかたないね。

ゲームみたいに素材を買い取ってくれる所なんかがあればいいんだけど。実際そんな都合いい場所あんのかな?質屋?

 

そして訪れた天下一武道会開催日。

二日目の道中で会場は発見していたため観客に紛れてこっそり観戦。

悟空の姿も問題なく確認できた。ちなみに優勝したのはジャッキー・チュン。これ悟空が初めて出場したときの大会だな。

途中悟空が大猿化したりといった騒ぎもあったが、そのまま傍観に徹して『優勝したもんねー』のアレを見届けてから会場を離れる。

 

いや~なかなかに楽しませてもらった。少年編は正直うろおぼえだったんだけど、原作の場面を直接目に出来るとは中々に感慨深いね。

 

ともかく、これで第一目的は達成できたことになる。

試しに長距離転移を試みようとしてみたら頭の中の候補に悟空がちゃんと浮かんだ。たぶん成功だ。

 

ここからは少々力業になる。

なにせ悟空は拾われ子ゆえに正確な誕生日が判明していない。

生まれて数日でポッドに乗せられ飛ばされたはずなので、その僅かなタイミングを狙って惑星ベジータへ転移する必要がある。

 

まずは今の時代から悟空の年齢のぶんだけ過去へ遡り、そこから1日ずつズラしていきながら悟空への転移を試みる。

えーと今がエイジ750年だろ?確か悟空とブロリーが生まれたのってエイジ737年だったよな?そこは何故か覚えてた。

その差13年。少年編開始時に悟空は14歳だって言ってたけど後から勘違いで2年ズレてたって話だから、12歳だとしてそこからストーリー進行分が1年だとすると計算は合うか。

 

よし。

まずは13年分だけ過去へ時間転移。

空間転移とは違いまるで光の粒のようになってその場から飛び立ち、直後に似た景色の場所に降り立った。

時間を移動したという実感は正直無いんだけど、再び長距離転移を試すと候補に悟空がいない。

まだ生まれていないということだ。やはり問題なくここは過去なんだろう。

 

そこからはちまちまと一日ずつ飛びながら転移を試みようとする繰り返し作業。

すると100回かそこらでヒットした。悟空生まれたらしい。ハッピーバースデー。

・・・あ、面倒臭くてちゃんと回数かぞえてなかったな。たぶん8月だか9月あたりだと思うんだけど、まあいっか。

 

いよいよだ。

緊張しながらも長距離転移を発動する。

 

するとなんだか薄暗い部屋に着いた。

丸い保育器が所狭しとたくさん並べられている。

 

そしてその中に寝かせられている、尻尾の生えた赤ん坊。

 

「おお・・・!!!」

 

い、いた~~~~~!!

今は眠っているようで、あのクソデカ泣き声は聞こえていないが確かに悟空とブロリーの髪型をした赤ん坊がお隣同士の保育器に収まっている!

 

これが、伝説の超サイヤ人・・・!!

・・・になる予定の、まだほんのちっちゃな赤ちゃんだ。

 

感動で言葉にならない。

はわわわわと手をわきわきさせながらも起こさないようにと大人しく淵のところからこっそり眺めていたのだが、気配を感じたのか赤ん坊のブロリーがパチリと目を開けた。

 

・・・あ、やばい?

しかしブロリーは愚図ることも泣くこともなく、こっちをじっと見た後にあうあうと何かを言いながら手を伸ばしてくる。

恐る恐る指を一本差し出してみると、俺のちっちゃな手よりもさらに半分くらいしかない赤ん坊の手のひらがそれを握った。

赤ん坊のブロリーは今の時点でも戦闘力が1万もあるらしいが、そうは見えないくらいに今の様子は穏やかだ。

 

・・・これからこの子には、過酷な運命の数々が待っている。

ここから数日もしないうちに命を狙われ、星が爆発して宇宙を放浪する羽目になり、最終的には新惑星ベジータで・・・・・。

 

 

 

―――――死なせたくないなと、ふと、そう思ってしまった。

 

 

 

ブロリーに会いたい。

その気持ちひとつだけでここまで来た。

 

だけど、その先は?

俺は、彼に会って・・・何をしたかったんだろうか。

 

目の前の小さな小さな赤ん坊を見つめる。

 

もちろん予定通りここから数年ごとに様子を見に行って、新惑星ベジータにも赴くつもりでいる。

そして大きくなった彼のことを見届けて、そしてその後は?

 

彼が負けてしまうのを、そのまま黙って見ていられるんだろうか。

父親を殺し、心を壊して復讐と怨念に憑りつかれたような化け物になっていくのをそのままにしておけるだろうか。

 

 

 

・・・・・いやだなあ。

 

 

 

会いたいという気持ちひとつだった。

 

だけどそれが叶って、もっと"欲"が出てしまった。

 

ブロリーを死なせたくない。

彼が生き延びた、その先の『もしも』の世界が見てみたい。

 

俺のこの力は、俺の望みを叶えるためだけの力だ。

転生者という特別な存在。この世界において俺はきっと好きなように振舞える。

 

わがままを、貫いてみてもいいだろうか。

 

俺という異物が入り込んでいる時点で、厳密にいえば既にこの世界は元々のドラゴンボールとは別の世界線となっているはずだ。

未来が変われば、俺が知っている原作知識が使い物にならなくなる可能性だってある。

 

・・・それでも。

 

 

 

「・・・お前だって、死にたくないんだよな?」

 

目の前で無邪気に笑っている赤ん坊。

俺の指を握っている、柔らかなその手を包むようにして握り返す。

 

 

 

決めた。

 

 

 

「待ってろよ。・・・俺が、きっとお前を助けてやる!」

 

 

 

 

 





元々管理の問題であんまり文字数増やしたくはなかったんだけど調整ミスっちゃいました。
というわけで修正したのでこのまま進めます。ゴメンネ
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