TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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七夕ということで急遽短めのを。





TS転生幼女番外10_ねがいごと

「ふんふん、ふんふん、ふんふふふーん♪」

 

軽く鼻歌を歌いながら、俺は大きめの花瓶に挿した笹の枝をテーブルの上に置いた。

 

すると横っちょからブロリーが物珍しそうな目でそれを眺めている。

 

「・・・何だ?それは」

「今日は七夕だからさー、ちょっと飾ってみたんだ。まあ、きまぐれ」

「たなばた」

 

去年も一昨年も特に何もしてなかったからな。

たまたま出先で竹藪が目に入ってウチの近くにも笹が生えてたことを思い出し、ちょっぴり気が向いたってだけ。

 

そして綺麗な色の折り紙を一枚、縦長になるようハサミでチョキチョキと切り分ける。

 

「それは?」

「笹にね、短冊吊るすんだよ。これにひとつお願い事書くの。ブロリーもやる?」

 

正方形の紙を縦に切ったら、短冊が二枚。

その片方を差し出してみると、ブロリーは小首を傾げていた。

 

「願い事・・・ドラゴンボールのように叶うのか?」

「うーん、アレと違ってこっちは実現性ある話じゃないんだ。だから叶ったらいいなー、こうなったらいいなー、くらいの気持ちでざっくりふんわりとした望みとかを書いたらいいの。もちろん具体的なお願い書く人もいるし、自由なんだけどね」

 

というわけでー、と俺はその辺にあったペンを手に取り短冊へ文字を書き書き。

 

出来上がったソレにはでっかく四文字で「世界平和」と、ついでににっこりニコちゃんマーク。

 

「・・・ざっくり、だな」

「いやぁこの世界ってなんだかんだでちょくちょく危機に陥ったりしてるしさぁ・・・結局平穏無事がいちばんかな~って。いつまでも楽しく過ごせますようにって願いも込みで」

「なるほど」

 

するとブロリーは俺が置いたペンをとり、もう一枚の短冊に先をつけた。

一瞬だけ動きが止まって、その直後にさらさらと文字を書く。

 

「・・・・・なんてかいてあるの?コレ」

 

書き終えたらしいソレを見てきょとんとしながら尋ねると、ブロリーは「お前のと似たようなものだ」とだけ言って内容は教えてくれなかった。

 

 

俺には読めない。

十数文字程度で書いてあるそれは、久しぶりに見るサイヤ人文字だったのだ。

 

 

ブロリーには以前読み書きを教えており既に地球での汎用文字も書けるようになってるから、あえて俺に中身がわからないようにしたということになる。

 

「ふーん・・・?まいっか、いっしょに飾っとくね~」

 

 

 

短冊をつけた笹はそのまま一日飾っておいたあと、翌日の昼下がりになってお焚き上げしようと思ったんだが・・・・・。

 

 

どうにも好奇心が疼いてしまった俺は、悪いとは思いつつ焼いてしまう前にとコッソリ短冊を持ち出し転移でカプセルコーポにいるベジータの元を訪れた。

 

「ねえちょっとお願いがあるんだけどさ、コレになんて書いてあるか読んでみてくんない?」

「は?・・・なんだこれは?」

 

突然来るなり俺が差し出した紙片に、ベジータは鬱陶しそうな顔をしつつもその内容に目を滑らせ・・・訝し気だったその表情がさらに深くなる。

 

「え・・・あ、もし口に出すのがアレな感じなんだったら書いて教えてくれても・・・・・」

「・・・いや、大したことじゃあないが」

 

 

そして、ベジータは"その文言"を口にした。

 

それを聞いた俺は思わずぽかんとして、直後にふへへと笑ってしまう。

 

 

「一体何だというんだ気色悪い。・・・・・ん?おい待て、まさかこれを書いたのはブロリーか?」

「へへへ・・・・・他にその文字知ってる人なんていないでしょ?」

 

そう言うと、ベジータはまるで苦虫を噛み潰したような顔をしたあとでひとつ溜息を吐き俺に紙を突き返した。

 

「・・・見なかったことにしておいてやる」

「うん、ありがと!」

 

礼を言い、受け取った短冊を持って帰ってきた俺は自分の短冊と笹と一緒にそれを家の傍で熾した火にくべる。

専門の人間ではないので見様見真似にはなるが、簡単にお祓いの祝詞を上げお焚き上げとして供養した。

 

ぱちぱち音を立てて燃えていく様子を傍らに座り込んで眺め、先程ベジータから聞いたブロリーの願い事の内容を思い出すとまた思わず口角が上がってしまう。

 

 

だって、意外というか。

予想してたよりも、とてもとてもささやかな内容だったから。

 

 

 

「・・・わたしも、そうだったらいいなあって思うよ」

 

 

 

そう呟いた視線の先。

 

 

 

『ずっと このままでいたい』

 

 

 

そう書かれた紙の文字が、炎の中へ溶けて消えた。

 

 

 

 

 





叶えてあげたかったなあ。


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