TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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夏が終わる前に書きたかったんだ(´・ω・`)





TS転生幼女番外12_海に行った話。

※幕間章後半、平穏な4年間のあいだの出来事。

 

 

 

 

 

俺は自分で言うのもなんだが、ブロリーのことに関してはもうほとんど知らないことなんて無いんじゃないかと思っているようなフシがあった。

 

転生前から基本的なプロフィールや公式設定的なところはほぼ把握していたし、この世界で一緒に暮らすようになってから"生身の"ブロリー当人と接することでさらに色々な面を知ることになり密かにその感覚は強まっていたように思う。

 

 

 

―――でも実際、全然そんなことはなかったんだなあと。まだまだ彼に関して知らないことはたくさんあったみたいだ。

 

 

 

 

 

・・・なんてことを、

 

目の前で静かに溺れているブロリーの手を必死に引っ張りながら俺は思ったのだった。

 

 

 

 

 

「だはー!びっくりした~~~!!」

 

浜へ一緒に遊びに来ていた孫家の面々に囲まれながら、ぜはぜはと肩で息をする。

 

「おねえちゃん、だいじょうぶ?」

「一体全体何事かと思ったべ。ほれ、落ち着いたらこれ飲むとええだよ」

「まっさかあのブロリーが泳げねえとはなぁ・・・・・」

「わたしも・・・しらんかった・・・・・」

 

心配そうな顔でナデナデしてくれるちびっこ悟天にありがとね~と返し、チチさんが渡してくれた水筒の白湯をくぴくぴ飲みつつ隣でぐったりしているブロリーを見やった。

 

・・・あまりにも予想外すぎて俺も思わずテンパっちゃってさ、転移でさっさと上がればよかったのに。

よわよわな腕力で必死こいて水面まで引っ張って、被る波にあぶあぶしながら悟空達へ助けを求めてしまった。

 

『たすけてー!!ブロリーがおぼれたー!』と叫んだときの皆の『えっ!?』という表情ったら。

 

波打ち際まで運んでくれた悟空と悟飯も揃って苦笑いしながら俺らを見ている。すんません・・・・・。

 

 

 

なんでこんなことになっていたかと聞いてみれば、理由は単純。

"泳ぐ"という行動がこれまでのブロリーの人生において未経験であったために泳ぎ方を知らなかったというだけの話だ。

 

数年前に地球に来る以前、人生の大部分が宇宙での放浪生活であったブロリーにとっては地球のように"水が潤沢な環境"というのはそこまで当たり前の話ではなかった。

別に水中に入ることが全くの一度も無かったというわけではない。しかしそれは戦いの最中に一時的に突っ込んだりだとか何かを追っていたときに少し潜ったという程度であり、ブロリーは戦闘中と同じく水中においてもバリアは張りっぱなしだったし移動も空を飛ぶのと同じ要領で気の制御によるところが大きかったようだ。

 

つまりは本当に身ひとつだけで、呼吸もままならない水の中に入るとなると完全に話は別。

 

泳いだ経験も泳ぎ方を教わったことも一切無く、体重も常人よりかなり重いブロリーは俺の目の前で音もなく沈んでいった。

 

見たときは一瞬冗談かと思ったんだが、以前聞いたことのある"騒がしい子供であっても溺れるときは静かに溺れる"という話が咄嗟に脳裏を過り慌てて引っ張り上げにいったというわけだ。ちなみに俺は浮き輪でプカプカ遊んでたんだが普通に泳げる。

 

 

フィジカルおばけであるブロリーのいつもの印象から、なんとなくこういう"身体を使うこと"に関しては出来ないことなど無いといった先入観を持ってしまっていたらしい。・・・けど、いかにブロリーとはいえ知らんものは知らんしいきなり最初からなんでも出来るわけではないということだ。

 

 

 

「しゃ~ねぇな~。んじゃあちょっくら軽くオラが教えてやるよ。知らないだけってんなら、おめぇだったらすぐに出来るようになるだろ」

 

一休みしたあと、カラカラと笑う悟空に引っ張られながら何ともいえない表情で再びブロリーは海へと連行されていった。

悟空は山育ちではあるもののよく川に潜って魚を獲ったりなど泳いでいる様子は何度か見たことがあったし、人に教えるのもなんとなく上手そうだ。

仲睦まじいようで何よりである。

 

 

 

そんなこんなで一時間もしないうちに、悟空から水の中での動き方を習ったブロリーは早々にコツを掴んだようで本当にすぐ泳げるようになっていた。

 

さっすが~。ポテンシャルの大きさは健在、やっぱり彼はこれまでの人生経験不足で"知らない"ってのがデカいんだな。

 

すごーいすごーいと笑顔でパチパチ拍手している俺に、最初は不機嫌そうだったブロリーも今はちょっぴり得意気な顔をしていた。カワイイ!

 

 

 

そして水から上がったその姿は改めて見るとすらりと伸びた長身に引き締まった筋肉、肩に掛かる濡れた黒髪と水も滴るカッコよさ。

 

俺の推し、ホントにビジュが良い。最高。

 

 

 

・・・ついさっきまで溺れてたとは思えんね。

 

 

 

 

 

皆で立ち寄った海の家で、焼きそばやらイカ焼きやらかき氷やら定番のメニューをドカ食いしてお昼の腹ごしらえを済ませたあと。

もう少し遊んで帰ろうということになって、俺はさっきブロリーから聞いた話の中のひとつに食いついた。

 

 

曰く水の中にバリアを張ったまま入ると、まるで泡のように息をしたまま深くまで潜れるのだという。

言われてみれば宇宙空間でもそこそこ長時間平気でいられるのだから、当然深海の水圧であっても充分耐えうるというわけだ。

 

『海の底行ってみたーい!』という俺のワガママに、ブロリーは特に嫌な顔もせず承諾してくれた。

 

 

さっきまで使っていたでっかい浮き輪は浜辺でまったりしてるチチさん達に預けておいて、俺を抱きかかえたブロリーが二人まるごと包むバリアを張ったまま海へと飛び込む。

 

沖の少し深いところへ潜っていくと、普通ならダイビング用具を装着していなければ到底辿り着けないような場所にまですぐに来れた。

 

 

テレビや水族館でしか見ないような、綺麗なサンゴがそこかしこにあったり色とりどりの魚が泳いでたり。

水温が結構暖かめだから、詳しくはないけど俗にいう南国の海のような環境に近いのかもしれない。

 

 

うひゃー!きれーい!とはしゃぐ俺に、ブロリーも口角を上げてどことなく楽しそうにしているように見えた。

 

 

上を見てみるとキラキラ輝く水面からオーロラみたいに光のカーテンがゆらゆらと揺れている。

 

みるみる様相を変える小魚の大群や変ちくりんな生き物だったり、沈没船じゃなかったけど海底に沈んで朽ちている人工物だったり、色々珍しいものも見つけながら暫しの間二人で海の底の探検を楽しんだ。

 

そして戻る途中にはでっかいサメみたいなバケモン魚が襲ってきたりもしたけど、ブロリーが蹴り一発お見舞いしたら泣いて逃げてったなんてアクシデントもあったりして。

 

 

朝からてんやわんやだったが、またひとつ夏の良い思い出が出来た。

 

 

 

 

 

家に帰り着く頃には日もとっぷり暮れ、二人で片づけと晩ごはんの準備をしながら冷めやらぬ余韻に今日は楽しかったねーなんてとりとめもない雑談に興じる。

そしてそのままのテンションで、俺はついでに次のお出かけの提案も出してみた。

 

「ね、海もよかったけどさ!こんどは山もいこうよ、たかーいとこ!」

 

地球での暮らしもそれなりの年数になり、ブロリーもすっかりここでの生活に慣れてくれたようなのでこうやって時折ゆっくり遊びにいく余裕もある。

 

 

「・・・まあ、気が向いたらな」

 

 

そう言いつつ満更でもなさそうなブロリーを見て、俺はふへへと笑いながら今日海の底で撮った写真を家の壁のボードに飾った。

 

 

 

 

 





スク水着てでっかい浮き輪でぷかぷか遊んでる幼女は可愛い
たぶん海の底探検してるとき深海少女歌ってる



本編とこの番外編とで明らかに筆が進む速度が違うので、やっぱりこの二人にはこういう話のほうが似合ってるんだなあとしみじみ。
早く本編のほうも元の路線に戻したいところです(言うだけはタダ)
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