TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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独自設定がそこそこ色濃いです&長々と会話だけが続きます。
ご都合主義ですがふんわり見て頂けると・・・なにとぞ・・・・・。





32:幼女と二つの世界

・・・俺の知ってる元々の歴史が、存在しない。

 

その言葉に困惑するばかりの俺に、時の界王神様は周囲にある棚を指した。

 

「この刻蔵庫には、この世界の歴史について記された巻物の数々が納められています」

 

ふと気付くと、時の界王神様の手にも巻物がひとつ握られている。

 

「記されたと表現してはいますが、この巻物は言うなれば歴史そのもの。何らかの存在によって意図的に歴史への干渉や改変が行われた場合、巻物にも目に見えて異常が現れます」

「我々はそれを発見し次第、該当する時代へ赴いて改変の修正を行う。それがオレ達タイムパトローラーの役割なんです」

 

トランクスが言葉を継ぎ、時の界王神様の持つ巻物を指すが・・・見たところ、なんの変哲もない。

首を傾げる俺に、時の界王神様は再び口を開く。

 

「しかし御覧の通り、今のところ巻物には何の変化もありません。もし貴女の仰ったような大規模な改変が続いていたなら、巻物のほうもそりゃもうメチャクチャになっていたことでしょうね。・・・つまり、今現在歴史そのものには何ら異常はなく"正しい歴史"を歩んでいることになる」

「え・・・そ、そんなわけ・・・!?」

 

あんな原作崩壊レベルの事態になってたのに!?

 

「ですので、私たちの認識としては歴史の改変は行われていない。よってこの点については、貴女が責を問われる必要も罰を受ける必要もないわけです」

「"この点については"・・・??」

「先ほど、心当たりが二つあると仰っていましたよね。もうひとつのほうは?」

「あの・・・タイムマシンとかで他の時代へ行くこと自体が罪になると聞いたことがあった気がしたので・・・もしかしたら、歴史を変えていなくても時間移動するだけでアウトなのかなって・・・・・」

 

ゼノバ以外でも、原作超でジャコがそんな感じのこと言ってたような気がするんだよ。正直こっちのほうは後々になって思い出したから後の祭りだったんだけど。

 

・・・ブロリーが大人になるまでの間に、俺は延べ百数十回にも及ぶ時間移動をやらかしている。めちゃめちゃ気軽に。

さすがに地球で暮らし始めてからの数年間は一切行っていないものの・・・たった一度の移動でも罪になるなら、その罪業はいかほどになるか。

 

「そう、私たちが問題視しているのはまさしくそこなんです。・・・トキトキ、こっちへいらっしゃい」

 

時の界王神様が腕を翳して呼びかけると、天井付近にいた白くて大きい鳥が一羽こちらへと降りてくる。

毛が長くてモフモフしているその鳥は、掲げられている腕・・・を無視して頭の上へ留まった。

「そうじゃなくてこっち!!」と腕をぶんぶん振って怒る時の界王神様は正直見た目相応の女の子にしか見えず威厳のカケラもない。だんだんここの人らの関係値も解ってきたな・・・。

しぶしぶ腕のほうへ移った鳥をジトッと睨んでから、時の界王神様は改めてこっちへ向き直った。

 

「・・・この子はトキトキ。私の親友であり、宇宙の時の流れを司る神鳥です。」

 

とてもそうは見えないけど、何やらこの鳥もすんげえ存在らしい。

 

「時空間を移動するという行為は、時の流れに"ゆらぎ"を齎しそれなりの負荷を掛ける行為なんですよ。ここにいるトランクスのように、ごくごく稀にタイムマシンで時間移動を行う者も現れはしましたが・・・貴女のように、短期間で膨大な回数の移動を重ねるなんて正直前代未聞の事態でした」

「ぁぅぅ・・・ご、ごめんなさい・・・!!うっかり忘れてて調子乗りましたぁ・・・!!」

 

もう土下座する勢いで謝り倒す。

この点に関してはマジで弁解のしようも無い。

 

「時を司るこのトキトキは、時空間の乱れやそういう"ゆらぎ"も敏感に察知します。・・・一時期大変だったんですよ?今までにないくらいにそれはもう大騒ぎしちゃって」

「すみませんでした・・・・・」

「・・・とはいえ、私たちに貴女を責めることは出来ません。ましてや罰するなんてことも」

「え・・・どうして?」

「立場的な問題です。原初世界のお方である貴女のことを咎められる者など、この世界にはいないでしょうから」

 

あ、また出たその単語。

マジで聞いたことないんだけど・・・どゆいみ??

 

ブロリーや向こうのトランクスもよくわかってない顔をしてるし、唯一時の界王神様だけが知っている事柄のようだ。いい機会だから詳細を聞けないだろうか?

 

「・・・それ、神龍にも言われたんですけど何のことかわかんなくて・・・おしえてもらえませんか?」

「う~ん・・・自覚がないっていうのも確かによくないかもしれないわね。わかりました、私の知る範囲のことに限りますが」

 

話が脱線してしまっているが、時の界王神様は応じて話してくれた。

 

―――それは、原作という範囲を逸脱しているような・・・本当に全く聞いたこともない内容。

 

「"原初世界"とは、神々の間ですら長年伝説の存在として伝えられてきたもの。この世界の"真の創造主"が住まう世界とされています」

 

・・・この世界の、真の創造主???

 

「え、まさかそれって・・・鳥山先生のこと言ってます・・・??」

「そういう御名前なのですか。やはり貴女はご存じなんですね」

 

いやまあそういう言い方されたら確かに・・・?同じ世界どころか同じ国に住んでたけれども・・・なんなら結構近い地域に居たけども・・・・・。

 

「原初世界に住まう神々の手によって、かつてそこから様々な世界が生み出されたといいます。私たちが生きるこの世界もそのひとつ」

 

現実世界と、そこから生み出された物語などのフィクション作品の世界たち・・・ということか。

自分なりに噛み砕いて整理しつつ話を聞いていく。

 

「原初世界は、その生み出された数々の世界よりも言うなれば一段格が上の世とされ・・・そこに住まう方々も、おしなべて皆"世界を生み出す力"を持つとされています。そして、貴女はその原初の世界からこの世界へと下ってきた唯一の存在」

 

日々生み出される何かしらの作品などがそれぞれ『世界』と扱われるなら、確かにその解釈で合っているんだろう。

そして俺は転生の機会によって『現実の世界』から『フィクション作品』の中へと"降りてきた"人物であると。・・・ってことでいいのか??

 

「貴女の持つ魔法や加護が比類なき強力なものであるのも、この世界ではなく上位の世界の力によるものであるがゆえのこと・・・と、私は解釈しています。神龍の力がそれに及ばないのも無理はありませんね」

「な、なるほど・・・??」

「つまりこの世界において、貴女の存在は我々神々よりも上の立場として扱われるんです。・・・一応、私もそれなりの対応をさせて頂こうと思ってたんですよ?さっきからちょくちょく邪魔されてますけど」

 

あー、だから元々軽い感じのキャラらしいのにすごく真面目な感じで話してくれてるんだ。

 

口を尖らせて拗ねたような顔をする時の界王神様の言葉に納得する。・・・なんか申し訳ないな。

だって俺の自認としてはただの一般人もいいところなんだぞ・・・??それがこの世界の神様よりも上って本気で言ってる??

 

「・・・あの、その"上"っていうのは・・・まさか全王様より上だなんてことは・・・??」

「私はそう思っていますよ。全王様の存在を認識していること自体、普通なら在り得ないことですしね」

「えぇぇ・・・・・」

「そろそろ話を戻しましょうか。まあそういう理由もあって、度重なる時間移動の件も一応は不問とさせて頂きます。・・・私たちにできるのは、ただ"お願い"だけ。どうかこれ以上は、時の流れに悪影響を及ぼすような行いは謹んで頂きたいのです。時間移動による"ゆらぎ"も、ひとつひとつは小さくともそれがいくつも重なれば重大な歪みを生み出しかねません。・・・今のところは、まだギリギリそうなってはいませんが」

「あっハイそれはもちろんです!!もうしませんごめんなさい!!!」

 

深刻な顔で嘆願してくる時の界王神様に、慌てて俺も頭を下げた。

「よかった」と安堵の表情を浮かべた彼女へ、一応これも言っておこうと俺は口を開く。

 

「・・・そもそも、自分でも何かしらの深刻な事態とかで必要に駆られない限りはもう時間移動は一切しないでおこうって思ってたんです。罪になるってことを思い出す前から」

「どうして?」

「ブロリーにこうして会えて、一緒にこの世界で生きていくって決めたので。時間移動で過去や未来に干渉して、これ以上彼に影響を与えたくありません」

 

ずっと黙って話を聞いている隣のブロリーの顔を見上げる。少し驚いた顔をしていた。

今でさえここまで変貌させてしまったのだ。・・・これ以上、余計なことをして意図しない変化を与えたくはない。

 

「・・・そうですか。何にせよ、その言葉が聞けて安心しました」

「あの・・・色々教えてもらってありがとうございます。もうひとつだけ・・・さっき言ってた、"わたしの知る歴史が無い"っていうのはどういうことなのかもう少し聞いてもいいですか?」

 

話が終わりそうな雰囲気だったので、もう一点だけどうしても納得いっていない部分をもう一度訊いてみる。

時の界王神様は少し考えこむ様子を見せたあと、こう答えてくれた。

 

「・・・正確なところは、私たちにはわかりかねますが・・・ただ、仮説は立てられます」

「おねがいします」

「貴女は元々この世界の住人ではなかった・・・それはすなわち、貴女の知る元々の歴史にも貴女という存在は介在していなかったのでしょう。それゆえに、貴女がこの世界に訪れた時点で『貴女という存在を含めた新たな歴史』へと再編が行われたのではないでしょうか」

「さい、へん・・・??」

「『正しい歴史』そのものが書き換わったということです。仮説ではありますが、本当にそうだった場合この世界に住まう我々には知る由もなく感知することも出来ません。それを確かめる術も。今のこの世界には、貴女の言う"元々の歴史"の痕跡は何一つ残っていませんから」

「・・・それって・・・・・」

「言葉を選ばずに言わせて頂くと、貴女の覚えている"元々の歴史"・・・それは貴女の頭の中の空想と、もはや区別がつかないものなのです」

 

・・・・・正直、血の気が引く思いがする。

 

歴史の改変が行われなかったという扱いになって、俺やブロリーが何ら咎められることもなくなったという点については安心した。

そしてブロリーがここまで変わってしまったことに罪悪感はあれど、それを今は後悔もしていないしやり直したいなんて微塵も思わない。俺は今のこのブロリーと一緒に生きていくとそう決めた。そのことに偽りはない。

・・・でも、元々の歴史の痕跡も何も一切がこの世界に残っていないということは・・・・・。

 

それはつまり、原作の歴史・・・つまりは"元々のブロリー"という存在そのものの完全な消失を意味する。

 

俺がこの世界に来るきっかけとなったあのブロリーは、もうどこにもいない。

そのことに、どうしようもない寂しさを感じてしまう。

 

・・・・・やっぱり、わがままなんだなあ・・・俺って。

 

僅かに俯いて、涙が出そうになったのを堪えた。

様子の変わった俺の手を隣のブロリーがまだ握ってくれている。

 

これは、口に出してはいけない。

俺の中だけで消化するべき感情だ。

 

少しの間だけそうしたあと、ちゃんと涙が引っ込んでからもう一度顔を上げる。

 

「・・・ごめんなさい、ありがとう。・・・納得が、いきました」

「あくまで、私なりの仮説だという点は忘れないでくださいね」

「はい。・・・あ、そうだ。この"加護"・・・?って、結局どうにかする方法ってないんでしょうか」

「うーん・・・上位世界の力によるものですから、神龍のみならずこの世界の何らかの力でどうにかすることは難しいでしょうね。可能性があるとしたら、"貴女自身"ではないでしょうか」

「わたし・・・?」

「その加護を受ける際、それを授けた存在に心当たりは?」

「・・・あ、」

 

転生するときに案内してくれた、あの女神様っぽい人?・・・かな?

 

「その存在との接触を試みることが出来れば、あるいは・・・?これもただの推測でしかありませんが」

「・・・ありがとうございます、アドバイスためになりました」

 

再度ぺこりと頭を下げる。

ずっと謎だった部分も含め、色々と答えを貰えて非常に助かった。

 

「いえ、こちらこそわざわざこんな場所までお呼び立てして申し訳ありません。・・・時間移動の件は、くれぐれもよろしくお願いしますね」

「はいもちろんですごめんなさい!」

 

他の時代に行かなきゃいけなくなる事態なんてそうそう訪れはしないだろう。

・・・え、フラグじゃないよねこれ?

 

 

 

 

 

こうして話し合いは無事に終了し、トランクスに再び家まで送って貰った。

 

・・・それほど長い時間じゃなかったのに、なんだかどっと疲れた気がする。

ぐったりしてしまった俺の代わりに、途中でほったらかしてた洗濯物はブロリーがさっさと干してくれた。

 

「ごめん~・・・・・」

「気にするな」

 

何か思うところはありそうだが、ブロリーは一切先ほどの話には触れてはこない。

ただ疲れ切ってる俺を気遣う様子だけ見せてくれていた。

それをありがたく思いつつ、俺は俺で今日聞いた話を反芻し考え込む。

 

新しく判明した事実いろいろ。そして、この不老不死をどうにか出来るかどうか。

 

正直全てを消化し切るには時間がかかるかもしれない。

・・・が、そう遠くないうちに試せることは試してみようかなと思う。

 

 

 

―――――まだ諦めきれていなかった、"ブロリーと同じ時を歩んでいきたい"という願いを叶えるために。

 

 

 

 

 





こんな長くなるとは思わんかった(´・ω・`)一気に説明詰め込みすぎてごめんなさいの気持ち





ところで今日は100年に一度のブロブロの日だそうですよ!!
特になんも関係ないけど!!(こっちよりもブロブロ書けばよかったかも)
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