TS転生幼女は伝説の超サイヤ人を救いたい。   作:こねこねこ

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40:武道会場にて

武道会場がある島へはブルマさんの飛行機で行く手筈になってたから、まずはカプセルコーポへ向かってみんなと合流した。

 

久しぶりに一堂に会した皆々との再会を喜びつつ、会場への道中飛行機の中で和やかな雑談に興じる。

 

そして悟飯の提案でサイヤ人の面々は今回の武道会中、目立つのを避けるため超サイヤ人になるのは全員一律で禁止にしようという取り決めがなされた。

全員禁止なら条件は同じだからと誰からも反対意見は出てこない。ブロリーも特に反発はせずに同意した。

・・・というか話半分聞き流して膝に乗せた俺を無心でもちもちしている。皆の近況話にはあんまり興味無さげだし暇なんだな。

 

そのうち話題も尽きかけた頃、俺はちょっぴり気になってたことを前方の席に向けて訊いてみることに。

 

「そいえばさあ、なんでベジータは今回の大会出る気になったの~?」

 

原作での彼の出場動機は、最初は悟飯へのリベンジが切っ掛けであり悟空が出ると知って以降は念願だった一対一での対戦機会に拘ってのことだ。

一方、この世界線でのベジータはそのどちらにも執着してはいない。悟空は生きてるからいつでも相手できるし、悟飯の実力も潜在能力こそ認めているものの未だSS2にもなっていない上に学業にかまけて完全に前線勢力からは置いていかれている認識だろうしな。

そしてなおかつ、あの性格からしてこういう大会などには興味無いどころかむしろ避けがちに思えるんだが・・・。

ブロリーにも張り合ってはいるけど、今回は悟飯がこっちを誘いに来るより先にベジータ達は参加を決めていたって話じゃなかったか?

 

本人はフンと鼻を鳴らすだけだったが、その代わりに運転席で操縦桿を握っているブルマさんが答えてくれた。

 

「賞金よ、賞金」

「・・・え??」

 

あんなに裕福な環境なのに??お小遣いでも欲しいの?

 

「金銭的に困ってるっていうわけじゃないわよ勿論。でもこの人、本ッッッ当に働かないから。ちょっと前に言い合いになったことがあってね、『文句があるなら一銭でも自分の力で稼いで来てみなさい!』って売り言葉に買い言葉で。その直後に悟飯くんが大会の話を持ってきてくれたから渡りに船だったのよ」

 

あー・・・なるほど・・・・・。

いつまでもニートやってる姿そのものに物言いがついたわけで、額の問題じゃあないってことだ。たぶんキッカケでしかなかったんだろうな。

 

「あの孫くんですらついに真っ当な職についたっていうのに、ベジータったらいつまでも甘えっぱなしで文句しか言わないんだから・・・!」

「・・・別にあっても無くても変わらん端金のためにわざわざ無意味に時間を使うこともないだろう。トレーニングに打ち込んだ方がよっぽど有意義だ」

「姿勢や態度の話だって言ってんの!アンタが日々使い倒してる重力室だってどんだけコスト掛かってるかわかってんの!?シロちゃんたちは安くない費用をちゃ~んと払ってくれたっていうのに!アンタと違って立派なもんよ!」

 

不貞腐れた顔をしているベジータの言葉に対し、その数倍の量をガミガミとぶつけまくるブルマさん。

なお、ブルマさんを含め仲間内には一時期ブロリーが賞金稼ぎをしていたことは既に知れ渡っている。さすがに紙袋云々のことまで詳細に明かしてはいないが、金銭的にキツかった当時に助けてくれたことが嬉しかった俺がチチさんとの雑談のネタにしたところ後々又聞きでブルマさんまで伝わっちゃったらしい。

同じくニートやってた悟空がついに働くか否かって時期でもあったし、それを聞いて思うところがあったんだろう。

 

「・・・ま、そんなワケで。良い機会だからその無駄に鍛えまくった筋肉をたまにはお金に変えてみなさいってことでこうなったのよ」

「無駄とは何だ無駄とは・・・!!」

「そんなことより!みんな、そろそろ見えてきたわよ~!会場がある島!」

 

青筋立てているベジータの怒声を受け流し、ブルマさんの指す先に目をやるとそこには水平線の中ぽつんと浮かぶ孤島。

周りからもヘリや飛行機が続々と向かっている。

 

着いた先で降り立ちみんなで歩いていくと、そこかしこに出店が並んでたり同じく到着したらしいミスターサタンの周りに人だかりが出来ていたりと大変賑わっている様子だった。人がいっぱいだ~。

 

 

 

そしてとりあえずは出場の受付を済ませるべく、みんなで並んで順番に手続きしていく最中のこと。

 

「・・・わたしも出てみよっかなあ、大会」

 

ぽつりとそう溢すと、周りのほぼ全員から「えっ」という声が漏れて視線がこっちに集中した。

 

な、なんだよ・・・そんなに意外かよ・・・確かに見た目は非力な幼女だけど・・・。

 

ブロリーも何も言わないが「本気か?」と顔に書いてある。

 

「・・・おめぇさぁ、もしかしなくてもあの転移っちゅうやつで片っ端から相手みんな場外に放り出そうとか考えてんだろ」

「うん」

 

まさしくそうしようと思ってた。

悟空の言葉にそのまま頷くと、クリリンがポリポリと頬を掻きながら苦笑いしている。

 

「いやそれは・・・ちょっとズルくないか・・・?」

「えー・・・?だめかなあ・・・・・??」

「一応『武道会』なんだしよ・・・・・」

 

戦う手段のひとつとして特殊な能力や術を使うことはあれど、それを初っ端からメインに据えるのはまた話が違ってくるということだろうか。

 

「別に構わんだろう。どちらにせよ既に手段が割れている上に飛べるオレ達には通じんからな」

 

ピッコロさんが不敵な笑みを浮かべてそう言うと、まあそれもそうかと悟空たちも笑ってる。

 

おー??言うたなー??ただの位置替えだけが空間魔法の強みだと思ったら大間違いだぞ!

 

まあ今のうちだ。止める人がいなくなった隙にちゃっちゃと俺も参加登録済ませちゃお。

 

 

・・・しかしそのあと予選が始まる時間になって、みんなと一緒に選手の集まる場所に向かった俺はでかでかと鎮座しているパンチマシンを見て頽れた。

 

あ~!!そうだ今回の予選って試合じゃなくてこっちに方法が変わったんだった!!

これはさすがにダメかもな・・・ガチ腕力必要だし・・・・・。

 

項垂れて肩を落としている俺にまたもやクリリンが首を傾げている。

 

「・・・そもそもお前、少年の部だろ?予選は関係ないんじゃないのか?」

「んにゃ、年齢言ったら大人のほうで登録してもらえたよ」

「うそだろその見た目で!?」

 

まあ肉体年齢的にはまだ10歳にも満たないんだけどな。

なんか係の人すんなりと信じてくれた。なんでだろね。後ろに立ってたブロリーの圧にやられて早々と流してくれただけかも。

 

 

予選はパンチマシンを一発殴って、出た数値の高い順に15人が本戦へ通る。

参考値として最初にデモンストレーションを兼ねたミスターサタンの点数は137。

 

そしてZ戦士たちが軒並み200前後という数値を出して周りがザワザワ騒ぎ出す中、途中に混ざった俺も一応挑戦するだけしてみることに。

 

周りのギャラリーは「まさかあんな子供まで・・・?」とヒソヒソしている。

 

 

 

よーし!もうダメ元だけどいっちょやったるか!

 

振りかぶって~!・・・おりゃー!

 

 

 

ぺちん。

 

 

 

ひとけた。

 

 

 

「ハイ、おつかれさまでしたー。気を付けてお帰りくださいね」

 

生暖かい目をしたギャラリーと係の人にそう見送られつつショボくれながらすごすごと引っ込む俺。

 

「だめだったぁ・・・・・」

「だろうな」

 

ちなみに直後のブロリーはデコピンで300超の数値を出していた。てかげんじょうず~。

 

 

 

 

 

そして空気を読まないベジータによってマシンは粉砕され、本戦の前に少年の部の試合が挟まることもあり一旦その場からは全員解散。

 

観客席へ移動する前に、俺は小腹が空いたと言い出したブロリーと二人で出店の屋台へちょっとつまめる程度の食い物を探しにいくことに。

 

買い込んだ串焼きをモチョモチョ食べながら歩いていると、その途中に見覚えのある二人組と突然ばったり出くわしてしまった。

 

「・・・・・げ」

 

白髪モヒカン紫肌~!!

言わずと知れた東の界王神と、その従者だ。

まあ現時点では誰もその素性は知らないはずだけど。

 

何やら意味ありげにニヤリと笑うその顔は見ようによっては悪役ムーブそのもの。

怪しいんだよなあほんと・・・。

 

「どうも~」と会釈だけして通り過ぎ、とっとと離れようと少し歩いたところで訝し気な顔をしたブロリーがぽつりと零した。

 

「・・・何だ、あいつは」

「界王神様とその付き人だよ。一応えらいひとたち」

 

気が全く感じられない、と困惑しているブロリーへ簡単に説明する。

 

「なんかよくわかんないけど、神の気ってふつうの人間とかサイヤ人のとは別物で同じ神様属性の人にしか感知できないんだってさ」

「神・・・?そんな大層なものには思えんが」

「神殿にいるデンデより、もっとも~っとえらいはずだよ。一応」

 

つい"一応"と付けてしまうのはネットで散々無能呼ばわりされていたのがどうしても尾を引いてしまうからだろう。

いやぁあの人はあの人なりに頑張ってただろうとは思うんだけども・・・それ以上にポンやらかしてただけで・・・。

 

「たいへんだよね~・・・破壊神が寝てばっかりで仕事しないから」

 

つい小声でぽつりとそう零してしまい、なんとなく後ろを振り返ると界王神様がすげえ顔してこっち見てる。

 

うわ何!?もしかして聞こえてた!?

思わず引いてると急にこっちへスライドしながら近づいてきた。うぎゃー!

 

「あ、あなた達・・・なぜ人の身で、一体どこでそんなことを・・・!」

 

やっぱり聞こえてたんかい!いやー!地獄耳ー!

急接近してきた不審者に咄嗟にブロリーが前へ出て庇ってくれて、俺はその後ろからちょっぴり慌てて弁解しようとする。

 

「え、いや、そんなにおかしい!?ベジータだってビルス様のことは知ってたでしょ確か!?」

「ベジータ・・・、サイヤ人の王子でしたね。確かに彼なら関わりがあったかもしれませんが・・・貴女はただの地球人の子供では?」

「え、えーとえーっと・・・知り合いだったから、前に聞いたことあっただけ!」

 

俺の事情はさらっと話すには複雑すぎる。

適当に言い逃れて押し通すことにした。

 

そんな俺の返答に、界王神様はまだ何か言いたげにはしていたが「・・・まあいいでしょう」と気を取り直したようにコホンとひとつ咳払いをして平静へ戻る。

 

「今はまだ目立つわけにはいきません。・・・貴女も、私たちのことについてはどうかご内密に」

 

そう言いながら口元に指を当て、また先ほどのような怪しい笑みをニヤリと浮かべる界王神様に俺は「お、おう・・・」と引き気味に返してしまった。

 

何だろ、どうしてもあのミステリアスムーブが滑稽に見えてしまうんだよなあ・・・。

ていうか界王神様は俺のこと異世界人だって把握してないんだね。時の界王神様が特別だったのかもしれないが。

 

まあどっちみち別に彼らの目的を邪魔する気はないけど・・・・・あ、ちょっとまてよ?

 

ひとつ思いついた俺はブロリーの後ろから出てきて、失礼ながらも界王神様のほうを指した。

 

「ねえ、その耳につけてる丸い耳飾り。それくれたら、黙っててもいいよ」

「・・・耳飾り、ですか?」

 

界王神様はキョトンとした顔をしている。やっぱポタラのこと知らねえんだなこの人。

するとずっと後ろに控えてたゴツいおっちゃんが急に口を挟んできた。

 

「なんと不遜な・・・!人の身で界王神様の持ち物を欲するなど!」

 

シワシワの赤い肌に白髪のオールバック。界王神の付き人のキビトだ。・・・改めて思うと名前まんまなんだなあ・・・。

このおっさんは今の言い方からもわかるように、基本的には人間のことを下に見ている。まあこっちもこっちで少し感覚が麻痺してるのか、本来は雲の上の存在であろう界王神のことを侮りまくってるから正直人のことは言えないんだけども・・・。

 

「よしなさいキビト。構いませんよ、こんなもので良ければ」

 

代々伝わる界王神の宝とやらをこんなもの呼ばわりしていらっしゃる。

 

しめしめ・・・と内心ほくそ笑む俺へ界王神様は特に何かを疑うこともなく、耳から取り外したそれをすんなりと手渡してくれた。

これで目の前の二人がうっかり合体することもないだろうし一石二鳥でしょ。

 

「それでは、くれぐれも・・・私たちは重要な目的のためにここにいます。その妨げにはならないよう、お願いしますね」

「はーい」

 

再び怪しさ満点の笑みを浮かべてそう言う界王神様と苦虫を噛み潰したような表情のキビトに見送られ、今度こそ俺達はその場を離れた。

 

 

 

よっしゃー!思わぬところでベジット召喚のキーアイテムゲットだぜ!

 

 

 

 

 





キビトの耳についてるのってアレも一応ポタラなのかなあ(´・ω・`)?


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