飛んで行ってしまった界王神や悟空たち、向こうの方がどうなったのかはわからない。
一方会場に残されたこっちのほうは、出場選手が半数以下になってしまったために原作通りバトルロイヤルに移行するようだ。
ビーデルちゃんは元気になったものの結局、「安静にしていろ」とサタンが頑として試合に出るのを認めず棄権となった。
結果、元々16人いた本戦出場選手のうち残ったのは僅か6人。
番号順に18号、サタン、ベジータ、マイティマスク、ブロリー、あとジュエルっていうなんか準モブみたいな金髪の兄ちゃん。
他の皆は失格扱いで、前述の6人全員が一斉に武舞台で闘うことになる。
試合までの休憩時間、観客席へ戻る前に医務室へ寄ってって少しビーデルちゃんと話をした。
「結局棄権することになっちゃったわ。もう、パパったら大袈裟なんだから・・・」
「そんだけ心配してくれてるんだよ、ほんとに死んじゃうところだったからさ。倒れた時お顔もヤバい色してたんだよ?」
「・・・そう。ほんとにありがとうね、助けてくれて」
ベッドで横になっているビーデルちゃんに改めてお礼を言われ、どういたしまして~と笑う。マジでもう少し放っておいたら手遅れになってたかもしんないし間に合ってよかったよ。
「ね・・・悟飯くん、は?」
「ビーデルちゃんを襲ったやつらを追っかけて行っちゃった」
「そっか・・・私あのとき朦朧としてたけど、確かに見たの。悟飯くんが金色の戦士に変身したところ」
ビーデルちゃんは天井を見つめながら、思い出すようにしみじみと呟くように言った。
「彼、あれだけ正体を隠したがってたのに・・・私のために、怒ってくれたってこと・・・よね」
「・・・かもねぇ」
「帰ってきたら・・・悟飯くんにもお礼、言いたいわ」
なんだか想定外に悟飯への好感度が上がっている気がするなあ。結果オーライ。
そんな感じでとりとめのない話をしていると、ドアがガチャリと開いて様子を見に来たらしいサタンが顔を覗かせた。
「ビーデル、どうだ調子は」
「パパ。大丈夫よ、ずっと言ってるけどもう全然平気」
安堵したような表情で頷いたサタンは、ベッドサイドに座ってた俺へと視線を移す。
「んん?ああ、さっきのお嬢ちゃんか。世話になったな。・・・さてはビーデルのファンか?」
「ちがうわ、友達よ。クラスメイトの知り合いだった子なの」
そうでーすオトモダチでーすとビーデルちゃんの隣でピースしてるとサタンはふむ、と再度頷いた。
「そうか。後で礼にわたしのサインをやろう」
遠慮します。
その後観客席へ戻るとチチさんにビーデルちゃんの様子を訊かれたので、もうすっかり元気になったと伝えると安心したかのようにホッと息をついていた。
「よ、よかったぁ・・・悟飯ちゃんの嫁っこに何かあったらと思うと、オラもう気が気じゃなかっただよ」
もう完全に嫁扱いしている。
・・・う~ん、ただの心配だけなら良いんだけども・・・言動のそこかしこから『金持ちの娘を逃がしてたまるか』って意図が滲み出てんだよなぁ・・・。
チチさんのことは普段お世話になってるし、色んな面で尊敬もしてるけどさ・・・こういうあからさまなお金目当てムーブしちゃうトコは、あんまりよろしくないとおもうよ・・・・・。
まあそんだけこれまで大喰らい共の面倒を見て、ずっとお金に苦労し続けてきたことの表れなのかもしんないけどね。
休憩が明けて運営の方針も決まり、いよいよバトルロイヤルが始まることとなった。
武舞台へ残った選手たちが続々入場し始めると、ブルマさんにマーロンちゃんに俺にとそれぞれの関係者の声援が飛ぶ。
原作のときはほぼ18号とマイティマスク・・・もといトラ天ちびっこコンビの一騎打ちみたいなもんだったが、今回はそこにベジータとブロリーが混じっている。
超サイヤ人への変身は禁止だし、イイ感じの勝負が見られるんじゃなかろうか。
みんなそれぞれ、ほどほどにがんばぇ~~~!
試合開始の合図の直後。
ナンパを断られて逆恨みしたジュエルが18号へ飛び掛かり、蹴り一発で場外へ落とされた。
そしてその直後、18号のほうへ一撃を打ち込んだのはベジータだ。
「・・・ふぅん。アンタとこうやって戦るのも久しぶりだねえ。今度は片腕折れちゃわないといいけど」
「ほざけ!!あの時と同じようにいくとは思うな。貴様らのようないつまでも代わり映えのしない人造人間とは違い、オレ達サイヤ人は日々進化を続けている!」
「そう?あんまり変わったようには見えないんだけどね」
「ならば存分に味わうんだな!!」
ベジータは以前18号相手に手も足も出ずボコボコにされたという苦い経験がある。しかも超サイヤ人の状態で。
今回の対戦はその時の雪辱を果たす絶好の機会ということだろう。
未変身ということはつまり戦闘力50倍のバフがつかないということだが、7年間のトレーニングでそのハンデを補って余りあるほどの成長を遂げたのか否か。
両者共に不敵な笑みを浮かべつつ、因縁の対決が始まった。
一方、武舞台の反対側ではマイティマスクとブロリーが向かい合って佇んでいる。
特に構えもせず、ダブついた上着のポケットに手を突っ込んだまま怪訝な顔で小首を傾げているブロリーの視線の先。
対峙するマイティマスクは相手に聞こえないよう声を潜めながらも、その"上半身"と"下半身"との間でボソボソと会話を繰り広げていた。
ブカブカで丈に合っていない衣装のその中身は言うまでもなく、肩車で縦に連なったトランクスと悟天である。
「ブロリーおじさんか・・・オレ正直あの人のことよくわかんないんだよなあ。戦ってるトコロもほとんど見たことないし、ウチに来るときもいっつもボケっとした顔してるだけだしさ」
「ボクはあるよ、修行もいっしょにしたことあるもん。でもぜんぜん本気出してくれないんだ」
「ふーん?いい機会だしパパたちの中で一番強いってウワサ、本当かどうか確かめてやろうぜ!」
「うん!」
そうして二人が気合いを入れ直した矢先、それを見ていたブロリーがようやっと口を開いた。
「・・・ガキ共、さっきからそんなところで何をしている」
「「いっ!!??」」
当たり前のように正体がバレている事実に狼狽するも、トランクスは声を低く繕って誤魔化そうと試みる。
「・・・ななな、何のことかわからないなぁ~?」
あくまでもシラを切り通そうとするその様子に、ブロリーは相手の"下半身"へと目を向けた。
本来腹であるはずのそこには不自然に穴が二つ開いており、そこからもパッチリと大きな目が覗いている。
「おい、チビロット」
ふいにブロリーが口にしたその名前を聞いた途端、思わず反応した下半身が不自然にもこもこプリプリしながら怒り出した。
「あー!またそんな呼び方して~!悟天だっていつも言ってるでしょ!」
「あぁっ!?コラ!!引っ掛かるなよ!」
慌てたトランクスが声を上げ、見事に釣られた悟天も「あっ」と大人しくなるが時すでに遅し。
呆れたように嘆息したブロリーがジトリと冷えた視線を二人へ送る。
「・・・まだ言い逃れするつもりか?」
「うぅ・・・・・」
子供が大人の部に混じっていることも、複数人で結託して戦うこともどちらにせよ明確なルール違反。
発覚すれば一発失格即退場だ。
全く戦わずして追い出されることになりそうな流れに、見るからに落ち込む子供二人。
しかし再度口を開いたブロリーは特に告発する様子もなく、そのまま落ち着いた声で言葉を続ける。
「・・・・・まあ、オレは別に構わん」
「え?」
「大人に混じって戦いたかったからそんなことをしているのだろう?付き合ってやると言っている」
「いいの!?」
途端にパァっと表情を明るくしたトランクス達だったが、次の瞬間にはそのままその表情を凍らせるハメになった。
「ただし」
ブロリーの目の色が変わり、口角が急激に吊り上がる。
ポケットから抜いた拳からはバキボキと音を立て、その様相もトランクスの言うところの"ボケっとした顔"からサイヤ人らしい獰猛な笑みへと見る間に変わった。
「手加減なんぞ、して貰えると思うな」
ブロリーさんは煽り耐性も
それはそうと、今回で番外編を含め50話目の投稿となりました~!
ひとつの連載がこんなに長く続いたのは初めてです。いつも見て下さってるみなさんのおかげ~。
最近また少しモチベが落ちつつあるので、もし面白いと思って頂けたならコメントやここすきなどを入れて貰えると・・・たいへん励みになります・・・・・。
なにとぞなにとぞ。。。。。
そしてまだこの先も付き合って頂ける方は、今後ともどうぞよろしくおねがいします( ˶˙ᵕ˙˶ )