神精樹の実についても公式の情報がほとんどなくてその効果には諸説あると思われますが、いつもの独自解釈独自設定万歳方針でいくので細かい所は気にしないで頂けますと幸いです~。
「あれぇ・・・?だれもいない・・・・・」
シロが神殿へ帰り着いたとき、そこはただ静寂に満ちていた。
せっかく、まだ成長途中だった神精樹に魔法を掛けてまで実を回収し大急ぎで戻ってきたというのに。
「ありゃりゃ・・・ぼっこぼこ~」
誰の気配もないが、改めて見れば元々整然と並んでまっさらだった筈の石畳は今や見渡す限りクレーターと穴だらけだ。
なんだか、どこかへ出かけて戻るその度にどんどんメチャクチャになっている気がする。
しゃがんでボケッとそれを眺めていたシロは、よくよく見ると辺りのそこかしこにピンク色をした小さい小さいスライム状の物体が飛び散っていることに気が付いた。
「・・・あれ?もしかしてブウちゃん?」
おーい生きてるー?とその小さな欠片をツンツンつついていると、やがてそれはぷるりと震え僅かに動き出す。
周りに散っていた欠片も一斉に蠢き出し、やがてシロの見る先で一ヶ所に集まったピンク色のスライムは暫くの間モコモコ変型を続けたあとポンと軽い音を立てて魔人ブウの形へと綺麗に整った。
「ぶぅー!」
「やっぱりブウちゃんだ~。でもどしたの?ちっちゃくなっちったね」
姿は元通りなのだが、そのサイズは元々の3分の1もない。
ブロリーに肉片の大部分を燃やし尽くされてしまった結果、今や残った部分を寄せ集めても精々シロと同じくらいの大きさにしかならなかったのである。
「ぶぅ・・・あのコワイ顔のやつがまた来て、オレのこといじめたんだ」
「こわいかお・・・??」
誰だろ、と首を傾げたシロはしょんぼりしているブウの頭を慰めるようにナデナデと撫でてやった。
「よしよし、たいへんだったねぇ・・・そんなブウちゃんにおみやげがありま~す」
「おみやげ?」
きょとんとした表情で見てくるブウの目の前で、立ち上がったシロは収納を開いて取り出した丸い何かをドサドサとその場に積み上げ始める。
「食べるとつよくなるフシギなくだもの!ブウちゃんにあげようと思っていっぱい採ってきたんだ~」
まるで小山のように鎮座するそれは、数百にも及ぶ大量の神精樹の実であった。
「きっと元気になるよ。たべてごらん?」
その中のひとつを手に取ったシロが差し出すと、ブウはそれを両手で受け取り・・・・・そして大きく開けた口で、かぶりついた。
一方、西の都へ向かったブロリーはというと。
着いた先のカプセルコーポの外庭には人気が無かったが、飛来し膝をついたブロリーをたまたま出てきていたクリリンが見留めて駆け寄ってくる。
「お、おい!大丈夫かよ!・・・とりあえず中入れ、悟空達も居るから」
誘われるまま中庭へ向かうと、そこではキビトが復活パワーを用い負傷者達の治療を行っている最中だった。
「お、戻ってきたかブロリー。・・・おめえさっきまで宇宙に居なかったか?」
ドラゴンボールが石化した直後のあの時に別れて以降、状況は断続的な変化が続いている。
つい先刻にブウの気が消えたことも含め、この場に居合わせる悟空や界王神達からは単独行動中に何があったのかを話せと求められた。
「・・・その前に、聞かせろ。シロを元に戻す方法は本当にもう無いのか」
「・・・・・申し訳ありませんが、私の知る限りでは・・・残念ながら・・・・・」
ブロリーが再び詰め寄るも、界王神はただそう言って目を伏せるのみ。
やはり、一度バビディの術に掛かった者を解放することは出来ないのだろうか。
歯噛みし、気の抜けてしまったブロリーはその場へ腰を下ろすとここまでの経緯をぽつりぽつりと話し始めた。
・・・思えば、たった一晩の間だというのに随分と色んな出来事があったものだ。
ブロリーにとって、それはこれまでの人生で一番長い夜だった。
―――そして、それは未だ明ける気配を見せない。
粗方の経緯を話し終え、バビディと魔人ブウが討たれたと知った界王神は歓喜の声を上げている。
そして悟空のほうからも何があったかという状況の共有がなされた。
何やら知らない間に、悟空が大猿に変えられ敵に利用されかけたのだという。
「・・・よく無事に戻れたな」
「ああ、ベジータに助けられちまった」
ほう、とブロリーが見やる先。キビトにより活力を取り戻したベジータは、二人の視線に気づくとフンと鼻を鳴らし何時ものように悪態をついてそっぽを向いた。
「でもこれで、オラも漸くおめえ達に追いついたぞ!いつまでも負けてらんねぇし、魔人ブウはいなくなったみてぇだけどまた修行して・・・」
「!」
拳を鳴らす悟空がそう言うのを遮るように、唐突にブロリーが何かに反応したような様子を見せる。
再び立ち上がり、神殿のある西の方角へ視線を向けた。
「どうした?」
「・・・シロの気が、戻ってきた」
「お、おう・・・相変わらずあの子のことになるとすげぇなおめぇ・・・・・」
若干頬を引き攣らせて半笑いを溢す悟空には、まだその小さな気を捉えきれない。
「行くんか?もう一度」
「当たり前だ。バビディは死んだがアイツはまだ―――」
―――――その時。
「!!!??」
その場に居た"気を感じ取れる者"全員が、一斉に顔色を変えた。
「こ、これは・・・!?」
「魔人ブウの、気が・・・・・」
「どんどん大きく・・・!!」
消え去っていた筈の魔人ブウの気配が復活したと思った途端、どんどんとその大きさを膨らませてゆく。
現れた直後こそ元々の強大な気よりは弱まっていたものの、そこから10倍になり、20倍になり、・・・まだまだ止まる様子がない。
「・・・どう見る」
「こりゃあ・・・厳しいな・・・・・」
ベジータがぽつりと問えば、表情を硬くした悟空は苦々しくそう零した。
「ま、まさか・・・そんな・・・・・!あなた方でも倒せそうにないというのですか!?」
消え去ったと思い込んでいた危機が再び襲来したらしいことに狼狽した界王神が、焦ったように問うがサイヤ人三人は軒並み険しい表情を崩さない。
そんな中、ベジータが再び口を開いた。
「しかし何故突然こんなことになっている?ブロリーが殺し損ねたのだとしても、こんな一気に強くなるなんて尋常ではないだろう。サイヤ人でもあるまいし」
「・・・・・恐らくは、シロだ」
痛ましげに表情を歪め、思い出したようにブロリーがぽつりと零す。
「何度か宇宙を往復していたようだが、『魔人ブウを強化させる』とか何とかバビディが言っていた。それをアイツがやり遂げたんだろう」
「何!?貴様、その企みを知っていて討ち漏らしたというのか!」
「結果そうなっただけだ。あの魔人も一度は確かに粉微塵にしたはずだが」
「魔人ブウは・・・とてつもない再生力を持っていますから・・・。いくら損傷させても、その身体の破片が少しでも残っていればそこから再生してしまうのです・・・・・」
ベジータがブロリーへ食って掛かるのを制止し、界王神が沈んだ表情でそう言うと悟空もボリボリと頭を掻いて難しい顔をした。
「どっちにしろ、今のままだと勝てなくなっちまったことには変わりねぇ。どうすっかなぁ・・・・・」
そうすると少しの間を置いて、神妙な表情で考え込んでいた界王神は大きく息をつき再び顔を上げる。
「・・・こうなっては仕方ありませんね。奥の手を使いましょう」
「!?界王神様、何かアテでもあんのか?」
「ここにいるサイヤ人の皆さん・・・魔人ブウに立ち向かう強さをお持ちのあなた方に、とある場所までついてきて頂きたい」
その言葉を聞いたキビトは途端にギョッとした表情を浮かべ、治療していた悟飯を放り出し界王神のもとへ駆け寄った。
「か、界王神様・・・!!まさか界王神界へ、あの聖域へ下界の者達を立ち入らせるおつもりですか!?」
「ええ。彼らならば、"アレ"を扱うことが出来るかも知れませんから」
血相を変え物申すキビトとは対照的に、界王神はサイヤ人三人をぐるりと見渡し落ち着いた声で告げる。
「詳しくは向こうに着いたあとで。・・・あなた方に、託したいものがあります」
書きたいものはたくさんあるのに一足早い五月病にやられています_(:3 」∠ )_
みんな~ オラにモチベを分けてくれ~~~