はてさて。
ブロリーとの交流(少年編)がこれで終了したということで、俺もここいらでひと区切り。
次に行く前に、準備というほどでもないがちょっと色々と済ませておこう。
地球に戻るとまずは山へ行き、そこそこ在庫が目減りしていた林檎を再度集めておく。
最初は採りすぎだったかなあと思ったんだが、ブロリーにほいほいあげていると思いの外なくなるのが早かった。
・・・な~んか見てる感じどうやら林檎好きみたいなんだよな、ブロリー。意外だった。
あの子がまだ欲しがるかもしんないし、今回も採りすぎなくらいに採っておこ。収納入れときゃ腐んないし。
・・・あ、いや・・・もう"子"じゃないのか。
次に会うときブロリーはもう青年期、一気に成長しているはず。
馴染み深いあの姿に近づいているはずだ。たのしみだな~~~!!
うひゃうひゃ笑いながら林檎をもぎもぎ。
・・・こうやって林檎ばっか集めてるとサトリ山を思い出すな。あの頃も俺の主食は林檎だった。
今度いくつか焼きりんごにでもしてみるか。
採集を終えた俺は次に湖へと向かう。
そろそろ水浴びがしたかったのだ。
実は時間魔法で遡行を使えば身体や衣服の状態は汚れる前のまっさらに戻すことが出来るんだが・・・なんというか、日本人的な感性としてどうも長期間風呂も水浴びもナシというのは精神衛生上よろしくない。
人気の一切ない奥地の湖を選んだので、遠慮なく服をぽいぽい脱ぎ捨ててぼちゃんと水に飛び込んだ。
季節的には夏なので寒くもない。うひょ~~~~~きもちぃ~~~~~!!
ちょっぴり水遊びもしたりしてしばらく好き勝手に泳ぎ、ある程度気の済んだ俺は水面にぷかぷか浮かびながら少しばかり思考に耽っていた。
・・・前回の交流で、ブロリーとの距離は結構縮められた気がする。
やはりアレはどうみても、俺がその場に現れたから自分で自分を抑えようとした結果の自傷だろう。
その手段の是非はともかくとして、当初目標にしていた『映画本編に入ってから凸っても問答無用で殺されない程度には事前に親しくなっておく』という点はクリアしたとみていいんじゃないだろうか。
いぇ~い!マイルストーン無事消化です。
そのことに達成感をおぼえると共に、もうひとつ気にかかった部分を思い出す。
ブロリーが暴れていたとき、あの苦しそうにしながらも叫び声をあげて無差別に破壊する様子・・・なんだか、どっちかというと新しいほうの超ブロの暴れ方に近くないか?
今俺が交流しているのは旧ブロとも呼ばれているDBZ時代のブロリーだ。本来の彼は破壊を楽しみ、暴れることにもなんら抵抗感や罪悪感などもおぼえていない様子だったはず。
・・・それが、何かしらの影響で変わってきている?
・・・・・・・・・・俺?
いや、そんなことあるか・・・??
しかしここまでの交流で、ブロリーは徐々に態度も軟化してきてくれているし結果としては彼の知らない色々なことを教えることになった。原作でのブロリーと比べてなんというか、情緒がちゃんと芽生えつつあるような・・・そんな雰囲気を少し感じてはいる。
もしその結果、言うなれば"人"っぽくなったブロリーが自分の中の破壊衝動に反骨し始めているのだとしたら。破壊衝動に迎合して心の底から破壊を楽しんでいた本来のブロリーとは違う様子に見えても、おかしくはない。
それこそ超のほうの、生き残って未来の希望が残されたあのブロリーのように。
・・・彼も、そうなれるんだろうか。
まあ全ては仮説、俺の勝手な予想でしかないものの・・・俺が知っていた本来の姿とは違ってきているのは事実。
どうにか良い方向に転んでくれるといいんだけどな~。
顔を半分沈めてぶくぶくしながらひとりごちる。
あんまり長居してもアレなので、身体が冷え切らないうちにと水から上がった。
脱ぎ散らかしていた服をかき集め、改めて遡行をかけて汚れを消しておく。
あ、そうだ。アレも洗っておかないと。
そう思って探してみるも"それ"は見つからなかった。
「あれ?ハンカチどこいった??・・・・・どっかで落としたのかな」
まあいっか。
柄は可愛かったけどそこまでお気に入りってほどでもなかったし。
大して深く考えずに俺は服へ袖を通した。
「よ~し、そんじゃいよいよ大人のブロリーに会いにいくぞ~!」
心の準備を済ませ、いざ転移。
着いたのはどこかの部屋の中、はじめての屋内だ。
設えられた大きな椅子に気怠げな様子で頬杖を突き身体を預けている、予想通りに大きくなった彼がそこにいた。
「ブロリー」
閉じられていた瞼が開くのと俺が呼び掛けたのはほぼ同時。
「・・・シロ」
「うん」
僅かに目を見開いて、確かめるように呟かれた名前に頷く。
立ち上がり俺のすぐ目の前まで歩いてきたその姿は、まさしく俺の記憶にある黒ブロそのものだ。
うわ~~~~~~~マジでほんとにあのブロリーだ~~~~~~~!!!!!
実在してる~~~~~~~!!!!!
「・・・おおきく、なったね」
色々とこみ上げてくる諸々を呑み込み、内心の絶叫を悟られないように出来るだけ柔らかく笑んでそれだけ口にした。
俺は幼女俺は幼女。まだ崩すな。
いやほんともう油断したらなんかいろいろボロボロと出てきそう。
あ~~~でもマジかっこいいほんともう好き~~~~~!!
前回と比べ物にならないくらいに一気に伸びた身長は、小さな幼女のままの俺の三倍近くはある。
よく細マッチョと称されていた気がするその体躯は確かに身長に比べて横幅はないが、しっかり筋肉がついて少年の頃とは見違えるように逞しい。さわりてぇ~。
「お前は、変わらんな」
声もだいぶ低くなって、以前とは別人のよう。
どこからどう見ても、もうすっかり大人の男だ。
「うん、ふろーふしだから。わたしは一生このままだよ」
ほんとはどうにかしたいんだけどな~、と両腕を広げつつ自分の身体を改めて見下ろしてみる。
すると手を伸ばしてきたブロリーにひょいと片手で持ち上げられた。
「わわわわわ」
「・・・軽い」
「ようじょだからね」
口調は平然として返したが、内心ではパニックに近く動揺しまくる。
顔がちけーよ!!!!!
あのさあ旧ブロの映画ってさあ1作目と2作目でだいぶ作画がちげーじゃん??あの整ってるほうのさあ!2作目のイケメンブロリーの変身解いて黒髪に戻した感じ!!あの美形がそのまんま今!!すぐ目の前にいるんだよ!!
なんだこれ現実か?現実だ。ほっぺたつねっても痛くないけど。もちもちしただけ。
わたわたもちもちしてたらふと、目の前のブロリーの額に見覚えのある輪が掛けられていることに気が付いた。
あ・・・やっぱり付けられちゃってたか。
「・・・これ・・・・・、」
「それは・・・・・気にするな」
気にするよ。一気にテンション落ち着いたわ。
・・・しんどいんだろ、それ。
「つらくない?」
「気にするなと言っている」
なおも触れようとしたら遮るように空いていたほうの手で俺のもちもちほっぺを左右からぶにっと掴まれた。やめい。
体格差のせいでブロリーの手は俺の顔全体を覆えるほどに大きく、そのまましばらくむにむにぎゅむぎゅむされて手慰みにされる。まるで岩盤に押し付けられたベジータの如し。
「ぅょぃー」
「なんだ」
「はにゃひへ」
「断る」
断るな。なんでやねん。
幼女のもちもちほっぺをもちもちして楽しいか!!楽しいだろうな!!俺も自分でたまに無意識にもちもちしちまうもん!!
いやこうやってじゃれてくれる程度に気を許してくれたってのは嬉しいんだが。そろそろ降ろしてくれ~。
短い手足で抵抗の意も示しつつ、そうやってわちゃわちゃしてたら話し声を聞きつけたらしいパラガスが部屋を覗きに来て目ん玉飛び出るかってくらいびっくりした顔をされた。
長くなりそうだったので一旦切ります。次回もたぶん平和回。