あたごコレクション   作:今瓜リタ

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14話、〜横須賀3日目〜 あたごの艤装

〜横須賀鎮守府、自室〜

ー0812時ー

朝目覚めると、同室のみらいが難しい顔をして自分の首から外したチョーカー型のSPY-1レーダーを睨んでいた。

 

「どうしたんだ?」

「私、ふと思ったんですけど…どうして艦娘が戦ってるんですか?」

「…どういう事だ?」

「大艦巨砲主義の艦艇は余程の好条件でない限り現代の艦艇にはまず勝てません。深海棲艦は今のところ全て70年前の装備と技術です。つまり大艦巨砲主義の艦。

そんな敵にどうして大艦巨砲主義の艦艇である艦娘で戦っているんでしょうか?

どうして艦娘が現れる前、技術的に圧倒的に有利な状況にいながら現代の艦艇は大艦巨砲主義の深海棲艦に次々と沈められ、殆ど制海権を奪われるまでに負けたんでしょうか?どうして現代の艦艇の艦娘である私達は勝ち、普通の現代の艦艇は負けたんでしょうか?」

「………」

「…ってすみません、あたごさんも分からないですよね」

「……」

「あたごさん…?」

「ごめん、もう一度言ってくれ。1回で理解しようとしたけど無理だった」

「……ふふっ、あたごさんらしいですね」

「え、なにが?」

「何でもないです、じゃもう一度言いますね」

 

 

 

〜ブリーフィングルーム〜

ー0900時ー

ああ、朝のみらいの言葉がずっと頭の中で回ってる…

確かに言われてみるとおかしいよな…なんで艦娘なんだ?

 

「今回は2日間に渡って訓練する。お互いもう手抜きはなし、実戦と思って演習に望むこと。んじゃイーグル、詳しい説明頼む」

「おま…人任せかよ…」

「すまん、詳しいところ忘れた…」

「どうやってその地位まで登り詰めたのアンタ」

「山吹色のお菓子」

「憲兵さんコイツです!ここに贈賄提督がー!」

「え、ちょ、憲兵さん冗談ですよ誤解ですって!嫌ァァァア!誰か助けて!ガチムチのホモ野郎に掘られ痛い痛いすみません大人しくしますから痛くしないでえええぇぇぇぇ……(バタン」

 

2人の憲兵さんに両脇を固められて連行されて行った。

そして暫くすると扉の向こうから…

 

「え、ちょっ、それアーーーッ!!」

 

……秋津提督の声じゃないと信じたい。

 

「秋津…お前の事は忘れない……!さて、んじゃ始めるぞ」

 

ノリ軽っ!?

 

「まず演習開始前に赤と青、それぞれ5枚ずつ入ったくじを引き、赤の攻撃側と青の防御側に別れてもらう。攻撃側の勝利条件は6時間以内に誰か1人が港に上陸する事、上陸した時点で攻撃側の勝利となる。防御側の目的は攻撃側を撃破もしくは拘束し攻撃側の数が0になるか、6時間過ぎても上陸を許さなかった時点で防御側の勝利となる。本日1600に全員艤装を装着して港に集合、1700には攻撃側と防御側に別れ配置についてもらう。演習開始時刻は1800。何か質問はないか?」

「あ、1600までは自由行動っぽい?」

「んー、別にする事もないからそれでいいぞ。他は?」

「俺のVLSはどうするんだ?」

「それは12時半に届く予定だ。あと秋津からVLSの説明とかがあるらしいから1300に部屋に来いだとさ」

「了解ー」

 

 

 

ー1300時ー

言われた通りに13時に提督の部屋の前まで来た。

提督大丈夫かな…憲兵さんに連れて行かれた時結構声大きかったし…

 

コンコン……コンコン…………ガチャ

 

ノックをしても返事が無かったのでこっそりドアを開ける。

 

「提督ー?いるかー?」

 

そこには全身の関節を外そうが骨を無くそうが何をどう足掻いても脱出不可能なぐらいに縛られた提督がいた。辛うじて喋ることは出来るみたいだ。

 

「あたご…ほどいて…」

「… え、俺提督のドMな趣味に付き合いたくないんですけど…」

「違う!加賀さんに少しイタズラしたら気絶して、起きたらこの状態だったんだ!」

「…自業自得だな」

「うるせー!」

「あれ?そんな事言ってもいいのか?ふーん?」

 

そう言って部屋から出ようとする。

 

「え、あ、ちょ、冗談だって!すいませんあたご様!やめて行かないで何でも言う事聞くから!」

「…ったく、しゃーねーな」

 

 

ー5分後ー

「さて、さっきお前の予備のVLSが届いた。そして故障したVLSについて妖精さんから大量の報告書と謝罪文が届いた」

「……え?たかがハッチの故障だぞ?」

 

机の上にある報告書をみると枕にできそうなくらい書類があった。

しかもA4の紙に普通の4分の1ぐらいの大きさの文字がびっしりとあった。

いくらなんでも大袈裟過ぎだろ…

 

「それがVLSのハッチの故障だけじゃ無かったんだ。まず報告書の内容を説明するとだな…

今回の事故の原因はVLSの整備不良や故障ではなくて、同時発射の際の爆風によってミサイルの姿勢制御が困難になった為、パワーを上げた多数のミサイルの熱に同時に晒されたからVLSのハッチが熱に耐えられずに変形したのが原因だ」

「つまり…?」

「パワーを上げたミサイルを同時発射したから熱過ぎてVLSが変形したってことだ」

「じゃあVLSの強度を上げれば問題ないのか」

「いや、そうでもない。誘爆や誤作動、ミサイル同士の衝突を防ぐ為にミサイルの姿勢制御のプログラムを書き換えたりパワーを上げたりミサイル本体に耐熱加工を施していたりしていたらしいんだがそれも足りなかった。運が悪けりゃ初陣の時の同時発射で熱に耐えきれなくなったりミサイル同士の衝突とかで重大な事故、下手すりゃ轟沈していたかもしれないだとさ」

「え、じゃあ今日届いたVLSは大丈夫なのか?」

「妖精さんが改造する前のVLSだ。あと今使ってるそのレーダーやらハープーンやらも向こうに送る事になったからVLSだけじゃなくて他の改造前の艤装も全て届いているぞ」

「え、じゃあ今日の演習は…?」

「改造前の本来のあたごの艤装で参加してもらう」

「わかった…けど俺に使いこなせるのか?」

「改造前の本来の艤装だから今よりはしっくり来ると思うぞ?」

「そうじゃなくて。俺1番最初に妖精さんに、なんとなく90式艦対艦誘導弾よりハープーンのほうが使いこなせる。って言われただろ?」

「ああ、それはたぶん外見的な意味であって戦闘じゃ関係ないと思うぞ?むしろ90式の方が性能は良いし」

「外見的?」

「お前も含め殆どの艦娘は撃つ前に何か台詞を言うだろ?その時に90式艦対艦誘導弾じゃ言い辛いしカッコ悪いからハープーンにしたんじゃないのか?」

「マジで?」

「マジで」

「………いや、それっ…使いこなせるって言葉の前にカッコ良くって単語が必要だろ!?妖精さんは使いこなせるしか言ってなかったぞ!?」

「たぶん言い忘れてたんじゃね?」

「なんっつー適当な…」

 

俺はそれで今まで戦ってきたのか…

妖精さんらしいけどさ………

 

「さて、それじゃ話は以上だ。何か質問は無いか?」

 

そう言われた時、朝のみらいの言葉を思い出した。

 

「じゃあ、関係ない事だけど1ついいか?」

「どうぞ」

「どうして艦娘で戦ってるんだ?」

「ん?どういう意味だ?」

「何で大艦巨砲主義の敵に現代の艦艇が負けて艦娘が勝てるんだ?」

「あれ、言ってなかったか?」

「一度も」

「…分かった、順番に言った方が分かりやすいから深海棲艦が現れた時から説明するぞ」

 

あ、これみらいも連れてきた方がいいかな。

 

「ちょっと待ってくれ、みらいも呼んで来る」

「わかった、じゃあ呼び出すからここに居てもいいぞ」

「ん、了解」

 

そう言うと提督は携帯を取り出しみらいに連絡した。




おいおい…まだ横須賀3日目じゃねえか…
どうなってんだよ作者←

あ、ちなみにあたごのハープーンと90式艦対艦誘導弾の件は実話ですw
ハープーンのほうが打ちやすいしカッコいいという理由でハープーンを使わせました
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