【速報】ブルマ寝取ったったwww【悲報?】 作:粗品もんすたー
三蔵と名乗った青年は昼前にやって来た。
風を切って飛翔して来訪し、音もなく着地した青年は、今度は派手な軍服姿をしていない。
上下を白いジャケットとパンツで揃え、内に黒いシャツを着た、清潔さとスマートさを兼ね備えた恰好であり、洗練されたその出で立ちに誰しもが目を奪われてしまいそうだ。
が、野生児に近い悟空少年にとって、三蔵の外見なんて興味を持つほどのものではないらしい。当たり前だがそんなものより、三蔵が空を飛んできたことの方が遥かに驚くに値したようだった。
「どっひゃぁ……じいちゃんの言ってたキャクっておめぇの事なんか? 空を飛ぶ人間がいるなんて、都会っちゅうのはすげぇ所なんだな……」
「こりゃ、悟空! 客人を迎えたら、まずはやることがあると教えたじゃろ? ほれ、やってみ」
悟空は悟飯に伴われ、玄関の外で三蔵を出迎えていた。
開口一番、大人なら失礼にあたる言葉を口走ると、祖父に優しく窘められた悟空は頭を掻く。
そうだった。こういう時は、なんと言えばいいか教えてもらってた。
悟空はなんとか教えられた台詞を思い出して、たどたどしく諳んじる。
「あっ! えっと………ハジメマシテ、オキャクジンサマ、オラハ孫悟空ッテイイマス、ヨロシク」
「……はじめまして。孫悟空くん。俺は三蔵っていうんだ、こちらこそよろしくね」
両手を胸の前で合わせ、ぎこちなく頭を下げる悟空少年。
慣れない挨拶を口にして、幼い悟空が固くなっているのに、三蔵は感傷に浸るように微笑んだ。
まるで遠い日の思い出に触れたかのような穏やかな笑みに、悟飯は『やはり』と確信を深めた。
三蔵は屈んで手を差し伸べて握手を求め、握手を知らない故に戸惑う悟空の小さな手を握る。
「今日は孫悟飯さんと、孫悟空くん……君たちに話があって来たんだ」
「じいちゃんとオラに?」
と、そこで悟空の腹が盛大に鳴る。昼前だからだ、そろそろ食事の時間である。
悟飯は苦笑して三蔵と目を合わせる。
丁度、昼の支度を済ませたところだ。三蔵も食事の席に招くつもりで。
「……じ、じいちゃん。オラ腹減っちまった」
「そうじゃろうな。どうかね、三蔵殿。貴殿も一緒に食事でもしていかれんか」
「恐縮です。遠慮なくご相伴にあずかります……と言いたいんですが、実は俺は大食漢でして。恥ずかしながら持参した物があるので、お出ししてもよろしいでしょうか」
「はっはっは! 構いませんとも。悟空と同じで健啖であろうとは想像がついておりました。わしの用意できるものでは満足できますまい、遠慮せずお出ししてくだされ」
悟空の手を引いて家に入り、三蔵を親しく招いて食卓につく。
食卓には既に大量の肉と魚が調理され、大皿に乗せた状態だった。老人の悟飯だけなら一週間は過ごせて、大食いの悟空でも一度では食いつくせない豪勢なご馳走になっている。
お行儀よく食べはじめの合図を待っている悟空は、涎を垂らして悟飯を急かしていた。まあ待てと制止する悟飯が三蔵に視線を向けると、三蔵は懐からホイポイカプセルを取り出した。
ボタンを押して、ぽいっと食卓の横にカプセルを投げると、そこから飛び出したのは贅の限りを尽くした美食の数々。テーブルごと現れたそれに「わぁっ」と驚きはしても、悟空はすぐに目を輝かせた。
予想以上の物に目を点にする悟飯へ、ニッ、と衒いのない笑顔を見せてから三蔵は両手を合わせた。
「早速ですが、頂きます。悟飯さんも、悟空くんも、気になったものがあればなんでも食べて下さい。俺も悟飯さんのお食事に、手をつけさせていただくつもりなので」
「お、おぉ……とても食べ切れそうにないと思うんじゃが……」
「な! な! じいちゃんもういいだろ!? いっただきまーす!!」
我慢の限界を迎えた悟空が食事をはじめる。
ガツガツと豪快に食べる少年を皮切りに、三蔵も洗練された所作で手と口を動かした。
悪名高いレッドリボン軍を壊滅させるのに功績を上げた、ブルースカーフ軍の英雄。
三蔵の名は半ば隠棲していた悟飯でも、聞いたことぐらいはある。赤ん坊だった悟空の育児のため、買い揃えたいものを入手しようと人里に降りた時に知ったのだ。
今をときめく英雄ともなれば、色んな所にも顔を出さねばならないだろうし、様々なマナーを修める必要に迫られたことだろう。まだ若いのに随分と苦労しているのだなと、悟飯は完璧過ぎるマナーを、恐らく無意識に守っている三蔵を見ただけで察してしまい、感心するべきか同情すべきか少し悩んだ。
が、そこはそれ。折角用意し、そして出してもらった物を前に何も食べないわけにもいかない。
悟飯も箸を持って、ゆっくりとご馳走を口に運び始めた。
「はあ……! 食った食った! こんなに腹一杯になったの、オラはじめてだ! もう何も食えねえ」
パンっパンに膨れた腹を出して、満足げに撫でる悟空少年は満面の笑顔だった。
子供が満腹になって、幸せそうにしているのは良い事だ。が、これから大事な話が控えているのが分かっているのに、話せもしなくなるほど食べるほど悟飯は馬鹿じゃなかった。
悟空の何倍も食べていながら、平気な顔をしている三蔵の胃袋はブラックホールかもしれない。いや悟空もいずれはそうなるのかと思うと、エンゲル係数がどこまで膨れ上がるか心配だ。
「ご馳走様でした」
「お粗末様です、それと、こちらもご馳走になりました」
互いに礼を交わして、老人と青年は悟空を一瞥する。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべる悟空だったが、満腹になった子供など、すぐ眠くなってしまうものである。睡魔が訪れる前に、さっさと話をはじめた方がいいと悟飯は思った。
「……さて。三蔵殿、もうよいでしょう。そろそろ貴殿の用向きをお伺いしたい」
「じ、じいちゃん……? どうかしたんか?」
ナフキンで口を拭い、居住まいを正して悟飯が言うのに、三蔵も穏やかな表情で頷いた。
悟飯の様子の変化。感じたことのない緊張感を察してか、悟空もほんの少し体を固くする。
「大丈夫だよ悟空くん。君のお爺さんは誤解してるようだけど、俺が持ってきたのは悪い話じゃない」
「???」
「わしが誤解を……?」
「ええ。まず悟空くん、これを見てほしい」
言いながら三蔵の腰元から尻尾が伸びてくる。悟空が目を見開いて立ち上がり椅子を蹴倒した。
「そ! それっ! オラと同じ尻尾! なんでおめぇにも尻尾があるんだ!?」
「見ての通り、俺には悟空くんと同じ尻尾があるんだ。君のお爺さんはね、俺が昨日訪ねた時にこれを見て、俺を君の親族だろうと誤解してしまった。血縁者じゃない自分から、悟空くんを引き取りに来たんだろうとね。違いますか、悟飯さん」
「……ヒキトル、ってなんだ?」
「君をお爺さんから引き離してしまおうってことだよ」
「え!? オ、オラ嫌だぞ、おめぇのことなんにも知らねえし、じいちゃんと離れたくねえ!」
「もちろん、君の意思を無視して引き離したりはしない。安心してくれ、悟空くん」
警戒心を剥き出しにし、三蔵に敵意を向ける悟空だったが、挑みかかるような真似はせず悟飯の隣に駆け寄って、その腕にひしりとしがみつく。野生児に近い悟空なら、嫌な奴には飛びかかりそうなものなのに、だ。
恐らく悟空は、無意識の内に三蔵の強さを感じ取っているのだろう。自分では絶対に敵わないと感じているから、悟飯という保護者を本能的に頼ってしまっている。
悟飯は難しい顔で三蔵の目を見詰めた。しかし内心の困惑は隠せていない。
「……貴殿は悟空の血縁者ではない、と?」
「ええ。例えば地球に住んでいる同じ人間、同じ人種だからと、貴方は赤の他人でも親兄弟、息子や娘だと思えますか? それと同じことです、俺は確かに悟空くんと同じ人種ですが、血の繋がりは全くありません。ですのでどうかご安心を、俺には悟飯さんと悟空くんを引き離すつもりはありませんので」
「…………」
悟飯の目が鋭くなる。
内心では自らがした誤解に、先走った感を覚え恥ずかしくなっていたが、違和感は見逃さなかった。
三蔵も恥ずかしがっていたのだ。まるで……自分の経験から察するに、恥ずべき記憶を思い出して、身悶えしたくなっているような、若き日の過ちに苦しんでいるような……味わい深い表情。
三蔵は単にその場のノリと勢いで、龍球でサイヤ人になった自分を恥じていただけだが。
これは誰にも言いたくない、墓場まで持っていくべき黒歴史だと自省しているのである。
そんな訳なんて悟飯に分かるわけもなく、三蔵の表情の変化を気のせいだと判断した。
「俺の用件は孫悟飯さん、それから孫悟空くんの二人を、俺が構想する地球圏防衛の要……BS軍へ招聘することです」
地球圏防衛。
突拍子のない話に、悟飯は目を点にした。悟空はチキュウケンという言葉自体を理解してない。
戸惑う以前に理解できない話に固まる老人に、青年は真剣な表情で語る。
「孫悟飯さん、貴方が養育した悟空くんは地球人ではありません」
「……悟空が宇宙人じゃと言いたいのですかな」
「はい。悟空くんは遥か彼方で滅亡した、惑星ベジータで生まれた戦闘民族サイヤ人なんです」
荒唐無稽な話だった。
三蔵が言うには、サイヤ人とは血と暴力を好む残虐な民族であり、宇宙中に悪名が轟いた悪魔のような存在であるらしい。しかし宇宙の帝王と称されるフリーザなる者に屈服し、フリーザ軍にて地上げ屋となり、星を制圧して回っている、と。
宇宙には数多の脅威が存在しており、現在の地球では、仮に標的にされようものなら抗う術がない。彼我の戦力差は悟飯の戦闘力を100とした場合、10000を超えるような輩がそこら中に存在しているため絶望的だ。この差を埋め、更に三蔵も知らない脅威に備えるには強い戦士が不可欠である。
悟空は戦闘力の素養が低い赤子を、脅威度の低い惑星へ向かわせる、飛ばし子というサイヤ人の風習により地球へ来た、謂わば侵略者の一員だった。だがなんの偶然か、悟空はサイヤ人としての使命を忘れ、現地民である悟飯を慕っている。なら味方にしてサイヤ人の才能を活かさない理由はないだろう。
⸺⸺三蔵はそのようなことを言った。
「………信じられん」
当然、悟飯の反応はそうなる。
地球の文明は未だ宇宙に飛び立てる域には届いていない。
地球人は宇宙について無知であり、知らない領域の話をされても信じられないだろう。天動説が主流の時代で地動説を説き、根拠もなく信じろと強要しているようなもので、そんなのは無理な話だ。
「では悟飯さん。俺が嘘を言っていない……言う必要がない証拠をお見せしましょう」
「そんなものがあるなら、是非見せていただきたい。わしも貴殿を疑いたくありませんのでな」
「ありがとうございます。二人とも、気を強く持ってください。これより俺の氣を感じてもらいます」
言って、三蔵が席を立つ。
忠告された時点で悟飯は嫌な予感がした。
三蔵が抑え込んでいた氣が解放される予兆を感じ、本能が逃避を選ばせようとしたのだ。
悟空と悟飯は、ざわりと総毛立つ。黒髪黒目の青年が、微かに力んだ瞬間⸺⸺金色のオーラが解放され、金髪碧眼の戦士に変貌したのである。途方もなく巨大な氣の奔流は、現環境で慣れきっていた地球人ならショック死しかねないもの。そうならなかったのは、悟飯が心の準備をして、かつ三蔵自身が氣の圧を悟飯に向けていなかったからだった。
「なっ……なっ……!?」
体が萎縮する。圧倒されるあまり、意図せず喉が震え、勝手に声が漏れた。
凄まじい氣の力は大気を振動させるどころか、地球を揺らしてもおかしくない。なのに星はおろか悟飯の家すら小揺るぎもしてないのは、三蔵の氣のコントロールが完璧で、外部に一切の影響が出ないようにしているからだろう。三蔵がその気になれば地球は一撃で破壊されると直感的に理解させられた。
三蔵が黒髪黒目に戻り、氣を抑える。そうしながら明後日の方を見て、ごめんと謝る素振りをした。
(⸺⸺すんません、驚かせましたね、神様)などと、最近やっと顔を合わせた存在に謝っているとは知らず。腰が抜けて椅子に座り込んでしまっていた悟飯は、呆然と目の前の青年を見上げた。
「お分かりか。この地球上に俺より強い奴は一人もいません。今のところは、ですがね」
「………きっ………貴殿の強さは、肌で……感じた。す、すまんが………三蔵殿。貴殿がいれば、そ、それで十分なんじゃないかのう………?」
孫悟飯は氣を操れる達人である。故に、彼は三蔵の強さを、言葉で説明されるより圧倒的に、鮮明に理解させられていた。だからこそ率直な意見が口をつく。三蔵だけでいいじゃん、と。
三蔵が嘘を吐いて悟飯たちを騙す必要はない。嘘を吐かず、力の差を見せつけ、強引に悟空と悟飯を連れていけるはずだ。なのにそれをしていない時点で信じざるを得ない。というよりこんな規格外の氣を持つ存在が、同じ地球人だとは信じられない、といった方がいいだろう。
悟空もまた腰を抜かしている。ふるふると全身を震えさせて怯えていた。
可哀想に……と悟飯が心配しようとするのを尻目に、三蔵は改めて答えた。
「残念ながら俺だけでは十分じゃありません。今の俺より強い奴はこの世に幾らでもいる。俺は幾らか事情通ですが、そんな俺でも知らない強者が唸るほど存在してもおかしくない。それがこの宇宙です」
「……なぜわしを? 悪いがこの老骨では……貴殿に敵わんものに、太刀打ちできるとは思えん」
「そうでしょうね。しかし悟飯さんに期待しているのは、直接的な戦闘力ではありません。気功術を指導する後進の育成がメインになります。悟空くんに期待しているのは直接的な戦闘力ですが」
「ご、悟空が………貴殿のお役に立てると?」
「役に立つなんてもんじゃありません。この子は俺以上に強くなれる可能性がある。いや、きっとなると俺は思っていますよ」
そんな馬鹿なと悟飯は思った。思ったが……怯えていたのだろうと思っていた少年が、目をキラキラさせて青年を見上げて駆け寄ったのを見て思い出す。そうだ、悟空はこの青年と同じ存在だった、と。
となると、もしかして、もしかすると、ほんとうに……悟空がこの青年の域にまで辿りつけるのか?
気になりはじめると、胸が踊ってくる。ワクワクしてきた、と言ってもいい。
「お、おめぇさ、すっげぇ強ぇな! オラよく分かんねーけど、おめぇが強ぇのは分かったぞ! なあなあ、おめぇ三蔵って名前だったよな! オラもおめぇみてぇに強くなれんのか?!」
「なれる。望めば望むだけね。俺も君がよしとする限り、強くなる手助けを惜しまないよ」
「ほんとか!? なあじいちゃん! オラ、強くなりてえ! そんで、三蔵と戦ってみてぇ! きっとワクワクすると思うんだ!」
「……………」
悟飯は孫同然に可愛がってる少年の訴えに、自らの心が動くのを自覚した。
いいだろう。悟空が行きたいならどこへでも行っていい。……そう言ってやりたい。
だが、迷う。逡巡する。それを見て、三蔵が言った。
「悟飯さん、貴方の危惧するものは分かります」
「……そうじゃろうな。昨日、貴殿が悟空を鎮めてくれたんじゃ。分かってくれよう、悟空を人里に出してしまえば、無関係の人々に危険が常に付き纏うことになるのを……」
「なんで?」
悟空が首を傾げる。少年はまだ、自身が大猿の化け物に変貌することを知らないのだ。
しかし三蔵はあっさりその悩みを切り捨てた。
「悟飯さん。俺がいる限り、悟空くんが大猿になってしまうことはありませんよ」
「???? オラが大猿に………? 何言ってんだよ、オラは大猿じゃねえぞ?」
「なぜ言い切れるのですかな、三蔵殿」
「俺はサイヤ人の特性を研究しています。結果、サイヤ人は月が発するブルーツ波を、瞳で受信することで大猿に変身すると突き止めてるんです」
ブルーツ波とはなんぞや。
詳しい説明はされなかったが、大猿に変身するメカニズムを三蔵が知っているのは分かった。
⸺⸺三蔵はこうして悟飯達に接触するまで、ゲロを使いサイヤ人の特性を研究していた。
大猿の秘密。超サイヤ人への変身の秘密。それらを研究しているからこそ、培養したS細胞を注射器で注入し、無理矢理にS細胞を体内に増やす研究をして、科学的な手法での探求を欠かしていない。
今の所、自分にしかやらないつもりではいる。悟空やベジータが、そんな方法で強くなるのを望むとは思えないからだ。が、自分にそんな拘りはない。効果的なら実行するつもりである。
「俺は大猿への変化を抑える術を持っています。尻尾を切るまでもありません」
「……どうやって抑えるつもりですかな」
「俺の奥義に金剛圏というものがあります。これの派生で緊箍児という技があり、悟空くんの額に嵌めることでブルーツ波を遮断するんです。大猿化した状態だと厳しいんですがね……今度機会があればお見せします」
「…………」
「悟飯さん、貴方も悩んでいたでしょう。悟空くんを育てる中で、この子を人里に出すわけにはいかないことに。しかし俺がいる限りその心配をしなくていい。貴方も見たくありませんか? 悟空くんが普通の子供らしく、学校に行って、勉強をして、友達を作って、恋をしたり遊んだり……そうした中で成長していくところを」
三蔵に言われ、悟飯は。
悟空が大猿に変身することを知ってしまって以来、彼をこんな山奥で閉じ込めるように暮らしていくことを決めたのを思い出し。悟空が大きくなるにつれ、本当にこのままでいいのかと悩んだのを思い出し。孫同然に可愛がっていながら、悟空を一人残して先に逝った後、どうしてやれるかを決められていない不甲斐なさに苦しんだのを思い出し。
悟飯は、決めた。
「………正直信じるかも疑うかも曖昧じゃったが、それを言われたら困るのう………」
「存分に困って下さい。困るのは、今日限りでお終いです」
「………したたかですな、三蔵殿。悟空の未来の話をされては、わしには頷く以外の選択肢がないと見透かしておる。まったく………とんでもない殺し文句じゃわい。お手上げ、わしの負けよ」
「では?」
ゆっくりと腰を上げた悟飯は、立ったままだった三蔵に握手を求める。
「行くよ。宇宙人やらなんやらは分からんが、悟空の未来をより善きものにしたいのは確かじゃ。というわけで、ひとまず貴殿の世話になる。よかろ?」
「ええ。よろしくお願いします」
老人の手を、青年が握り返した。
話は纏まった。筋書きが変わった瞬間である。